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諸田和音(もろだかずね):ミステリー小説は時々読む。ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃5「守山探偵事務所」 亜瑠の足取りを調べるためにまずは刑事の比留山陶子と連絡を取らなければ。「どうした柄留?」 渡してやった携帯を眺めて顔をしかめている。「和音君刑事さんと会うんでしょ?」「そうなるかもな。電話で済めばいいが」「その間ボクはちょっと離れてるよ。前のボクを知っている人を当たってみる」 コイツなりに気を使っているらしい。記憶を失う前の柄留が警察にマークされてる可能性がある為だ。「じゃあ2時間後マスドで待ち合わせな」「わかった!」「ちょっと待て、お前一文無しだろ?電子マネーのカード買ってやるから」 今の柄留はバスにも乗れない。文無しで行動させるわけにもいかない。 柄留はスキップしながらバスに乗って行った若干不安だが仕方ない。携帯で奴の位置は把握できる。「さて……」 比留山陶子刑事に電話をかける。『誰だ?』「諸田和音です」『……ああ、諸田亜瑠の双子か。どうした、何か用でも?』「亜瑠の事について話があるのですが」『わかった、病院に行けばいいか?』「はい、お願いします」 やけにあっさりと話を聞いてくれることになった。 30分後、車で同僚の刑事と一緒に病院に来た。「同僚は車でこの辺を適当に流すように言っておく」 スーツ姿の比留山陶子刑事。スッキリとしたバックパックを背負っている。「電話の会話は全て録音されるからな。直接会って話した方がいいだろう?」「そうですね、じゃあ中に」 病院内のカフェに移動する。オレは亜瑠の携帯電話の履歴について訊いてみた。「私と諸田亜瑠の関係、入院するまでの足取りか……」「ええ、警察は亜瑠の事調べたんですか?」「いいや。諸田亜瑠とは……妙な縁があってな、秋馬署で追ってる事件の捜査中に知り合った。目撃証言を取るだけで終わりだとその時は思っていた。彼女に助けられたこともあった……捜査は進み全てが終わったはずだったんだ。まさか原因不明の意識不明になるなんてな」「亜瑠の意識不明については捜査はしてないのですか?」「事件性は無しと上は判断した。私個人としては気になるところだが立場上勝手に行動するわけにもいかないしな。今は別の捜査をしている」「別の事件?」「詳しい事は何も言えないが……DMCという集団を知ってるか?それ関連で動いてる」「DMC……ええ、耳にしてます」「最近目立つようになってきた集団だ」「比留山さん、G/Tについて何か教えてくれませんか?」「G/Tだと?……関わらないようにしろ、そこの構成員の一人を指名手配中だからな」「それが既に関わってるんです」 オレはキャバクラ店で働く女性のカバンをG/Tのメンバーから取り戻した事。不意に囲まれたことを話した。柄留の事は伏せて。「愚かな事をしたもんだな……警察は助けてやれないぞ。キミが怪我をして被害届を出すというのなら動かないでもないが私は担当ではない。キミが亜瑠の足取りを知りたいというのなら自分で動くのは危険すぎる、探偵にでも相談するのがいいだろう」「ミラージュ探偵事務所には行きましたが立て込んでる様子で依頼はしませんでした」「ミラージュか……それよりも元刑事でこの街で事務所を構えてる人がいる。そこを紹介してやろう」「はぁ……」「守山探偵事務所だ。場所はここだ、私の名前を出せばきっとキミの力になってくれる……諸田亜瑠も守山探偵事務所に足を運んでいたはずだからな」 比留山刑事は守山探偵事務所の名刺を机の上に置く。「今の時代アナログだと考えたか?警察は使い分けてるぞ。まぁとりあえず守山探偵事務所に行けばいい。私も時々顔を出す」 比留山刑事は残りのコーヒーを飲み切って同僚の刑事に連絡する。「また会えたら会おう。いつでも電話に出るとは思わない事だ」「ええ、覚えておきます」 カフェから比留山刑事が車に乗って去っていくのを眺めつつ守山探偵事務所の名刺に目を通す。 【守山探偵事務所】 東京新区・秋馬原(オータムホース)第四地区霧雨通り時計ビル3階。 所長:守山徳三 他2名。 連絡先:○○〇〇-◇◇◇-▽▽▽▽「第四区はビジネス街だな」 早速連絡を取ってみる。『はい、守山探偵事務所です』 ハキハキとした若い男性の声だ。「そちらに依頼の事でお伺いさせていただきたいのですが」『いつ頃来られますか?』「これからお伺いさせてもらおうと考えています」『……大丈夫です。それではお名前を伺ってもよろしいですか?』