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2013.11.18
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。

・秘密保護法案 右崎正博さんが選ぶ本 
・「老年症候群」の診察室

さっそく、図書館に借り出し予約するのもいいかもね。
***************************************************************


「秘密保護法案 右崎正博さんが選ぶ本 より
秘密

■民主主義の原理と相いれぬ
 特定秘密保護法案の国会審議が始まった。
 この法案は、防衛・外交・スパイ活動防止・テロリズム防止に関わり、国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある情報を「特定秘密」に指定する。そして、その漏洩を禁止し、違反者に厳罰を科すとともに、特定秘密を取り扱う公務員らの家族関係などを広く調査し「適性評価」を行うとするものだ。
 このような法律は報道機関の取材や市民の調査活動を妨げ、報道の自由や国民の知る権利、個人のプライバシーを不当に侵害するおそれが大きいが、国家が自ら、ある情報を「秘密」として隠そうとする時、それに翻弄される人々が生み出されることも忘れてはならない。
 上田誠吉『ある北大生の受難』は、かつて「国家機密法案」が問題となったあとの1987年に朝日新聞社から刊行されたものだが、秘密保護法が声高に叫ばれ始めた今年、復刊された。
 北海道帝国大学の学生・宮沢弘幸が、旅行の見聞を北大予科の教師ハロルド・レーン夫妻に話したことが軍機保護法に違反するとして、日米開戦の日に検挙された。懲役15年の刑を科せられ、3年10カ月服役。戦後、放免されるが、収監中に健康を害し、47年に27歳で生涯を閉じた。容疑は、根室の海軍飛行場や樺太の海軍油槽施設などの存在を探知し、漏洩したというものだったが、いずれも公知の事実や彼自身が勤労奉仕で知った事実に過ぎなかった。

■沖縄密約の教訓
 72年の沖縄返還に関わる日米間の交渉過程で、返還される軍用地の復元補償費用400万ドルを日本が負担しながら、アメリカが支払ったように見せかける「密約」の存在を示す外務省公電が暴露された。しかし、政府は密約を認めず、公電の漏洩に関わった外務事務官を国家公務員法の守秘義務違反で、提供を受けた毎日新聞記者を秘密漏洩のそそのかし罪で起訴した。
 記者と事務官の個人的な関係を理由に、取材方法が相当でないとして有罪とされた事件の本質を明らかにしようとする、澤地久枝『密約』からも改めて学ぶことが多い。問われるべきは「密約」の是非であったのに、記者の職業倫理の問題を刑事責任の問題にすり替えた最高裁の決定が、いま特定秘密保護法案を正当化する理由として使われているからである。

■知識で「武装」を
 海渡雄一・前田哲男『何のための秘密保全法か』は、戦後の安全保障をめぐる動きや、9・11の同時多発テロ対策にまぎれて自衛隊法に「防衛秘密」の保護規定が入れられたことなど、特定秘密保護法がいま問題となる背景を歴史的に明らかにする。法案の本質とねらいをやさしく解説しており、案内書として有用だ。
 また、評者も論稿を寄せているが、田島泰彦・清水勉編『秘密保全法批判 脅かされる知る権利』(日本評論社)は、法案の問題点を「市民の自由」という観点から解き明かしている。
 「知識は無知を永遠に支配する。自らの支配者たらんとする人民は、知識が与える力で自らを武装しなければならない」
 これは、アメリカ合衆国第4代大統領ジェームズ・マディソンの言葉だが、「知る権利」と民主主義の関係について重要な示唆を与えている。国家の秘密は、公開の討論を基礎におく民主主義の原理と相いれず、人権保障の原理とも両立しがたい。そのことを心に刻みたい。
     ◇

うざき・まさひろ 独協大学教授(憲法学) 46年生まれ。共編著『情報公開法』『表現の自由とプライバシー』など。

<大使寸評>
国会で平成の治安維持法のような法案の審議、協議が続いている今、日本はまさに岐路に立っているわけで・・・
右崎さんが言うように、知識で「武装」する必要に迫られているようです。

***************************************************************
【引用書籍:秘密保全法批判 脅かされる知る権利】
脅かされる

田島泰彦 清水勉著、日本評論社 、2013年刊

<「BOOK」データベースより>
国家秘密を守るとの美名のもと、市民の自由と権利を骨抜きにする秘密保全法。私たちの民主的な社会を守るため、徹底的に批判検証する。
【目次】
1 秘密保全法とは何か(秘密保全法を考えるーなぜ法制化か、何が問題か/徹底解剖・秘密保全法ー有識者会議報告書と市民の自由)/2 国家の秘密v.s.市民の自由(国家秘密と憲法原理/公務員と守秘義務/国家秘密保全法制と刑事法/秘密保全法制と情報公開/原子力と秘密/国家秘密とジャーナリズム)/3 諸外国は国家の秘密と市民の自由にどう向き合っているか(はじめにーヨハネスブルク原則を中心に/イギリス/アメリカ/ドイツ/フランス/韓国)

