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2013.06.13
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米国では製造業の国内回帰運動が進んでいると、インタビューでジョセフ・パイン2世は説くが・・・
マスカスタマイゼーション(大量カスタム生産)という米国発の新思潮が気になるのである。

でも、アメリカ人コンサルタントの発言だけに、反米の大使は素直に信じるわけにはいかないのだ(笑)
インタビューを見てみましょう。


6/11 3Dプリンタが製造業を変える より
ジョセフ・パイン2世ジョセフ・パイン2世
――パインさんは、以前から「製造業のあり方は激変していく」と説いていました。

世界の製造現場で起こっているトレンドは、マスプロダクション(大量生産)からマスカスタマイゼーション(大量カスタム生産)への移行です。大量に同じものを生産するのではなく、消費者の観点に立った、マスカスタマイゼーションが伸びている。これは20年ほど前、私がまだIBMに籍を置いていたときに著書の中で発表した考え方です。マスカスタマイゼーションにより生産されるものは、目に見える商品だけではありません。サービスなどのエクスペリエンス(経験)も含むものです。

(中略)
――マスカスタマイゼーションは、「メイカーズ」にも通じる話だと感じました。

その前に、『MAKERS』の著者であるクリス・アンダーソンについてちょっと触れたいと思います。数年前にある会議で2人がそろってプレゼンターを務めたことがあります。彼はロングテールに付いて話をしました。小売業においてはインターネットによって、それほどの数量がでない尻尾の先までが売れるようになる、という話です。

私はルートロン・エレクトロニクスの話をしました。照明コントロールの会社で、何千という品番がある。この中には大きなロットで作る大量生産品もある。しかし年に100しか売れない品番が400ある。10個しか売れないものも400ある。数個しか売れないようなものも1200くらいあり、1個しか売れていないものもあった。この会社は1970年代からこうした製造をしている。私は、こうした製造のあり方が、多くの製造業を変えるマスカスタマイゼーションだと説明したのです。

ところが、クリス・アンダーソンはその話を聞いたときに、「ロングテールが成り立つのは小売り。製造業では無理だ。マスカスタマイゼーションなんてありえない」と言った。サンタクロースを信じない人なんだな、と感じました(笑)。ですから『MAKERS』を読んで驚きました。非常にすばらしい内容だと思うんですが、この著書の中では彼は明らかにマスカスタマイゼーションのトレンドを認めています。

<3Dプリンタには大きな可能性がある>
マスカスタマイゼーションのマスは、単に数量のことを言っているのではなく、生産主体もマスになる、ということを意います。例えば「テックショップ」というサンフランシスコを拠点とする会社があり、そこには多くの工作機械が置いてあります。会員はメンバーシップ・フィーを払えば、そこにある工作機械を使うことができる。四角形をしたクレジットカード決済用の白い端末はテックショップの機械によって、試作品が作られました。

――ジャック・ドーシーが創業したスクエアのことですね。5月から日本でもサービスを開始しました。

小規模の小売業者であれば、スクエアによる決済を非常に気に入ると思います。クリス・アンダーソンの話に戻りますが、彼も私も、3Dプリンタによってもたらされる、新たな可能性の信奉者です。私の一番最近の著書は『Infinite Possibility』(無限の可能性)です。そこでは3Dプリンタとマスカスタマイゼーションの融合について書きました。例えば仮想世界でデザインをして、そのデータを元に現実の製品ができる。デジタルテクノロジーの威力です。

3Dプリンタを使うと、頭の中で描いたことが即時に、現実のものになって表れる。例えば、普通の製品開発では、何段階も経てようやくそれが現実のものになっていくのに対して、即時に実現することができるというメリットがあるんですね。

――3Dプリンタは20年前からあります。何が変わったと思いますか。エポキシ樹脂のサプライヤーが増えたのでしょうか。

面白いことをいいますね(笑)。多くの要素がからんでいると思います。もちろん全世界的にエポキシ樹脂のサプライヤーがいることも、いま3Dプリンタが普及し始めている一つの要素でしょう。

今は産業経済から経験経済へと移行し、企業も人も、モノを作らなくなってきています。例えば、アメリカにおいては製造業に携わる人は雇用人口のわずか9%にしかすぎません。アメリカ市民全体のわずか5%です。ですから、モノづくりそのものが今までに味わったことのないすばらしい経験として見られるようになってきています。

3Dプリンタの登場により、モノづくりが民主化された。つまり大衆のものになった。一般の人であってもわずかの才能と適切なソフトウェアがあれば、自分が夢に見たデザインを形にすることができるのです。

<自分の欲しいものは自分で作る>
もう一つの重要なトレンドは、オーセンティシティ(ほんもの)です。偽者を嫌いオーセンティシティを求める心は、自分自身のアイデンティティに深く関わる要素です。個人の好みに合わせたカスタマイズを突き詰める。自分自身のアイデンティティの強化です。既製品の中に自分が欲しいものがなければ、自分の手を汚し、実際に触れながら、目指すものを作ることが、これからのトレンドだと思います。

エポキシ樹脂よりも重要性を持っているのはビット(bit)です。デジタル技術が発達すると、現実の生産とバーチャル(仮想)の設計ということが大きなテーマになる。実は、自分のこの名刺入れも、3Dプリンタで作られているんです。3Dプリンタを使用することでカスタマイズが可能です。名刺入れの側面には私の名前が刻まれています。