「諸田和音です」『……はい、ではお待ちしております』 亜瑠の足取りはこれで追うきっかけは出来た。問題は探偵の依頼料だが……貯金を崩せば足りるだろうか。 柄留の事を思い出し携帯の位置情報を見る。第五区にいるらしい、何をしているのか。 電話をかけると1コールで出た。『和音くーん!大変だよ!マジで!色々解ったことあったよー!!』「そうか、無事そうだな。すぐに戻ってこれそうか?」『ちょっとだけ待って、待ち合わせの時間には戻るから!怪人が出た!!』「は?……とにかく無事に戻って来いよ」『了解!じゃあまた後でねー!!』 柄留は一方的に通話を切った。……怪人だと? オレは怪人でこの街のニュースサイトの検索をかける。 数件ヒットした。【正体不明 第二地区で怪人現る】【死傷者50名以上怪人目撃情報も】【怪人捕獲。事件との関連性は】【怪人と反社会的勢力との繋がりは】 ニュースサイトに載っている怪人の姿はコンクリート色の無機質な流線形の人型にコートを羽織って手には大型のハンドガンを持っている。【過去に出現した薬物変異の怪人との関連性は】 緑黒の鬼のような姿の怪人の姿。通称OG事件らしい。【秋馬で有名なスクープ記者惨殺】「……」【怪人キャリバーの正体】「怪人キャリバー……」 少し前にこの街では怪人キャリバーなる存在が騒がしていたらしい。 怪人キャリバーの正体は鈴村功太朗(41) KAMINA:神名に次ぐ大企業【ISEMI:院瀬見(いせみ)】の専務 本人は怪人キャリバーではないと否定。取り調べ中。「この辺の事も守山探偵事務所で訊いてみるか」 柄留との待ち合わせの時間までまだしばらくある。少し話を聞いて戻ってこれるだろう。バスに乗って第四地区に移動する。高層ビルが立ち並びビジネススーツを来たサラリーマンの姿を多く見るようになった。 比留山刑事から貰った守山探偵事務所の名刺の裏には地図が記載されている。それを見ながら携帯の地図と照らし合わせて進む。 便利なネットサイトの案内地図はない。守山探偵事務所へ行き方はこの名刺でしか解らない。「ここか」 大きな時計がある細長い20階建てのビル。その3階らしい。エレベーターに3階の表示はなく仕方なく非常階段を使う事にした。 3階の踊り場からフロアーに抜けると何の表記もない金属製の扉の部屋が見える。廊下には監視カメラが2台見えた。「連絡をした諸田ですけど」『どうぞ』 金属扉の鍵が開いた。中に入るともう一枚今度は透明の扉が。玄関の扉が閉まらないと開かない仕組みらしい。「すみませんね、玄関でスキャンさせて貰ってるのですよ。セキュリティの為に」 出迎えたのはクラシックなブラウンカラーのビジネススーツに身を包んだ若い男。眼鏡をかけ髪は後ろに撫でつけている。「守山探偵事務所の所長・守山罅助(ひびすけ)です」「諸田和音です」 ん?所長は確か―「守山徳三氏は所長では無いのですか?」「……祖父の徳三は先週他界しまして……孫の私が継ぐことになりました。ご安心を、この罅助祖父から探偵のイロハを全て叩きこまれたエリートですので」「そうでしたか」「ささどうぞこちらにおかけになってください、すぐに助手に紅茶を用意させます。紅茶は飲めますかな?」「問題ありません」 ソファに腰を掛けるとすぐに紅茶を持って男が現れた。青白い顔で痩せている。「紅茶どうぞ。じょ、助手の剛力猛(ごうりきたける)です」「あ、どうも」「ハハ、名前と一致してないですよね僕」「……はぁ」 作り笑いをしながら助手は奥に去って行った。「失礼、剛力君はとても優秀な助手なんですが少々ネガティブでしてね。ですがご安心を仕事の腕は超一流ですから。……早速本題にかかりましょうか、何故この探偵事務所を?」「比留山陶子刑事からの紹介です」「なるほど……あのセクシー美人刑事の陶子さんからの紹介ね。諸田さん、貴方陶子さんとどんな関係で?私ほどではないにしろ美形ですよね」「妹が比留山刑事と知り合いだったんです。それで妹の足取りを知りたくて相談に来たという訳です」「ほう………話を聞かせてください」 オレは守山罅助に亜瑠の状態と以前にここに来たことを話した。「祖父と妹の亜瑠さんは知り合いだった………ふむ。祖父の捜査資料を持ってきましょうか……」 守山罅助はファイルをもって来る。今時あまりない紙の資料だ。「祖父の最後の仕事……依頼人の名前はM……」「M?」「妹さんは偽名を使っていたのでは?」「……」 Mと言えば……最初に柄留に出会った時にアイツはそんな事を― 『名前じゃないけどニックネームなら知ってるよ。Mって名乗ってたらしい?』 こう言っていた。「……」 名乗っていたらしい?アイツは誰かからMと呼ばれたのか? 亜瑠はMを名乗っていた? 