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2013.12.22
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カテゴリ: 気になる本
この本を読んで驚くのだが・・・
インタビュアーの吉成真由美さんの質問が鋭いのである。
事前の勉強があったと思うのだが、6賢人にこれだけ質問できるとは、かなりの人物なんでしょうね♪


【知の逆転】
逆転

吉成真由美編、NHK出版、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
「二重らせん」構造を解明したワトソン、「普遍文法」を提唱し言語学に革命をもたらしたチョムスキー…限りなく真実を追い求め、学問の常識を逆転させた叡智6人。彼らはいま、人類の未来をどう予見しているのか。「科学に何ができる?」「人工知能の可能性は?」「情報社会のゆくえは?」-現代最高の知性が最も知りたいテーマについて語る興奮の書。
【目次】
第1章 文明の崩壊(ジャレド・ダイアモンド)/第2章 帝国主義の終わり(ノーム・チョムスキー)/第3章 柔らかな脳(オリバー・サックス)/第4章 なぜ福島にロボットを送れなかったか(マービン・ミンスキー)/第5章 サイバー戦線異状あり(トム・レイトン)/第6章 人間はロジックより感情に支配される(ジェームズ・ワトソン)

<読む前の大使寸評>
学問の常識を逆転させた叡智6人…そのダイジェスト版ということだが。
忙しいビジネスマン向けの本なのかも?
暇な大使は時間だけは、たっぷりあるんですが(笑)

誰が企画したか知らないけど、この6賢人へのインタビューを敢行した吉成真由美さんもなかなかの人である。

rakuten 知の逆転


インタビューのなかで、興味深いヵ所をアトランダムに紹介します。

<リーダーが大衆から隔離されると国が滅びる> よりp24~25
Q:たとえば14世紀から17世紀まで中国を支配した明朝の場合、当時のヨーロッパより優れた航海術を持っていたにもかかわらず、「海禁」という、領民の海上利用規制政策を実施したため、貿易が抑制されて経済の発展が妨げられ、西欧に後れをとってしまったと書いておられますね。リーダーのたった一つの決断が、国の衰退を招くような結果となったわけですが、これは一握りのリーダーたちの生活が特権化して社会から隔離されてしまったために、彼らが社会にとって不利益な決断を下すことになったと言っていいと思いますが。

ダイヤモンド :たしかにマヤ文明の王やグリーンランドのノース人の王は、大衆から完全に隔離されていたため、大衆が飢えていることに気づかず、社会の崩壊を招いてしまった。独裁政権下では、隔離された一握りのリーダーたちが決定権を握っています。この状況下では、決断は極端に良いか極端に悪いかのいずれかになりがちです。
 たとえば中国は実質上独裁政権と言っていいでしょう。中国の指導者たちは、ガソリンから鉛を除去するといった、素晴らしい決断を下しています。中国の指導者がそう決めたら、1年のうちに中国ではガソリンから鉛が取り除かれた。アメリカでは10年も議論してからやっとそうなったわけで、これは独裁政権の有利なところです。
 もちろん、独裁者がひどい決断を下す場合もあります。たとえば40年前、10億の人口を要する中国の指導者たちは、教育制度を全国的に廃止して、大学教授などの知識階級を地方に追いやり、強制的に肉体労働に従事させたわけです。指導者たちが一般市民から隔離されているために、独裁政権下ではこういうことが起こる。



<森と魚を保護すべき日本が、自らの首を絞めている> よりp32~33
Q:1941年にルーズベルト米大統領が、日本への経済封鎖の一環として、日本への石油の通商禁止を強いたことが、石油の8割をアメリカからの輸入に頼って戦争していた日本にとって打撃になりました。このことが結局、第二次世界大戦における日本とアメリカの戦争の引き金になったと言ってもいいと思いますが、日本のように自然資源に乏しい国が将来生き残っていくためには、どのようにすればいいのでしょう。

