全29件 (29件中 1-29件目)
1
私は15年位前にルイジャナ州ニューオリンズのサウザン大学で5か月位日本語を教えたことがあり、滞在中に芸術・文化学部の学部長に随分親切にして頂いた。その先生は台湾系アメリカ人でアメリカで成功し、アメリカの大学教授になった人だが、私を同じ東洋系ということで、かわいがってくれて、家に招待してくれたり、ジャズバーにつれて行ってくれたりした。もう10年以上会っていないが、先日手紙をくれて、母国台湾から特別講演を頼まれて8月1日から1週間ご夫婦で台湾に講演に行くので、その後1週間日本に寄るとのことで、山梨にもお呼びしようと今準備している。お孫さんが東北大学で学んでおり、その孫さんが、スケジュールを作ってくれているが、お孫さんもアメリカ人で日本は不案内なので私が富士山とか昇仙峡とかをご案内しようと思っている。成田から無事甲府に来てくれればいいが、心配で時間表などを今送ったところだが、何分遠く離れた人同士なので逢えるまで心配だ。無事会えたら家内共々ささやかな歓迎の宴を開こうと思っている。その先生は日本酒を好きだったので、おいしい日本酒も準備しておこうと思っている。
2009.07.30
コメント(2)
今日、机の上を片付けていたら、日本胃がん予知・診断・治療研究機構のニュースレターが出てきた。そこに北海道大学の浅香正博教授が、ピロリ菌を除菌することによって、胃がんの発生が3分の1以下に抑制されるとする研究論文を2008年8月2日号のランセット誌に発表したと述べていた。除菌で胃がん発生を抑制することは分かったが、全ての胃がんの発生を抑えることができないことも分かっているので、我が国から胃がん死をなくす方法について提言していた。今までのように全員一律に胃のレントゲン検査を行う方法は無駄も多いし、効果も少ない。まずピロリ菌検査を全員に行い、陽性者には全員除菌を行って、その上で、定期的な検査を受ける方法がベストである。検査法としては、早期胃がんを見つける訳なので、バリウムを飲むレントゲン検査は意味がなく、ペプシノゲン法も有用性に乏しく、定期的な内視鏡検査がよいと述べていた。我が国の胃がん検診は世界に先駆けてバリウムを飲むレントゲン法で始まったが、今後胃がん検診の方法も変わっていくのではないかと思われた。
2009.07.29
コメント(4)
自宅の机の上が乱れきっていた。買ってきたばかりで読んでない本、送られてくるが封を切らないまま積んである雑誌、郵便物や薬の宣伝パンフレット、買ってきたCD等、忙しくて数日放置しておくと手がつけられなくなってしまう。今日は思い切って端から捨てたり本箱に入れたりして、整理を行った。捨てようと思う本のなかに興味ある記事があると、読みだしたりして、中々時間がかかった。中に市役所からの手紙があり、開けてみたら市民税不足分3000円払いなさい。期限は6月30日までとあった。急いで市役所の支所に払いに行ったが、学会費未納の通知など、重要な郵便物が何通も下の方に埋没していた。疲れて帰ってくると郵便物などがあっても、そのまま机の上においてしまうことが多い。毎日のことであっという間に山と積まれてしまう。今日の整理で返信期日が過ぎたものが何通もでてきて、ずいぶんだらしない生活を送っている人だなと思われてしまったと思うが、これでも勤めでは朝から粗相ないよう必死で勤めている。勤めではきちんとしているからといって家ではだらしない生活をしていていいという訳ではないので、今度は少なくとも郵便物はその日に来たものはその日にチェックしようと思った。毎日来る郵便物はダイレクトメール等が多く、ついつい封を切らないで夕食の食卓などに座ってしまうことが多かったが、食卓に座ってからでもいいから必ず目を通すことにしようと心に誓った。
2009.07.29
コメント(0)
7月23.30日号のメディカルトリビューン紙に、小児期のいじめは思春期に精神病性症状を発現する傾向が強いとの研究論文が紹介されていた。英国のアンドレア・シュレイアー博士らは6,437人の子供について継続的に調査し、8~10歳の小児では46.2%がいじめに遭っており、13.7%が広範囲の精神病性症状を発現したとしている。この発現リスクは、家庭の不幸、子供のIQ,他の精神病等とは無関係にほぼ2倍の頻度で出現し、いじめが常習的、または重度であるほど関連が強かった。とのことである。いじめはいけないと言われながら、それがその子の将来にどのように影響するかの研究は少なく、この研究も方法論やデータの出し方などに問題があり、素晴らしい研究とはいえないが、それでも将来に目を向けた研究として注目される。教育の目標は知育、徳育、体育、だが、体育というとスポーツで優れた成績を残せる児童生徒を育てることに目がいきやすいが、病気にならない健康な体に育てることも重要である。いじめが精神病性症状を出現させるとするなら、国語、算数などの教科カリキュラムと並んで、いじめをなくす教育基本カリキュラムをつくって、健康な子供を育てる教育体制を確立してもらいたいと願う。
2009.07.28
コメント(0)