rakuten 秘密保全法批判 脅かされる知る権利



自分も年老いて、老々介護という状況になってくると、この本が気になるわけです。

「老年症候群」の診察室 より
老年

<人間の全体を見る医療を取り戻す:田中優子(法政大学教授・近世比較文化) >
高齢の母が複数の病院に通い、たくさんの薬を服用していた。それでもひどく具合が悪くなったことがあった。「何かおかしい」と自分で感じていくつかの薬をやめ、いくつかの医療機関をやめたら調子が良くなった。そういう経験をちかごろ良く耳にする。
 本書を読んで、すとんと心に落ちた。五つの医療機関にかかり十七種類もの薬を処方されていた高齢者の話が最初に出て来る。これは希(まれ)な例ではない。やはり変だ。著者は「医学モデル」から「生活モデル」への転換が必要だと言う。高齢者の不調は若者の病気とは異なり「虚弱化」の結果なのだ、と。具合が悪くなるとその部分の専門の病院に行くが、ひとつひとつ別々に治療しようとしたら何種類もの薬を飲むことになり、その副作用は尋常ではない。
 ではどうしたら良いか。全体を「老年症候群」と捉え、別々にではなく、老化全体と向き合いながら、生活を楽しむのがいちばんだという。自分の身に引きつけてもそのとおりだ。
 高齢になればなるほど人間の多様性が増して来る、という指摘に納得した。症候群の出方はそれぞれ、趣味も思想もまちまち。医者もそれを心得て柔軟に対応しなければならないのは、その通りだろう。この多様性は、高齢化社会の豊かさでもある。
 老年医学には「包括的高齢者評価」という概念が必要だそうだ。身体的な問題が心理的な問題と関わっていたり、その逆もあり、その原因が生活環境であったりと、全体の生活の質を知らないと、もはや医療は対応できないのである。個々の人間をみつめることになる。
 近代医学は人間の同質性を前提に部位を分け、分析することで発達した。しかし高齢化社会を迎えることでようやく、かつてのような人間の全体を見る医療を取り戻せるのではないか。その可能性を感じることのできる本だ。

    ◇

『「老年症候群」の診察室』大蔵暢著、朝日新聞出版、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
「老衰終末期における代理決定」について、患者の意思決定支援における新たな方向性を示す注目すべき論考。日米の高齢者医療を知る新進気鋭の老年科医による画期的な書。
【目次】
1 虚弱高齢者とは(高齢者の虚弱性と多様性ー最も身近なミステリー/包括的高齢者評価ー老年科医の十八番)/2 老年症候群とその特徴(老年症候群ー高齢者の複雑系/認知症ー生活の病い/行動・心理症状と認知症ケアーチームワークの力試し/せん妄ー脳の負荷試験 ほか)/3 高齢者医療が直面する課題(骨の健康ー理想か現実か/高齢者の抗凝固療法ー超不確実性に挑む/事前ケア計画ー高齢者医療の切り札/胃ろう造設と人工栄養ー医療の原点を固持せよ ほか)

<読む前の大使寸評>
自分も年老いて、老々介護という状況になってくると、この本が気になるわけです。
また、評者が田中優子教授ということで、気になった次第です。

rakuten 「老年症候群」の診察室


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Last updated  2013.11.18 19:00:13
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Re:朝日デジタルの書評から30(11/18)  
chappi-chappi  さん
お薬がだんだん増えていってえらいことになったのは
すっとこママで経験しました。
副作用はこわいです。
中村仁一さん(医師)が「大往生したかったら
医者にかかるな」と言ってます。
薬を飲むのは生活の質が改善するときだけ、とも。
老々介護は、体が大きくて重いので
妻が夫を介護するときが大変そうです。
好きなことして楽しく暮らしていると、
ぽっくりいける、とかも聞きました。
そのうち認認介護が普通になるかも~~~
(2013.11.19 18:17:29)

Re[1]:朝日デジタルの書評から30(11/18)  
Mドングリ  さん
chappi-chappiさん
>お薬がだんだん増えていってえらいことになったのは
>すっとこママで経験しました。
>副作用はこわいです。

<chappiさんがそんな経験をしたとは知りませんでした。
老々介護と書いたけど、自分がそういう年齢に近づいただけでんがな。

>中村仁一さん(医師)が「大往生したかったら
>医者にかかるな」と言ってます。
>薬を飲むのは生活の質が改善するときだけ、とも。
>老々介護は、体が大きくて重いので
>妻が夫を介護するときが大変そうです。
>好きなことして楽しく暮らしていると、
>ぽっくりいける、とかも聞きました。
>そのうち認認介護が普通になるかも~~~
>
<がんの転移が無いのは不幸中の幸いであり・・・
大使は医者要らずを目指すわけで、薬という異物を拒否しています(笑) (2013.11.19 20:17:22)

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