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2018.07.27
XML
カテゴリ: アート
図書館で『装幀列伝』という新書を、手にしたのです。
パソコンでは装丁となって違和感があるのだが、装幀という見慣れない文字もやや鼻につくのです。
ぱらぱらとめくってみると、その多彩な章立て、わりと独断的な趣きが気になるけど・・・
まあ、借りて読んでみるか。

帰って調べてみると、この本を借りるのは2度目と判明しました。で、(その2)としています。





臼田捷治著、平凡社、2004年刊

<「BOOK」データベース>より
明治の洋装本以来、日本の装幀文化は、時を追って深みを増し、奥行きを広げていった。編集者による仕事、詩人による仕事、著者自装、画家、版画家、イラストレーターたちによる仕事。そして杉浦康平と杉浦を師と仰ぐデザイナーたち。また一方、独自の世界を築き上げたミニマリストたち。現代日本の装幀文化の水脈を、幅広く掘り起こした注目の書。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、その多彩な章立て、わりと独断的な趣きが気になるけど・・・
まあ、借りて読んでみるか。

rakuten 装幀列伝



イラストレーターの仕事を、見てみましょう。
p78~82
<装幀とかかわる多彩な才能>
 ぼくたちは
 現代をイメージによって証言し
 そのコスモスの拡大を意識の根底として
 創造的形象化をめざす
 イラストレーターの集団として
 東京イラストレーターズ・クラブを結成する

 1964年に発足した「東京イラストレーターズ・クラブ」のマニフェストの冒頭部分である。同クラブの結成は折からのイラストレーションへの関心の高まりを背景としている。

 文面からも新時代の感性の担い手たらんとする自負と意気込みが伝わってくるが、イラストレーションのムーブメントは当時のグラフィックデザインと印刷メディアの裾野の広がり、それに高度成長にともなう広告表現の多様化などが要因として挙げられるだろう。
 戦前には「挿絵画家」という呼称があったように、かつては文学と結びついた挿絵が広義のイラストレーションの世界の花形であり、それを担ったのは画家であった。ところが戦後に入って抽象表現主義や反芸術的な表現が隆盛になるにつれて、絵画は具体的な描写から離れて純粋化を深めていった。

 その結果、文学世界と疎遠になった画家にかわって時代の語り部となったのがイラストレーターだった。東京イラストレーターズ・クラブの発足と同じ64年の『平凡パンチ』や『ガロ』の創刊に示されているように、サブカルチャー、アンダーカルチャーも胎動しつつあり、書物の枠組みを超える活躍の場を押し広げつつあった。

 こうしたなか、宇野亜喜良、横尾忠則、原田維夫、和田誠、粟津潔、田名網敬一、伊坂芳太良、辰巳四郎、山藤章二、長尾みのる、井上洋介、山口はるみ、真鍋博らの個性派が相次いで登場する。

 宇野のマックスファクターの化粧品広告と天井桟敷のポスターとか、横尾の状況劇場のポスターが一躍脚光を浴び、イラストレーターはたちまち時代の寵児となる。上記の多くはグラフィックデザイナーであり、同時にイラストレーターである人たちである。真鍋博は画家からの転身であった。

 イラストレーションはグラフィックデザインの一分野から、次第に独立したジャンルとして市民権を獲得するに至る。もともと出版デザインと深いかかわりのあるイラストレーターは、当然の成り行きとして装幀で活躍する人たちが多かった。後続の世代からも、蓬田やすひろ、小島武、湯村輝彦、長友啓典、黒田征太郎、河村要助、矢吹伸彦、渋川育由、安西水丸、三嶋典東、原田浩、南伸坊、唐仁原教久ら多彩な才能が出版とのかかわりを深めている。

 イラストレーターの装幀の特徴は、大半が彼ら自身のイラストを装画として使うという点では、画家が自らの絵をあしらうのと同様である。違いはグラフィックデザインからの出身者が多いことから、画家が持ち合わせない印刷知識に通じていることと、ほんの構造性を踏まえたトータルな取り組みが本来の装幀のあり方であるとする、ブックデザインの新しい認識を共有していることだろう。

 横尾忠則は1978年に発表した文章で次のように書いている。
「ぼくはブックデザインを時間と空間の芸術だと考えている。だからデザインする時は映画の編集や、または彫刻を創るような気持ちで作業する。

 本の表紙は本の顔である。できるだけ魅力的な表情が必要だ。
 まず読者の手に触れさせなければならない。次は手ざわりである。彫刻的感触とでもいうか、手の中で本が生き物と化すこと。表紙、見返し、化粧扉、そして本文へと読者の意識を導入していく過程は、映画のタイトルから導入部に引っぱっていく方法論とよく似ている。

 特に写真や絵の多い本のデザインには、こうしたエディトリアル(編集)の才能が要求される。そういう意味でもブックデザインは映画を立体的にしたようなものだ」
(『ARTのパワースポット』、ちくま文庫)

ウン 横尾忠則が説くブックデザインがええでぇ♪

この本の論調に、なんだか上から目線が感じられると思ったが、著者は雑誌『デザイン』の編集長だった人だそうで・・・道理で。





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Last updated  2018.07.27 06:13:33
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