今村上春樹の「1Q84」を読み終えたところである。1巻が554ページ、2巻が501ページで結構ボリュームがあって読み切るのに時間がかかった。セックス描写が頻回に出てくる通俗小説で、1巻はともかく2巻はかなり雑な構成で、文章も雑で途中で馬鹿馬鹿しくて読むのを止めようかと思った。それでも最後は見事にまとめてくれるのではないかとの期待もあり、読み続けたが、最後になればなるほど、失望させられた。1巻ではそれなりの広がりがあり、これからどうなるだろうかとの興味がわき、想像力を高めることができたが、2巻ではその想像力を全く満足させないようなお話で、1巻だけで終っていたらそれなりに評価できた作品だったかもしれない。2巻では住む世界の違いにより、月が二つ見える設定とか、人々の心を読み取ったり人々の生活を左右するリトル・ピューピルなどを登場させてSF的感覚を出そうとしていたが、論理性がめちゃくちゃで、リトル・ピューピル派と反リトル・ピューピル派がごっちゃになったりして、説明等が矛盾に満ちており、娯楽読み物としてもかなり拙劣で、充分な推敲をしたとはとても思えなかった。作者は最近エレサレム賞を受賞したりして世界的にも知られた高名な作家だが、少なくともこの作品は急いで書いた関係か、かなりレベルの低い作品で、貴重な時間を費やして読む本ではないと感じられた。
2009.07.26
コメント(0)
サルスベリ:ミソハギ科サルスベリ属、落葉小高木、原産;中国南部、花言葉「雄弁」「潔白」「世話好き」「愛敬」山梨大学循環工学科教授北村眞一氏が主宰する月一回の環境問題を考える勉強会に行って今帰ってきたところである。今回の講師は飯田蛇笏の息子飯田龍太(笛吹市境川在住)に師事して数々の名句を詠まれている俳人、斎藤史子先生が講師で大学の正門の所に生えていたねこじゃらしを抜いてきて机の上に飾ってそれを季語にして各人3句ずつ詠んでそれを参加者で評価しあう句会が行われた。参加者は講師を除くと6人だったが、そのうち俳句の心得がある人は一人で他は私を含めて全員が全くの素人だった。みんな初めてだとのことだが、結構いい句を詠んでいた。「かやぶきの屋根に一輪猫じゃらし」これは俳句を作ったのは初めてという北村教授の句だが、私を含め二人の人が推薦していた。私はいつも家内に草取りをさせられているので、実感として、「家の庭 取っても取っても ねこじゃらし」と詠んだら一人の人が推薦してくれた。初めての俳句づくりだったが結構楽しい一夜であった。環境と俳句とどういう関係があるのだというご仁もおられるかもしれないが、環境といっても自分の心の中の問題なので俳句も大いに関係あると思っている。これを機に今後色々な情景を見て俳句を詠んでいこうと思っている。
2009.07.24
コメント(4)
芙蓉:アオイ科 落葉低木、中国原産、花言葉「しとやかな恋人」「繊細な美しさ」「富貴」明治45年東雲堂発行の「悲しき玩具」(定価50銭)の復刻版を読んだ。石川啄木は明治45年4月13日午前9時30分に28歳でその生涯を閉じた。その4,5日前に友人の土岐哀果が病床を訪れた時、金がないので大学ノートにしたためてある、短歌を東雲堂と交渉して本にするように頼まれた。その時元気になったらあれもしたいこれもしたいと言っていたが結局死後の発刊となってしまった。その歌集は194首を収め、「一利己主義者と友人との対話」という会話形式のエッセーと「歌のいろいろ」という朝日歌壇の選者だった頃、朝日新聞に連載された感想文も巻末に収録されていた。啄木には明治43年発行の歌集「一握の砂」定価60銭、551首収録、もあるが、その歌はいずれも時代を超えて老若男女全ての人の心に響き、感動させられれる。5,7,5,7,7の31文字にその感情や情景を表すことにかけては当に天才だと思う。その大天才が書いた「一利己主義者・・」と「歌の・・」はさぞかし素晴らしいかと思いきや全くの駄文と感じられた。短歌における大天才も文章を書くとなると文人の中では平均以下ではないかと思われた。石川啄木は短歌における大天才である。今までもそうだったし、これからもずっと多くの人の心を魅了し続けると思う。しかし生活力、金を稼ぐこと、広く交際する能力、文章を書く力などはその天才とは全く別のものだと思われた。スポーツの天才、音楽や絵画の天才、手術の天才等がいるが、スポーツや芸術、手術の全ての分野で天才ではない。手術でも脳外科手術は天才でも、胃の手術は平均以下ということもある。水泳の平泳ぎの天才でも飛び込みは全くだめということもある。私たちは凡人で、「天才はすごいなあ」と思いがちだが、それは極めて狭い範囲の才能のことが多い。だとすれば我々凡人も、何かうんと狭い範囲なら天才と呼ばれてもいい才能を全ての人が持っているのではないかと感じた。
2009.07.22
コメント(0)
やっと解散総選挙になった。自民か民主かそれとも他の党か選択が迫られれているが、国民は今こそ襟を正す時だと思う。4年前の郵政選挙では小泉派の新人候補が次々と当選した。小泉氏はこれは郵政民営化選挙だと喧伝し、圧倒的多数で勝利をおさめた。政治は郵政だけではない。防衛、外交、経済、福利厚生、教育と様々な分野がある。郵政のための選挙なら、それが国会を通った段階で即解散して、良識ある国会議員を再度選び直す必要があったと考える。小泉氏のパフォーマンスに踊らされて国民は郵政以外の将来の国政のことも考えずに小泉派に投票した。今回の選挙では自民党の敵失によって、自民はだめだから民主にと4年前に小泉派に雪崩をうって投票したと同様の傾向がある。解散する前の政治混迷の原因は麻生政権にあるような風兆が強かったが、それ以上に国民にその責任があると考えている。パフォーマンスやその時のムードに踊らされて尊き一票を安易に行使してきた国民こそ、政治混迷の最大責任者だと思う。今度当選する人達の任期は、解散があるので4年間は保障されないが、それでも目先のことだけでなく、数年先のことまで考えて立派な候補者に投票してもらいたいと願う。
2009.07.21
コメント(0)