ダイヤモンド :それは実に興味深い問題で、日本はこの観点から見ると、限りなく興味をそそられる国です。おっしゃるとおり日本は、先進国の中でも、原料輸入に最も頼っている国でしょう。たとえば木材。日本は緑の島国で、国土のおよそ三分の二が森林に覆われていますが、日本で使用される木材は、国産ではなく、輸入されたものです。ですから先進国の中でも特に日本は、世界の森林保護に対して、最も積極的に投資しているのです。 また漁業に関して言えば、日本は世界屈指の海産物消費国であり、同時に世界屈指の海産物輸入国でもあります。ですから世界の漁場を健全なレベルに維持していくことは、他のどの国よりも日本にとって重要な課題でもあるわけです。

 私がもし日本の最大の敵であるなら、世界の森林を多量伐採によって荒らし、世界の漁場を多量捕獲によって荒らすでしょう。そうすれば日本は滅びてしまいますから。皮肉なことに、日本は残念ながら世界漁場における過剰捕獲国の一つであり、世界の漁場安定化のためにリーダーシップを発揮すべき立場にあるのに、まだそうしていない。これが現代日本の矛盾点です。



<インターネットはカルトを生む> よりp102~103
チョムスキー :垂れ流しの情報があってもそれは情報がないのと変わりません。何を探すべきか知っている必用がある。そのためには、理解あるいは解釈の枠組みというものをしっかり持っていなければならない。これを個人で獲得するのはたいへんです。機能している教育制度や組織が必要だし、他の人たちとの交流が必要になる。視点というものが形作られ発展していくためには、構造を持った社会が必用になります。
 ちょうど科学分野における大学院のようなものです。MITの私たちの学部では、学生は個人で研究するということはありません。みなグループで研究する。何かアイデアがあれば、他の学生や教授たちと話をすることで、彼らからアイデアをもらい自分からもアイデアを提供するという、双方向の交流がある。仕事は共同作業であり、相互作用です。物事を理解するうえでも同じことが言えます。

 現代はたいへん細分化された社会で、組合も政党も影が薄くなり、まだなんらかの活動をしている集団といえば教会くらいのものです。そういう社会では、インターネットはカルトを生む土壌になる。全く意味をなさない事柄でも、そこにあるので人々が寄ってきて、意味をなさないまま、ぞろぞろとサイバー上に人が寄り集まってくるという現象が起こります。

Q:では、インターネットがコミュニティを基本とする民主主義の土台になるとは限らないということでしょうか。

チョムスキー :もちろん土台になることは可能ですし、いろいろな活動グループが大いに活用しています。何かグループで活動したければ、インターンネットですることになる。しかし、ほとんどの人々にとってインターネットは個人で使う道具の域を出ません。グループを作ろうとしてもせいぜいティーパーティー運動止まりです。



<将来全ては携帯型機器に移行する> よりp210~212
Q:日本人はアメリカ人よりもはるかに多く携帯電話やスマートフォンを使っています。このうえクラウド・コンピューティングが普及してくると、自宅にコンピュータを持つ必要もなくなってくる。メールやサーチ、ショッピング、銀行口座管理、各種予約など全て電話でOK,将来ビジネスだって電話一つでできるようになる可能性もあるわけです。将来コンピュータからスマートフォンへ移行すると、何か問題があるでしょうか。

レイトン :おそらくこれからあらゆるものが携帯型の機器になると思います。たぶん2種類に分化されていくでしょう。コンピュータ型で処理能力の高いものと、軽便なものですね。
(文字数制限により省略)
 日本は、携帯型の機器では、世界の最先端を行っていますね。eコマースの三分の一が携帯で行われています。アメリカではまだ一桁台の利用率しかありませんから、日本を追う形になっています。ですから、インターネット上の新しいテクノロジーの使用形態を探っていく場合、われわれは日本を含むアジアに目を向けざるをえません。往々にしてアジアではそういうものがはじめて大規模に展開しているからです。
 日本では、携帯がクレジットカードの役割を果たしていて、それで買い物ができます。アメリカでもその方向に向かっていますが、まだまだですね。また、日本ではGPSベースの携帯の利用方法も行われていて、自分の探している物が置いてある店を探し出して、そこまで誘導してくれて、実際店に入ると、クーポンが入手できて「6番目の売る場に行くとあと15分は20%引きになっています」なんて情報がすぐ得られるようになっている。その延長線上で、実にいろいろなことができるようになると想像できますね。たいへんな可能性です。


