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ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃7「菊一文字則宗」 柄留をマスドから連れ出してタクシーを拾う。 目立つ格好で大声をあげて泣かれては落ち着いて話もできない。「いいよ和音君、ボクは覚悟完了してるよ」「……なんの覚悟だ」「だってほらぁ……その……」「伯父の家に向かってるだけだぞ?瞬栄伯父さんは夜まで戻ってこないからな」「!?」「??」 家に到着する。タクシーを降りると柄留はうつむき加減で片手で顔を隠してる。「さぁ入ってくれ」「うん……」 風呂場に案内してやる。汚れた服は全自動洗濯機に放り込んで着替えは前に亜瑠が置いていった寝巻とタオルをかごに入れて脱衣所に置いてやった。「キレイにしてくるからね」「??ああ、石鹸とシャンプーは適当に使えよ」 柄留の様子が何か急におかしい。亜瑠の顔と同じだったのが堪えたのだろうか?まだ見せるには早かったか?だがいつまでも隠すわけにはいかない。 今のうちにオレの方で整理をしておくか。 Mの正体は不明。亜瑠はMと関りがある。 Mは守山探偵事務所で亡くなった前所長・徳三氏に依頼もしくは相談していた。 Mの後ろ姿の写真を兜金蒐魅はウェビングに張り付けていた。 兜金蒐魅はAH探偵事務所とG/Tの大河と関係している人物。 兜金蒐魅はグレイブラスターを持っていた。本人だけが使用できる武器。 柄留は妹・亜瑠と同じ顔。 柄留は兜金蒐魅のグレイブラスターを使える。 柄留は謎の剣と鞘を所持している。これは亜瑠かMの持ち物の可能性はある。 柄留は亜瑠ではない。妹は病院で意識不明状態。 Mの可能性はある。 兜金蒐魅の可能性もある。 情報を整理していると携帯にメッセージが入った。瞬栄伯父さんからだ。『急患の手術が入ったから今日は帰宅できない。ご飯は適当にヨロシク』 柄留の事を説明しなくて済みそうだ。それにアイツもここに置いてやれる。「かずねくん……」 柄留の声がした。振り返ると髪を解いたバスタオル姿の柄留が立っていた。「着替えあっただろう?気に入らなかったか?」「……どうせすぐ脱ぐんだし」「そうか(まぁ洗濯完了までそんなに掛からないが)」「もしかして着た方が……かずねくんは良かった?」「そりゃそうだろう早く着てこい」 戻っていく柄留。 アイツにも解りやすいように図を書いてやろう。 着替えを終えた柄留はオレのすぐ隣に座った。「おい、そっちに座れ。すぐ始めるぞ」「え、うん……」 座れと言ったのだが柄留はソファに仰向けに寝転がった。「いいよかずねくん」「何してるんだ、情報の整理を始めるぞ」「……」「ん?」 両手で顔を抑えて塞ぎこむ柄留。耳まで赤くなっている。「何やってんだ柄留」「……ちょっとまって、今ヤバい顔してるから」「ん?」「もうーーーーーー!!」「おい、ひっくり返った虫みたいな動きしてないで座れ」 しばらく妙な動きをしていた柄留は徐々に落ち着きぎこちない作り笑いを浮かべながらオレの顔を見てきた。「あのね和音君……」「……落ち着いたか?これでも飲め」 フルーツ牛乳をコップに入れてやる。「もう大丈夫だよ……」「よし」 携帯のデータをタブレットに移して柄留に見せてやる。「おおー……」「お前の話とオレの聞いてきた話を合わせてまとめた。何か気になるところはあるか?」「うーん……えっとねー……この怪人キャリバーってのが気になる」「ほう、何故だ?」「七曲キョウヤが聞いてきたんだよ。キャリバーって知ってるかって。後なんだっけ……兜金蒐魅しかグレイブラスターを使えないしGウェポンを作れないとか」「……怪人キャリバーと兜金蒐魅は関係あるのか」「多分……詳しい事知りたければG/Tの所に来いってさ」「……怪人キャリバーはこの大企業ISEMIの専務、鈴村功太朗だとされて逮捕されている」 週刊誌とニュース記事を見せてやる。