4月出産予定で3月から我が家に里帰りしていた娘達が今つくばの家に帰って行った。赤ちゃんが生まれて母親が病院に泊っているのを2歳の孫娘がお見舞いに行き、帰り際に「ママ帰ってくる?ママ帰ってくる?・・・」と涙の別れをした4月も遠い過去になった。生まれた赤ちゃんも大きくなり丸々と太って抱きあげればずっしりと重くなった。孫娘と動物園に行ったり、公園に行ったり、スーパーに買い物にも行った。自分は仕事を持っているうえ、本を読んだり、パソコンをしたりするのが好きな性で、夜等も部屋で仕事をしていることが多かったが、トントンとドアを叩かれれば開けないわけにはいかない。部屋で私が絵を描きそれに色を塗るのを楽しみにしていたようだ。週末にパパが来る時にはパパの方がいいので私の部屋は訪ねてこなかったが、それ以外の時は結構遊びにきてくれた。その彼女達はもう帰ってしまった。学会発表のスライド作りなどの時は煩わしく感じたこともあったが、いなくなってしまうとさみしい。
2009.07.20
コメント(6)
トムウラシ山遭難ツアーは55~69歳の男女15人とガイド3人という構成だった。15日にヒサゴ沼避難小屋を出発する時は激しい風雨で出発を中止した方がいいと申し出たツアー客もいたがガイドは午後から天候は回復すると判断して午前5時30分頃出発した。昼前に山頂に近い北沼付近で女性一人が低体温症で歩行困難になった時そこに客5人ガイド2人の計7人を残して本体は一人のガイドと共に頂上を目指した。残された7人のうち4人が凍死した。ガイド3人で話し合って進むか退くかを決めたのだと思うが、先に進みたい客と引き返した方がいいと思っていた客がいたと思われる。ガイドとしてどう判断するかは一番体力のない人を基準に判断すべきだと思われるが、今回の判断では一番体力のある人を基準に判断していたように思われる。3人のガイドもそれぞれ考えが違ったと思われるが3人の内最も発言力が強くて強引な人の意見に従ったものと思われる。その人はこんな大惨事が起きるとは夢にも思っていなかったと思われ、これしきの天候で音を上げるとは、山男、山女として恥ずかしい位にしか思っていなかったのではなかろうか?或いは本社と連絡をとって指示をあおいでいたのであろうか?自分はガイドでレベルは高いが、一般客のレベルはまちまちである。各人のレベルを把握しながらリーダーシップをとっていれば今回の惨事はなかったものと思われ、リーダーの役割、思いやりの大切さを改めて痛感した。
2009.07.20
コメント(2)
今朝の新聞に、B型インスリン抵抗症という糖尿病患者さんをピロリ菌を退治することによって根治させることが出来たとする研究を東北大学のグループがランセットに発表したとの記事が出ていた。糖尿病は現在増え続けており、それに悩まされている人は多い。食事療法や内服薬、インスリンでコントロールがうまくいっている人が多いが、日常生活で不便を感じておられることには変わりない。病気の原因を突きつめてその基を治してしまえば薬もインスリンもいらないわけで、病気の原因研究はきわめて重要である。今回発表されたのは糖尿病の内の特殊なタイプについてのものだが、そのほかの糖尿病についても真の原因がみつかることを心より願っている。ピロリ菌退治は胃がんの予防にもなることが多くの研究で確認されている。舛添厚生労働大臣は、ピロリ菌治療を保険で認めてくれるよう全力で努力してもらいたいと願っている。
2009.07.19
コメント(0)
サンデーモーニングを観た。今回は寺島さんが出ていてよかった。今度の選挙は自民党は分裂選挙になり、政権党ではなくなることが出席者全員の共通認識だった。とすれば鳩山民主党党首の次期総理大臣はほぼ間違いない。しかしある意味では麻生総理を選出した自民党の敵失によって棚からぼた餅式に転がり込んでくる総理の椅子でもある。ここで棚からぼた餅ではない総理としてふさわしい人を考えてみたいと思う。サンデーモーニングというテレビを通してだけだが私は寺島さんがふさわしいように思う。適切な世界情勢や経済の分析、歴史感、教育や福利厚生に対する愛情、軽薄ではなく謙虚である等々、指導力については未知数だが優秀な参謀を得ればかなりのことができると思う。麻生降ろしで代わりに起てようと思った人材は舛添さんみたいだが、舛添さんはバイタリティーはあるし、弁もたち、正義感もあるので、自民党の中では目立っているが、世界感、歴史感等で寺島さんの比ではなく、野党となる自民党の総裁にはふさわしいかも知れない。東国原さんは人気はあるが、人格的に失格である。総裁にしてくれるなら自民党から国政にでると言っていながら、反対が大きいと知ると取りやめた。バイタリティーがあり、国民、県民本位の姿勢は多くの支持を得ていたと思う。混迷せる今の国政に打って出て、宮崎県の知事選の時のように大旋風を巻き起こし、国政に活を入れてくれることを期待した人も多いと思う。知事任期途中でそれを投げ出すような形で国政に出るのは周りから当然反対されるだろう。でも一国の総理大臣を目指すなら、どのような反対をも押し切って、この政治混迷の時に勇気をもってそのチャンスを生かして第一歩を踏み出すべきだったと思う。今回の選挙では自民党は負けるが、次の次に対する布石にはなったと思う。素質的には寺島さんの比ではないが、人気とバイタリティーで、参謀の選び方によってはそれなりの政治を行ってくれるかもしれないと思っていたが残念である。
2009.07.19
コメント(0)
今猛暑が続いており、程度の違いはあるが熱中症もしくはその疑いの患者さんが何人か外来に来られた。一方で北海道の夏山登山隊が悪天候で遭難し、低体温症で何人(6人)も死亡した。低体温症は直腸温度35度以下で、33度以下だと意識障害がくるとされるが熱中症では熱射病が40度、熱疲労が39度などの目安はあるが、何度以上だと熱中症だという基準はない。どちらも重症だと意識障害におちいる。意識障害になっても30分以内に酸素吸入、点滴等の処置が行われると助かることがあるが、後遺症を残すこともある。熱中症と低体温は真反対の状況だが、いずれも高齢者がかかり易い。周りの気候や温度には充分注意して予防に努めてもらいたいと思う。
