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2014.12.22
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カテゴリ: 気になる本
日中相互の嫌悪感は高まりこそすれ、なかなか沈静しない昨今である。
中国の異常な軍拡など見るにつけ、ナショナリズムの季節なんだろうと思うのです。

ナショナリズム関連のネット情報を見てみましょう。
人民網の次の論説を見ると、中国の自己認識が透けて見えるのだが・・・
自己中そのものであり、共産党中枢も同様であれば、怖い気もするわけです。

12/02 中国のナショナリズムは日本や韓国、欧米よりもひどいのか?―中国紙 より
2014年11月30日、ある時期より、西側諸国では「ナショナリズム」という言葉で中国を語ることが多いが、なぜこのように言うのか理解に苦しむ。中国にも西側をまねてこうした言い方をする人が少数ながらおり、問題をさらにわかりにくくさせている。環球時報が社説として報じた。

ナショナリズムは政治用語だ。政治用語の多くは意味が歴史の中で変化を続け、国や力が違えば、同じ言葉でも同じように使用するとは限らない。全体としていえることは、世界を見渡してもナショナリズムという現代の概念は相当曖昧なものであり、愛国主義との境界がはっきりしないが、愛国主義は通常はプラスの言葉、ナショナリズムは通常はマイナスの言葉とされるということだ。

ナショナリズムという概念には歴史的過程と関わりがある学術的な解釈がある。だが現在の中国や海外の討論の場で使用される場合は、正常な愛国主義を超えてしまった感情で、愛国主義よりも激しく、攻撃的なものとされることが多い。この言葉の内容の明確さは、マイナスの意味合いほど突出したものではない。実際、世界や地域と競争する社会に積極的に参与する場合は、多かれ少なかれナショナリズム的な気分になるものであり、またこうした気分をもつ人たちもいる。中国は自国にはナショナリズムはまったくないと言うことはできない。問題は中国がナショナリズムだといってしょっちゅう批判する国で、ナショナリズムから完全に自由な国があるだろうかということだ。

西側世論でナショナリズムを語る時は中国を指していることが多い。西側の一部の人々は、ナショナリズムというのは中国のイデオロギーの中で共産主義よりも実質的な中味をともなった概念であるとの見方を示し、彼らがナショナリズムを語る時にはナショナリズムの意味を再生し、ほとんど形容詞のように使用して中国と関連づけている。こうして、中国はナショナリズムの汚名を背負わなくてはならなくなった。中国がどのような動きをしても、常にナショナリズムのレッテルが貼られる。

是非を考えれば、はっきりする。中国と周辺国との交流の多さを他国と比較すると、特に領土問題を抱えた国々と比較すると、誰のナショナリズムが最も強烈なのかが見えてくる。

日本の政府高官と議員が靖国神社を恒常的に参拝し、激しい感情や対抗の姿勢を示すことにより、日本の高官達は中国社会の言論を刺激し、これらの言動はたびたび日中の衝突の導火線となってきた。このような中国でほとんど見られない動きはナショナリズムといえないのだろうか。

中国の反日デモは外部ではナショナリズムの重要なあらわれとされているが、ここ数年のデモはあまり激しくなくなっただけでなく、デモ自体も減っている。ベトナムで数カ月前に行われた反中デモは暴徒化したとまで言われながら、ベトナムがナショナリズムとされることはなく、実に不思議だ。

中国はアジアで最も開放された市場であり、中国社会は基本的に民族的精神と外国製品に対する態度とを関連づけることはない。韓国と日本の社会は経済では自国保護の意識が目立つ。中国はグローバル化の積極的な参与者であり推進者だ。中国人は違いを尊重し、自国の要素やシンボルをなんとしてでも輸出しようとはしない。中国はさまざまな文明に対して謙虚にへりくだり、欧米社会のように強い優越感をもち、西側の文明が世界を主導することをしっかりと堅持することはしない。

中国の台頭が西側諸国をあわてさせており、世界的局面におけるこのような変化に適応できないのは一種の典型的なナショナリズムだ。こうした気分は米国の対外政策にますます浸透するようになる時、世界の不安定さの中には、あまり公開されていないが、確実に存在する新たな原因がある。

いろいろなところで武力を行使してきたいくつかの国々が、20数年にわたって戦争することなく、周辺小国との摩擦の中で慎み深く慎重な態度を取る中国のナショナリズムを非難する。このようなデタラメな論理が西側の主導する世論で輝きを放ち、また批判精神に満ちた西側メディアは「知らぬが仏」を決め込んでいることは、本来あるべき姿ではない。

強調したいのは、中国社会にはナショナリズムの感情がないわけではないということだ。これほどの大きさの社会で、あらゆることに注目する事例が存在する。だがナショナリズムが中国に与える実際の影響は限定的で、平和的発展が中国社会の普遍的な願いであるだけでなく、ほとんど一種の信仰となっている。中国人はウィンウィンを信じており、ゼロサム主義は多くの人が狂信的で成功するはずのないものとみなしている。

ナショナリズムは全体として時代遅れの概念とみなされるべきだ。ナショナリズムをめぐって論争を続けるのはつまらないことだ。グローバル化の時代にあって、ナショナリズムにはたくさんの天敵がおり、支離滅裂だといえる。ナショナリズムがウィンドウに飾られた服のようなものだとすれば、サイズがそろわず、品物がないことはしょっちゅうだ。ナショナリズムを誇大化するようなことはしてはならない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)