「むー……どういう事?大企業の専務とギャングなんて繋がりなさそうだけど」「この事件については守山探偵事務所に聞くのがいいだろうな。そう言えば柄留……お前徳三さんがどうとか言ってたこと無かったか?」「うん!とくぞーさんはボクが目を覚まして会った人だよ。ボクをMって呼んだの」「それはおかしいぞ」「なんで?」「守山徳三氏は先週に亡くなっている。お前が会うはずないんだよ」 守山徳三氏の写真を柄留に見せる。「嘘だよー!とくぞーさんにこのカードの場所教えてもらったんだから!!」 傷だらけのICカードを見せる柄留。「……どういう事だ」「ボクに言われても……あ、じゃああのとくぞーさんはそっくりさんだったとか?」「だれが何のためにわざわざ変装してお前にカードの場所を教えるんだ?」「うーんと……黒幕?」「……なんの黒幕だ。だが、記憶の無いお前がMと呼ばれて徳三氏を思い出したのは確かだ。その時記憶の幻影でカードの事を思い出したんじゃないか?」「う~ん……そうかもしれない……」「お前の記憶にMは少し残っていたんだな。まだお前がM本人かその関係者かは解らない。判っているのは守山探偵事務所とMは繋がっている事だ」「ふむふむー……なるほど。じゃあ兜金蒐魅と守山探偵事務所の繋がりは?」「今の所確認できてない。Mの正体を知るのが一番かもな」「Mって妹ちゃんじゃないのかな?そんで、ボクが兜金蒐魅……?」「今の所そう考えるのが一番しっくりくるな。なんの確証もないが」「そうなると……Mと兜金蒐魅は組んでた可能性がある?ウェビングにもMの後ろ姿写真あるし」「何か訳があって兜金蒐魅は亜瑠の顔に変えることになった……のか?」「何の為だろう……」「……」 しばらく資料を見つめる。柄留も眉間に皺を寄せながら見ている。「解らないことだらけだー」「そうだな……しかし確実に進んでいる。お前とMと兜金蒐魅の事を調べれば亜瑠の足取りも解ってくるはずだからな」「次はどうするの和音君?」「明日、守山探偵事務所に二人で行くぞ」「わかった!」 疲れたのか柄留はソファに仰向けに寝転がる。「寝ていていいぞ柄留。洗濯終わったら教えてやるから」「うん……色々あって疲れちゃった、ちょっと寝かせてもらうね」 ―30分後、洗濯の終わりを告げるアラーム音が聞こえたが柄留は起こさないでおいた。 爆睡している、このまま夕飯まで寝かせてやろう。 夕方になって柄留が目を覚ました。「あれ……良い匂い……ここどこだっけ……和音君の所だ!」「ようやく目を覚ましたか。あまりに爆睡してたから放っておいたぞ」「ええー……ボク変な寝言とか言ってなかった?」「言ってなかったな、大きな口をあけてだらしない寝姿だったぞ」「あー!酷い!!」「さぁ夕飯だぞ。こっちに座れ柄留」 ソファから起き上がってキッチンのテーブルに着く柄留。「めちゃくちゃおいしそうー!!和音君が作ってくれたんだよね!?」「ああ、焼鮭とねぎの味噌汁、だし巻き卵にほうれん草のおひたしだ」「いただきまーす!」 左手で箸を持ってだし巻き卵にがっつく柄留。「お前左利きだったのか?」「え?……別にそういうわけじゃないけど?右でもお箸使えるよ?」「そうか別に大したことじゃない」「ふーん……」 柄留は白飯と味噌汁をおかわりした。「ごちそうさまー!めちゃくちゃおいしかったー……」「そうか作りがいがあった」 食器を洗うために台所に行く。柄留にはTVを見せておく。リモコンを触ってチャンネルを頻繁に変えているのが見える。「ねぇ和音くーん」「なんだ?」「普段は何をしているの?」「学生だからな、学校に行ってる」「ふーん……じゃあ家では?」「刀の資料を眺めたりトレーニングしたりだな。