未完成のブログ
2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
白峰霄:白峰家長女。華月の事はまだ知らない。吉良伝左衛門:白峰家の仕えるワーウルフ。華月とは過去に会っている。須原登流:白峰家に仕えるホムンクルス。華月の事は記憶にある。VAMPIREEYE 53 「契約と開放」京都市の地下にある24の強力な結界で守られた碁盤の目町。その中央に柱の如くそびえ立つタワー。その中の和室に白峰家当主・白峰雪名は居る。目の前には彼女の従者の一人である半魚人の水元来海の姿がある。雪名は乳白色の着物に身を包み濃紺の座布団に正座。水元は2畳離れた位置で正座をしている。「以上です、雪名様」「そう、報告ご苦労様。吉良と須原は何か?」「…霄様を抑えるのに苦労しているようです」「仕方ない子ね…じっとしていられない性格は誰に似たのかしら」「雪名様では…」水元は少し笑いながらそう言った。「じっとしていられない私が地下に篭ってるなんてね。どうして耐えられてるのか解る?水元?」「旦那様の愛ですか」「そう!あの人の愛の力で私は我慢できているの。だから霄も愛する人が抑止力になれば良いのよ」雪名は満面の笑みで答えた。「はぁ…しかし霄様の色恋沙汰など聞いたことがないと吉良も須原も申しておりますが」「好きな人の一人も居ないのかしら?蓮也君はどうなのかしらね?」「尊敬できる先輩と見ているようでしたがそれ以上の感情は無いかと」「そう…それなら無理に我慢させないで解放させましょう。霄を教会所属にしましょう。教会の目が気になるのなら手元に置いた方がいいでしょ?」「そ…そんな!霄様が納得するはずがありません!!あの子が教会を嫌っているのを雪名様もご存知でしょう?」雪名の真剣な目にうろたえる水元。「期間限定の所属にします。あの子の関係してる事件が全て解決するまでのね。そうする事で目の届くところに置いておけるし、あの子のできることだって広がる」「どうやって説得されるのですか?」「吉良と須原も同時に期間限定所属にします。そしてチームを組ませます。吹雪が木城二郎君、速水恭一君とチームを組んでいるようにね。負けず嫌いの霄の性格を上手く使うのよ。吉良と須原がいればあの子を任せてられるし」「それはまた大胆な案ですね…長門、葛野(かどの)らが納得するでしょうか?」水元は教会のトップ2大天狗・長門顕彰と陰陽師・葛野忍の顔を思い浮かべる。長門顕彰は西日本を、葛野忍は東日本を統括している。京都市の地下都市である碁盤の目町の24の結界は葛野によるものである。「あら?断る理由などないはずよ?自分の派閥に白峰家を取り込んで勢力を伸ばせるチャンスと思うんじゃないかしら?」「雪名様、笑顔ですけど目が笑ってないですよ」「冗談よ。………ところで例の吸血鬼騒ぎはどうなってるのかしら?」「やはり首謀者が背後にいるようです。長門は確信した様子でした」「黒谷ジークベルト…あのヨーロッパの彼が関わっていると考えてよさそうね」「長門は黒谷の存在に気づいているでしょうか?」「いずれ気がつくでしょうね。だからこそ霄を教会に入れておかないとね。最悪の事態を考えて霞にも護衛を付ける必要があるわね」雪名の考える最悪の事態とは『白峰華月』の復活の事である。既に華月は復活しているとはまだ教会の者は誰一人知る由もない。「それならば…霞さまと交流のある鎌鼬の鎌田三兄弟の永康、有雄、乃梨子と夜雀の兄妹富永誠治郎、新奈の中から二人つけましょうか」水元はタブレットを操作してリストを表示させる。「同級生の方が何かと都合がいいわね。鎌田乃梨子、富永新奈を霞につけさせて。高校受験を理由に塾の合宿を碁盤の目町で行う形にしましょう。ここなら鎌田乃梨子も富永新奈も危険にさらされることは無いはずよ」「では早速手配致します。雪名様失礼します」水元は一礼して和室を出た。―数時間後 白峰家突然の通告に膝から崩れ落ちた後に怒りで肩を震わせる白峰霄。ボブカットの黒髪が膨れ上がり銀髪に変わっていく。「霄お嬢様、お気持ちは察しますが落ち着いてください」ワーウルフの吉良伝左衛門はメガネを上げて言った。「今からお母さんに会いにいく!こんな事納得できない!!」立ち上がり出ていこうとする霄の手を吉良が掴む。「お待ちください。雪名様にはお考えがあるのです、最後まで聞いてください」吉良は水元から雪名の考えを伝えられたことを霄に話す。「親子といえども雪名様に頻繁に会われる行為は他の教会の者を刺激します。我々も雪名様の従者でありながら側にお仕えできないのは歯がゆく感じております。側にいる水元でさえ行動は制限され碁盤の目町からの外出は制限されています」「分かっている!そんなこと…わかっているんだ!私はそこまで割り切って物分りのいい態度を取れないんだ…!」霄は深紅の目で吉良を睨みつける。「自分が霄お嬢様のお年であったのなら同じく我慢はできないでしょう」吉良は霄の肩を両手を置く。「思いを押さえ込む必要はありません。ですが、早まった行動だけは謹んでいただきたい。