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2015.04.15
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藥。


武帝(Han Wudi 156 ? 87 BC) 。
『少君言上曰「 祠灶則致物、致物而丹沙可化為黃金、黃金成以為飲食器則益壽、益壽而海中蓬萊僊者乃可見、見之以封禪則不死、黃帝是也。 臣嘗游海上、見安期生、安期生食巨棗、大如瓜。安期生僊者、通蓬萊中、合則見人、不合則隱。」於是天子始親祠灶、 遣方士入海求蓬萊安期生之屬、而事化丹沙諸藥齊為黃金矣。 』(『史記』封禅書)
→少君は御上に「 竈神を祀ることで物は変化し、丹砂を黃金にすることもできます。その黄金で器を作り飲食に供すれば、寿命も延び、長寿になれば海中の蓬莱山に棲むという僊者に見えることも叶いましょう。僊者に見えて封禅の儀に及べば不死の存在となり得ます。黄帝がまさにそれでした。 私はかつて海上に遊んでいたときに安期生に会いました。安期生は私に、まるで瓜のように巨大な棗を食べさせました。彼は僊者であり、蓬萊を往来して、気が向けば人に会い、向かなければ隠れたままでいます。」
 そこで天子は竈神を祀りはじめ、 方士を遣いして蓬萊の安期生之に近しい人物を探させた。また、丹砂やもろもろの薬から黄金を作り上げる技法を求めた。

・・・『史記』の封禅書に、李少君という人物が登場して、「<丹砂(沙)>を<黄金>に変える」技法について語っている箇所があります。秦の始皇帝の頃は、深い山里や、海の向こうの世界に植物由来の仙薬を求めるといったものであったのに、漢の武帝の頃には鉱物由来の丹から黄金を求めるという記述に変わっています。

参照:道教と煉丹  ~霊芝と水銀~。
http://plaza.rakuten.co.jp/poetarin/diary/201502250000/

『抱朴子』。

→抱朴子いわく『神農四經』によれば、上薬は人の身体を安らげ寿命を延ばし、昇天して天神となり、上下の世界を行き来し、萬霊を使役し、身体に羽を生やし、欲するものを呼ぶことができる。五芝及び丹砂、玉札、曾青、雄黃、雌黃、云母、太乙禹餘糧、などと服用するだけでも、人を飛翔させ長生きさせることができる。また、中薬は性を養い、下薬は病を除き、毒蟲を追い払い、猛獣から守り、惡氣を封じて、衆妖を退ける。(中略)仙藥の上は丹砂、次に黄金、その次は白銀、次は諸芝、次は五玉、その次は云母、後は順に明珠、雄黃、太乙禹餘糧、石中黃子、石桂、石英、石腦、石硫黃、石臺、曾青、鬆柏脂、茯苓、地黃、麥門冬、木巨勝、重樓、黃連、石韋、楮實、象柴、またの名は托盧である。”(『抱朴子』仙薬)

仙薬。
『抱朴子』も『神農四経』や『孝経援神契』という書物からの引用という形で「上薬・中薬・下薬」という三つの分類をしたうえで、現在ではあまりなじみのない物質も「仙薬」としています。上薬のうち丹砂が最上、次点に黄金となっています。

葛洪(283~343)。
“夫金丹之為物,燒之愈久,變化愈妙。黃金入火,百煉不消,埋之,畢天不朽。服此二物,煉人身體,故能令人不老不死。此蓋假求於外物以自堅固,有如脂之養火而不可滅,銅青塗腳,入水不腐,此是借銅之勁以扞其肉也。金丹入身中,沾洽榮衛,非但銅青之外傅矣。”(『抱朴子』金丹篇)
→金丹というものは、焼けば焼くほど霊妙な変化を遂げる。黃金は火にいれて,百煉したところで消え去ることはなく、土に埋めても朽ちるということがない、この二物があるからこそ、人の身体を鍛え、不老不死とすることが可能になる。これは、外物の力を借りて自らを強くしようとする考えで、油という外物によって火を燃やし続けるというようなものである。銅の緑青を足に塗れば、長い間水に使っても腐ることはないが、これも銅の力を借りてその肉を守ろうという考えである。金丹を身体に取り込むと、体中に行き渡ってこれを守るようになる、その効能は銅の緑青とは比較にならない。

“然小丹之下者、猶自遠勝草木之上者也。凡草木燒之即燼、而丹砂燒之成水銀、積變又還成丹砂、其去凡草木亦遠矣。故能令人長生、”(『抱朴子』金丹篇)
→小丹の下ですら、なお草木のにも勝るものである。おおよそ草木は燃えれば灰となるが、丹砂は水銀となり、変化を繰り返すと再び丹砂に戻る。草木ではこのような変化を望むべくもない。故に人をして長命せしむることもかなうのである。