休日は鍛冶場に行ってる」「刀……和音君の家って鍛冶屋かなにかなの?」「ああ、刀鍛冶の家だ」「和音君、刀のお話聞かせて。ほら、ボクは奇妙な剣と鞘もってるから何か記憶を呼び覚ますきっかけになるかもしれないしそれに……和音君の事もっと知りたいんだよ」「いいが語りだしたら長くなるぞ?」「うん、大丈夫。TVつまんないし」 洗い物を終えた後、自分の荷物から普段持ち歩いている刀の資料をリビングに持って来る。写真付きの古い本だ。祖父から親父、オレに渡っているもの。「ねぇ、これは?」「それは……菊一文字則宗(きくいちもんじのりむね)だ」「これすっごい……はぁぁぁぁぁ……」 目を輝かせて写真と資料を眺めている柄留。 亜瑠も最初に魅かれたのは菊一文字則宗だった。「よっと……できるかな……」 例の不気味な生物的な鞘と剣を出現させる柄留。資料を見ながら剣に手を掛けた。「ぬぬぬぬぬぬ……」 柄は消え剥き出しの茎(なかご)に変化した。徐々に鞘から抜いていく柄留。「ぬぬぬぬー……どうだぁ!!」 磨き上げた鋼色をした刀剣を出現させる。「見せてみろ」 ……形は菊一文字則宗にはなっている。「どうかな和音君?」「そうだな……その辺の模造刀とほぼ変わらない」「ええ~……模造刀レベルかぁ……」「妹の亜瑠が菊一文字則宗を目指して作ったのがこれだ」 亜瑠の作った刀の写真と動画を見せる。「……う、確かに妹ちゃんのに比べたらボクのは全然だね」 出現させた刀と亜瑠の写真動画を見比べている。 「ん?」 亜瑠の携帯にメッセージが入った。確認すると―「また読めないコードのメッセージだな……」「ホントだ。なんなんだろうね……あ、そうだ和音君がこの鞘と剣で菊一文字則宗に挑戦してみてよ」「む……オレにそれを扱えるのか?」「どうだろう?やってみたら??」 柄留の作った模造刀菊一文字則宗を手に取り鞘に入れていく。「あ、ああう……」「おい、変な声だすな……」「だって……なんかぞわぞわするんだよー……」「大丈夫なのか?」「多分……」 オレは柄留の反応を見ながら鞘に納めた刀身に意識を集中する。「ああっ!ああああうううっ!!」 柄留が仰け反って体を振るわせている。「……やっぱりやめた方がいいな。お前の反応が尋常じゃない」「はぁはぁ……いきなりはちょっと無理みたい。慣らしていかないとね……」「汗が凄いぞ?」「ホントだ……この鞘と剣はもうしまうね」 その後柄留と資料を見ながら刀の話を日付が変わる頃までした。舟をこいで意識がもうろうとしていたので布団を出そうとすると柄留は「ソファでいいよ」と言い放ちタオルケットに包まって寝てしまった。 リビングの電気を常夜灯に変えてシャワーを浴びた。出てきた後柄留の寝息を確認し荷物を置いている六畳の和室で横になった。 ―いつの間にか意識は落ち眠りについていた。 夢を見た。鍛冶場で誰かが刀を鍛えてる。龍が空を飛んでいる。 翌朝、顔を洗ってリビングに向かうと柄留は大の字になってよだれを垂らして寝ていた。 カーテンを開けて起こしてやる。「んぁぁぁ……おはよー和音君……」続く
Mar 13, 2022
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柄留:やきとりが好きだった記憶はある。ReviveTheGunSword灰蘇の剣銃6「怪人出現」 七曲キョウヤと話をして兜金蒐魅のコンテナを調べてる。一応携帯で写真撮っておこう。「それで?ボクをどうしたい訳?」「しばらくは監視……っていきたいところなんだけど。大河は会いたいってさー」「ふーん……G/Tのリーダーだっけ?いいの?ボクは大暴れするかもよ?」 半分は本当で半分は嘘だ。相手の出方次第。『怖いと思わない相手に何を遠慮する必要があるのか逆に恐怖を叩き込んでやれ』 ……あれ?なんでボクはこんな野蛮な考え方したんだろう?