それは霄お嬢様の為でもあり、雪名様の為でもあるのです」「結局私は何もできないんだ!お母さんに、妹達に、吉良達に、木城家に迷惑をかけて…」霄は吉良の両手を振り払って頭を胸に押し付ける。「貴女は一人ではありません。教会のメンバーになった事により自分、須原も動きやすくなりました。全力でお支えいたします、事件が解決するまではこのワーウルフ・吉良伝左衛門とホムンクルス・須原登流は貴女の従者です」「ううう…どうすればいい吉良?」見上げる霄の頭をそっと撫でる吉良。「これより我らは守りより攻めに転じます。黒谷の野望を暴き打ち砕くのです。もちろん吹雪お嬢様らとも協力して」「吉良…お前、表情が生き生きしているぞ?」「昔を思い出しましてね。さぁ霄お嬢様、須原のところに行きましょう。今後の事を話し合いましょう」霄の背中に手を軽く置いて吉良は言った。「分かった。オレ、今日から霄お嬢様の従者。何なりとご命令を」蔵で整理をしていたつなぎ姿の須原は目を閉じ一礼した。「須原、雪名様から許可を頂いている。あれを一つ霄お嬢様に差し上げろ」「ウム」須原は蔵の奥にある分厚い金属製の扉を開ける。巨大な冷蔵庫である。その中にある小瓶を一つ取り出した。「これは…!」「解凍シマス」「人間の血液です。雪名様からお許しが出ました。これで私の獣人の血などという代用品で我慢をする必要はありません。一日一本までなら良いとの事です」霄は今まで人間の血を飲んではいなかった。雪名が禁じていたのである。吹雪、霞と比べ生まれつき魔力が高く血への飢えも激しかったのだ。獣人の血を飲ませることで飢えをしのがせていた。解凍装置から小瓶を取り出す須原。霄に手渡す。「ドウゾ」「………」霄は小瓶の蓋を開ける。そしてゆっくりと小瓶の血液を飲み干す。「ううううううううううううううあああああああああああああああっ!」全身の細胞が目覚めるような感覚をおぼえる霄。魔力が湧き上がる。霄の銀髪は輝き真紅の目は濡れたように艶を帯びる。「力が溢れる!体が軽い!!吉良、須原、私と組手をしてくれ」「ではまず私が…」吉良はスーツの上着を脱いで言った。「二人同時に来い。今の私はどのくらいの手加減ができるか分からない」霄の両手を外骨格が包み込む。魔力で皮膚を硬化させているのだ。庭に出る三人。霄は魔力を全開にする。太陽を思わせる炎が全身から放たれ夜の庭を照らす。「なんという魔力…では私も」黒い獣の毛を全身から生やし、ワーウルフ形態になる吉良。「オレも」全身の筋肉を盛り上げる須原。「!!」火の玉と化した霄が吉良に飛びかかり、左右の拳を連打する。「速い!全力の私が防御するのが精一杯とは」吉良は升に一杯入れた大豆を空中に放り投げそれを全て箸で掴み升に戻す事ができる。霄は何度かその様子を見ていた。今なら自分にもできそうだと考えながら拳の連打を続ける。「失礼シマス!」横から須原が突進してきた。霄は伸身ひねりで突進を回避、着地後須原の膝裏のローキックを撃ち込む。「ム…」膝をつく須原。これまで須原は霄を相手にひるんだことはなかった。霄だけなく、白峰家にちょっかいをかけてくる闇の住人の輩を相手にも無かった。17年ぶりに須原は一撃で膝をついた。「大体わかった…ありがとう」霄は全身の魔力の炎を収めた。「正直に言ってくれ二人共。今の私はお母さんに比べてどのくらいだ?」「………当主になられる前の雪名様とほぼ同じかと」「オレもそう思う」「ならば、他の吸血鬼には勝てると思うか?」「真っ向からぶつかれば今の霄お嬢様なら遅れはとらないでしょう。戦いというものはいろんな要素が絡んできますから油断なさなぬよう」「そうだな、肝に銘じておく」「結界で周辺住民には知られないとはいえ少し冷や冷やしました。さぁ中に入りましょう」三人は縁側から中に入っていった。―翌日霄は濃紺の軍服ワンピースに身を包み食堂に現れた。「わー霄ちゃんかわいー!」霞はトーストをかじりながら言った。「姉さんの勝負服…」吹雪はコーヒーカップを置いて言った。「昨日の夜話した通り、今日から私は教会の人間だ。そして吉良と須原は私のチームのメンバーとなる。だから家事は各々出来ることを頼む」「うんOK!どうせあたしも昼間は塾でいないし昼ごはんは心配しなくていいよ」「わたしも出かけることが多いからお昼は外で済ませるわ」「では、行ってくる。帰りはいつになるかわからない」バナナとコーヒーだけを口にした霄は吉良と須原の待つガレージに向かう。ガレージの大型ワゴン車には既に須原が乗り込んでいた。「どうそ霄お嬢様」「ああ…」後部のスライドドアを開けて乗り込む霄。パソコンなどの機材などが置かれ、冷蔵庫、トイレまで設置されている。霄が奥のソファを思わせるシートに座ったのを確認した須原は発車させる。「旦那様と雪名様と我々が現役時代使っていた車です。その後も私と須原で整備、改装を続け使用する時を待っていました。」霄の向かい側に腰を下ろす吉良。「黒谷の野望を打ち砕くそ。まずは東邪馬高校に向かい魔力の痕跡を辿る!」「はい」「ハイ」続く
Feb 22, 2015
コメント(0)