意識不明となった数日後柄留が現れた。 柄留はオレと会う前に誰かからMと呼ばれた。そいつは亜瑠の事を知ってる。「どうかしましたか諸田さん?」「いえ、少し考え事を……依頼人のMの写真はありますか?」「そうですね……う~ん……祖父は依頼人の秘密を守る為か監視カメラもつけてなかったので……Mの顔は分かりません。でも……祖父の助手をしていた剛力君のお父さんなら覚えているはずです。海外に出ていますがリモートで繋がります」 携帯をかける守山、助手の剛力がPCの準備をしている。 オレは携帯に亜瑠の写真と柄留の姿を表示させて守山のデスクのPCに近づく。 PCの画面には筋骨隆々の日焼けした男性が座っていた。『どれどれ、見せてください……』「Mですか?」『似ていますが……あの時会ったMの姿ではありませんねぇ。Mは髪は金色で表情も何処か思いつめた感じで……写真の人物と直接話せば解るのですが』 「ありがとうございます。機会があればまたお願いしてもよろしいでしょうか?」『構いませんよ』 通信はそこで終了した。「諸田さん……残念ながらMはハッキリしませんでしたね。どうしますか?」「そうですね……一旦出直します。明日また来ても大丈夫ですか?」「明日の昼以降ならいつでも構いませんよ」「ではまたお伺いする前に連絡します」 守山探偵事務所を後にした。怪人キャリバーの事も聞きたかったがまずは亜瑠の事だ。 明日、守山探偵事務所に柄留を連れて行けばいい。 亜瑠=M=柄留 この謎をまずは解かなくては。 亜瑠=Mだとすれば、柄留は何者なのか調べてやらなければならない。 M=柄留だとすれば、亜瑠との関係を調べなければならない。「情報を整理しなければな……」 柄留の方でも何かあったと言っていた。合流して情報の整理をする必要がある。他にもアイツを今晩どこで寝かせるかも考えなければ。瞬栄伯父さんの家に一緒に連れて帰る訳にはいかない。 バス停に向かう途中、携帯が鳴った。柄留からだ。『和音くーん!今からマスドに向かうね!!』「ああ、オレも今から向かう」『ちょっと汚れたから……後でクリーニングしたいなー……』「わかった、とりあえず会って話そう」 バスに乗る。座席に腰を下ろし窓を眺めているとパトカー数台がサイレンを鳴らし走り去っていくのが見えた。第五区工場地帯の方向だ。続く
Feb 27, 2022
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柄留:チャラ男は嫌いReviveTheGunSword灰蘇の剣銃4「兜金蒐魅(とかねえみ)」「ゴメンね、白のイメージしか出てこない……」「そうか、ならとりあえずこのコードの事は後回しだ」「あ!和音君!白と言えばこれだよ!!ボクの出せる刃物と血管ビキビキの鞘!!」 ボクは手から刀身まで白い奇妙な剣と生き物のような血管が走っている鞘を出現させた。「柄留、その剣と鞘見せてくれ」「はうっ!」 和音君が鞘と剣に触れた瞬間、思わず声を出してしまった!「変な声を出すな」「だ、だってくすぐったかったんだよ……和音君に触られてるような感触があって……」 ビビビビって感じた。そろっと鞘と剣から手を離して和音君に渡した。剣と鞘をガン見している。「……どうという事はないただの細身の直剣だな。鞘は……」 鞘の穴を覗き込んでる和音君。なんだか分かんないけどとても恥ずかしい気がしてきた。 「壁面は濡れているように見えるな。まるで生物の体内のようだ……あまりにもこれは奇妙だ。こんなものが存在するのか」「~~~……」 もじもじしてると和音君は剣と鞘を返してくれた。「亜瑠の携帯のコードと剣鞘の関係は今の所分からないが……とりあえず置いておくか」「うん……」 和音君は妹ちゃんの足取りを調べるために刑事さんと会うつもりだけどボクは話をややこしくしたくないから別行動しよう。 記憶を失う前のボクは警察に追われている存在だったら和音君に迷惑掛かっちゃうし。「どうした柄留?」「和音君刑事さんと会うんでしょ?」「そうなるかもな。電話で済めばいいが」「その間ボクはちょっと離れてるよ。前のボクを知っている人を当たってみる」「じゃあ2時間後マスドで待ち合わせな」「わかった!」 ボクを知ってそうなのは……トクゾーさんと昨日会ったチャラ男だ。和音君に電子マネーのカード1万円分を売店で買ってもらいバスに乗る。電話をかけている和音君の姿を見えなくなるまで眺め第2区の繁華街に向かう。「そういえば……」 ボクが裸で倒れてたビルも調べたほうが良い気がする。あれはどこだっけ?チャラ男に声をかけられた通りだったはず。 途中の路地でボクは子汚い屋台で似つかわしくないいい感じのポーチを見つけたので買った。