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山口敬之氏「だから私はTBSを退社し、この一冊を著した」~永田町を震撼させたエース記者の回想「これ、あさって議院を解散する時の会見原稿なんだけどさ、ちょっと聞いてみてよ」 安倍は本番さながらに、私に向かって語りかけた――。目の前で、現職の総理が解散を宣言している。私はまるで自分が、官邸1階の記者会見室にいるような錯覚にとらわれた。(2016年)6月に発売されるや、永田町を震撼させた『総理』(幻冬舎刊)の一節である。~それほどのエース記者が、一体なぜTBSを辞めて独立したのか。本書執筆にいたる経緯、そして安倍政権の行方について、本人に聞いた。TBSを辞めたのは、「取材したことを報道する」という、ジャーナリストとして当たり前のことができなくなったからです。私は政治部を経て、2013年にワシントン支局長としてアメリカに赴任しました。このとき、現地の公文書館で、ベトナム戦争中に韓国軍が慰安所を設けていたことを示す文書を発見しました。貴重な文書ですから、すぐにニュース番組のなかで放送したいと掛け合ったのですが、上層部は「デリケートな問題だから、文書だけではダメだ。その現場にいた人の証言が得られなければ、放送しない」と消極的でした。~山口氏はその取材を『週刊文春』誌に寄稿。~2015年4月2日号に掲載されたこの記事は国内外で大きな反響を呼んだ。ところが、TBS上層部は、山口氏が他社の媒体で取材成果を発表したことを問題視したという。会社からは、ワシントン支局長を解任、営業局へ異動という処分を受けました。~私の本性は記者ですから、取材して発信するという仕事ができないことには耐えられなかった。何より、取材した成果を明確な理由もなく報道させない組織に所属していても仕方がないと考えたのです。そして、退職を決意しました。ちょうどその頃、本を書かないかというお話をいただいたので、退職を機に、これまでTBS記者として取材をしてきたこと、またテレビという枠組みでは報道できなかったことを書こうと思ったんです。---TBS退社の理由について、なにやらもっともらしいことを言っていますが、実際には違うようです。TBS社長「警察から問い合わせあった」「詳細語らず退職」 元記者から乱暴、女性の検審申し立て受け元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏から乱暴されたという20代の女性が、東京地検の不起訴処分を不服として検察審査会に審査を申し立てたことについて、同局の武田信二社長は31日の定例会見で「(山口氏が)TBSに在職していた時期の案件であるという認識は持っているし、当時、警察から問い合わせもあった。本人に事情を聴いたが、詳細を語らずに退職していった」と明かした。(以下略)---ようするに、自分で起こした犯罪的行為※について、警察の捜査の手が伸びてきたからあわてて退職したのを、もっともらしく言いつくろっているだけ、ということに過ぎなかったわけです。そもそも、山口が女性と性的な行為に及んだこと自体は、山口自身も認めています。起訴云々は別に考えても、就職の相談に来た女性と性的な行為に及ぶ、というのは、社会人として終わっている。まともな会社や役所なら、こんな行為は(立件されるか否かにかかわらず)露見したら懲戒免職でしょう。その意味では、警察から問い合わせが来ているにもかかわらす゜、「詳細を語らず(自ら)退職」をそのまま許したTBSにも問題はあります。そもそも、山口は安倍の第一次政権時の退陣を「スクープ」したというので名を轟かせたのですが、それは結局安倍と親密すぎる付き合いの結果、ということです。もちろん、それはそれで能力のひとつではあるでしょう。しかし、取材者が取材者対象者の代弁者になって、テレビ放送や出版物でヨイショをしまくる、となると、もはやそれはジャーナリズムではなく「御用ジャーナリズム」あるいは「プロパガンダのお先棒担ぎ」でしかありません。挙句のあてに、女性に対する犯罪行為で逮捕寸前だったものを、政権の力で警察に圧力をかけさせて逮捕を免れる。これはもはや、取材者(ジャーナリスト)ではなく、プロパガンダの遂行者に過ぎません。それにしても、私はテレビをほとんど見ないので、山口の出演する番組も見たことはありませんが、さすがにテレビ出演はすべて降板しているんでしょうね。(確認はしていないですが、いくらなんでもこの状態で出演させ続けるテレビ局はないでしょう)著書を書くのは勝手ですが、今後二度と公共の電波に出てきて欲しくはない人物です。※楽天ブログは、わたしが個別に設定している禁止ワード以外にも、運営側で一律に設定している禁止ワードがあるようです。それらの単語は、本文にも投稿できません。山口が犯したとされる犯罪の名称も、その禁止ワードに設定されているようです。まあ、回避する手法はある(以前にもその手は使ってます)のですが、あまりこころ楽しい名称でもないので、今回は避けます。