2009.07.18
コメント(0)
85歳女性、昨年夏熱中症で意識不明になり、救急病院に運ばれて、命は助かったが脳の無酸素状態の時間が許容範囲を超えており、植物人間になられて胃ろうで栄養を維持している。先日胃ろうから流動食を注入した後嘔吐があり、嚥下性肺炎をおこしてしまった。子供さんはいないみたいで甥がキイパーソンで、今日の夕方甥とあって急変した場合とか人工呼吸器をつけるか否かについて話し合った。「限られた医療資源を皆で分けることを考えた時、人工呼吸器の管理は莫大な金がかかる上、自分がそのような状態の時、胃ろうや人工呼吸器を使ってまでずっと生かしてもらいたいだろうか?最後の時は人工呼吸器等つけないで自然のまま寿命を迎えるのが一般的です」という話をしたら、甥は「医者がそんなことを言うとは時代も変わったものだと驚いている。医者は金がかかるかからないにかかわらずどんな患者にも差別しないでベストを尽くしてくれるものと思っていた」と言われた。植物状態の患者さんだから金をかけたり、労力をつぎ込むのを惜しんでいると受け取られたのだと思うが、甥ごさん達家族はたまにお見舞いに来るだけだ。人一倍手のかかる植物状態の患者さんの管理は病院に任せきりだ。それでいて最後まで最高に手を尽くしてもらいたいとのことだが、自宅で実際に看病してみてもらいたいと思った。甥の奥さんは旦那さんと意見が違ってこのような状態なのだから気管切開したり人口呼吸器をつけたりするのは反対だと言っていたが、甥は急変した時はあくまで気管切開してくれと言っていた。患者さんは植物状態で意思表示できないが、本当はどうしてもらいたいのであろうか?患者さんの気持ちを勝手に都合いいように推測してはいけないので、家族の希望はそれとして、患者さんの本当の気持ちに忠実になれるように努力していきたいと思っている。
2009.07.17
コメント(4)
昨夜の飲み会での糖尿病専門のO先生の話の続きである。ダイエットにはゆっくり食べることが大切との話は昨日紹介したが、よく噛んでゆっくり食べることは頭を刺激して認知症になるのを予防するとのことだった。さらに歯茎をつよくして歯槽膿漏の予防になるとも話していた。私は食べるのは遅いがその分,沢山噛んでいる訳ではない。単なるのろまである。そこで昨日の話をきいて認知症予防のためによく噛んでみようと思ったがそれにはかなりの意志力と労力がいることが分かり、とても大変なことだと思った。言うは易く実行は難しいことを実感した。O先生はお粥を食べている人にも何回も何回も噛みなさいと指導しているとのことだが、お粥を好きな人はあまり噛まないでも楽々食べられるからお粥を好きなのにそれでも噛めとは何事ですかと反発するのではないかと思った。よく噛んでゆっくり食べることくらい簡単なことだとおもったが、よく噛んでいたら今まで食べていた量の半分も食べられない。今までの量を食べるとすれば当に難行苦行である。何事も楽をしていてものごとは成就しないのだなと痛感しているところである。認知症になりたくないなら、肥満で糖尿病や高血圧になりたくないなら、バランスのとれた筋力を保ちたいと思うなら、スタイルがよくなりたいと思うなら、それなりの決意と苦行が必要なことが分かったので、今度挑戦する時にはそれなりの決意で挑戦していこうと思っている。
2009.07.16
コメント(1)
今夜は職場の納涼会と称する飲み会だった。石和のかいじ(甲斐路)というホテルで行われ料理が沢山出た。皆お腹が空いていたと見えて殆ど全部食べたが量がベラボーに多かったのでカロリーは相当のものではないかとの話になった。飲み会メンバーに糖尿病専門の医師がいて、ダイエットの基本についての話をしていた。彼は患者さんにはカロリーがどうのこうのなどと難しい話をしても理解してもらえないので、ただ「よく噛んで食べて下さい。何千回噛んで下さい。ゆっくり食べて下さい」と指導しているとのことだった。何千回か噛むと脳の方からもう勘弁して下さいという指令がでて、それ以上食べられないので痩せられるとのことだった。速食いの人は何回も噛まないで飲み込んでしまうので、脳の方から何時まで経ってもストップの指令がこないので腹一杯食べてしまい、肥るとのことだった。そういえば私は食べるのが遅くて皆と一緒に食べる時はいつも最後に取り残されてしまう。そのせいか太っていない。痩せた人全てが遅いのかどうかは分からないが、肥った人は殆ど食べるのが速いとのデーターがあるとのことだった。速い遅いは生れつきの要素と環境要因からきていると思うが、これは意識するとかなり変えることができる。もしこのブログの読者の方で肥っていて、痩せたいと思っておられる方がいましたら、ゆっくり食べる習慣を作って下さい。きっと結果が出ると思います。
2009.07.15
コメント(5)