重要なのはパーツの組み合わせではなく1つのものとして作られていることです。通常であれば3つの部品から成り立っているレンチも3Dプリンタであれば1つのものとして製造できます。今日はたまたましていないのですが、指輪だってあります。エポキシ樹脂ではなく、金属を使ったものがプリンタで作れるのです。

――1つ1つ、自分がこだわって作ったものがオーセンティシティになる、ということですね。

答えはYesです。と言いますのは、3Dプリンタで作ったものには、まさに自分自身が投影されている。そしてまた、自分自身の分身のような感じもする。自分が欲しいと思っていたものを手に入れたときの感動とともに、オーセンティシティであり続けます。

<アップルはオリジナル・オーセンティシティ>
――オーセンティシティに関して1つお伺いさせてください。アップルとサムスンの比較です。タッチ型のスマートフォンでは、アップルがオーセンティシティで、サムスンなどその他のメーカーはコピーキャットだと思います。しかし、コピーキャットが今では世界シェアトップになっている。一方でオーセンティシティにいたはずのアップルが苦戦している感がある。

アップルは確かに多少はシェア面で苦戦しているとはいえ、何百億ドルという年商規模は変わらないし、利益率も高い。それほど苦戦しているとはいえないでしょう。しかしながら、サムスンの台頭には目覚しいものがある。しかし、多くの人にオーセンティシティと感じる機種を聞いてみると、スマートフォンではアップルと結びつけて連想する人が多い。アップルは独創的なデザインにより、「アップルならでは」という世界を作り出している。まさにオリジナル・オーセンティシティを体現している見本です。

それに対してサムスンは多くの人にとってコピーキャットだと思われている。ただ、そのまねの仕方が巧みで、新たに機能を付け加えている。すでにあるものを拡張しているのがサムスンです。現実問題として、オリジナル・オーセンティシティを拡張したサムスン流のやり方が、多くの人に好まれています。

アップルは、あまりにも大きな成功を収めたからこそ、成功の犠牲者になっているのです。大量に消費されて多くの人が使うようになって普及してくると、見る目が変わります。少人数が使っていたときには「クールだ」と感じていたのに、あまりにも多くの人が使うようになると、クールさをある程度失わざるをえない。ですからアップルは他の製品分野においてオリジナル・オーセンティシティを確立することで現在の停滞感を抜け出すしかありません。私たちが見たことのないものを出していくというのが、進む道だと思います。

――日本のエレクトロニクスを象徴する企業は、ソニーです。コンサルタントの立場から見て、ソニーはどうすれば輝きを取り戻せると思いますか。

私がソニーに対して抱いている印象は、機能を盛り込むことばかりやっていた、というものです。私の言葉でいえば産業経済のままだった。それに対し、アップルは経験経済へと移行しており、機能を絞り込んでいた。

iPodが、最初に世に出たときの非常に印象的なキャンペーンを覚えていますか。イヤフォーンをして多くの人が踊っている広告です。あれは、まさに踊って音楽を聴くという経験を前面に出している。テクノロジーを宣伝するのではなく、テクノロジーによって得られる経験を世に訴えかけた。常に、利用者の経験に焦点を当てることでアップルは成功してきたのです。

ソニーが輝きを取り戻すためには、やはりこういった経験分野に打って出るべきです。いいものを作るのは当然。その先にあるコミュニケーションを強化し、「ソニーの製品でなければ、この経験はできない」と思わせるメッセージが重要だと思います。


このインタビューは、大使にはあまり響かなかったが・・・
3Dプリンタの衝撃 で書いたように、3Dプリンタには衝撃を受けた大使である。

オーセンティシティ(ほんもの)志向は、日本人の職人かたぎに通じるものであり、サムスンの辞書にも載っていないものである。
この日本の強みを発揮できていないのは、ひとえに無責任な政治や役人が邪魔しているとしか思えないのだが(笑)





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Last updated  2013.06.13 07:28:27
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Re:3Dプリンタが製造業を変える(06/13)  
マックス爺  さん
今日は~!!

3Dプリンターを使って、発砲可能な「銃」を
造れる。そんな話を先日聞いたように思います。


物騒な世の中ですねえ。そんな「情報」が果たして
本当に必要なんでしょうか?

3Dプリンターは大いに役立つのでしょうが。 (2013.06.13 17:12:05)

Re[1]:3Dプリンタが製造業を変える(06/13)  
Mドングリ  さん
マックス爺さん
>今日は~!!
>3Dプリンターを使って、発砲可能な「銃」を
>造れる。そんな話を先日聞いたように思います。
>物騒な世の中ですねえ。そんな「情報」が果たして
>本当に必要なんでしょうか?

<あれは、野蛮なアメリカの話であり、日本では当然、犯罪になります。
とにかく、悪名高い全米ライフル協会に楯突くと選挙への影響が大きいとのこと。

>3Dプリンターは大いに役立つのでしょうが。
<3Dプリンターという革命的技術を商売に繋ぐのはアメリカジンのほうが上手のようですね。 (2013.06.13 18:41:37)

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