暇を満喫している大使にとって、ワトソンさんから心強いお言葉がありました(笑)

<多くの人はただ「忙しくしていたい」だけ> よりp285~286
Q:われわれは日々情報の洪水にあっているため、なかなかじっくり考えるということが難しいのではないでしょうか。

ワトソン :全くそうです。だから私はEメールを使わない。Eメールは私の考えることをある程度規制してしまうからです。押し寄せてくるさまざまなチャレンジにただ対応することに時間を費やすのではなく、自分自身のチャレンジに対応することで1日を送りたい。

 もちろんグーグルやウィキペディアなどは、いちいち図書館に行って調べなくとも簡単に検索をして情報を入手できるという意味で、素晴らしい。二つのキーワードが関連している文献を入手したいと思えば、それら二つのキーワードを入れるだけで手に入るわけで、サイエンスを加速させる良い道具です。
 しかしある時点で、いまやっている実験ははたして本当に我々の思考を変えることができるのかと、問う必用がある。あるいは我々が解きたいと思っている問題の解決になるのかと。ひょっとして、これをやっていることが、本来やるべき重要な実験をすることの妨げになってはいないか。単にできるというだけの理由でこれをやっているのであって、それが決定的な結果をもたらすものではないかと。

 多くの人は、非常に忙しく立ち働いているけれども、深く考えずに、単にそれができるからそうしているだけのことなんですね。
 脳科学の分野でも全く将来性のない部分がある。でも多くの人がそれをやっている。それで忙しくしていられるから。どうやって本当に難しいことをやっていいか分からないから。本当の答えを見つけようとするのではなく、単にできるからという理由でやっているんです。
 昔からこのようなことはありましたね。「忙しくしていたい」というのは今に始まったことじゃない。






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Last updated  2013.12.22 20:42:05
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Re:知の逆転(12/22)  
alex99  さん
>この本を読んで驚くのだが・・・
インタビュアーの吉成真由美さんの質問が鋭いのである。
事前の勉強があったと思うのだが、6賢人にこれだけ質問できるとは、かなりの人物なんでしょうね♪
ーーー
読んで見たくなるMドングリさんの説明ですね

(2013.12.22 22:09:00)

Re[1]:知の逆転(12/22)  
Mドングリ  さん
alex99さん
>読んで見たくなるMドングリさんの説明ですね
>
<私向けの紹介のようになっていますが、この本も斜め読みなんです。なにしろ、暇だけどイラチなもんで(笑)
ジャレド・ダイアモンドが興味深いので、『銃・病原菌・鉄』を読もうと思っています。
(2013.12.22 22:37:36)

Re[2]:知の逆転(12/22)  
alex99  さん
Mドングリさん
>alex99さん
>>読んで見たくなるMドングリさんの説明ですね
>>
>&lt;私向けの紹介のようになっていますが、この本も斜め読みなんです。なにしろ、暇だけどイラチなもんで(笑)
>ジャレド・ダイアモンドが興味深いので、『銃・病原菌・鉄』を読もうと思っています。
>
----

積ん読ですが、保管中(笑)
でも、これ、図書館にある本ですか?
厚いし、確か、上下巻

(2013.12.23 01:02:25)

Re[3]:知の逆転(12/22)  
Mドングリ  さん
alex99さん
<ジャレド・ダイアモンドが興味深いので、『銃・病原菌・鉄』を読もうと思っています。
>
>積ん読ですが、保管中(笑)
>でも、これ、図書館にある本ですか?
>厚いし、確か、上下巻
>
-----
<図書館で手にしたことはあるんですが・・・
分厚いので、躊躇した次第です(汗) (2013.12.23 07:17:13)

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