昨日の当直で、鼻出血の人の点滴が終了したのが午前3時すぎで、その後患者さんがとざえたのでひとまず当直室に行って寝ることにした。ところがそれまで神経が緊張していたからか全然ねむれない。ギアチェンジを色々な方法で試みたが、だめだった。深呼吸も何回か試みたがだめだった。翌日の仕事のことを思い、あせればあせるほど目がさえてしまった。どうせ眠れないならとその後は本を読んでいたので、正真正銘、昨夜は一睡もできなかった。その翌日の今日は通常業務なので、一睡もしていないと調子がくずれるかなと思ったが、普段より調子がいい位で、「なんだこれならあんなにあせらなくてもよかったのに」と思った。夕方、家に帰ってからはねむけに襲われたが、勤務時間中には全く問題なかった。眠れないと焦る人は翌日のしごとのことを考えて焦ることが多いが、全然眠っていなくても翌日の仕事には全く影響しないことが体感できた。。全然眠れなくても翌日の仕事にはそれほど影響しないという実証があることを知れば、不眠症の人でも焦りがとれて睡眠に良い影響があるのではないかと考えられる。不眠症で悩んでいるのは現役で仕事していて翌日の仕事のことがプレッシャーになっている人々だけではない。ご高齢で、もう仕事をしていない人々もよく不眠を訴える。私からみれば翌日仕事がなければ眠れなくても全然問題ないではありませんか?と思うが、実際はあの眠れない焦りのようなものに苦しめられているのだと思う。眠れなかったら本を読むなり、編み物をするなり、音楽を聴くなり、時間を有効に使うことを考えるのがいいと思う。焦りが消えて、うまくいけば本を読んでいる途中で眠くなるかもしれない。不眠症克服の道は焦らないことで、眠れなかったら本を読んだり、テレビを見たり、ラジオを聞いたり、瞑想や深呼吸をなさるのがよいと考える。
2009.07.14
コメント(0)
今当直をしており、夜の11時である。16歳の少年がむしゃくしゃしたといってロッカーを思い切り殴って右手の小指を骨折して外来にきたり、激しいめまいに襲われたといって81歳の女性が救急車で運ばれてきたりした。同じ時間帯に病棟で嘔吐して気道が詰まって呼吸が苦しがっている人がいる。さらに外来に胸が痛くて頭が真っ白になったといって福岡からきたという旅芸人が来ていますとの連絡あり。数分後には3階病棟で今呼吸が止まりそうな人がいるので来て下さいと言われてかけつけて結局お亡くなりになられて死亡診断書を書いた。当直医一人だと、同じ時間帯に重症が重なり、忙しいものだからカルテはくちゃくちゃと書いてしまって、いくら忙しくてももう少し丁寧に書けばよかったなと思った。今やっと患者さんがいない時間ができた。でもこれからまた夜間にかけていろいろなことがあるかもしれないので、家内がおやつをそっと鞄の中にいれてくれてあるので、今の内にそれを食べておこうと思う。今午前2時だ。救急車で運ばれてきた鼻出血の患者さん、鼻にガーゼをつめて、今止血剤を点滴しているが点滴がいつ終わるか分からない。これから明日耳鼻科を受診するように耳鼻科への紹介状を書いておこうと思う。
2009.07.13
コメント(2)
ゴルフコンペといってもプライベートに近い病院医局の7人参加のコンペから今帰ってきたところである。7人中7位でブービーメーカーということで商品をもらって帰ってきたら家内が「優勝したの!」と大声で迎えてくれた。「最下位だが、ブービーメーカーという商品があってそれなんだよ」と消え入るような声で言ったが、幹事が気を利かせて結構いい賞品だったので、「良かったじゃない」「いい、いい、これでよかったのよ」と言ってくれた。ゴルフはボールをクラブで打ってできるだけ遠くに飛ばし、最後はパターでころがして、ホールに入れるゲームだがホールに入れるまでの打数が少なければ少ないほどよいというゲームである。私の打数は前半69、後半58で優勝者は前半47で後半45だからいかにその差が大きいかが分かる。私も時々練習に行ったり、今日のようなコースに出たりしている。家内にしてみれば時々練習に行っているのだから優勝してもおかしくないと思ったのだろうがそんな甘いものではない。優勝した人の練習量と私のそれは、私はたまにしか練習にいかないので練習量そのものでも大きな開きがある。そこへもってきて運動神経の開きも大きい。球を打つには全神経を集中して球がまっすぐ遠くに飛ぶ所にクラブ面を当てるわけだが、それが正確でないと右左にそれたり、飛ばないで目の前にボトンと落ちたりする。球のその部分に常にクラブ面を当てるのはかなり神経を集中していないとできないが、意外と簡単にできる人と中々できない人がいる。前者は神経伝達がよく発達している人で後者は、神経伝達がうまくいかない人である。クラブを自分の手のように自由自在に振れる人と、心と体とクラブがバラバラで自分の思うところにはたまにしか飛ばない人は運動神経の伝達状況が違うのである。神経伝達の悪い典型が私で、今日の成績を見る限り、出来るできないはともかく、もう少し身を入れて集中力を高めることができるような練習をしなくてはいけないなと思った。
2009.07.12
コメント(0)
今村上春樹の1Q84を読んでいて1巻をもう少しで読み終えるところまできた。恐らくここまできたら2巻も読むと思うが、忙しい人間がはたして読む価値のある本なのか疑問に思う。殺人、セックス、乱交、レスビアン等が随所に出てくる。本書の中で「小説家になりたいのなら想像しろ、見たこともないものを想像するのが作家の仕事じゃないか」と書いており、殺人や乱交を実際に見たわけではないと思うが、それを想像して微に入り、細に入り書いている。しかも殺人については家庭内暴力で奥さんにとんでもない暴力をふるっている男はくずでこの世からいなくなった方が社会のためだと正当化しようとしている。そのような殺人を犯している女たちの末路はどうなるのかは、2巻等まで読まないと分からないが、彼女達が最終的に懲罰を受けたとしても殺人やフリーセックスの描写は判断力のない読者への影響は大きい。ストーリーとしては次どうなるだろうかとの興味があり、読者をひきつけて最後まで読ませるかもしれないが、教育的にはよくない本だと思う。自分が読んで良い本だからと人に薦めたくなる本と薦めたくない本があるが、この本はまさに後者である。しかし薦められなくてもこの本はどんどん売れていて読者の数もうなぎのぼりに増えていることだろう。読む読まないは個人の自由で、読むなとはいわないが、読まれる方は自分の思想をがっちりもって、おとぎ話とかマンガ本のたぐいとして読まれたらいいと思う。内容は想像力の産物で物騒なことのオンパレードだが、せっかく読まれるなら、作者は何を考え、何を訴えたがっているのかその本質を探すような気持で読まれたらいいと思う。