謎のカードとか携帯とか電子マネーのカードとか入れる用に。店員は金属製のっぺらぼうのサイバネ男子。「まいどあり。おねえさん俺っちのお得意さんだったんだねー」「え?」「アンタのジャケットにインナー、ブーツも全部俺っちのデザインしたモノなんだ」「そーなの!?この服結構高いブランドって聞いてるけどなんでそこのデザイナーがこんな子汚い屋台を?」「あっはっはー!こっちは趣味なのさ。役員連中の面倒な相手をしないで自由に良いと思ったモノを作って俺っちの値段設定で勝手に売ってるんだ」「へぇ~…じゃあこのポーチ5千円だけど本当ならいくらぐらいするの?」「普通に市場に出るのなら4万円くらいか。アンタのそのジャケットだって60万、インナー上下で10万、スカート5万、ブーツ25万って所だ。間違いなく品質はいいんだけど一般人には手が出せない設定だわな」「なんでこんなことしてるの?」「ズレちまったからさ。元々は親友と二人で始めた店だったんだ。たまたま来た有名人が気に入って売れだしてあれよあれよと言う間に企業化しちまった。俺っちがやりたかったのは金儲けじゃなくて良いモノを作って気に入って使ってもらう事なんだよ」「ふ~ん……」「ところでおねえさんは何してる人?この辺じゃあまり見かけないけど観光客?」「えっとそのー……今は何もしてないんだ。この秋馬?オータムホースシティには……お手伝いで来てる感じかな?」「ははっなにそれ、ここに来たばっかりで俺っちのブランドで全身コーデするなんてな……」 表情が読めないのっぺらサイバネ男。絶対に油断できない空気を感じる、コイツは普通じゃない者だね。「アンタ俺っちの親友に似てんだわ。いや、顔とかは全然ちげーんだけど」「そーなの?」「あんた兜金蒐魅(とかねえみ)って名前に心当たりある?」「トカネエミ?……初めて聞いたよ」「……へぇ、嘘じゃないね。ほんの僅かでも嘘のサイン出てたらどうしようかと」「嘘のサイン出てたらどうするつもりだった?」 胸の奥でぽっと燃え上がるものがあった。殺意?イラつき?グレイブライスターを出すのを思いとどまった。「ハハッ!いいねぇ、その表情。蒐魅に似てるわアンタ!!」 やな感じ。「もう行くね。その前に一つ聞きたいんだけど」「驚かしたお詫びに答えてあげるよ、何?」「この近くでキャッチしてるチャラ男知らない?歯が異常に白くて光ってる奴」「ああ、シンヤの事。知ってるも何もあいつからアンタの話聞いたんだぜ。グレイブラスター持ってんだろ?」「そのシンヤってのにグレイブラスターについて聞こうとしてたんだよ」 ボクはグレイブラスターを出現させる。するとのっぺら男も何処からか銃を出して構えた。ってか普通に銃持ってんじゃんコイツ!「そいつをわたしてもらおうか。ポーチ代は返してやるから」「そもそもこれ何?別にこんな物持ってたいわけじゃないからいいけど」「どこで手に入れた?」「あそこのビルの屋上で拾ったんだけど」「屋上で……?なんでそんな場所に?」「さぁ?ボクだってわけわかんないよ」「まぁいいや、とりあえずグレイブラスターは貰っておくよ。これは蒐魅の物だその辺のおねえさんが持っていても何もいい事ないぜ」 渡して良かったのかな?でもいっか、ボクの手に戻って来る確信がある。とりあえず渡しておいて行方を探るのもいいかも。離れていても大体の場所は感じるしいざとなったら無理やり呼び寄せればいい。「ねぇ、Mって女の子知らない?ボクに似ているらしいんだけど。その子を探してるんだ」「Mねぇ……」 グレイブラスターを渡した時からもずっと銃を構えているしよそ見もしない男。「一緒について来てくれたら色々話聞かせてあげるけど?」 グレイブラスターを屋台のテーブルの下に置いて左手を上げる。すると路地からフルフェイスヘルメットを被った連中が4人現れた。「これって拉致る気満々ってコト?」「どうかな、抵抗しないで自分で来てくれると嬉しいんだけどなぁ」「……」 ムッカー!!コイツら何?ギャングだがなんだか知らないけど!!「オイねえちゃん!おとなしくついてこいや!!」 横から近づいてきた大男がボクの肩を掴もうとする。不快だったから左手で突き飛ばした。後方2回転で転がった。「テメェ!!」「コノアマ!!」「やっちまうぞ!!」 残り三人の男が叫んだ。目の前ののっぺら男は銃を構えたまま動かない。「撃ってみなよ次の瞬間どうなるか想像してからね」「いいのかい?この銃は強烈な電撃弾を発射するスタンピストル喰らった瞬間に動けなくなるんじゃないかなー?……それにしてもその言い回しに表情、ホント蒐魅に似てるねぇ」 スタンピストルを撃つ男。この会話の流れで突然撃った。