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大野隆之

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果報は海から/ 又吉栄喜


反近代の文学/三田英彬


*神様の失敗/勝連繁雄


面影と連れて/目取真俊


98年沖縄文学 回顧


99年 沖縄文学回顧


00年 沖縄文学回顧


海鳴り/長堂英吉


01年 沖縄文学回顧


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又吉栄喜『陸蟹(おかがに)たちの行進』


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*『うらそえ文芸』第5号


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又吉栄喜「海の微まど睡ろみ」


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久志芙沙子「滅びゆく琉球女の手記」


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des.2004


Aug 15, 2012
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テーマ: 教材作成(27)
カテゴリ: カテゴリ未分類
*今日は業務が午前中だけでよかったので、3時間ぐらい作業できた。事前に相当準備していて3時間もかけてこの程度の進捗か、と思われるかもしれないが、実は学生に朽ち酸っぱく言ってるのに一部資料のレファランスを取っていなかったので、図書館にいったりしていた。><

重要。コピーをとったら必ず出典を、そのコピーの1ページ目にメモしておこう。

序盤は昨日と同じだが、少し厚みが出てきた。何より作業そのものが楽しくなってきたのでいい感じである。論文は楽しもう。



1,受容史・批評史

 「朝のリレー」を教材としてとらえた場合、群読の素材という試みもあるが(注1)、
やはり第一連を中心に、「対比」を中心に取り上げられる事が多いようである。例えば竹田博之氏は「朝のリレー」を「表現技法を教える詩教材」に分類した上で、次のように整理している。(注2)

「カムチャツカの若者は男か女か」を問うことで、この詩の対句の形がくっきりと浮かんでくる。
若者(男)・・夜←→ 娘・・朝   少女・・夜←→ 少年・・朝
そして、この「対句」によって朝と夜がぐるぐる回っている様子(つまり「朝のリレー」)が見事に表現されている。そういう点で、この詩は「対句」という技法と、その技法を用いる効果を教える好例としてストックしておくことができる。


 他に「朝のリレー」が教材として重宝される理由としてあげられるのは、題名の喚起する初々しいイメージと、明快な主題である。例えば「科学的「読み」の授業研究会」は詳細な「朝のリレー」の指導案を提示している(注3)。この指導案ではやはり対句の分析に非常に力点を置きながら、同時に生徒が提案する多様な読みを提示しているが、最後の「主題読み」は非常にシンプルである。題名の「朝」は「希望、未来をイメージする」。「リレー」は「友情、連帯」を示す。そして作品の主題は「若者たちの決意と連帯へのよびかけ」であり、「ぼくら若者達は、連帯し、あしたへの明るい希望を持って、平和な世界をめざし努力していこう」といった「よびかけ」が二つ例示されている。
 この「若者たちの決意と連帯へのよびかけ」という主題、あるいは明瞭な対句といった作品の特徴に異議をとなえるのは困難である。たとえばやはり教材研究の立場から、池田一彦氏は「谷川俊太郎「朝のリレー」 私解」という論文を書いている(注4)。池田氏は新批評的な立場から、作品外の情報を徹底的に排除し、「朝のリレー」の「の」という格助詞にこだわるなど、より精緻な読解を試みているが、作品の読解の大枠は従来の教材研究を大きく逸脱するものではない。
 「朝のリレー」は中学一年の序盤、時には最初の教材であり、入学したての中学生達に未来や希望をしめし、連帯をうながすという意味で扱いやすい教材と言えるだろう。中学一年の教科書には他に、例えばヘッセの「少年の日の思い出」のような、重大な事案とは言えないが、人間の暗部を示すような教材も含まれているから、バランスもいいのだろう。すなわち教材としてみた場合、「朝のリレー」という作品は、明確で前向きな主題を持ち、わかりやすい技法の指導が可能なものであるという枠組みを出る事はないと思われるのである。

 以上のような教材的な読みに対して、強い不快感を示す詩人がいる。関富士子氏の「〈詩を読む 4〉谷川俊太郎「朝のリレー」を読む」がそれである(注5)。
 関氏は『歴程』同人であり、『音の梯子』(注6)などの詩集があるが、インターネットを中心に活動する新しいタイプの詩人であり、上記の批評もまたインターネット以外では閲覧できないものだと思われる。
 関氏は別に教材研究的な読みに対して異議をとなえているわけではなく、そのようにしか読めない作品に対して不快感を表しており、その批判の骨子は以下の通りである。

「朝のリレー」には、まず初めに、読者に押し付けようとするテーマというものがあり、表現はそのためにねじまげられているのだ。
 さらに、明らかに意図的な比喩を、対句の繰り返し、断定的文末、切れのあるリズムでたたみかけてくる。詩のテクニック、いかにも詩的表現が、言葉をいまわしいスローガンに堕すのはこういう時だ。





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Last updated  Aug 15, 2012 04:37:46 PM
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