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大野隆之

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00年 沖縄文学回顧


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http://www.asahi-net.or.jp/~ug5k-tki/ob&og/seven1.html


 川端氏の論から学ぶべき事は、まずポリティカルな言説に対する一定のストイシズムである。サブカルチャー批評の根底には、大衆の無意識を批評する、という方法意識があることが多く、それゆえしばしば政治的批評になりがちである。

 例えば萩原氏は、ウルトラマンを通じて、家父長主義的イデオロギーやナショナリズムを批判している。逆に佐藤氏は同じ対象を通して、戦後民主主義を批判しているのである。両者を比べた場合、佐藤氏の方がより誠実だ、というのは事実だと思われるが、それだけではなく、私自身の政治意識は佐藤氏に近いので、萩原氏の論考がより不愉快なのかもしれない。こういう点は注意しなくてはならない。

 実はサブカルチャーにおいては、明確に特定のイデオロギーを示しているものが存在する。最新作「ウルトラマンコスモス」殊に劇場板はきわめて政治的で、戦後民主主義における完全平和主義の行き着く先を示していると思われる。おそらく佐藤氏はかんかんというか、あきれてものが言えないということになるし、萩原氏なら、結末の力による決着を批判しつつも大筋で評価するのではないだろうか。この場合、何らかのポリティカルな言説は避けにくいような気がする。
 そうであっても、自らの政治性を自覚化し、慎重になるべきだ。川端論はそういうことを示唆していると思う。

 次に川端氏の重要な主張は、サブカルチャーの表現が単なる自己表現とはならず、様々な力、スポンサー・視聴者・プロデューサー、等々の葛藤において存在する、という事である。これは私も同じ事を考えていたので、大いに共感した。特に金城が東京を去った様々の理由のひとつに、必ずしも自己の主張を通せるとは限らないシナリオライターの宿命がある。

 三点目はさらに重要なのだが、最終回における「友情」の強調という部分である。これはまあ最終回を見ればわかるのではあるが、「地球ナショナリズム」と「友情」を対比させた見方は重要である。川端氏は第1話のシナリオを見ていないと思うので、慧眼であると思われる。

 以下川端論というよりも現在考えているメモみたいになる。

 しばしば「ウルトラマン」の初回と最終回における完結性としてハヤタの記憶の問題が取り上げられるが、「ウルトラセブン」の初回と最終回をつなぐのは、「友情」というテーマだと言って良いように思われる。


ダンの声「今日からウルトラ警備隊のモロボシ・ダンとして地球防衛のために働くのだ。僕が宇宙人だというのは秘密だ。それがわれわれM78星雲中の掟だ。宇宙人である僕が、地球のために働く喜び、それはキリヤマ、フルハシ、アマギ、ソガ、アンヌという新しい友達を得たことで十分満たされるであろう。いかなる妨害があろうとも、この美しい星を守り抜くことを誓う」
紅い(ママ)に染まった富士山が高くそびえ立っている。(F.O)

 実はこれを見れば、ウルトラセブンが地球を守る理由は明らかである。掟があるくらいだから、M78星雲人は、宇宙中に散らばって治安維持にあたっているのである。これは最終回の340号という呼称と呼応している。少なくとも300を越えるメンバーが、宇宙のあちこちで勤務しているのだ。が、340という冷たい数字でも明らかなように、M78星雲には人間関係はきわめて希薄であると推測される。340号は地球という星で「友情」という感情を学んだのである。それゆえ最終回は、任務としての責任範囲を超えた、友情の物語という側面を強く持っている。

 このモチーフはSF、サブカルチャーの世界ではよくあるもので、「スタートレック」のスポックがそうであるし、「寄生獣」のミギーもそうである。西岸良平の「ミステリアン」などでは作品全体のテーマであった。このモチーフは必ずしも合理的な存在とは言えない「人間」という存在を称揚する場合にしばしば用いられる。

 さらに言えば、現段階ではそこまで踏み込むべきではないのだが、この部分は金城自身の、当時の位置を示していた可能性がある。かれはふるさと沖縄を離れ、円谷プロの友情に支えられ闘っていたのだ。

 問題はシナリオ末尾がカットされた事をどう見るか、ということである。私の現在の関心対象は金城哲夫であるから、このカットされた末尾を重く見るのは妥当だと思われるが、カットされたからこそ「地底GOGOGO」(第17話、上原)という別の起源が提出されたのである。また削除されたのが、尺の問題なのか、他に理由があるのか、現時点では未調査である。そもそも放映された部分のみを作品と見なす、というのがサブカルチャー批評の王道かもしれない。この問題は難しいので、いずれよく考えたい。

 シナリオ末尾こそ削られたものの、シリーズ全体でしばしば友情がテーマ化されているのも明らかな事実である。例えば第11話「魔の山へ飛べ」(金城)と第13話「V3から来た男」(市川)男の友情を描く競作ともいえ、ともにアンヌが出てこないという共通点を持つ。

 間にはさまれたまぼろしの第12話「遊星より愛をこめて」(佐々木)では、宇宙全体の平和が夢ではない根拠として、既にダンが地球人と信頼関係を築いていることがあげられる。

 ラスト、ダンの声、映像は逆光の横顔
「そう、そんな日(宇宙全体が信頼しあえる日、大野注)はもう遠くない。だってM78星雲の人間である僕が、こうして君たちとともに闘っているじゃないか」(かなり悪い音声から起こしたので、ミスはあるかも)

 つまりひとつの方向性として、地球人とM78星雲人が仲良くできる→宇宙全体が仲良くできる、という線があるのであるが、一方で「闘っているじゃないか」の部分は諸刃の剣である。すなわち共通の敵がいるから、仲良くできるのであって、そもそも敵がいなくなれば、ウルトラセブンは成り立たなくなる。非常にきついパラドックスである。


「人類の“平和”について良く語られる“完全平和”それはもし……という仮設(ママ)故に現実性のないものだが、宇宙人の侵略がもしそのドラマをつらぬくことによってそれ故に地球の平和が乱されるとすれば、仮定の“もし”が現実に与える力がないかしら」

 ここから先は明日以降考える。

進行状況、切通氏の本、金城の部分だけ読了。この感想も後日。

新着資料,
『ウルトラセブンアルバム―空想特撮シリーズ』 竹内 博 (Editor)



『ウルトラマンの東京』 実相寺 昭雄 (Author)

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Last updated  Jun 24, 2003 07:10:11 PM
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