コイツ普通じゃない!!全身を電撃が駆け巡って痛かったけどそれだけだ。ボクにはそんなもの利かない。「はっ!」 目の前のスタンピストルを取り上げ、後ろと横の男達を撃つ。生身が見えている箇所をキッチリ狙ってね!そして最後にのっぺら男に銃を突きつける。「ヒュー!やるねぇ!!」 のっぺら男の右手指はボクが銃を取り上げた時にへし折れてた。左手で別の銃を取り出してたけどボクの方が速い構えさせない。「トカネエミの事色々教えてくれないかな?あとグレイブラスターの事も」「お、やさしいねぇ蒐魅なら片足を撃ち抜いてから言いそうなもんだけど」「そうして欲しいならするけど?1ミリでも動いたらね」 わかんない。ボクはこんな野蛮な事したいわけじゃないけど……してしまった。出来てしまった、コイツの言う兜金蒐魅ってのがボクなのかな?じゃあMって何?だれ?「とりあえず店じまいしたいから……動くよ?」「左手の銃を捨ててからね。妙な動きしたら撃つよ」 飛び上がる男、屋台に手をついて空中回転。着地した後両手を肩の高さに上げて降伏のポーズをした。「妙な動きするなって言ったんだけど?」「銃は捨てたでショ?アンタも降ろしてくれるとありがたいんだがっ!」 男は上体を伏せて右足を跳ね上げるようにしてボクの右手のスタンピストルを蹴った。「これでおあいこってことで」「は?ボクは先に撃たれてんだけど?」「驚いたよ、猛獣も黙らせるスタンピストルなのにね。まぁこっちも部下の手前舐められるわけにはいかないんで許してよ」 男は屋台の骨に付いているスイッチを押す。あっという間に変形して3輪バギーになった。子汚かった屋台は今やピカピカの3輪バギーだ。「蒐魅のアジトに案内してあげるよ、後ろに乗りな。そこで色々話そう」「怪しさ200%なんだけど」「アンタなら何があっても切り抜けるんじゃない?」「ここで無理やり吐かせてもいいかな?スタンピストル効いてたらどの道そこに連れ込むつもりだったんだよね?」「どうどう、俺っちもこれ以上怪我したくないしもう喧嘩はやめようぜ?もう一品好きなグッズサービスするからさ」「……」 仕方ないので3輪バギーに乗る。「きょ、キョウヤさんいいんですか……」 最初に突き飛ばした大男が胸を抑えて言った。「大河には連絡しといてよ。それと誰も来るなってね」 走り出す3輪バギー。僕は後部座席で男の後頭部を見つめる。 大通りに出た。オータムホース第五地区に向かって走る。「白い歯のチャラ男とどんな関係なの?」「シンヤは出来の悪い弟さー、身内じゃなきゃとっくにぶち殺してるねー前歯全部叩き折ったことがあってそれであの歯だ」「ふーん……じゃああんたのその顔面サイバネはなんで?」「蒐魅にぐちゃぐちゃにされたんだよ。俺っちが悪いんだけどねー」「よく生きてたね」「アイツ手加減は上手いんだよ。そのくせ壊すのも上手いから質が悪い。ところでアンタ名前は?まだ聞いて無かったねー」「柄留だよ」「俺っちは七曲(ななまがり)キョウヤ」 会話はそこで終わった。こんな二人でのライディング和音君としたかったなー。 ―秋馬第五地区・工場地帯 雰囲気がガラッと変わった。急に周囲は緑と銀と灰色だらけになった。広めの道路、道路沿いに並ぶ金属とコンクリートの建物群。ハイプや煙突だらけで大型ドローン飛び交い資材を運んでいるのが見える。「ここの第五地区の南東、港倉庫に蒐魅のアジトがある」 15分ほど走って工場地帯を走り抜けて港に出た。「如何にも悪者が隠れてそうな場所だよねー」「一般人からすりゃ俺っちたちは悪者だろうよ。だけど悪者が別の悪者を抑えてこの街は成り立ってんだ」 3輪バギーは港のコンテナが一杯ある場所で止まった。「コンテナしかないけど?」「コンテナハウスさ。必要ならいつでも移動させられるのが良いって蒐魅は言ってたなぁ」 男は左のコンテを差している。ぶっとい鎖で封印されてるけど白い血管ビキビキ鞘と剣ならきっと問題ない。ボクは身幅の広い剣をイメージして鞘から引き抜く。「アンタどこからそれを」 七曲キョウヤを無視して鎖の前に立つ。一気に振り下ろして鎖だけをぶった切ったキモチイイ!「驚いたな……バーナーの切断でも数分かかる特殊合金の鎖がこんな簡単に……」「どお?その気になってればさっき全員肉片にできたって解った?」「OKOK、まだ撃ったこと怒ってるなら重ねて謝る。俺っちたちは蒐魅を探してるんだ。グレイブラスターは蒐魅しか扱えないしGウェポンの作成も蒐魅しか出来なかった」 コンテナの扉をあける七曲キョウヤ。コンテナの中は作業台とソファ、PCに棚がいくつか並んでる。コルクボードには写真やメモが一杯張り付けてあって赤い紐で繋ぎ合わせてある。