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2015.04.10
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。

・オートメーション・バカ
・ぼくが映画ファンだった頃

なお朝日新聞デジタルのサービスが向上したせいか、書評欄は掲載日に見られるようになっています。(たまに、遅れることもあるけど)
***************************************************************

オートメーション・バカ より
バカ

<機械任せで加速度的に能力が劣化:]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) >
 ネット検索、スマホにカーナビ。近年、加速度的に進化する情報技術により我々の生活は大きな変貌をとげた。だが変わったのは生活だけではない。あらゆる作業が自動化(オートメーション)されることで我々自身も大きな変化の波を受けている。

 その変化とは端的に言って人間の能力の劣化だ。本書にはいくつもその象徴的な例が紹介されている。例えば自動操縦機能の進化で手動操縦できなくなった飛行士、GPSの登場により自力で旅ができなくなったイヌイット、決定支援ソフトに診断を仰ぐようになった医師などである。

 能力の劣化は我々が行為をしなくなり、世界と関与する機会が失われることでもたらされる。昔の飛行士は操縦桿を握ることで機体を直接動かす感覚を持てた。世界に働きかけると必ず反応があり、その反応が思考、感性、技術を磨く生成効果をもたらした。ところが操縦が自動化され、世界と関与しなくなることでその効果を喪失した。自動化は我々と世界との間に壁を作り、自分では何もできない薄い人間ばかり生み出すのだ。

 何も難しいことを言っているのではない。あなたも携帯が登場するまで知人の番号を何件も記憶していたはずだ。しかし今はきっと妻の番号も覚えていないだろう。もちろん私も覚えていない。

 確かに人類は原始より石器や土器など様々な道具に労働を代行させてきたが、それは筋肉機能の代替にとどまっていた。しかし情報技術の進展により機能の代替は知的領域にまで及んでいる。記憶、判断、思考、欲望、そして今では道徳に関する判断まで我々は機械任せにしつつある。

 本書を読むと次の疑問を抱かずにいられない。はたして人間はいつまで人間でいられるのか? この傾向が進むと、いずれ脳内に入出力されるあらゆる情報は自動化され、人間は脱身体的存在となるだろう。だが、それが人間と言えるのだろうか、と。

◇

ニコラス・G.カー著、青土社、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
運転手がいなくても車が走り、パイロットが操縦しなくても飛行機が安全に飛び、さらには、自分の必要としているものも、道徳的な判断さえも、すべて機械が教えてくれる世界。それは一体どんな世界なのかー。ベストセラー『クラウド化する世界』『ネット・バカ』の著者が鮮やかに暴き出す、すべてが自動化する世界のおそるべき真実!
【目次】
第1章 乗客たち/第2章 門の脇のロボット/第3章 オートパイロットについて/第4章 脱生成効果/第5章 ホワイトカラー・コンピュータ/第6章 世界とスクリーン/第7章 人間のためのオートメーション/第8章 あなたの内なるドローン/第9章 湿地の草をなぎ倒す愛

<読む前の大使寸評>
いかにも探検家の角幡唯介さんが選びそうな本である。
角幡唯介さんが次に目指すのは北極だそうだが、この探検にはGPS機能の機器を持参しないそうで(星座観測、六分儀を使用?)、オートメーションを拒否して動物的感覚を頼る計画だそうです・・・・すごい♪

また、アップルやグーグルが自動運転車の製造を目論んでいるようだが・・・・
何と心ときめかない製品ではないか(笑)

<図書館予約:未>

rakuten オートメーション・バカ




ぼくが映画ファンだった頃 より
和田

<映画の快楽伝える記憶の蓄積:細野晴臣(音楽家)>
 どこの町にも映画館があった頃、映画というものは単なる娯楽を超え、20世紀文化の華であった。劇場まで足を運んで見るという行為が、映画産業という枠組みにとっては必須だったが、映画館が激減した現在、シネマ・コンプレックスという今どきのシステムに戸惑う映画ファンは部屋でDVD鑑賞にひたる。

 この変化が「映画文化」を揺るがしてから久しい。著者自身も劇場に行かなくなり、「映画ファンであることを放棄した」と言う。映画を映画館でしか見ることのできない時代、映像を記憶に刻むことが「映画体験」であり、それはいい作品があったからこそできた。1940年代、グローバル化する前のハリウッドにはまだ映画各社の「社風」があり、面白い映画を作る創意を競い合っていた。

 そんな黄金時代の映画を享受できた楽しさが本書から伝わってくる。MGMのライオンや20世紀フォックスのサーチライトなど、映画会社のロゴにさえワクワクしたという著者の喜びはぼくにも共感でき、自分の映画にまつわる記憶を呼び起こしてくれる。

 映画の記憶が「色彩につながっている」というのも新鮮だ。イラストレーターで映画を4本監督した著者らしく、映画の楽しさは、誰もが知る20世紀の名作や硬軟織り交ぜた膨大な数の映画を、解説ではなく、その目と耳で楽しんだ心象から語られる。また、その視線は映画の構図や伏線にも向けられ、ぼくもよく見たMGMのミュージカルでさえ、その細部の記憶には追いつくことができない。

 「放棄」したとはいえ、それでもやはり「映画ファン」という姿勢は全編に貫かれ、映画に対するオマージュには圧倒される。映画史に残る日本の名士との交流記やジェームス・スチュワートとの対談も希少。まさに映画ファンになるための極上の手引書ではないだろうか。映画ファンが高じればプロになるのだ。

◇

和田誠著、七つ森書館、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
少年時代に見た1940-50年代の映画─監督論に俳優論、作品論や、三谷幸喜やジェイムズ・ステュアートとの対談を収録。和田誠さんの楽しい映画コラム集です。
第1章 個人史の中の映画:新橋の虹、極私的映画ポスター史……
第2章 雑学的映画ばなし:視界の中のマザーグース、洋画と邦題……
第3章 この一本:「翼よ! あれが巴里の灯だ」『椿三十郎』……
第4章 追 悼:レッド・アステア、ボブ・ホープ、ヒチコック……
第5章 対談二席:三谷幸喜、ジェイムズ・ステュアート
第6章 監 督:山中貞雄、黒澤明、市川崑

<読む前の大使寸評>
1940-50年代の映画を題材にしたということで、団塊の我々にとってもやや古い映画のお話であるが・・・和田誠さんの雑学的映画ばなしが面白そうである。

<図書館予約:未>

rakuten ぼくが映画ファンだった頃


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Last updated  2015.04.10 01:00:33
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