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2011.11.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
強欲資本主義の本質を知りたいという、やや不純な動機で読み始めた「ふしぎなキリスト教」の紹介、所感の第2段です。

一神教が世界を席巻している今、一神教に染まらない我が民族についても考えさせることが多い本であり・・・・
とにかく、読みどころの多い本です。

「ふしぎなキリスト教」橋爪大三郎×大澤真幸著、講談社現代新書、2011年刊

ふしぎなキリスト教

<自然科学の誕生>p311~315
橋爪:自然科学がなぜ、キリスト教、とくにプロテスタントのあいだから出てきたか。それはすでにのべたように、まず、人間の理性に対する信頼が育まれたから。そして、もうひとつの大事なことは、世界を神が創造したと固く信じたから。この二つが、自然科学の車の両輪になります。
 世界を神が創造し、物理現象も、化学現象も、生物現象も、神がつくったそのままのネイチャーであるならば、そこに神はもういないんです。世界を神がそうつくったという、痕跡があるだけ。どういうことかと言うと、たとえば、これを日本の神道みたいに考えれば、山には山のカミ、川には川のカミ、植物には植物の、動物には動物のカミがいるでしょう。山に穴を掘ったり、自然の実験・観察しようとしたりすると、カミと衝突してしまうわけです。カミに、それはやめてくれと言われてしまう。日本では工事するのに必ず地鎮祭をするけれど、昔だったらそんなことするくらいなら、工事をしなかったんじゃないか。

大澤:まあ、いちおう赦しを乞うているんですね。怒らせないように。

橋爪:そうそう。で、一神教では、神は世界を創造したあと、出て行ってしまった。世界のなかには、もうどんな神もいなくて、人間がいちばん偉い。人間が神を信仰し、服従することは大事ですけれども、神がつくったこの世界に対して、人間の主権があるんですね。ほんとうは神の主権があるんですけど、それが人間にゆだねられている。スチュワードシップというのですが、空き家になった地球を人間が管理・監督する権限があるんです。その権限には自由利用権も含まれていて、クジラに脂身がたくさんあって油が採れるとなれば、クジラを獲ってロウソクをつくってもいいし、石炭を掘り出してもいいし・・・・・。こんなことは、キリスト教徒しかやらないんです。
 世界は神がつくったのだけれども、そのあとは、ただのモノです。ただのモノである世界の中心で、人間が理性をもっている。この認識から自然科学が始まる。こんな認識が成立するのは、めったにないことなんです。だから、キリスト教徒、それも特に敬虔なキリスト教徒が、優秀な自然科学者になる。優秀な仏教徒や、優秀な儒教の官僚などは、自然科学者になりませんね。自然に興味を持ったとしても。

大澤:頭が良ければ科学者になるというものじゃないですからね。

橋爪:ぜんぜん違います。

大澤:大事なのは、生のスタイルというか、前提となっている考え方のほうですからね。
橋爪:はい。

大澤:基本線としてはおっしゃるとおりだと思いますが、もうちょっと立ち入って質問してもよろしいですか。
 いま一神教的な世界観と自然科学的な態度との関係を説明していただきました。でも、一神教にはユダヤ教から始まって、キリスト教とイスラム教があるわけです。では、ユダヤ教やイスラム教から体系的な自然科学が生まれなかったのでしょう? 先ほども少し話しましたが、中世にあたる時期のイスラム文化はかなり先進的で、錬金術など、今日の自然科学につながりそうな知識の点で、ヨーロッパよりもずっと先を行っていたわけですから、やはりふしぎに思います。
 あるいは、同じキリスト教でも、東方正教からではなく、カトリックに反抗して出てきたプロテスタントから、自然科学的なものの考え方が出てきました。プロテスタントが西ヨーロッパで拡がっていくのと歩みをともにするようにして、自然科学は爆発的に誕生をするわけです。そうすると、一神教の中でもさらに種差をつける必要があるのではないでしょうか?

橋爪:キリスト教が、ユダヤ教は、宗教法(すなわち、世界のなかの人間への、神の配慮)があるから、すぐれた知識人はまず、宗教法の解明と発展を考える。それに対してキリスト教は、宗教法がないので、どう生きれば神の意志に沿うことになるのか、途方にくれる。祈りの生活を送ってみたり、神学をやったり、哲学や自然科学をやったり、創意工夫しなければならない。特に宗教改革が、自然科学にはずみをつけた。
 プロテスタントは、神を絶対化します。神を絶対化すれば、物質世界を前にしたとき、理性をそなえた自分を絶対化できる。理性を駆使する自分は、神の似姿になっていると言ってもいい。理性を通じて、神と対話するやり方のひとつが、自然科学です。数学の場合も、デカルトみたいな考え方になり、公理系による数学の再構成が始まる。政治の場合には、絶対王政や主権国家の考え方になる。これらはみんな、根が同じです。教会の権威に頼らず、自分の理性をたのむ点で、カトリックよりはプロテスタントのほうがこれらを真剣に発展させて行きやすい。

大澤:なるほどね。




橋爪:ユダヤ教は、利子を取ることは禁止。キリスト教も、利子を取らない時期が長かった。イスラム教も利子を取ることは禁止。みんな利子を取らないんです。

大澤:そうですね。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」は、キリスト教徒がユダヤ人から金を借りる話ですもんね。あそこでも、利子を取っているユダヤ人のシャイロックは、悪い奴という扱いですが。

橋爪:利子なしでは、喜んで貸す人がいないから、なかなか借りられない。どうしても借りたければ、利子を払う。というふうに、実際は運営されていた。
 ではなぜ、利子を取ってはいけないのか。利子それ自体がいけないのではなくて、利子を取ると同胞を苦しめることになるから。借金を申し込むのは、多くの場合、困窮した人です。困窮した同胞に借金を頼まれたら、利子を取って追い討ちをかけてはいけない。利子なしで貸してあげなさい、という規定なのです。
 ユダヤ教はこういう規定がたくさんあるのが特徴で、たとえば、質入れ。上着をかたに取って貸し付けた場合、上着を日没までに返してやりなさい。とある。なぜかと言うと、当時、上着は夜寝るときに毛布のかわりになっていたので、上着がないと、夜寒くて困る。貧者の場合、ほかにないから上着をかたにとるんだけど、夕方になったら返してやらなきゃいけない。こういう規定がいっぱいある。利子の禁止は、その一環だった。借りる側が、困窮しているわけでなく、ビジネスを始めるから貸してくださいなら、禁止しなくてよいはずです。でも、そういう貸し付けを含めて利子は禁止だった。

(疲れたので 追って転記予定)


マルクス・レーニン主義も一神教の考え方から生まれるとか・・・・
プロテスタント(特にエヴァンゲリスト)のようなキリスト教原理主義から現在の強欲資本主義が生まれたのではないか?とか・・・・
いろいろ考えさせられる本です。

このあと、引き続いて読みどころを転記する予定ですが、転記する過程で、多少なりとも頭に入るような気がするアナログな大使でおます。


「ふしぎなキリスト教」1





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Last updated  2011.11.30 00:18:45
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