2009.07.09
コメント(0)
4月に男の子が生まれてその子が落ち着くまでということで、母親と2歳半の女の子が出産里帰りで、我が家で生活している。お姉さんになった女の子は思いやりがあり、物分かりのいい賢い子だが、母親が授乳その他で赤ちゃんに関わっているとママ、ママと甘えたり我がままを言ったりする。今はおばあちゃんがいるので、甘えの矛先をおばあちゃんがかなり、吸収してくれているが、やがて親子だけで家に帰った時はどうなるだろうかとおばあちゃんは案じている。もともとおばあちゃんがいない夫婦だけの子育ても多く、いなければいないでそれなりにバランスがとれていくと思われ私は心配していない。人間の心の中には嫉妬心があるが、その最初の萌芽は、弟や妹が生まれた時ではないかと思う。やがてその赤ちゃんが生育すると母親がお姉さんに関わっていると、お姉さんに対して嫉妬を感ずるようになる。一人っ子の場合は、嫉妬を感ずる対象がなくてよかったと思うかも知れないが、幼稚園や保育園に行ったとき、保育士等の他の幼児に対する扱いに嫉妬を感ずるらしい。社会に出てからは兄弟がいる家庭より、むしろそれが強い一人っ子もいる。育児環境の中で嫉妬心は学ばれていくが、もともと人間の遺伝子の中にそれが組み込まれており、生育していく中でそれが様々な形で発現してくるのではないかと考えられている。嫉妬心が強い人とそうでない人がいる。遺伝的素因と生育環境の組み合わせの中でそれが強くなったり弱くなったりするのだと思うが、最初に芽生える家庭環境での嫉妬心の扱いが、成人後のその人の人格に大きく影響することが考えられ、母親および周りの大人や保育士等の公平な愛情ある態度がきわめて重要と考えられる。
2009.07.08
コメント(0)
政党政治の意味は、狭義には、政党間の自由な競争により多数の国民の支持を得た政党が内閣を組織する政治形態であり、広義には、政党を中心に、その相互作用によって展開される政治と定義されている。今朝の朝日新聞の天声人語に静岡県知事選での自民党の敗北を受けて、「自民党には他人の顔で選挙で戦いたいと思っている人達、つまり総裁を変えて選挙を戦いたいという人達がおり、自分の顔で堂々と戦おうとしていない人達の心は有権者に見透かされており、そのような頼りない姿が地方選で連敗を続けている原因だ」という意味のコメントがあった。天声人語が言おうとしていることはわかるが、現在の政党政治の中では今回の自民党議員の動きはある意味では当然のことで非難するのは当たらないと思う。政党政治では比例代表制もあり、政党の人気が、選挙結果に確実に反映するからである。自民党には自分の顔で堂々と勝負しようとしている人達がいないとのことだが、政党政治の中では自分の顔は政党の中に埋没してしまうのが普通である。政治家個人の能力や理想、清廉さが、重要なことは論を待たないが、政治が動くのは政党間の力学である。その時政党の顔が人気がなく自党へ票が集まらないと思ったら集まるように体制を整えるように運動するのは当然だと思う。その運動はほぼ不発に終わりかけているが、政党政治では自党の生き残りをかけて様々な運動をすることは許されているのである。但し政党のための政治などはある訳がなく、政治のために政党があることを忘れてはならない。国家国民のために政党が結成されたのであり、それはあくまで国民の生活を良くするためである。党勢を高めるために運動するのはいいが、それは国家の発展と国民の生活を守るためのものであり、常に本当の目的を忘れてはならない。
2009.07.07
コメント(0)
今朝7時半頃、34歳男性の患者さんが救急車で運ばれてきた。左側腹部を激しく痛がっていた。ここ数日食事も全く食べていないという。38度9分の発熱があり、CRP20と著明に上昇、腹部CTでは腹膜炎所見があり、入院の適応であった。しかし入院は看護師や事務職に反対された。過去に外来で点滴していた時点滴を抜き看護師に今にもつかみかかろうとしたことがあるとのことで、アル中の既往があるらしいとのことだった。精神科がない当院で受け入れるのは無理で、精神科がある病院に紹介してくれと言われた。精神科のある病院2つに内科、外科、精神科、ケースワーカーなどそれぞれに都合6回電話したが断られた。この調子では他の病院に軒並み電話しても断られる公算が強かったので、当院で入院させて診るしかないと看護師等に言ったら、家族がついてくれないと困るとのことだった。母親に連絡したら、「その子とは縁を切っていますので、自分達とは関係ありませんので、病院で自由にして下さい。私達が病院に行くことはありません」とのことだった。時々幾つかの病院から診療を断られて結局死んでしまったというニュースが報道される。一般の人は何と無慈悲な医者がいたものだと思う。実情は、この患者さんのようにいわくつきの人は、最初から受診を拒否されたり、重症だからと医者は入院させたくても、看護師や事務職に反対されることもある。親子の縁を切られ、殆どの病院から診察や入院を拒否されるにはその患者さんのそれまでの行動が関係しており、自業自得かも知れないが、何とか助けてやりたいと思った。お金もなく、ガソリンが切れた車の中で寝泊まりしているとのことで、健康保険証もないという。検査や治療をすればするほど病院の持ち出しとなってしまい、そのことだけでも引き受け手はないと思われた。