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断片 金城哲夫と「軍」

円谷プロ、企画文芸部日誌 1966,4,4 
「映画の仕事は各パートがそれぞれの責任の下に結集し、プロデューサーの進軍ラッパに歩調を合わせないかぎり、たとえ一歩たりとも遅れたら全体のバランスが崩れてしまう。コンバットではないが、映画の仕事は軍隊に似ている。一人のミスが全体を死に至らしめることを反省しないわけにはいかない。傑作といわれる映画のなんと少ないことか。
 娯楽映画とか怪獣映画とか言われるが、少なくとも我々は既成の概念で仕事をとらえ、マンネリで仕事をしてはならない。シナリオは特にそうだ。傑作とは、現状を打破しつ旧来のものにプラス・アルファの魅力をもたらした作品であると思う。娯楽であれ怪物であれ、作る側の情熱である。
 いつか必ず傑作は生まれる。そう信じて今日もがんばろう」

 この引用はきわめて変則的であって、最後の一行を除く大半が「ウルトラマンの死」(向谷)、『ウルトラマン昇天』(山田)には二段落(「娯楽映画とか怪獣映画とか~」)と最後の一行が引用されている。両方とも研究書でないため仕方ないのだが、(前略)(後略)等の記載はない。本当は原典にあたって確認すべきなのだが、今回それが可能かわからないため、暫定的に両者を結合した。

 先に『ウルトラマン昇天』の方を読んでいた私にとって、第一段落には少なからぬ衝撃を受けた。山田氏はこの引用で「ウルトラマン」に臨む金城の意気込みを表現したかっただけで、他意は無いと思うが、この第一段落は、金城と軍というものを考えるための、重要な内容を含んでおり、恣意的に削っていいようなものではない。

 まず単純な問題として、金城が軍隊というものに、それほど強い忌避感は持っていなかった、という点である。優れたチームワークの象徴として、軍隊をあげているのだ。
 帰沖後ラジオのキャスターをつとめた金城は、当時沖縄で忌避感の強かった自衛隊機にのり、自衛隊賛美まがいの発言をして問題を起こしている(この問題についてはいずれ詳しく調査する)。山田は、これを帰沖後のいらだちから来た事件と考え、「魔がさしたような」(p.197)と表現しているが、この問題は必ずしもそう単純ではない。


 「コンバット」はもちろん普通名詞もあるが、ここでは1962年から日本放映が始まった、サンダース軍曹で有名なアメリカテレビシリーズであろう。このシリーズの基本的なテーマは戦場における「友情」である。
 1960年から日本で放映が始まった「トワイライトゾーン」(初期の邦題は「未知の世界」)の影響はあまりにもよく知られているが、当時のテレビ人達が、SF作品のみならず、先進的なアメリカのテレビドラマ全てを食い入るに見ていたであろう事は、考えてみれば当然である。そしてこの「コンバット」の要素が色濃く現れるのが「ウルトラセブン」なのである。

 「セブン」最終回では、まさに「一人のミスが全体を死に至らしめることを反省しないわけにはいかない」というモチーフが描かれている。クラタ隊長の役割は、キリヤマ隊長でもよかったのかもしれないが、クラタ隊長こそ「セブン」中の軍人の象徴といえよう。「また君か!一度ならず二度もミスを犯すなんて、それでも地球防衛軍の隊員か!」などというセリフは、ほとんど「それでも帝国軍人か」とかわらない世界である。

 シナリオ上は「ダンの名を呼び別れを惜しむ一同」とのみ書かれているが、テレビ放映では「モロボシすまなかった」というクラタ隊長のセリフがある。長いつきあいのあるウルトラ警備隊のメンバーが「セブン」ではなく「ダン」と呼ぶのは、友情物語としての「セブン」の末尾としてある種の必然であるが、それほどつきあいの無かったクラタ隊長が「モロボシ」と呼ぶことにより、モロボシダンが軍人として承認されていく、という効果があるように思われる。最終回のラストは、他にもシナリオとは異同が多く、満田監督と金城の意志が、それぞれどのように入っているのか、不明な点も多い。

 以上の記述について、最大の問題は、金城が沖縄戦の経験者であるという点である。しかも南部戦線であって、金城の母親は、足を失っているのだ。この問題はなかなか一筋縄ではいかない。






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Last updated  Jun 28, 2003 10:05:44 PM
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紫藻 さん


金城さんは、日本軍(青木上等兵)に母親を助けられ、(ウルトラマン島唄・上原正三著より)
投降時には、日本軍の目を避け、アメリカ軍にも助けられた。(ウルトラマンを創った男・山田輝子著より)
こういう経験があるのではと思いました。
また、もうひとつ思いましたのは、沖縄での私の経験ですが、金城さんと同年代・同町の男の方(戦災孤児になられていたと思います)が、戦争の悲惨さはとても言い尽くせぬとされつつ、これほど頑張った沖縄に、是非とも天皇陛下をお迎えしたかったと漏らしておられたこと。軍人遺族を親切に案内され、旧日本軍は、日本の各地からきていただいて、これほど戦っていただいたことを感謝されていたこと。
その時ピンときたのですが、これは、金城さんの心境にもあったものではないかと思いました。
金城さんが自衛隊機に乗られたのは、勇み足だったかもしれませんが、あくまでも「アメリカ軍の代替」を考えられていたのであり、その背景は、アメリカ軍の危険性や横暴が少しでも無くなればと考えていらっしゃたと思います。
この「代替」の考え方は、米軍の横暴が引き続く現在なら、むしろ採用されてしかるべきとも思いますし、(手続きはともかく)専守防衛にもなりますので、ある意味、先見性があったと思っています。 (Jun 29, 2003 01:22:00 AM)

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