なんてアナログな……!「先にあんたが中に入って」「いいぜー」 七曲キョウヤを一番奥のソファに座らせてボクはコンテナの中を見ていく。「う~ん……」 これといってボクの記憶を刺激するものは無い。「あれ?」 コルクボードのウェビングにMという文字に金髪の女の子の後ろ姿の写真があった。「Mだ!!」「ああ、だから俺っちもMはアンタかもしれないって疑ってたのさ。写真に顔を映ってないからな、手掛かりは他にはない蒐魅の携帯も見つかってない」「ん?何故ボクを?」「アンタは昨日三角ビルでDMCの連中とひと悶着あったろう?その際キャバ嬢がアンタと接触してる。そのキャバ嬢の携帯からアンタの顔を割り出したって事」「へぇ~……で、あんたらは何者?」「G/Tってチームの関係者だ。チームメンバーって訳じゃないが蒐魅とその兄の大河とは親友でね。表向きは探偵をやってる」 名刺を取り出す七曲キョウヤ。名刺にはAH探偵事務所・所長と載ってる。「探偵ね……さっきミラージュ探偵事務所とかなんとか見かけたけど秋馬にはそんなに探偵多いのかな?」「ウチはそんな新参者のミラージュより長いし実績も積んでる。まぁ依頼人は訳アリのが多いけどねぇ。あっちは一般向けだよ探偵社は他にも2社ほどある」「警察は兜金蒐魅を探してないの?」「公開してないけど指名手配中だねー」「そっか」 色々ややこしくなってきた気がする。後で和音君に兜金蒐魅の事相談しよっと。続く
Feb 20, 2022
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諸田和音(もろだかずね)ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃3「柄留(える)」 目の前の女性は自分の名前が分からないと言う。冗談だろ……「冗談はよせ。名前を言いたくないのならそれでいい、それを食べたらもう会う事も無いだろうしな」「えええーーー!!やだやだやだー!!ホントのホントに名前が分かんなくなったんだよー……記憶もあいまいだし……」 言いながら目の前のバーガーセットにがっついている。よほど腹が減っていたのか。身なりはそれなりに高そうな物を身につけてはいるが。「名前じゃないけどニックネームなら知ってるよ。Mって名乗ってたらしい?」「そうか」「もっと気にならない?ボクが何者とか??」「普通じゃないって事は分かった。M、調べるなら役所か警察に行けばいいだろう?」「それが……やらかしちゃってる可能性も無きにしも非ず……で何者か分からないまま逮捕されても納得できないしそもそもIDあるのかどうか……」 ……コイツの存在は気になるが今はそれどころじゃない。亜瑠の事を調べなくては。「そもそもオレはこの街の人間じゃないんだ。休みの間だけここに来てるだけだ」「ええ~………ま、まぁでもこうして出会ったんだし何かの縁という事で……ご飯のお礼もしたいし付いていってもいい?邪魔はしないから」「あのな、オレは妹の足取りを調べるんだ。遊びじゃないんだ勝手について来られても困る。礼なんていいからもうオレに関わるな」「そんなぁ~……ボクには帰るところもお金も無いんだよ……せめて今日一日和音君に付いてってもいいでしょ?何か思い出すかもしれないし……」 演技ではない事は解る。コイツは本当のことを言ってるのだろう。あの顔でじっと見つめられ泣きそうにされると……一日ぐらい連れてもいいかと思い始めた。「仕方ないな……今日だけならいいだろう。夜になったら交番にでも行くんだな」「うん……頑張って思い出してみる……」 Mを伯父の瞬栄さんに診せてもいいかもしれない。家での診療ならIDもいらない。「食べ終わったらまずはここに行く」 亜瑠の倒れていた路地へのルートを携帯に表示させる。「おっけ!」 ついでに秋馬原のMAPを表示させる。「おや?和音君、ここ見て。探偵事務所あるよ、相談とかしてみたら?」 【オータムホース・エリア2】の地図を拡大させる。Mの指さした場所に【ミラージュ探偵事務所】というのを見つけた。歩いてもそう遠くない。「料金は……相談だけなら無料か……後で寄ってみるか」「ボクの事も何か分かるかもしれないしね!」 Mを連れて目的地の路地に向かう。Mは路地を通りたがった。『よくこうやって路地を通ってたらしい』という理由だ。MAPにも載ってない複雑に入り組んだ路地をコイツは行き来していたのか。「ここか」 何でも無い路地だがそれがかえって行きかう人々に全く気にされない場所だと感じた。路地の奥には小さな扉がいくつか見える。「和音くん」「なんだ?」「ボクこの場所知ってるよ」「……そうか。