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2014.01.10
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カテゴリ: 歴史
このところ鄭和に入れ込んでいる大使は、図書館で「中国が海を支配したとき」という本を借りたのです。
とにかく、この本のタイトル「中国が海を支配したとき」が刺激的なんですね。



鄭和

ルイーズ・リヴァシーズ著、新書館、1996年刊

<「MARC」データベース>より
大航海時代に先立つこと数十年前に、ヨーロッパ艦隊とは比較にならないほどの大艦隊が世界の海を牛耳っていた。中国に出現した鄭和の艦隊の大航海と、蜃気楼のように歴史の舞台から姿を消すまでを描く。

<読む前の大使寸評>
1996年刊のこの本のタイトルが、今日的であることが気になるのです。

amazon 中国が海を支配したとき


この本の紹介の最後となりますが、訳者のあとがきから、一部を紹介します。

<訳者のあとがき>
 ここで本書の特色をもうひとつ述べるならば、記述を鄭和の遠征のみに絞ることはせず、明初の内政事情や外交状況、また当時の東南アジアの政治状況まで取り込んで、立体的な歴史を書こうとした点があげられるだろう。最終章とエピローグにおいては、華僑の精神の中に生きる鄭和像や、オーストラリアとアフリカとにおける考古学的考察までが含まれている。言ってみれば著者は広い人類史・文明史の立場から鄭和の遠征を位置づけようとしているのであり、このような姿勢は中国の歴史に慣れしたしむ機会の多い私たち日本人にとっても、新鮮な視点を提供してくれるものと思う。

 周知のように、ヨーロッパ人による大航海時代は新世界発見であると同時に、それから何世紀にも引き続く過酷な植民地支配の幕開けでもあった。一方、鄭和の率いた宝船艦隊は、尊大な「中華意識」に裏づけられたものであったにせよ、著者に導きの糸を与えたジョセフ・ニーダムのことばを借りれば、「基本的に平和的な性格」を持ったものであった。
 その原因はさまざまに考えられるだろうが、ひとつには本書からも読みとれるように、鄭和やその部下たちにおける実質的な多言語主義と宗教的寛容主義があげられるだろう。鄭和にしてからがイスラム教徒でありながら同時に道教の女神をも信奉する人間であったし、部下にはたとえば馬歓のような、中国語にもアラビア語にも堪能といったバイリンガルやマルチリンガルが数多くいたと思われる。

 もし、鄭和たちが宗主国の言語と宗教とを朝貢国に押しつけ、ヨーロッパ人たちと同じく容赦ない武力支配をおこなっていたならば――世界史は現在見るものとはまったく異なったものになっていただろうことは想像に難くない。コロンブスがもはや英雄ではなく、「残虐な略奪者」として批判される今日において、なぜアジアの大航海者はそうならなかったのか。しかしもし鄭和たちが積極的に植民地経営に乗り出していたとするならば、現代の世界はいったいどのような形になっていただろうか・・・・こうしたアンビヴァレントな問いかけが、欧米社会に身を置く著者を本書の執筆に駆り立てた深い動機なのではないかと推測される。

 それにしても、歴史から消え去っていった宝船艦隊は、単なる壮大な蜃気楼、あるいはみずからの巨体ゆえに自滅していった恐竜のごときものにすぎなかったのだろうか。 


鄭和は去勢された宦官であったにもかかわらず、男性的な行動力を持った司令官だったようですね。
それから、他宗教にも寛容なイスラム教徒というイメージが、尊大な漢族と違ってわりと爽やかな印象を与えるわけです。

ところで、著者のルイーズ・リヴァシーズさんであるが・・・
猛烈なフィールドワーク、歴史学者のような掘下げがあり、たいした女性ジャーナリストであると思うわけです。

中国が海を支配したとき1
中国が海を支配したとき2
中国が海を支配したとき3
中国が海を支配したとき4

この本も 中国歴史に関連する本 に収めておきます。







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Last updated  2014.01.10 00:47:24
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