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2022.12.17
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​​100days100bookcovers no85 85日目​
​​ なかにし礼「長崎ぶらぶら節」(文藝春秋) 4月8日 SIMAKUMAさん の投稿から約1か月経ちました。遅くなってすみません。ゆっくり意中の1冊との出会いを探りました。
 まず、地元の本屋を残すために悪戦苦闘した本屋 久住さん の起こした奇跡がいっぱい詰まった 『奇跡の本屋をつくりたい』(ミシマ社)。 しばしば胸がつまりました。 子規 漱石 の友情を見事に描いた 『ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石』(講談社) も一気に読みました。国語の教科書や多くの作品では知ることができない 子規 漱石 の人間性と友情に目を見張りました。北アメリカのネイティヴについて書かれた 見田宗介 「気流のなる音」(ちくま学芸文庫) は、加古川市の図書館に蔵書がなく、近隣市町の図書館に問合せしてもらっていますが、まだ連絡がありません。首を長くして待っています。受け取ったバトンの 『天才柳澤教授の生活』(講談社文庫) はTUTAYAで店員さんに聞きましたが、置いていないとのこと。久しぶりにコミックを読むことを楽しみにしていたのですが…。
​ もう1冊読んだ本は、FBをご覧の方にはお察しがつくかも。 なかにし礼『長崎ぶらぶら節』(文藝春秋) です。これは長崎ぶらぶら旅の余韻の中で読みました。そして、読んでいる中で、 天才柳澤教授 長崎学の基礎を築いた ​古賀十二郎​ がリンクしたのです。​
柳澤教授 山下和美さんの父 である大学教授について、 SIMAKUMAさん が、 「マンガ的現実離れ」 と評していましたが、それは 『ノボさん』 に描かれる 子規 も同じだと思いました。 ​​
​​ 子規は夢の中を走り続けた人である。これほど人々に愛され、これほど人々を愛した人は他に類をみない。彼のこころの空はまことに気高く澄んでいた。​
 ​と冒頭にありました。お金や健康を気に掛けず、全精神を注いで俳句や短歌などに没頭する姿は、 『奇跡の本屋をつくりたい』 久住さん にも共通しているのではないでしょうか。 『長崎ぶらぶら節』 に登場する 古賀十二郎 は、中央や東京に抗して長崎の学問を究めるために大店の跡取り息子の全財産を費やしてしまいます。​​
​ 今回 『長崎ぶらぶら節』 を読んで、まず思ったのは文学の力。この度何回目かの長崎地方への旅でした。事前に本を読み、ネットで調べたうえで島原、長崎を巡り、キリシタン潜伏や三菱の近代産業のこと(ともに世界遺産)、長崎の歴史やおくんち、丸山という色街のこと…。2泊3日でけっこうあちこち足を運び、ええ旅ができたな~としばらく旅の余韻に浸っていましたが、1冊の本との出会いはそれをはるかに凌ぐ奥深さでした。というか、頭で捉えるのとこころにひびくのとの違いかな?旅をして出会った現代の長崎に、 ​ぶらぶら節​ が共鳴して根が張ったような…。​
​​ 作者の なかにし礼 は、華やかな作詞家・小説家という面と同時に、満州の引揚体験や兄の借金の返済、食道がんの闘病など波乱万丈の人生を送ったといいます。今まで気になりながら著書を手に取ったことがなかったというのは 伊集院静 と同じ。ふたりともマスコミの寵児であることで、私はなんとなく敬遠したのかも。作詞も素晴らしいですが、 2000年 ​『長崎ぶらぶら節』​ 第122回直木賞 受賞、他に 『兄弟』『戦場のニーナ』『夜の歌』 など。これからゆっくり読んでいこうと思っています。​​
​  『長崎ぶらぶら節』 は、小説や映画で知っている人も多いでしょうが、あらすじは以下のとおりです。​
​​​​​​  日本三大花街 の一つである 長崎・丸山 で10歳から奉公を始め人気芸者となった ​名妓・愛八​ は、若手を教える立場になったころ、 「長崎学」の先駆者 として知られた 古賀十二郎 から誘われ、古老らを訪ね歩く旅を始める。民謡、子守歌、隠れキリシタンの聖歌など貴重な歌を記録する旅の中で、 愛八 は忘れ去られ温泉町の老妓がかろうじて覚えていた 「ぶらぶら節」 と出会う。 愛八 の歌う 「ぶらぶら節」 は民謡探訪の取材をしていた詩人の 西条八十 に感銘を与え、西条のプロデュースにより 1931年(昭和6年) にレコード化される。​​​​​​
​​​​​​ 今では 「長崎くんち」 のはじめに長崎検番の姐さん方によって唄われる地元を代表する 「ぶらぶら節」 ですが、この歌に出会うまでに3年もの間の長崎各地を巡る 愛八と古賀の苦労 がありました。ようやく雲仙の麓にある海辺の温泉町小浜を訪ね、 92歳の芸者八重菊姐さん から 「長崎ぶらぶら節」 を聴きます。かつては長崎の花街で歌われ、誰もが知っていたのに、すっかり忘れさられてこの世から消える寸前だったのです。
 その夜のこと、
​​ ​​​​​ 「歌の不思議たい。歌は英語でエアー、フランス語でエール、イタリア語でアリア、ドイツ語でアーリア、ポルトガル語でアリア。つまり空気のことたい。歌は眼に見えない精霊のごたるもんたい。大気をさ迷うていた長崎ぶらぶら節が今、うったちの胸に飛び込んできた。これをこんどうったちが吐きだせば、また誰かの胸の中に入り込む。その誰かが吐きだせば、また誰かの胸に忍びこむ。そうやって歌は永遠に空中に漂いつづける。これが歌の不思議でなくてなんであろう。」​
​​ 
​​ 古賀 の話を聞いている上に、 愛八 は今こそ、長崎ぶらぶら節という死にかけていた歌が見る見る生気を取り戻していく様が鳥肌の立つほどに実感させられた。​​
 同時に 古賀 は、この歌を大いに世に広めてほしいと歌探しの終わりを告げます。
「おいとおうちのめぐり会いは恋というにはあまりに真面目くさくて色気のなかもんじゃったばってんか、一種の出会いには違いなかたいね」
「………」 ​​
​​​  男女の恋にならなかったからこそ、その後 「長崎ぶらぶら節」 はレコード収録されて世に知られるようになるわけですね。序章と終章は 愛八 の命を賭けた支援で肺病から回復した お雪の語り があり、哀切極まります。作品中の長崎言葉も耳に残り、当時の丸山に私を連れて行ってくれました。 ​最後に 長崎ぶらぶら節 の一節を紹介します。ネットで動画もあるので検索してみてください。​ ​​
​​ 長崎名物紙鳶(はた)揚げ盆まつり
秋はお諏訪のシャギリで
氏子がぶうらぶら
ぶらりぶらりと
いうたもんだいちゅう
遊びに行くならか月か中の茶屋
梅園裏門たたいて
丸山ぶうらぶら
ぶらりぶらりと
いうたもんだいちゅう ​​
​ では 、SODEOKAさん 、次よろしくお願いします。 ​( 2022 05 06・N/YAMAMOTO) ​​ ​追記2024・05・11​
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最終更新日  2024.05.16 22:07:40
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