「……グレイブラスター返してくれる?」「まだ駄目だ。大河に渡すことになってる彼に会いに行くのなら一緒に移動になるよー?」「それボクのなんだけど」「かもねぇ……だけどもう少し辛抱してくれない?Mについても兜金蒐魅についても知りたいデショ?」 へらへらした態度がムカつく!だけどここで癇癪起こして何もかも台無しにするのは駄目だ。だけど今からまた移動って面倒だなぁ……和音君との待ち合わせもあるし。「移動ばっかりさせないでよ。ここに大河とやら呼べばいいじゃん」「……おやおや、こっちも丁寧に対応してるんですがあんまり勝手言われると困るねー」 ふん!コイツにイラついた!兜金蒐魅の事は知らないけどこの七曲キョウヤって奴の顔面ぐちゃぐちゃにした気分よーくわかる!!「股間のモノ潰されたくなったらグレイブラスター返したほうがいいよ」「ハハッ!既に1回蒐魅にやられてるよー!!ホントアンタ蒐魅に似てるわ」「もういい!戻ってグレイブラスター!!」 三輪バギーを粉砕してグレイブラスターが飛び出す。「いやいやいやいや……絶対蒐魅デショアンタ。記憶喪失か何か?」「うっさい!グレイブラスターは返してもらったよ。あんたも兜金大河もボクの都合で呼び出すから勝手に周りでウロチョロしないでね?見かけたらぐちゃぐちゃにするから」「ヒュー……まんまだよー」「それと、コンテナ始末しないでね。勝手に中も弄らないで、髪の毛一本でも見つけたら毟り取ってやるから」 スラスラと野蛮語が出てくる。こんなの和音君の前で無理無理!気を着けなきゃ。「えっと柄留……さん?話は変わりますがキャリバーはご存じ?」「え?」 キャリバー…… Caliber…… お腹がシクシクする……おへその下あたりが熱いような……「きゃりばー……」「その様子だと思い出せそうで……出せない感じだねぇ」「そうかもね。それより、そろそろボク戻るからバス停まで案内して」「……仕方ない、今日の所はこっちが折れるとしよう、バス停に案内するよー」 七曲キョウヤはツルッツルの顔面サイバネを触りながら歩き出す。「なにっ!?」 突然七曲キョウヤが吹っ飛んだ。コンテナの影から黒マントフードの……全裸男が現れた。全身は黒い血管のような模様。両腕は杭打ちハンマーのような形状。目は白目を剥き口からは上下4本の牙が飛び出していた。股間のモノは斜め上を向いて怒張している!!「ヌガハハハハハハハハッ!解放!解放!!欲を解放セリ!!!」「変態全裸マントだー!!」「怪人だ……昼間に出てくるとは……」 七曲キョウヤはかっこつけてヘッドスプリングで立ち上がる。「怪人?」「最近夜になると現れる奴らだよー……暴れるだけ暴れて煙のように消える厄介な存在」「なにそれ?」「G/Tも俺っちの探偵事務所もこの怪人はDMCの仕業だと睨んでるがねー」「話は後にしない?あの変態怪人こっちに来るよ!」 上を向いて仰け反り叫び声を上げている変態怪人。ボクたちを見て笑ってこっちに歩いてくる!「ヌガハハハハハハッ!俺を見ろ!俺に殴られろ!俺にヤラれろッ!!」「もうーーーーーーー!グレイブラスター!!」 グレイブラスターに吹き飛ばす効果の弾丸を装填!構えてトリガーを引く瞬間、変態怪人はマントを広げて飛び上がった! 「ヌガハッ!」 ハンマー手のパンチを打ち下ろしてきた。軽く回避するボク、地面に激突したハンマーパンチはアスファルトを割っていた。「ぶっ飛べ!」 グレイブラスターを撃つ。弾丸は変態怪人を吹き飛ばしてコンテナの裏に。「あ!和音君から電話だ!!もしもーし!!」 1コールで出る。「和音くーん!大変だよ!マジで!色々解ったことあったよー!!」『そうか、無事そうだな。すぐに戻ってこれそうか?』「ちょっとだけ待って、待ち合わせの時間には戻るから!怪人が出た!!」『は?……とにかく無事に戻って来いよ』「了解!