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2016.09.21
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カテゴリ: 自然・環境
<『沙漠の事典』3>
図書館に予約していた『沙漠の事典』という本をゲットしたのです。

ビジュアルな大型本で、原則として1概念で1頁(多くて2頁)となっていて、事典形式ではあるが、読み物として面白いのが、ええでぇ♪

サウジアラビア出張でひどい目に遭った大使であるが・・・
それ以来、砂漠愛が亢進しているのでおます。



沙漠

日本沙漠学会編、丸善、2009年刊

<「BOOK」データベース>より
気象・気候・景観・産業・生活・歴史・生態系・水・土壌など、さまざまな角度から約200の項目を選び、沙漠のすべてをあますところなく解説する中項目事典。日本沙漠学会創立20周年記念。1項目1ページの読み切り形式とし、各項目には、最も象徴的な図・表・写真を掲載。

<読む前の大使寸評>
ビジュアルな大型本で、原則として1概念で1頁(多くて2頁)となっていて、事典形式ではあるが、読み物として面白いのが、ええでぇ♪

<図書館予約:(9/11予約、9/16受取)>

amazon 沙漠の事典


砂漠

四大文明消滅と煉瓦の関係を見てみましょう。
p158
<エネルギー資源問題>
 本項目が「11.沙漠の資源と利用」ではなく、あえてこの場所においた理由は、森林破壊・沙漠化こそエネルギー資源問題そのもの、とさえいえるからである。ただし、もちろんある視点からだけの議論をすれば、の話である。

 世界の四大文明とはエジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明を指す。しかしそのいずれもが現代ほとんど廃墟ともいえる状況でありその周囲には広大な沙漠が広がっている。なぜそうなってしまったのだろうか?

 その一つの説明として「煉瓦」をもちだそう。その四大文明のいずれにおいても建造物はほとんど煉瓦で造られている。そもそも煉瓦はどのようにしてつくられていたのか?
まず粘土に砂を混ぜ、いわゆる煉瓦の形に成形する。次いでこれを天日乾燥したのち、大昔は野火で、そしてだんだん温度制御ができるようになり大型の窯で焼くようになる。温度は約千℃。

 この、煉瓦をつくる時のエネルギーとして、薪が使われたのである。薪はどこから採取するのか?もちろん、都市の周辺に存在する森林である。このようにして、エネルギー源を搾取するために森林を大規模に伐採し、そのことが沙漠化を誘発したというのである。
 現代では荒漠とした沙漠が広がる周囲に昔、森林があったというのだろうか?という疑問は確かにある。

 樹木は大地に根を張り、土を耕し固定し、水を浸透・保持し、その水を蒸散させる。この樹木を伐採すると何が起こるのか? まず土壌が失われる。すると水は土に保持されず、この場所で蒸発散する水が少なくなり、海に水が流れ出るようになる。
(中略)

 木をエネルギー源として使うことの罪、実は、四大文明に限らず、そして用途は煉瓦の他にも、さまざまな歴史の中で、木をエネルギー源として用いることが、環境破壊をもたらしてきた。

 有名な例では、中国での毛沢東時代の鉄精錬、中国のさまざまな地域での植生悪化をもたらしたとされる。もちろんその前にもさまざまな金属精錬に木材は使われてきた。そして精錬プロセスからはSOXが排出され、大気と水の酸性化をもたらし植生に悪影響をもたらす。日本での足尾鉱山の事件はまさにその典型であった。さらに蒸気機関燃料としての利用、鉄道の敷設には枕木として木材が使われた。このような事例は、過去や途上国ばかりではなく、多くの先進国でも見られてきた事例である。

 図にはエネルギー使用量の変遷を示す。文明はエネルギーとともに発展し、滅びたのがこれまでの歴史とすれば、化石燃料は森林破壊を防ぎ、文明を発達させる原動力であったのである。少なくともこの200年は・・・・、さて・・・。 

始皇帝はトップダウンで、万里の長城という地球的規模の構造物を造ったが・・・一方、現代の毛沢東はトップダウンで地球的規模の環境破壊(鉄精錬による森林破壊)を行ったようですね。(毛沢東のこの失政には得るものが皆無というお粗末さが目立つのです)