やけに路地に詳しいものな」「えっとそう言うのじゃなくて……ここは何か……」 路地を先に進んでいくM。中ほどの地点で立ち止まった。「ここで何かあったんだよ」「なに?」 亜瑠が倒れていたとされる場所だ。コイツは亜瑠と関係あるとうっすら考えていたがどうやら当たりのようだ。「亜瑠という名前に聞き覚えはあるか?」「アル?……えっと……聞き覚えがある気がするけど……誰?」「妹の名前だ。オレはオマエが亜瑠と関係あるんじゃないかと考え始めてる」「うう~ん……」 Mは空を見上げて右掌をかざしている。「どうした?」「……」 突如Mの右手に剣が出現した。オレは咄嗟に下がる。「この場所……剣が凄いしっくりくる……って和音君!?」「ゆっくり動けよM、じゃなければどうなっても文句言うなよ」「あ……ゴメン……」 剣を消すM。オレも思わず反応してしまった……「ゴメンね和音君、キミを傷つける事なんて絶対ないから!これはその……ボクは剣の他に銃も出せるんだ」 Mは右手に銃を出現させて自らのこめかみに押し当てた。「なんだそれは、サイバネか?」「よく分からないけど……便利ガジェット?かな。指輪をつけたら出来るようになって」「指輪?」 Mは両手を広げて見せるがそんなものは何処にも無い。「え?見えないの?ボクの両手中指についてる指輪だよ?触ってみて」 Mの指に触れるが肌の感触だけで指輪の存在は確認できなかった。「意味が分からないな」「ボクもだよ……でもホントにこの指輪から剣と銃が出るんだよ」「まだ一般に出回ってない技術なのかもな。ますますオマエが何者か分からなくなったな」「ホントにね……ところで和音君、一瞬物凄い殺気感じたんだけど和音君こそ普通じゃないっぽい?」「気にするな……それよりM警戒しろ」「え?」 路地の間からゾロゾロと出てきたのは……また虎仮面の連中だ。「その女を渡してもらおうかイケメン野郎!!」「G/Tに逆らわない方がいいぞ?」「ち、路地をふさがれたな。オレが突破するついて来いよM」「あ、ちょっと!」「テメェ!!」 正面に3人、後ろに2人。オレは大きく息を吸い込んで一気に吐き出した。「オオオオオオオオオオオッ!!」「ぐああああっ!!」「げほおおっ!!」「うぐああああっ!!」 オレの咆哮で吹き飛んで壁に張りつけになる3人。「M!」「おっとっとー!」 手を引いて走る。追いかけてくる2人には壊れて放置されていた電動自転車を投げつける。2人は派手に転倒した。「すっごー!和音君強いんだねー!!」「いいから走れ!!」 表通りに出る。面倒な奴らを巻くには……「和音君!あっちの路地に入ろう!それから右に入って左に進んで……」「走りながらナビしてくれ、行くぞ」 Mの指示に従い路地を進んでいく。狭い螺旋階段を昇ると表通りからは見えないバルコニーに出た。「多分ここまでは追ってこれないはずだよ」「よし……」 かなりの速度で走ったがコイツは息切れもせずに涼しい顔をしている。「オマエ狙われてるのか」「そうみたいだね……何でかわかんないけど。昨日の事と関係あるかな?」「話してくれ」 Mの話を聞く。コイツは昨夜三角ビルの屋上でDMCと呼ばれる連中とトラブルがあった。 バスの乗客の話だとDMCの連中とさっきのG/Tは敵対しているとの事だ。「……実は元G/Tのメンバーで抜けたオマエを攫いに来たとかじゃないのか?」「えー!?」「昨日の夜オマエの姿を見てDMCはいきなり仕掛けてきたのだろ?どちらにせよオマエは両グループと関わり合いがあったんだ」「……そうなのかな、そんな気もする」「とりあえず探偵事務所に行ってみるか」「うん。じゃあそこから降りよ」 建物から張られたワイヤー、金属のハンガーを使ってジップラインで降りていくM。「なんだ?このワイヤー洗濯用じゃないな明らかにジップラインを意識して張られている……」「和音君早くー!」 ジップラインで降りると有刺鉄線の金網が行く手を遮った。オレは一呼吸して有刺鉄線に手を掛けて両側に広げた。「和音君痛くないの!?」「……少し変わった体質なんだよオレは」 超人的な力に気が付いたのは中学2年の時だった。下校中暴走トラックが俺と亜瑠の目の前に飛び込んできた。オレは咄嗟に亜瑠を抱えて飛んで避けた。気が付くと民家の屋根に乗っていた。その日から同じ夢を度々見るようになった。 目の前にある光の剣を手に取りたくてひたすら追いかける。それと龍が空へと上がっていく夢だ。 親父とお袋、じいちゃんに相談したところ諸田家には時々そう言った力を持った者が出現するらしいと。それからは意識して力を制御しだした。 Mに付いて路地を抜ける。通りに出ると目的の探偵事務所が見えた。 周囲にはG/Tはいない。 