じゃあまた後でねー!!」 怪人を何とかして和音君の所に戻らなきゃ!! コンテナの裏に向かう。変態怪人はブリッジ状態で待ち構えていた!そのまま転がって体当たりを仕掛けてくる、嫌すぎ!「見ろ!殴られろ!ヤラレロ!!」 杭打ちハンマーパンチをグレイブラスターでガードする。衝撃を旋回運動で流して白の剣と鞘に持ち代える。蛇腹剣をイメージして鞘から剣を引き抜いた。百足のような無数の節の着いた刀剣が現れる。「ヌガハーッ!」 受け流した衝撃でコンテナで激突した変態怪人はこっちを向き直す。ボクは蛇腹剣を振る。鞭のようにしなって伸びる、節から刀身は離れワイヤーのようなもので繋がっている。「近づくなー!」 蛇腹剣を鞭のように振るって変態怪人を攻撃!一発で大ダメージを期待してたけど皮膚を少し切り裂いただけだった。だったら連続で打ち込む!「ヌガアアアッ!されるのはスキじゃナアアアアアアイッ!!」 大きく息を吸い込む変態怪人。口から白い煙を吐き出した。煙幕!?「おええーーーーー!!くっさ!くっさーーーーい!!」 生臭さと獣臭さとツンとした臭い!!くさすぎるうううう!!「ヌガハハハハハ……」 グレイブラスターに持ち替えて爆風の弾丸を地面に撃って激臭煙幕を散らした。変態怪人は姿を消していた。「おええっ……くっさ……最悪……服と髪に臭いついたじゃーん……」「逃げられたねぇー怪人らはいつもこんな感じだよ」 コンテナの影に隠れてた七曲キョウヤが出てきた。「最悪……兜金蒐魅のコンテナに着替えないか見てくる。その前に一回海に飛び込んで体流そっかなー……」 海を覗き込むと金属臭がした。これは入らない方がいい……よけい汚れそう。仕方ないので蒐魅のコンテナに入る。「服無いなぁ……ここで寝泊まりしてたわけじゃないのかぁ……」「あの怪人の身に着けていたものと同じフードマントならそこにあるよー」 七曲キョウヤの差したのはマスクとかグローブとか色んなものが吊ってあるハンガーラック。フードマントもあった。「フードマントだけあってもね」「臭すぎる服を着てるよりいいのでは?コインランドリーまでなら大丈夫では?」「はあああああ??ボクに変態怪人と同じ全裸マントの格好させようっての?」「その臭いさせながらバスに乗るのならいいけど……送ってあげようにも俺っちのバギーはアンタが壊してしまったからねー」「ちっ……!」 イライラする!ホントこの七曲キョウヤはウザイ!「着替えるまであっちいってろ!」 ソバットでコンテナから蹴り出す。さて……フードマントだけど……うまい具合に巻きつけてドレス風に着れば大丈夫かなー。 臭いが付いた服を兜金蒐魅のリュックに詰め込み、フードマントを体に巻き付けて着る。「これで良し……と」 兜金蒐魅が残した壁のボードのウェビングを眺める。張り付けられた写真の人物を見ていく。 う~ん…… ×してあるのとそうでない写真がある。場所は秋馬(オータムホースシティ)全域、大体8割くらいにバツが付いている。「よー、着替え終わってるねー?」「あ!勝手に入ってくんな!!」「蒐魅の残したウェビング気になってるんだねー」「まーね。全然意味わかんないけど」「俺っちは解ってるけど?付いてくれば全部教えてあげるよー」「しつこい!今日はもう行かない!!明日ボクの都合の良い時に連絡するから」「はいはい……」 両手を広げて肩をすくめるポーズをする七曲キョウヤ。ああよかった顔サイバネで。きっと鬱陶しいあきれ顔でやってたんだろうね!「ボクが蒐魅だったとしてもあんたが親友とか絶対嘘!ないから!!」「出会ったばかりの頃はこんな感じだったんだよー懐かしいなぁ」 もう会話やめよう。早く戻って和音君に会いたい話したい。このストレスを癒したい! バス停の場所を聞いて七曲キョウヤと別れた。途中の自動販売機で無糖炭酸水を買って少し飲んで残りは頭からかぶって髪の汚れを落とす。