中東の樹木としてはレバノン杉が知られているが、アフリカビャクシンもこの地域の樹木だったようです。
p164~165
<ビャクシン林の保全>
 サウジアラビアでは1978年には森林と放牧地の無制限な利用を抑制する法律が制定された。また、1980年に国の最初の国立公園アシィール国立公園も設立され、続いて、1986年にサウジアラビア野生生物保護委員会が創設された。1995年には自然保護区の設置が法制化され、自然保護区内での狩猟、樹木伐採、放牧、農耕、野生生物採集、ゴミの投棄などが禁止されるようになった。
(中略)

 アフリカビャクシン林の保全を目的に、サウジアラビア野生生物保護委員会は1989年、アシィール山地の中心都市アブハーから西10kmにある急傾斜地にレイダ自然保護区を設置した。面積的には決して広くないが、1000m以上の高度差の中に環境傾度に沿って多様な動植物が分布している。サウジアラビア全土で見られる植物種1800種の約25%にあたる460種をこの保護区とその周辺で確認することができる。

 レイダ自然保護区は、以前はバニー・ムガイド族の部族領土であった共有地の内部に存在する。ビャクシンが豊富な山岳の急斜面は、ナーイブと呼ばれる村の部族の代表による管理と保護のもとにおかれてきた。

 村のある個人がビャクシンの木材を使って新しい家屋を建設しようとした時には、その人は会議においてナーイブに許可を求めなければならなかった。その求めが通った後に、ナーイブと4~5人からなる村のセクションの他の長老が申請者とともに山へ行って、適当な量のビャクシンを伐採した。コミュニティの許可なく、隠れて樹木を伐採し市場へ持っていったり商人に売ったりしたものは、人々によって捕まえられた。違反したものは一定の賠償金を支払うことが課せられた。


「サウジアラビア紹介シリーズ:高橋俊二」より、アシール地方のビャクシンを見てみましょう。

花冠とスカート姿の男達が住むアシール(Asir)への訪問 より
地図

 私が最初にこの地方を訪問したのは1987年の冬であった。その時は写真でサウジアラビアにも川が流れ、山がある地方を知り興味を持って居たところを親しい先輩から誘われて出掛けた。纏まった休暇さえ有ればこの禁酒国から抜け出し酒を飲む事ばかりを考えていた私に取っては職場のあるカフジ(Al-Khafji)から2,000 キロ以上も離れたアシール(Asir)まで行く等、思いも寄らなかったのでかなり珍しい旅行であった。

 当時は外国人居留者の移動は厳しく制限されて居た上に、地図も無く、アブハー(Abha)とナジュラーン(Najran)間には武器・麻薬の密輸取締の為に4 キロ毎に検問所があり、秘密警察の密偵が至る所で目を光らせて居た。それでもナジュラーンまで往復し、ナジュラーン渓谷に広がる大規模なナツメヤシ園や岩山に残るローマ軍の遺跡を見学した。又、アブハーから洪水跡の生々しい谷道を下ってジーザーン(Jizan)のハヤット(Hyatt)ホテルまで足を延ばして紅海の魚を食べに行ったりもした。

 その後、第一次湾岸戦争を経験し、その戦災の後始末をして1992年に帰任し、再びサウジアラビアに赴任したのは沙漠緑化事業の為で1997年の初めであった。その年の4月に沙漠偵察で、更に9月に一年先輩のご夫婦を案内してこの地方を訪れてから1998年4月、2000年12月、2002年2月、2003年2月と2003年7月末に帰任するまでに都合8回もこの地方を訪れて居り、一番親しみを感じると共に訪れる度にその変化の多様さの中に新たな発見をしている。この地方との触れあいがあった事で沙漠の植生、土質のみでは無く、地勢、地質、動物、考古学、歴史、民族、伝統等広い分野に渡って私はサウジアラビアに対して私は興味を持つ様に成った。

ビャクシンAl Soudahの空中Cableから見たビャクシンの森

おお 大使にとって思い出深いアブハーから紅海までの断崖ルートが見られるではないか♪

『沙漠の事典』1
『沙漠の事典』2





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Last updated  2016.09.21 00:41:40
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