2017.05.31
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獣医師不足、悩む地方 四国は獣医系大学ゼロ加計学園の獣医学部新設をめぐる問題の背景にあるのは、獣医師の「偏在」だ。都市部はペットブームで小動物を診療する獣医師が増加する一方、畜産農家などを多数抱える地方自治体は獣医師確保に頭を悩ませており、過不足に対する感覚は地域によって温度差がある。農林水産省のまとめによると、平成26年時点で獣医師は全国に計約3万9000人。最多はペットの診療を行う小動物診療で約1万5200人(39%)、伝染病予防など公衆衛生に関わる公務員が約9500人(24%)、家畜の診療に携わる産業動物診療が約4300人(11%)と続く。20年前に比べると、小動物診療の獣医師が倍増した一方、公務員はほぼ変わらず、産業動物診療は約5700人から減少。都市圏では都府県の募集に対して応募数が上回る状況だが、地方では下回ることが少なくない。自治体は採用活動に力を入れるが、獣医学部があるのは全国16大学で、加計学園が設置を計画する四国地方など空白地域もある。---20年くらい前でしょうか、「動物のお医者さん」(佐々木倫子)という、北海道大学獣医学部をモデルにしたマンガがありました。すごく好きで、実家には全巻あったと思います。その中で、獣医の仕事の大変さ、資格をとっても、いわゆる獣医(臨床獣医師)にならない人もいることについても描かれていたような記憶が(かなり遠い記憶ですが)あります。加計学園の獣医学部新設騒動をめぐって獣医師の不足、という問題がクローズアップされています。一方で、日本獣医師会は、獣医は不足していない、としています。どちらが本当なのでしょうか。安倍応援団の産経新聞の記事を引用しましたが、その中でも獣医師が「不足」とは書かれていません。「偏在」と書かれています。引用記事はその理由を詳しくは書いていませんが、要するに激務の割りに給料が安いので獣医師が逃げてしまう、ということです。動物のお医者さん日記「獣医系大学の定員を増やすらしいけれど、ことはそう簡単なもんじゃないと…」~獣医学部の定員を増やし、世に出す獣医師を多くしたところで、私のように獣医師免許を持ちながら、獣医師の仕事をしていない者が増えるだけではないかと思う。実際、私がいた自治体の同期では獣医師は7人だったが、私を入れて既に6人辞めている。残っている一人も連絡を取り合っていないので分からないが、もしかしたら辞めているかも知れない。~---人もうらやむ(笑)はずの正規公務員の職についても、7人のうち6人が辞めてしまう、それほどきつい仕事ということです。激務といえば、人間相手の医師(勤務医)も激務です。ただ、医師は激務の見返り、と言ってはなんですが、収入はいい。しかし、同じ「医師」でも、獣医の給料は人間の医者よりはるかに低いようです。獣医師の給料・年収動物病院の初任給は、地域によっても異なりますが23万円前後からスタートします。院長クラスになると35万ほどとなり、技術と経験によって給与が上がっていきます。地方自治体で働く場合には地方公務員となるため、その地方の給与体系に従って、給与が支給されます。公務員としての手厚い待遇が得られる反面、とくに地方では民間より給与水準が低いケースも見受けられます。医薬・製薬関連企業へ就職した場合には、企業規模によりますが、一般的に公務員よりは良い給与を見込むことができます。待遇面は企業によってだいぶ異なります。平均年収は平成27年の調査では、40歳で639万ほどであり、一般的なサラリーマンと同じか若干高い水準となっています。---給料だけを見れば、世間一般的には大変な安月給ではありませんが動物病院では、週休1〜1.5日で1日平均12時間くらい働くことになります。手術などがあったりすれば、勤務時間は15時間ほどに及ぶこともあり、時給計算すると割がいいとはいえない部分もあります。という長時間勤務と引き換えでしかない、ということです。引用記事には、「都市部はペットブームで小動物を診療する獣医師が増加する一方」とありますが、その都市部の小動物を診察する獣医師の待遇も、なかなか厳しいものがあるようです。【職種】獣医師が明かす仕事の本音労働時間の短さが、平均2.1点という悲惨な数字になっています。しかも、個別に見ていくと、労働時間が短いといっているのは、アルバイトであったり、臨床獣医師以外の仕事をしていたり、いわゆる動物病院の獣医師に限れば、おそらくもっと悲惨な数字になりそうです。結局、保育士や介護職の不足と同根で、待遇があまりに悪いから人手不足になる、というわけです。その待遇面の改善がないまま、獣医学部を新設して獣医の資格を有する人を増やしても、獣医(臨床獣医師)になる人はほとんど増えないという結果になるのではないでしょうか。
2017.05.30