しかし私はどんな境遇、どんな過去のある人でも病気になった人には全力で対応するのが当たり前だと思っているので、その患者さんのために各方面に連絡をとり、最善をつくそうと努力した。結局入院はできないが、夕方まで外来の処置室で点滴して、その後いったん家(寝泊まりしている車)まで帰ってもらって、また明日来てもらうことになった。タライ回しは悪いこととして糾弾されるが、患者さん側にも原因があることがあり、そのような情報は医療者側に事前に通報されることが多く、どこかの病院の誰か(医師)が、「自分たちで診よう」と強い気持ちを出して周りを説得しないと、何十、何百の病院に連絡しても受け入れてもらえない現実が出てくるのだなと思った。寝泊まりしている車から明日また救急車で運ばれてきたら、自分が責任を持って心からの診療をしてやろうと思っている。
2009.07.06
コメント(4)
わが国では能見正比古、俊賢親子によって血液型と性格の関係が紹介され、多くの人が、何となく両者は関係あるのではないかと思っている。しかし日本以外の世界では全く問題にされていない。事実私が13年位前、アメリカで5か月位暮したが、血液型と性格の話をしても、「なに?それ!迷信じゃないの?」と誰一人真面目に話を聞く人はいなかった。能見親子は一般書は沢山書いているが、論文の形では発表しておらず、世界では全く認められていない。人間の性格は極めて多数の遺伝情報によって決められており、さらに、その後の生育環境によって、形成されているので、欧米人は血液型だけがそんなに密接に関係しているとは思っていない。日本で血液型がブームになっていることはニュース等で報道されるが、外国の学者で積極的にそのテーマで研究しようとする人は出ていない。能見親子の説は学問以前の大衆受けする読み物かも知れないが、科学的に実証されておらず、学説として評価されていない。しかし私は、個人的には大変興味を持っており、何らかの関係があるのではないかと思っている。だがそれを世界に認められるような論文にして発表するとなると大変な労力と資金と能力が必要である。血液型物質は血液の中だけではなく、体の中のあらゆる組織の細胞にもあるとの研究もあり、いつか証拠に基づいた立派な研究論文を書く人が現れ、世界的に何らかの関係が認められる日がくるのではないかと思っている。
2009.07.05
コメント(0)
ムクゲ:アオイ科、原産、中国、インド。花言葉「デリケートな愛」「尊敬」「説得」「信念」村上春樹の1Q84の中に男の主人公天吾の生い立ちの話が出てくる。幼くして母に死なれ父に育てられたが、幼稚園に入る前から小学校5年まで、日曜日はNHKの集金員をしていた父に連れられて朝早くから夕方まで集金に歩いた。子供をつれて歩くと払いたくない人も結構払ってくれることがあり、日曜日は休みなく必ず集金につれて歩かれたので、日曜日になると体のあちこちが痛くなり、心が沈み、食欲がなくなった。お友達は日曜日には遊園地や楽しい所に連れていってもらえるが天吾にはそんな思い出は全くなかった。日曜日がなくて毎日学校に行けたらどんなにいいかと思った。大人になってからも日曜日のいやな思い出が体にしみこんでおり、日曜日が来ると体調がくずれ、息苦しくなるとのことだった。日曜日はいやだと言う人に時々出会うが、それは必ずしも皆が天吾のような思いをした人ばかりではない。働いている時には生きがいが感じられるが、仕事のない日曜日には何をしたらよいか分からず自分の存在感がつかめなくていやだと言っている人もいた。日曜日は一般的には父親が休みで、子供にとっては父とのふれあいの機会である。しかし日曜日に仕事している父親も多い。NHK集金員のように日曜日は本来は休日だが、日曜日は一般の人が家にいることが多いので、集金し易いとして休日を返上して働く場合もある。いずれの場合でも子供は父親のデリケートな愛を求めている。商売の手段として子供を使うのは子供の心が傷つく。日曜日に仕事のある父親もそうでない父親も、子供に対するデリケートな愛を失ってはならないと思う。たとえ日曜日に仕事に出ていても、無形の愛情が注がれていれば、何らかの形で尊敬してもらえるのではなかろうか。
2009.07.04
コメント(0)
ペンタス:アカネ科、ペンタス属、 原産;マダカスガル島、東アフリカ、花言葉「願い事」「希望は実現する」「あざやかな行動」私は今4人の重症患者さんを受け持っている。受け持ちは大体外来で診た医師が受け持つことになっており、「どんな状況の人でもいいですよ、どうど、どうど」というのが基本姿勢の私はどうしても手に負えないような末期の患者さんを受け持つことになる。今日重症患者の一人で胸水、腹水の溜まっている85歳の女性患者について呼吸器を専門にしている、内科のY先生に胸水を採取して悪性胸水か良性胸水か診断してもらいたいと依頼した。そのY先生は駿台甲府高校で息子と同級だったとのことで、自分の息子みたいな若いドクターである。その先生は「胸水穿刺してその後廃液するためのドレナージをするかもしれないので、私の受け持ち患者にしてもらっていいですよ」と言われた。その患者さんは全身状態が悪く、今日明日かも知れないという状況なのに、気軽に受け持ちを変わってくれたのだ。一人重症を受け持つと凄いストレスになる。誰でも手に負えないような重症を受け持つのは嫌がる。それなのにY先生は気軽に重症を引き受けてくれたのだ。申し訳ないので、「受け持ちは私で穿刺など専門的なことを先生がしてくれればいいです」と言ったが「私が受け持ちます」と言ってくれた。数日前も、95歳の胸水貯留の肺がん末期の患者さんもYが受け持ちますと引き受けてくれた。重症を受け持つのは大変なので、私は受け持ちを変わってもらおうなどとは露ほども思っていなかったが、Y先生から「もしよろしければ私がみます」と言ってくれたのだ。自分の息子は滋賀県に住み営業で大阪出張などしているという。息子と同級生のY先生は病院の医師として素晴らしい仕事をしている。息子も営業マンとして立派に仕事をしている。今時の若者は素晴らしいと思う。
