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2022.12.04
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『スマート老人の逆襲』という本を、手にしたのです。
この本の表紙の副題が「還暦印刷屋の電子書籍&IT奮闘記」とあるが、興味深いのです。




中西秀彦著、印刷学会出版部、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
還暦世代が少年だった頃、パソコンが出現した。当時のパソコン少年たちは、中年を経てパソコン老年となった。活版、電算写植、デジタル印刷を経験した老舗印刷屋の経営者が情報化社会を語る。

<読む前の大使寸評>
この本の表紙の副題が「還暦印刷屋の電子書籍&IT奮闘記」とあるが、興味深いのです。


rakuten スマート老人の逆襲


パソコン老人なるものが「はじめに」で語られているので、見てみましょう。
p2~5
<はじめに>
 パソコン世代というものがどう定義されるかはわからないが、私の思うところ大学生の時代にパソコンがあった世代と言うことではなかろうか。人間、就職するとなかんあか新しいことを覚えられない。だから大学時代の経験は一生を左右する。英会話でも楽器でも、大学の時代に覚えれば一生使えるのに、逃すとなかなか覚えられない。

 私が大学生の時代パソコン(当時マイコン)というものが、大学に散見されるようになった。パソコンの嚆矢とされるアップルのAppleⅡが発売されたのが、1977年。NECのPC8001やシャープのMZ80といった国産パソコンが出そろうのが1979年。私は大学に1982年まで居残っていたから、丁度、そのパソコン興隆の場に大学生として遭遇したのだ。就職して最初のボーナスでパソコンを買い、それ以後一度も切れることなく自宅にパソコンというものを持ち続けてきた。

 とはいうものの、家電メーカーでパソコンそのものを仕事にしたり、プログラマであったりしたわけではない。そういう意味では素人である。そして意外に思われるかもしれないが、最もコンピュータから遠いと思われがちな文学部出身でもある。それでもパソコンには惹かれた。面白そうだったし、実際触ってみると面白かった。

 パソコンが世に出る以前からコンピュータというのはもう社会に浸透していた。しかし、それは机の上に乗るような簡便なものではなく、部屋まるまるひとつ、あるいは建物まるまるひとつ使うような大仰な代物だった。当時、大学の大型計算機センターなるものには理系の学生たちをあざ笑うかのように、私たち文学部生は哲学だの文学だの青臭い議論をやってきたわけだ。おそらくコンピュータがそうした大型計算機のままだったら、私は生涯コンピュータには近づかなかっただろう。大型計算機とパソコンは中の原理は同じかもしれないが、まるで別物なのだ。
(中略)
 その後、私は短いサラリーマン生活の後、稼業の印刷屋を継ぎ、印刷組合の電子化という事業に携わることになった。たまたま、一族の中で少しはコンピュータを知っていたから白羽の矢があたったかっこうだ。私に限らず、同年代には、好むと好まざるに関わらずコンピュータと関りをもって人生を歩んだ連中が多い。医学部に進んで、医用コンピュータネットワーク立ち上げに携わったり、図書館の書誌情報データベースの構築に絡んだりといった具合にだ。つまりそれまで理工学の分野に限られていたコンピュータがわからず、大学時代にパソコンの洗礼を受けた我々の世代がまず駆り出されたということなのだろう。

 それからずっとパソコンの発展とともに人生を送ってきた。私は大学に1982年まで居座っていたことから類推されるように世代的には、アップルのスティーブ・ジョブス、マイクロソフトのビル・ゲイツ、アスキーの西和彦といったパソコン産業を立ち上げた人々と同世代か少し下になる。かれらが華々しく活躍しているのを横目で見ながら、パソコンとともに人生を歩んできた。当初単体でゲームぐらいにしか使えなかったパソコンが電話回路を通じて、コミュニケーションツールとなり、インターネット時代になると生活全般がパソコンを通じて行われるようになった。

 その過程をつぶさに経験したわれわれの世代も還暦を迎えた。もはや老人だ。青年実業家のイメージの強かったビル・ゲイツも65歳。もうパソコン世代は老人の域に達しつつある。このことの意味を多くの人は分かっていないんじゃないか。われらは、インターネットも使うしスマホも使う。デジカメ写真の加工も行う。場合によってはプログラムだって書く。なのにインターネットやパソコンというと老人には向かないとか、老人には端から無理というような扱われ方をする。これはひどい偏見である。
(中略)

 パソコン少年は、パソコン中年となり、パソコン老年となった。その今を書いたのが本書である。元々は『印刷雑誌』という専門誌に掲載したエッセイをまとめたものであり、印刷に関する専門的な話も多いけれど、それらを発表順ではなく順番を入れ替え、まとめ直した。





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Last updated  2022.12.04 00:01:47
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