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2015.06.23
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。

・ぼくらの民主主義なんだぜ 
・「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 

***************************************************************

ぼくらの民主主義なんだぜ より
高橋

<小さな声に耳を傾け、対話する:長薗安浩>
 2011年4月から朝日新聞紙上ではじまった高橋源一郎の論壇時評。毎月1回、論壇雑誌や書籍だけでなく、インターネット上の言説にも注目しながら、高橋は日本の「いま」と向きあってきた。その初回から欠かさず読んできた私は、今年3月までの48本を掲載順に編んだ『ぼくらの民主主義なんだぜ』を読み、高橋が抱いている思いをひしひしと感じとった。

 それは、タイトルにもある民主主義への危機感だった。東日本大震災と原発事故を機にあらわになったこの国の民主主義の脆弱さに直面し、戸惑い、時に悲嘆する一方で、高橋は絶望しないために、いつにもましてメディアの細部に目を配り、小さな声に耳を傾ける。そこには、既存の大きなシステムに依存しない、自分のことばで考えながら行動している人々が確かにいる。高橋はそれらの事実を紹介しつつ、民主主義への論考を深め、その基盤となる対話の重要性をくりかえし説く。
〈「インテリジェンス」っていうのは、要するに「対話ができる能力がある」ってことじゃないかな〉

 最後は多数決に拠るとしても、それ以前に少数の意見に耳を傾ける。対話をふまえて先に進む。高橋は、台湾でおきた学生たちによる立法院占拠事件をとりあげ、その撤退決定の際、リーダーがデモの参加者全員と対話した態度を讃えてこう記した。
〈学生たちがわたしたちに教えてくれたのは、「民主主義とは、意見が通らなかった少数派が、それでも、『ありがとう』ということのできるシステム」だという考え方だった〉

 自分の意見に与しない相手をすぐに罵倒する風潮が強まる中、そして数の論理で早々に憲法すら変更されそうな現在、私たちは民主主義に試されているのかもしれない。状況はかなり切迫しているが、それでもまずは相手の話をよく聞き、対話を求めていくしかないだろう。私たちの民主主義のために。

◇

高橋源一郎著、朝日新聞出版、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
大きい声より小さな声に耳をすませる。震災と原発、特定秘密保護法、若者の就活、ヘイトスピーチ、従軍慰安婦、表現の自由などを取りあげながら、壊れた日本を作り直す、絶望しないための48か条。著者の前人未到の傑作。
【目次】
ことばもまた「復興」されなければならない/非正規の思考/みんなで上を向こう/スローな民主主義にしてくれ/柔らかくっても大丈夫/「そのままでいいと思ってんの?」/一つの場所に根を張ること/「憤れ!!」/「憐れみの海」を目指して/民主主義は単なるシステムじゃない〔ほか〕

<読む前の大使寸評>
高橋源一郎の論壇時評は2012年8月から新聞スクラップしている大使である。
だから、この新書の大部分を一度は読んでいるのだが、例の如く、記憶のかなたにあるわけです。
新聞スクラップとかなりダブるけど・・・ハンディな新書で読むと、通底音が聴こえてきたりするのではないだろうか♪

<図書館予約:未>

rakuten ぼくらの民主主義なんだぜ



「ドイツ帝国」が世界を破滅させる より
ドイツ

<国際社会の変動また的中?:佐々木俊尚(ジャーナリスト)>
 人口動態の視点からソ連の崩壊や国際金融危機、「アラブの春」などを予測し的中させてきた著者が、ドイツの超大国化を警告する本。

 EUが東欧を囲い込んだことによってこの地域の安価な労働力が利用できるようになり、これをドイツの製造業がうまく利用し競争力を高めた。これはEU域内の貿易の不均衡を生みだしたが、統一通貨のために為替調整が行われず、ドイツにさらに富が集積する結果になっている。この経済力がフランスを従属させ、周辺国を含めた「ドイツ圏」を生みだし帝国化している。EUでドイツは完全に一人勝ちの状態となり、盟主の地位を占めつつあるというのが著者の指摘だ。

 背景には米国の衰退がある。著者によれば米国の戦後のシステムは、ユーラシア大陸の両端にある日独という二つの産業国家を管理することにあったが、このシステムが大きく揺らいでいる。加えて米国は中東での長い戦争に疲弊し、東アジアの不安定化によってこちらに注力するリバランス政策を採り、この結果、ウクライナ紛争など欧州の問題はドイツが先導するようになってきている。これがドイツを経済的のみならず、政治的にもパワーを強めることになっているというのである。

 フランスの代表的な思想家であるという著者のポジションも考慮して読むべきだろう。しかし本書に描かれる世界秩序の流動化は、きわめて具体的でリアルだ。冷戦が終わり、米国が唯一の超大国であるパックス・アメリカーナ(米国による平和)の時代が幕を開けたと考えられたが、その時代は長くは続きそうにない。歴史的には長く超大国だった中国の復活やドイツの台頭など、国際社会は新たなパワーバランスへと移行しようとしている。この状況を日本人も心して俯瞰していく必要があるだろう。

◇

エマニュエル・トッド著、文藝春秋 、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で戦争を仕掛けているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?

<読む前の大使寸評>
ソ連の崩壊、国際金融危機、アラブの春を予測し的中させた著者であるから・・・
著者の説く「ドイツ帝国論」に注目せざるを得ないわけです。

ところで、新聞スクラップの習慣のある大使は、その記事をデジタルでも残しているのだが・・・
エマニュエル・トッドの 分断される世界 2015.2.19を再読してみます。

<図書館予約:未>

rakuten 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる


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Last updated  2015.06.23 00:54:20
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