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部 屋 に た ど り つ い た 男
今日も明日も私はたどりつくのである
寂しいわが家に・・・誰もいないわが部屋に・・・
仕事帰りにパチンコ屋によって遠目に人を見て
スーパーに寄ってはどの米がおいしい銘柄だろうと
2キロ・5キロ・10キロの袋の大きさを見比べながら
これだけの米で何日くらいもつのだろうかと考えている
何も買うこともなく商品の値段を確認しつつう歩き回って
最後に買ったものは和歌山産の29円のみかん一つだ
夜道を歩きながらみかんの皮をむき一粒を口に入れると
美味しいみかんの甘さが舌の奥に染みこんだ
平凡な小さな幸せってこういうことなのかと思った
惰性的な疲れと諦めをため込んでわが家に向かうとき
私にはまだ生きていける力があることに気づく
マンション入口の新聞紙を手にしてドアを開けて部屋に入る
たどりつけば誰もいない暗い部屋に愕然として途方にくれる
これがわが身の悲しい現実などとは喜ぶこともできず
なんとなくテレビのスイッチボタンを押している
そんな部屋には愛もなく悲しさと寂しさだけが漂いて
生きている充実感もなく顔を洗い歯を磨きしっかりと
わが顔の奥に潜む人生の哀歓を感じとるのだった
この身は誰のためにあるのか何故生きているのか
鏡に聞いても教えてくれず嘆きと鬱の感情に包まれ
冷え冷えとした布団の中に潜り込む
ああ~今日も明日もたどりついた部屋のなかで・・・
惰性的な疲れに膨れあがった細胞を休め一人眠る
毎日こんな生活で生きている私にに未来はあるだろうか
いや生きていればきっと明るい人生がまっている
生きている限り希望持って生きよう
自分には生き抜く力はまだあるのだから・・・
たどりついた部屋で男はそんなことを考えている
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