ビル1階のテナントに探偵事務所はあった。中に居るのは二人。「ミラージュ探偵事務所にようこそ」 受付の女性が声をかけてきた。名札には下柳景織子(しもやなぎきょうこ)と記されている。奥に居る老人は数秒だけこちらを見てすぐに端末で作業を再開する。「あの、相談したいことがありまして」「はい、お伺いします。お急ぎの依頼でしたら今は対応しきれませんがそれでもよろしいですか?所長と探偵の両名は不在でして申し訳ありません」「いつ頃戻られますか?」「何とも言えません。只今掛かっている依頼を済ませてからになりますので」「そうですか……では相談内容だけ記して今日の所は帰ります」「分かりました、ではこちらのタブレットに記入お願いします」 タブレットに亜瑠の事とMの事を打ち込んで探偵事務所を後にした。「あの受付の人爆乳で可愛かったね」「……」「和音君!無視しないでよ!!」「悪い、これからどうしたものかと考えててな……」「困ったね……手分けして情報集めようにもボクは携帯持ってないし……」 携帯…… そうか、携帯だ。亜瑠の携帯を調べれば何か分かるかもしれない。もう一度病院に戻って亜瑠の携帯を取りに行くか。ついでにMに極安のレンタル携帯を持たせるのもいい。「M、秋馬第一区に行くぞ。まずは妹の携帯を取りに行く。そのあと1週間のレンタル携帯をオマエに持たせてやる。オレの子機扱いだからIDの無いオマエはネットには繋げられないがカメラ画像もメッセージもオレに送れるからなそれでいいだろ」「え!いいの!!ありがとう和音君!!はぁ~~~マジ天使王子様……」「そのかわりしっかり働いてもらうぞ?レンタル携帯持ち逃げは無理だからなオレの携帯で追跡可能だしいつでもシャットダウンできる」「だいじょうぶだよ!!」 レンタル携帯は親が幼い子供に持たせたり高齢者に持たせるものだ。ネットがID制になってからはこれを使う犯罪者が増えたとニュースで言っていたが道具は使うもの次第。 刀を持っていたとしても人を傷つけるかどうかは別問題の様に。 G/Tの連中に出会うと面倒なのでタクシーで病院に向かった。Mを病院の駐車場にあるバス待合所で待たせて亜瑠の携帯を取りに行く。相変わらず寝ているようにしか見えなかった。 病院の中にある携帯通信機サービスの出張所でレンタル子機を契約して待合所に向かう。Mは鼻歌を歌いながら空を見ていた。「ほら、持ってきたぞ。それと……オマエの名前Mでは何かと不便だからな。柄留(える)で登録しておいたぞ」「わーい!わーい!!ボクの携帯だぁ!!!」 大げさに飛び跳ねている。「それとボクの名前(仮)……物凄くイイ!!エヘヘヘヘヘ……柄留かぁ……記憶が戻ってもずっと柄留でいたいなぁ~」「そいつは良かった」 コイツの顔を思い浮かべて仮名を決めた。 柄留という名前は双子である俺が女で生まれていたらつけられてた名前だ。亜瑠が男だったら涼音(すずね)という名前だったらしい。「さて……」 早速亜瑠の携帯を調べる。双子の妹のものとは言え流石に気が引けたが今の所これしか手掛かりは無い。「まずは着信履歴とメッセージのチェックだな」 オレに亜瑠のIDは使えない為ネットの履歴は見れない。それでも通話とメッセージに何か残ってるはずだ。「ん?……この電話番号は……」 見覚えがあった。これは……刑事の比留山陶子のだ。名刺を取り出して確認する。「他には……」 3件同じ番号の履歴があった。比留山刑事の他に3件の番号をメモしておく。「警察か……柄留はまだ関わりたくないんだったな」「うん、もうちょっと記憶戻ってからがいいかな。その人に会うんだったらボクは離れて待機しておくよ」「まずは比留山刑事に連絡してみる。それから何をするか決めるぞ」「和音君、メッセージは見ないの?」 これから確認しようとしていたところ柄留が急かすように言ってきた。何か気になるのか?「そんなに顔を近づけるな。見えにくいだろ」「いいじゃん見せてよー」 「なんだコレは……」 メッセージフォルダを開くと暗号化されたコードが書き込まれていた。「……困ったな」 他のメッセージフォルダにも同じようにコードが書き込まれていた。亜瑠はこのメッセージの送り主と頻繁にやり取りしてた形跡がある。「和音君、ボクこのコード見た事あるよ……」「解読できるか?」「うう~ん……見た事あるんだけど内容が分かんない……漢字とかアルファベット知ってても単語読めないみたいな?」「どこで見たことあるか思い出せるか?」「えっとね……うーん……白い所で見たような?」「白い所だと?」続く
Feb 6, 2022
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