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2016.10.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
図書館で『会社人間だった父と偽装請負だった僕』という本を手にしたのです。
著者は大阪出身で、塾講師、銀行マン、風俗店、トラック運転手などを経て現在は週刊誌記者というすさまじい職歴である。関西の底辺をレポートしているが、語られる関西弁が大使にひびくのおます♪



赤澤

赤澤竜也著、ダイヤモンド社、2009年刊

<「BOOK」データベース>より
かつて会社は永遠だった。「負け組」「下流」という言葉が跋扈し、会社は平気で人を切り捨てるようになった。この国が目指した先にどんな社会があるのか、今、誰もが気づき始めている。企業戦士として生き抜いた父の人生と自らの体験を通して、働くことの意味と社会のあるべき姿を問いかける渾身のノンフィクション。

<大使寸評>
著者は大阪出身で、塾講師、銀行マン、風俗店、トラック運転手などを経て現在は週刊誌記者というすさまじい職歴である。関西の底辺をレポートしているが、語られる関西弁が大使にひびくのおます♪

企業戦士を父に持ち、荒れる中学校を生き抜いた著者は、大学を卒業するまでに、いやというほどの学生間格差を体験し、どこかが壊れていたのではないか?

rakuten 会社人間だった父と偽装請負だった僕


赤澤さんの父の秘密を見てみましょう。
p120~123
<父の秘密>
 米国マスコミの論調が、1銀行の事件というスタンスを離れ、日本の金融システムや政府批判へと様変わりするにつれ、新聞だけでなく週刊誌にも大きく報道されるようになった。

 僕自身、大和銀行の庇護下で育った企業舎弟を自認する人間だけに興味を持って読んだ。
 そんななか、一つの記事が目にとまった。
 手に取った時の衝撃は忘れられない。

 ・・・思い通りにいかない国際部門の立て直しのため、安倍川氏が白羽の矢をたてたのが、赤澤克彦専務(当時)だった。安倍川氏が社内でただひとり、自らの寺尾イズムを継承する後継者と目していた人物だった。

 赤澤専務は業務畑が専門。英語も得意とはいえず、国際部門は全く未知の世界だった。国際総合部長として心労を重ねたのだろう。就任翌年の88年2月2日、会議の席上、脳出血で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となった。
 「赤澤さんは戦死した・・・」
 それが大和銀行幹部の一致した思いだった。

 「思いかえせば、赤澤さんが国際総合部長に任命された87年は、ダイワ・バンク・トラストの損失が約9千6百万ドルにまで膨れあがった年です。赤澤さんはその処理のためにかけずり回っていたのかもしれません」(1995年10月26日号、週間文春)

 なんと父は井口被告の犯罪の遠因となる米国子会社の損失処理を命ぜられていたというのである。

 僕は長らく自らの引き起こした不祥事が父の心労を増し、死に至らしめたと思い続けていた。ところが僕の駈け落ちと同じころ、社命により不法な処理に走り回っていたというのである。

 記事を目を通した僕はすぐに母へ電話をかけた。
 「お母さん、週刊誌の記事、読んだ?」
 「ええ、何回も読んだわ」
 「お父さんがこんなことしてたこと、知ってたん?」
 「いいえ、全然知らなかったわ。お父さんは家ではお仕事のことあんまりおっしゃらなかったから・・・」

 1995年(平成7年)11月3日、ニューヨーク連邦地検は大和銀行を重罪隠匿、詐欺、金融機関検査妨害など24の罪でニューヨーク連邦地裁に起訴したと発表。また米連邦捜査局(FBI)は津田前支店長を重罪隠匿や文書偽造などの容疑で逮捕、告発した。同時に大和銀行は米国金融当局からのコンセント・オーダーにより、翌年2月2日以前に米国内のすべての拠点での業務停止を命ぜられる。

 大和銀行は米国の市場から永久追放されてしまった。
 FRB規則では、アメリカで業務を行う外国銀行、ならびにその支店、出張所に対して、刑事事件容疑が発覚してから30日以内に司法当局およびFRBに報告しなければならない旨が定められている。

 大和銀行が井口氏から報告状を受け取ってから、米国当局へ通報するまで56日が経過していた。しかも、発覚から2週間後、大蔵省には報告している点に米国の怒りは集中し、これほどまでに厳しい処置となった。

 経営側には当局に報告しておけばそれで事足りるという甘えがあった。当局にはそれを是正するに足る知識も指導力もなかった。護送船団方式での密室金融行政がいかに前近代的なものであったかを図らずも象徴的に露呈することとなった。

 テレビ各社はニューヨークのビルから銀行の看板を外す映像をセンセーショナルに報道した。南麻布のマンションでビールを飲みながら熱っぽく語る父の顔が思い浮かんだ。

 「詳しくは言えんけど、今香港の米銀買収を手がけてる。久しぶりに大きな仕事なんや。もしこれが成功したら大和銀行の国際部ももっと強くなると思うねん」
 「そりゃ英語はあまり得意やないけど、大丈夫や。仕事なんかしょせんハート・トゥ・ハートや。真心を込めて接したらわかり合える」

 国際業務発展に心血を注いでいた父がこの光景を目にしたらいったい何を感じるのだろう。そう考えざるを得なかった。


父と自分を題材にした、すさまじいドキュメンタリーになっているが、どこで道をまちがえたのか・・・考え込むのです。





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Last updated  2016.10.14 06:53:17
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