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高校の同期数名と、大菩薩嶺に登ってきました。4月にも秩父の蓑山(美の山)に高校の同期と登りましたが、そのときよりはかなり本格的な登山でした。中央線塩山駅からタクシーで上白川峠に向かいました。塩山駅。照明にツバメが止まっていました。上日川峠まで、タクシー割り勘で1000円ちょっとでした。ここから登山開始。4月に秩父の蓑山(美の山)に登った際は12名の大所帯でしたが、今回は少数精鋭。上日川峠から唐松尾根を大菩薩嶺山頂に向かいます。いろいろ端折って、一気に大菩薩嶺山頂に到着。標高2057m、しかし山頂はあまり視界がありません。周囲は亜高山帯林。シラビソとトウヒの仲間の森です。山頂から、唐松尾根と主稜線の合流点、雷岩に引き返してきました。ここから先はずっと展望の山歩き。大菩薩湖が見えます。大菩薩峠へ向かいます。この辺り、トウヒの仲間の針葉樹がたくさん生えていました。大菩薩嶺山頂方面を振り返る。亜高山帯林ですが、うっそうとした森ではなく、ササ原の中の疎林です。濃い緑はシラビソかトウヒ、薄い緑はカラマツ、葉がまだ生えていないのは広葉樹で、多分ダケカンバが中心。大菩薩峠に到着です。ここで昼食にしました。大菩薩峠より甲府盆地方面を望む。大菩薩峠は1897mだそうです。大菩薩峠から、更に石丸峠に向かいます。個人的には、この辺りの景色が一番好きです。石丸峠に向かってどんどん下ります。石丸峠から上日川峠への下りに入ります。大菩薩湖がだいぶ近くなってきました。新緑のカラマツと大菩薩湖。天気がよく、湿気は低くて涼しい、最高の登山日和でした。ルートは、上日川峠9時50分出発→大菩薩嶺山頂→大菩薩峠(昼食)→石丸峠→上日川峠到着午後2時50分、丁度5時間かかりました。行きは塩山からタクシーで上日川峠へ、帰りは上日川峠からバスで甲斐大和へ。往復とも各駅停車を利用し、タクシーも人数割りしたら一人1000円ちょっと、結構安上がりな登山でした。
2017.05.28
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以下のような集会が開催されます。平日の夜ですが、興味のある方は是非。史実を守る大講演会「百人斬り事件」と「山田支隊事件」南京大虐殺のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界記憶遺産登録、それに対し日本政府はユネスコへの分担金を留保する、または、アパホテルの客室に南京大虐殺否定本が置いてあるとして国内外より大きな批判を受けるなど、南京大虐殺にまつわる話題が少なくありません。そこで、南京大虐殺論争の中でも主要な論点である「百人斬り競争」と「山田支隊事件」に関する講演会を開催することに致しました。弁護士で南京事件「百人斬り」訴訟を勝訴に導いた穂積剛さんには同訴訟の顛末を、小野賢二さんには『南京大虐殺・山田支隊「〇〇斬り」・草鞋峡』と題して講演をしていただきます。南京大虐殺事件をより深く知ることが出来る機会となると思われますので、是非ともご参加下さいますようご案内申し上げます。【講演内容】南京事件「百人斬り」訴訟の顛末k 穂積剛さん(南京事件「百人斬り」訴訟弁護団)南京大虐殺・山田支隊「〇〇斬り」・草鞋峡 小野賢二さん(元労働者)【日時】5月29日(月) 開場18時 開会18時30分【場所】文京区民センター 2A会議室http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/kumin/shukai/kumincenter.html【資料代】 500円【主催】南京への道・史実を守る会 info@jijitu.com
2017.05.27
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自民、前次官の喚問拒否 野党「納得できぬ」安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡り、自民党の竹下亘国対委員長と民進党の山井和則国対委員長が26日午前、国会内で会談した。山井氏は民進、共産、自由、社民の野党4党の総意として、「総理のご意向」などとして早期開学を促されていた文書が存在すると発言している文部科学省の前川喜平前事務次官の証人喚問を要求。これに対し、竹下氏は「必要ない。政治の本質に何の関係もない」などと拒否する考えを伝えた。---先日取り上げたばかりの加計学園をめぐる問題。内閣府が文部科学省に対して、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと伝えたことを記録した文科省の内部文書が報じられたわけですが、この文書が本物であることが文部科学省の前川喜平前事務次官の記者会見で確実になりました。その前川氏の証人喚問を、行わないというのです。その理由が「政治の本質に関係ない」とはね。なるほど、そうですか、政治の本質には関係ないですか!!!