「変化を繰り返す物質」としての<丹砂>と、「変化をしない物質」としての<黄金>の力を重視して仙薬の上位に置いた背景には、精製の過程をふくめた長いスパンの観察があるということがわかります。ただし、『抱朴子』の金丹篇や仙薬篇、黄白篇は、西洋の錬金術との共通点も多く見出せますが、煉丹術における「金の錬成」は、あくまでも副次的な目的です。

次は、仙薬のうちの一つ「雲母」の服用についての部分。
『抱朴子』。
“又云母有五種,而人多不能分別也,法當舉以向日,看其色,詳占視之,乃可知耳。正爾於陰地視之,不見其雜色也。五色並具而多青者名云英,宜以春服之。五色並具而多赤者名云珠,宜以夏服之。五色並具而多白者名云液,宜以秋服之。五色並具而多黒者名云母,宜以冬服之。但有青黃二色者名云沙,宜以季夏服之。晶晶純白名磷石,可以四時長服之也。服五云之法,或以桂蔥水玉化之以為水, 或以露於鐵器中,以玄水熬之為水,或以硝石合於筒中埋之為水,或以蜜搜為酪,或以秋露漬之百日,韋囊挻以為粉, 或以無巔草樗血合餌之,服之一年,則百病除,三年久服,老公反成童子,五年不闕,可役使鬼神,入火不燒,入水不濡,踐棘而不傷膚,與仙人相見。又他物埋之即朽,著火即焦,而五云以納猛火中,經時終不然,埋之永不腐敗,故能令人長生也。又云,服之十年,云氣常覆其上,服其母以致其子,理自然也。又向日看之,晻晻純黒色起者,不中服,令人病淋發瘡。雖水餌之,皆當先以茅屋霤水,若東流水露水,漬之百日,淘汰去其土石,乃可用耳。中山衛叔卿服之,積久能乘云而行,以其方封之玉匣之中,仙去之後,其子名世,及漢使者梁伯,得而按方合服,皆得仙去。 又雄黃當得武都山所出者,純而無雜,其赤如雞冠,光明曄曄者,乃可用耳。 其但純黃似雄黃色,無赤光者,不任以作仙藥,可以合理病藥耳。”(『抱朴子』 仙藥)
あるいは硝石と合わせて筒に入れてそれを埋めて水とする。あるいは蜜と混ぜて発酵させる、あるいは秋露に漬けてから百日後に、なめし皮の袋に入れ、その後挽いて粉にする。
 無巔草や樗(おうち)とともに、服用すること一年で百病を除く。三年服すれば、老人であっても童子のようにはつらつとする。五年の間欠かさずに服用すれば、鬼神をも使役することができ、火に入っても熱くはなくなり、水にはいいても濡れず、棘をふんでも怪我をせず、仙人と相見えることもできる。どんなものであれ、長らく土中にあれば朽ちてゆき、火にあたれば焦げつくものであるが、雲母は、長く猛火の中にあっても形質が変わるとはなく,長く土の中にあっても腐敗することがない。故に人を長寿にみちびくことができるのである。また、十年これを服すると、常に頭上に氣が漂うようになり、雲の母が雲の子を招くのは自然の摂理である。なお、太陽に向けて雲母を見る場合、どす黒いものは服用しないように、疱瘡の病を引き起こす。雲母を水と飲む場合、茅屋の雨水や東方の露水に百日漬けてから飲むのがのぞましい。中山の衛叔卿も雲母を飲んで、雲に乗ることができ、玉の匣にこれを入れて、仙人となった後の子に継がせることができたし、漢の使者である梁伯は雲母を合わせて服用し、仙人となった。 なお、雄黄(硫黄と砒素の化合物)は、武都山で産出する純粋なもの、鶏のとさかのように赤く光り輝いているもののみ、これを用いることができる。 雄黄で赤みがなく、単純に黄色いものは仙薬にするのは難しく、病気の治療に使える程度である。

硝石。硫黄。
ここでは、仙薬としての雲母を服用するために<硝石>や<硫黄>といった物質との組み合わせや<硝石>と<蜜>を混ぜて発酵させるなんていう箇所もあります。<硫黄>や<水銀>も、錬金術でよく登場するものですが、<硝石>についての記録は、中国の文献が圧倒的に早いです(<硝石>は、アラビア語では「中国の雪」とも呼ばれるほど)。


鄭思遠という人物が編纂した『真元妙道要略』では、<硝石>にからんで注意書きが入るようになります。
『真元妙道要略』より 火薬の記録。
“有以硫黃、雄黃合硝石,并蜜燒之,焰起燒手面,及燼屋舍者。” (『真元妙道要略』)
→硫黃と、雄黃と硝石と蜜を混ぜ合わせると、火が起きて手を焼き、屋敷ごと燃やしてしまう場合がある。

火薬。
仙薬を作り出す過程で発見された火の「薬」。中国四大発明のうちの一つ、火薬です。

参照:Wikipedia 火薬
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E8%96%AC

今日はこの辺で。





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Last updated  2015.06.06 10:00:01
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