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2022.04.04
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​​ 野原位「三度目の正直」元町映画館
​ 若い映画ファンから勧められて見ました。監督の 野原位 という名前に聞き覚えがありましたが、 黒沢清監督 「スパイの妻」 濱口竜介監督 「ハッピーアワー」 で共同脚本を書いていた人だそうです。
 その二つの作品はなかなか評判がいいのですが、
ぼくは 「なんだかなあ・・・」 という感想です。特に 濱口竜介監督 は、今、 「ドライブ・マイ・カー」 という作品で評判になっていますが、 「ハッピーアワー」 から 「ドライブ・マイ・カー」 、昨秋封切られた 「偶然と想像」 というオムニバス作品までかかさず見ましたが、 「なるほど!」 と納得できた作品にはまだ出会っていません。​
​ みんなの誉め方を見たり聞いたりしていると、ぼくの映画の見方に問題があるんじゃないか、というのが今のところの結論で、そういうわけで、 野原監督 とかも見てみようというわけです。​
​​ で、映画です。暗い海岸です。車椅子に乗った女性に、押していた男性が 「父さんをぼくが連れてきたら、あなたはうれしいか」 と話しかけて、やがて、その男の姿が明るい光の中に浮かびます。で、シーンが変わりました。​​
 そこから、カットというかシーンの断続的変化が、映像の 「ストーリー化」 、あるいは 「コンテクストの理解」 を拒否するかのように続きます。要するに見ていてカットとカットの繋がりがよく分からないのです。
 しかし、最後まで見終えてみると、それぞれのカットは、それぞれの人物の造形のためには、かなり大切な要素であったことが、 シマクマ君 にでもわかるという仕組みでした。
​​ 主人公(?)は 月島春(川村りら) という中年の女性です。まず、パートナーの連れ子である高校生の がカナダに留学し二人の元を去る話から始まります。​​
​​​ 続けて、 の父親である精神科医の 野田宗一朗 との別れ話です。で、実家に戻った ​月島春​ が街で記憶喪失の青年を拾います。名前を失っているこの青年に、 「生人(なると)」 という名を与え自分の子どもとして暮らし始めます。で、その名は流産で失った子供に付けようとしていた名だったことが明らかになっていきます。​​​
「流産」、「義理の娘との別れ」、「記憶喪失の青年との暮らし」 、もう、これだけで、 「かなり」 なことなのですが、映画は彼女の幼児体験に祖父による 「性的虐待」 があることを彼女自身に語らせます。
​​  「三度目の正直」 という題名の輪郭がおぼろげながら浮かんできます。 「人間」 であること、あるいは 「女性」 であることを出発点で否定された主人公の 「人間」 であり 「女性」 であることの回復・奪還の物語を 「生人」 という名前が暗示しているようです。​​
​​​ 映画は 「生人」 に去られた 月島春 が暗い海に花束を流し、彼女のもとを去った記憶喪失の青年 樋口明 がたそがれる海を見ながら立ち尽くしているシーンで終わります。​​​
 主人公にそって、ここまで書いてきましたが、実は残り数人の登場人物たちのカット、カットは暗示に満ちています。
​ たとえば記憶喪失の青年 樋口明 は父親の家庭放棄による母子家庭での暮らし、その母の死という境遇の中での行倒れのようです。最初のシーンは彼と母親との会話だったことが見ていて、なんとなくわかっていきます。​
​​​​​  月島春の母 は独居老人ですが夫や舅との記憶は忘れたことにしているようです。弟の 月島毅 はラッパーですが、その 妻美香子 は育児放棄を予感させる不安な日々です。別れた 野田宗一朗 が恋する相手は患者である 美香子 です。​​​​​
​ なんなんでしょうね、この人間群像は。普通の人の暮らしのベールの奥の孤独を暗示し続ける作品でしたが、映像で記憶に残ったのは 月島春 「生人」 のあいだで閉まってしまう電車のドアのシーンだけでした。​
 このシーンのよさはドアが閉まり電車が動くという現実がまず映し出されているからです。 「なんでそうなるのだ」 という暗示まみれの疑問の余地がないことです。
​ 考えに考えた作品であることは認めますが、かえって 通俗 になってしまっていないでしょうか。通俗は言い過ぎかもしれませんが、描かれていく、それぞれの 「危機」 が、見ていて 「めんどくさく」 なっていくのを感じるのは、案外疲れるものでした。
 ちょっと、機嫌よく 拍手! というわけにはいきませんが、グラグラしながら立っている 「存在」 を感じさせた 川村りら と​
出村弘美 のお二人​ には拍手!でした。
 いやはや、疲れました(笑)。
監督 野原位
脚本 野原位  川村りら
撮影監督 北川喜雄  飯岡幸子
照明 秋山恵二郎 鈴木涼太 蟻正恭子 三浦博之
編集 野原位
音楽 佐藤康郎
キャスト
川村りら(月島春)
小林勝行(月島毅 春の弟・ラッパー)
出村弘美(月島美香子 毅の妻)
川村知(月島生人/樋口明 記憶喪失の青年)
田辺泰信(野田宗一朗 春の前夫)
2021年・112分・G・日本
2022・03・29-no41・元町映画館no114​​

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最終更新日  2023.08.26 23:05:29
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