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2016.05.07
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カテゴリ: 気になる本
図書館に予約していた『フラットランド』という本を予約5日後にゲットしたのです。
手に取らないで予約する場合、その予約本によくあるのだが・・・・
アチャー!表紙が左側で、本文が横書きの本ではないか。

それに、注釈の分量が半分ほどあって、SFというよりも数学の論文という趣きではないか。しゃーないな。



フラット

エドウィン・A.アボット著、日経BP社、2009年刊

<「BOOK」データベース>より
次元の本質を著した不思議でおもしろい世界の物語。イアン・スチュアートの注釈と新訳で蘇る幾何学・物理学の古典。

<読む前の大使寸評>
次元の本質を著したSFというのが・・・しびれる訳でおます♪

<図書館予約:(4/30予約、5/05受取)>

rakuten フラットランド


フラットランドと呼ばれる2次元の世界を見てみましょう。
p98~99
<1 フラットランドの気候と家>
 わたしたちの家には窓はありません。なぜなら、家の中も外も、昼も夜も、どこも常に同じような明るさだからです。その光りがどこから来るのかは、わかっておりません。昔の学のある人々は、「この光の源はなになのか」という問題に関心を持ち、よく取り上げたものでした。

 そして、この疑問を解決しようという試みが幾度となく繰り返されたものの、結局は、この問題が解けたと言い張る人々で、フーライ病院が一杯になっただけのことでした。

 そこで議会は、このような探求には重い税金を課すという形で、暗に押さえ込もうとしたのですが、それも失敗に終わったため、最近になって、このような問題の探求を完全に禁止しました。わたくしは・・・ああ、このフラットランドでわたくしただ一人が・・・この不可思議な問題のほんとうの答えを知りすぎるほど知っているのです。
(中略)

 さりながら、このような辛い脱線はやめにして、わたくしたちの家の話に戻ることにいたしましょう。

 家の形としてもっともよく見られるのが、五つの壁に囲まれた形、と申しましょうか。図にあるような五角形です。北側のふたつの壁、ROとOFは屋根になっていて、通常扉はありません。西にはそれよりかなり大きな男性用の扉があります。南側の壁というか床には扉はないのがふつうです。

五角形五角形

 正方形や三角形の家を建てることは許されておりませんが、その理由は次の通りです。五角形の角と比べると、正方形の角はぐっととがっています。また、(家のような)無機質な物体は、男性や女性の線ほど明るくありません。ですから、軽率な、あるいはぼんやりした旅人などが走ってきて、正方形や三角形の家の角にぶつかり、ひどい怪我をすることにもなりかねませんん。

 というわけで、この世界でいう11世紀に、法律により、三角形の家は全面的に禁止されたのです。例外は、砦や弾薬庫や兵舎などの国の建物に限られます。と申しますのも、一般大衆がこれらの建物に不用意に近づくことは、望ましくないからです。


p127~128
<5 この世界において互いを認識するための方法について>
 光だけでなく影もご存知のみなさん、目がふたつあり、遠近感を備えていて、さまざまな色彩に魅せられもし、楽しんでもおられるみなさん、角というものを実際に目にすることができ、3次元のしあわせな世界において、円の周をそっくりそのまま観察することができるみなさん・・・そのような読者のみなさんに向かって、いったいどうすれば、フラットランドで互いの形を見分ける際の困難をつまびらかにできるというのでしょう。

 前にわたくしが申し上げたことを、思い出してください。わたくしたちの目には、フラットランドに存在する者が・・・生ける者から木石まで、形の如何に関わらず・・・すべて同じ、いや、どれも似たようなまっすぐな線分に見えるのです。どれも同じ形に見えるのなら、いったいどうやって互いを区別するのでしょう。

 判別の手段は3通りあります。まず第一に、聴覚による判別。わたくしの聴覚は、みなさまの聴覚よりはるかに発達しており、個々の友達の声を聞き分けられるだけでなく、社会階層の違いも、聞き分けられるのです。すくなくとも、正三角形と正方形と正五角形という、下から三つ目までの階層については・・・ここでは、二等辺三角形は数の内に入れません。

 ですが、社会階層をあがるにつれて、聴覚による判別は難しくなります。なぜなら、ひとつには声が似てくるからで、さらには、声を判別するという能力そのものが、下層民において発達している能力であって、貴族階級ではさほど発達していないからなのです。というわけで、一般には、次なる第二の手段に頼ることになります。

 触覚は、この世界のご婦人方や下々の者の間で、見ず知らずの者同士が、個々人の判別ではなく階層の判別を行わなければならなくなった場合の、主な判別方法となっています。したがってわたくしたちの世界では、この「感触」が、スペ-スランドの上流階級における「紹介」にあたるのです。

 たとえば、「このわたくしの友、どこの誰それに、触ってみていただけますか。そしてまた、友があなたに触れるのを、お許しいただけますか」というように。・・・今も町から遠く離れた地方に住まう古風な田舎紳士の間で行われている風習こそが、フラットランドにおける紹介の定法なのです。


主人公は、次元が一つ増えたスペースランドに乗り込んだのです、
p270~272
<18 わたくしがスペースランドにきた顛末と、そこで目にしたものについて>
 わたくしは恐怖にわしづかみにされて、一言も言葉を発することができませんでした。一瞬の闇、そして目まいがしたかと思うと、とうていこの目で見ているとは思えぬ光景が目に入り、わたくしは興奮のあまり吐き気を覚えたのでした。線は見えども線ではなく、空間と見えども空間ではない。わたくし自身も、もはやわたくしではありませんでした。
 声を取り戻したわたくしは、苦悶のあまり金切り声をあげました。「わたくしが狂ったのか、はたまたここは地獄なのか!」「どちらでもない」。スフィアが冷静に答えます。「これが知なのだ。3次元なのだ。今一度目を見開き、しっかりと見据えるのだ」。

 わたくしの目に飛び込んできたのは、ああ、わたくしが目にいたしましたのは、新しい世界でありました。目の前に立っているのは、それまでわたくしが全き美しい円と理解し、考え、夢みてきたものすべてを、はっきりと目に見える形で統合したものでした。
(中略)

 すると、「おまえが見ていると思っているものは、実は見えていないのだ」という答えが返ってきました。「おまえにも、ほかの誰にも、わたしの内側を見ることはできない。わたしとフラットランドの住人とは、次元が違う。もしもわたしが円であるなら、おまえにも内側が見えようが、前にも話したとおり、わたしはたくさんの円がひとつになった、この国で球(スフィア)と呼ばれる者。そして、立方体の外側が正方形であるように、スフィアの外側は円に見えるのだ」


ウーン この本はガモフの本のような魅力はあるのだが、とうていSFとは言いかねるようですね。






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Last updated  2016.05.07 07:12:21
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