2009.07.03
コメント(1)
昨年8月読売新聞にウコンの成分が動物実験で記憶向上に効果ありとのデーターを武蔵野大とアメリカの研究所の共同研究で明らかにしたとの記事が出た。しかし実際は武蔵野大がコメントを出し、「私たちは、カレーに含まれる様々なスパイスの効能を調べたことはありません。ターメリック(またはウコン)に含まれる天然化合物「クルクミン」と、それをヒントにして合成した新規化合物「CNB-001」の作用を調べただけです。・私たちが今回論文発表したのは、CNB-001という新薬の効果です。CNB-001はカレーやウコンには含まれません。人工の化合物です。」とそれを否定した。ウコンの効果は否定的だがCNB-001という合成物は動物実験では明らかな効果を示した。中年以後になると多くの人が物忘れや記憶障害で悩んでいるので、そのような薬が開発されてきたら、大変な福音だと思う。今のところそのCNB-001以外に有効な薬を知らないが、それをきっかけにして優れた薬が次々と生まれてくるかも知れない。楽しみにしている。
2009.07.02
コメント(0)
今、村上春樹の1Q84を読んでいる。奇妙な題名の本で読むのも馬鹿馬鹿しいと思ったが、義理姉の勧誘に誘われて読む羽目になった。内容は面白そうだが、題名は何の意味だか分からななくていい加減な題名をつけたものだと軽蔑的な気持があった。読み進んでいったら主人公の青豆という女性が首都高のタクシーに乗ってこの物語がスタートしたのが1984年4月で、その1984年をもじって1Q84と付けたことが分かった。それにしても読者を馬鹿にした題名には変わりない。それでも今馬鹿売れしているとのことだから、一般大衆、読者なんて自分も含めて馬鹿なのだなと思った。青豆と並んで男性の主人公が、天吾だが、彼は1歳半の時の記憶を鮮明に覚えているという。本書にも書いてあるが、一般的に記憶があるのは4歳から5歳以後の出来事である。1歳半の記憶があるなどとは物語の中のことでも許されていいのかなと思った。私は4歳の時防空壕から外を見て、甲府の町が爆撃で真っ赤に燃えていたのをうっすらと覚えており、それから5歳の時の記憶はなく、6歳の小学校1年の時の記憶がある。作文を書いて「私の母親は蚤を捕る名人で、すぐ蚤を採ってつぶしてくれる」と書いた。先生も二重丸で上手に書けたと褒めてくれた。それを得意げに母親に見せたら、みぐさい(みっともない)ことを書いてとかなりきつく怒られた。こんな恥ずかしいことを書くものではないと、私の身が縮まるくらい叱られたことは鮮明に覚えているがそれ以外の記憶はほとんどない。今2歳半の女の子が家にいる。私が読書したり勉強したりしようとしていると必ずトントンと尋ねてきてお絵かきや碁石並べや、工作などの相手をさせられている。動物園に行ったり、遊園地に行ったりしているが、後で思い出す時恐らく何も覚えていないだろう。ならば彼女が今生活している時ってなんだろうと思う。確かに記憶には残らないが語学を学んだり、芸術やスポーツを学ぶには非常に大切な時代と言われており、その子の将来にとっては大切な時ではないかと思う。記憶に残る残らないで価値判断すべきではないと考える。認知症の方は昔の記憶は残っているが、最近の記憶が欠落してしまう。昼食べた食事の内容どころか、食べたかどうかが思い出せない。記憶があるなしだけで判断するなら健康人も4歳未満の記憶は欠落している。認知症は最近の記憶が欠落しているが、記憶があるなしだけで人間を判断してはならない証左があり、認知症の方にも温かく辛抱強く接してもらいたいと思う。
2009.07.01
コメント(2)
「IQを読んだ?」と先日義姉から聞かれた。何のことか分からなかったが、今売れている村上春樹の小説の名前とのことだった。昨日書店にいったので、書店の人に「IQ95とかの本」ありますか?と聞いたら山ほど1Q84を積んである所に案内してくれた。一巻、二巻があったがとりあえず一巻を買ってきた。読んでみた。小さな字でびっしり書いてある。よくまあまめに書いたものだと思った。最初は主人公の青豆という女性がタクシーに乗っていて高速道路で大渋滞に巻き込まれ、全然動かなくなってしまい、約束の時間に間に合わない状況になってしまった。運転手に教えてもらって、緊急避難用の車寄せにある、人には知られていない緊急非難用の階段を使って、地上に降りて、電車で目的地までいくことを決心して、階段を降り始めたところまでのことが書いてあった。運転手は、「非常階段から降りるなどというそんな変わったことをすればものごとがいつもと変わって見えるかもしれませんが、現実は常にひとつだけです。見かけにだまされてはいけません」と忠告してくれた。なかなかいいことをいうものだなと思った。実際森羅万象様々なことが起こり、こちら側から見るとそれはこちらの気分によって様々に見える。しかし真実は常に一つである。それを外野が様々に見ている訳でその見かけにだまされているというのか、信じてしまっているのか、本質はどうなのか気づいていないことがある。運転手はどこでその原理を勉強したのか知らないが、その原理を知っていれば、様々な見かけをもった人間がお客として乗ってくるが、その本質をいつも見抜いているのかなと思った。
2009.07.01
コメント(0)
全29件 (29件中 1-29件目)
1