もちろん大使は、中国人すべてがこのような自己中であるとは思わないわけです。
というのは・・・
朝日新聞のインタビュー記事「 政治化するナショナリズム 」を読んだのだが・・・


中国人だから中国擁護となるのは当然だとしても、母国を客体視できる的確な歴史認識を持った人だと思うのです。今後の日中関係について建設的なところがいいですね。


図書館で『ナショナリズム入門』という本を借りたが、借りた理由は・・・
高まる中華のナショナリズムに脅威を覚えるからです。


<ナショナリズムの季節>
 日本の政治状況は、現在の中国の政治状況とは大きく異なっています。現在の中国には中国共産党があり、すべての政治勢力を横につなげて、共産党主導の政治を行っているからです。ただ、上からの統制を強化すれば経済発展の前途が危うく、民主化を促進すれば下の不満の暴発が危うい状況ではあります。すでに共産党への信頼は根本的に揺らいでおり、国民の不満は膨大に蓄積してしまいました。共産党主導の政治を今後も進めていくのは、きわめて困難な道筋となります。

 いずれにせよ、昭和戦前期の日本と現在の中国に共通して見えるのは、ナショナリズムの盛上がりということです。第一章で紹介したフリードリヒ・マイネッケは、1924年に『近代史における国家理性の理念』という大著を刊行し、軍国主義とナショナリズムと資本主義の三つの力が合成されると、政治指導は翻弄されて国家は危機に陥ると指摘しました。それはヨーロッパ諸国と日本で20世紀前半に生じた現象だったのですが、現在の中国にも生じているように思います。
 そしてナショナリズムについて考えると、わたしは、その盛上がりに季節があるのではないかと思います。すなわち、近代化が中途半端な時期にこそ、ナショナリズムは盛り上がるのではないかと思うのです。それは簡単に言えば、普通の人が外国のことを知っていても、現実にはまだ行ったことがない時期です。近代化が成功して強大化した実感はあるものの、自分自身の生活に関して言えば、まだそれほどでもない、という頃合いになります。
 ネイションへのこだわりが大衆にまで普及し浸透するこの時期は、力強さと一体性へのこだわりが強くなり、ネイションにすがって暮らしを良くしてもらおうと期待しがちな時期なのです。

 中国は、経済発展の成功によって今やこの時期に到達しているのではないでしょうか。そしてそうであれば、現在の中国のナショナリズムの盛り上がりは、今後も続いていくと判断すべきでしょう。しかも近代化の中途半端さは、人心を攻撃的にして、力への期待と過信をもたらしがちです。中国発のナショナリズムの連鎖反応が起きる可能性が、東アジアから東南アジアにかけて高まっている、と思います。

 それではどのようにして、この季節を乗り切っていくべきでしょうか。
(中略)

 この争いをさらなる活力へと転化できるかどうか。これが、ネイションの運命を決定的に左右します。国家が強大化するにつれて、国家の権力を握った人間たちが絶対的に優位な立場を占めるようになりますが、だからといってネイションの活力を削いでしまうと、国家は衰退してしまいます。そしてここで、民主主義の仕組みを上手に利用できるかどうかが決定的に重要となるのです。

 中国国家が中国ネイションの活力を高めていくためには、どうしても、民主主義の仕組みを取り入れていくことが不可欠です。ただしそのためには、情報の自由な流通が必要となります。このハードルは高いと思いますが、盛り上がりすぎるナショナリズムの暴発を予防するために、長期的にはこうするしかないのではないでしょうか。


著者の専攻は政治思想史・ナショナリズム論とのことであるが・・・
この学者から見ても、昨今の突出する中華ナショナリズムは異常に映るようです。
つまるところは、コンプレックス、屈辱感なのではないか?

中国が近代化の中途半端な時期を迎えていると、著者は述べています。
ちょうど、戦前の日本がこの時期を経たわけであるが・・・
中国と戦いながら、大東亜共栄圏という夢を掲げ、国内では言論統制で引締めていたわけです。まったく、今の中国と相似形ですね。


【ナショナリズム入門】
ナショナリズム

植村和秀著、講談社、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
クリミア・尖閣・竹島…衝突は、なぜ起こるのか?21世紀最大の難問。
【目次】
はじめに ナショナリズムを見た日/第1章 ネイションの作り方/第2章 ネイションの自明性ー日本の形/第3章 ネイションの多義性ードイツの変形/第4章 人間集団単位のネイション形成(一)-ドイツと東欧/第5章 人間集団単位のネイション形成(二)-ユーゴスラヴィアの滅亡/第6章 地域単位のネイション形成(一)-アメリカ大陸の状況/第7章 地域単位のネイション形成(二)-ヨーロッパの西と南/第8章 ネイション形成のせめぎ合いー重複と複雑化/第9章 ナショナリズムのせめぎ合いー東アジアの未来/第10章 政治的仕組みとネイション

<読む前の大使寸評>
評者が吉岡桂子記者ということで、とりあげた新書なんですが・・・・
吉岡記者が選んだ本なら、「外れ」はないでしょう。
とにかく、この本に戦争を防ぐ知恵を期待したいのです。

<図書館予約:(9/11予約、10/15受取)、予約#:>

rakuten ナショナリズム入門
ナショナリズム入門 byドングリ







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Last updated  2014.12.22 00:01:37
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