シュワシュワがキモチいい! 5分ほどバス停で待って乗り込む。他の客は少ない。 さてと、和音君に連絡しなきゃ。「和音くーん!今からマスドに向かうね!!」『ああ、オレも今から向かう』「ちょっと汚れたから……後でクリーニングしたいなー……」『わかった、とりあえず会って話そう』 バスは北西に進む。工場地帯を抜けて繁華街の第二地区に入った。適当な所でボタンを押して降りる。「確かマスドはあっちだったね……」 ウェビングで×写真が張られてた建物の横を通る。2階の焼肉店は臨時休業中と窓に張り紙がしてある。「ウェビングの事和音君にも考えてもらおっと……」 大通りをパトカーが走っていくのが見えた。工場地帯の方だ、さっきの怪人を誰かが通報したのかな? しばらく歩いて進むと他にもウェビングの建物を見つけた。弁護士事務所のあるビル、金融会社のビル、ホスト店に……アダルトショップ。マスドに到着すると和音君は壁際の席に座っていた。コーヒーを飲む姿もカッコイイ!「和音くーん!」「声がデカいぞ、良いから座れ」「はぁい」「何だその恰好は……コスプレか何かか?」「ちがうよーこれは服が汚れたから仕方なしに着てるんだよ。マントを巻きつけただけの簡易ドレスなんだー……実は下何もつけてないんだー」 巻いてる布を少しはだけてチラッと肌を見せる。「おい、こんな所でやめろ」「はぁい」 うひひー!焦った顔もカッコカワイイ!!「冗談だってば、和音君じゃない他のモブに見せるわけないじゃん」「……何があったか話してくれ。オレの方も亜瑠の事で話があるからな」「おっけー!」 ボクは客引きのチャラ男シンヤと自称デザイナーで探偵キョウヤの七曲兄弟の事、兜金蒐魅、コンテナのウェビング、G/Tの大河の事、怪人の事を出来るだけドラマチックに話した。「……そうか、ではこちらの話を聞いてくれ」「え?え!?か、和音君ボクの話聞いてその程度のリアクション!?」「まぁ待て、俺の話とお前の話を合わせてからお互いに意見を交換しようじゃないか」 和音君は携帯に解りやすくまとめた資料を見せながら丁寧に話してくれた。 比留山陶子刑事 守山探偵事務所 怪人キャリバー Mと妹の亜瑠ちゃんとボクの事「ううう~ん……」 頭を抱えるボク。全部関係してそうで何をどうしたら良いか全く分かんない。「一つずつ進めようか。柄留、この写真を見てくれ」 携帯の画面を見せる和音君、そこには黒髪のボクの顔が映っていた。「??ボクの顔がどうしたの?もしかしてこれ記憶失う前のボク!?」「……そうだったら話が早かったんだがな。この写真は妹の亜瑠だ」「えっ!!」「会ってすぐにお前に見せるべきだったんだがな」「……」 がーん……そうだったのかぁ。 なるほど、ボクみたいな怪しい女の子に優しくしてくれたのは妹ちゃんと同じ顔してたからなんだー…… こんなの和音君のこと好きになってしまってるのにワンチャンもないじゃん…… 「妹ちゃん病院で寝てるんだものね……意識不明で……」「ああ」「ごめんね和音君……ボクの顔が妹ちゃんと同じで」「なんでお前が謝るんだ?」「だって妹ちゃんと同じ顔の変な女がいきなり絡んできて……」「何を言ってるんだ?お前の握り飯を台無しにしてしまったのはオレだ。顔は関係ない、あの場面でお前が別の顔だったとしても同じ事をしてるぞ」「うあああああん!かずねくうううううううううううん!!」「なんだ急に……泣くな、落ち着け」「おにぎりぺちゃんこイベは君に出会うためだったんだよー!よかったんだよー!」「解ったから落ち着け……ここはお前が目立ちすぎる、場所を変えよう」「え!?」 もしかしてこの流れ……この流れ……期待しちゃうぞっ!続く
Mar 6, 2022
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