大学新設には多大なお金がかかります。今回の加計学園の獣医学部新設には192億円、その半額96億円は公費負担だそうです。しかも、公費負担はそれだけでは終わらないでしょう。私立の大学・短大・高専への補助金は、2016年度、総額3211億円。加計学園グループにはいくつかの大学がありますが、獣医学部が新設されるのは岡山理大です。調べると、この大学は補助金を年間7億円もらっています。単純計算するとこの大学には学部が5つあって7億だから、学部がひとつ増えれば1億以上は増えることになります。平成27年度私立大学等経常費補助金 学校別交付額一覧 3ページ、89位が岡山理大文科省が大学の新設を認めないのは、岩盤規制とかなんとか言いますけど、この少子化の時代に大学を新設しても、公費負担が増えるばかりと考えているからでしょう。その挙句に定員割れにでもなったら、目も当てられません。こう言っては失礼ですが、岡山理大って、偏差値はどの学部も50を切っています。いわゆるFラン大(最底辺)より多少マシという程度。そこに多大な公費で援助して獣医学部を新設することの合理性は、果たしてあるのか。大学をひとつ作るには、私立であってもそれほどの公費が投入される。その公費の使い方が、教育政策としての合理性で決まったのではなく、「総理のお友達」を特別扱いで恣意的に優遇したのではないか、ということが問われているのです。ところが、それは「政治の本質とは関係ない」のだそうです。つまり、時の権力者は、自分のお友達を優遇して多大な公金を恣意的に投入しても問題ないのだ、と、そう宣言しているわけです。あまりに酷いと言わざるを得ないでしょう。
2017.05.26
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スマホ普及で売れないコンデジ このまま消滅してしまうのかコンパクトデジカメやデジタル一眼レフ、新型ミラーレス機などカメラ製品全般の販売不振が世界中で止まらない。市場調査会社・富士キメラ総研によると、2016年のコンデジ世界市場は前年比39.1%減の1400万台(うち日本は200万台)、デジタル一眼も1145万台(同130万台)と低迷。特にコンデジ市場は日系メーカーの製品が72%を占める“日の丸家電”の代表格だったゆえに、カメラ業界が受ける打撃も大きい。ニコンは7年ぶりの赤字に転落。リコーやカシオ計算機も減益に苦しむ。販売店のカメラのキタムラはデジカメ不振が要因となって大量閉店を余儀なくされている。ここまでカメラが売れなくなった理由は、スマートフォンの台頭で市場を奪われたからだ。富士キメラ総研の調査員、宇仁菅繁行氏がいう。「近年、スマホに搭載されるカメラの高画素や、小さいF値のレンズ採用、手ぶれ補正機能など高機能化が進んできたために、コンデジやエントリーモデルの一眼レフ、ミラーレスとの差別化が難しくなっています。~『常に持ち歩くスマホカメラで十分』と、スマホへの需要シフトは進む一方です」確かに、身近なイベントや旅行でデジカメを構えるよりも、スマホやタブレットでシャッターを切る人の光景を目にする機会は増えた。さらに、写真撮影が大事な任務である報道現場でも“スマホ撮”が目立つようになった。「下手にコンデジを使うよりもスマホのほうがキレイに撮れる」と、カメラを持ち歩かない記者が増えている。「ある大手企業の社長会見で、あまりにもスマホやタブレットで撮影している記者が多かったために、社長が少しムッとしていた」(経済誌記者)という話も出るほどだ。冒頭の富士キメラ総研は、2022年にコンデジ、一眼カメラともに1000万台の世界市場を下回り、それぞれ950万台(うち日本は153万台)、806万台(同100万台)と予測している。「~ただ、コンデジや一眼レフはスマホと競合するエントリーモデルから、ハイエンドユーザー層をターゲットにした高級製品に絞られていくとすれば、市場もどこかで下げ止まると思います」(前出・宇仁菅調査員) ここ数年、スマホに装着する専用カメラレンズもラインアップを増やしているが、「単体カメラはマニア向け」という時代がすぐそこまで迫っている。---以前にも書いたように、私はずっとフィルムの一眼レフを使っていて、昨年2月に至ってやっと、デジタル一眼レフ(中古ですが)を購入しました。しかし、どうやらわたしは世間の動向から一回りも遅れているようで、世の中ではすでにデジカメすらすたれはじめている、ということです。しかし、今や報道の世界までスマホ撮影が増えているというのは、さすがにびっくりです。もっとも、被写体との距離があったら、スマホではさすがにどうにもならないでしょう。使えるのは、あまり大規模ではない記者会見、囲み取材みたいな場合だけでしょうね。わたしは一眼レフ以前から、コンデジは持っていますけど、その使用頻度は非常に少なくなってしまいました。デジタル一眼レフは、本体とレンズあわせて、重さが約1kgあるので、写真が主目的ではないときは、もって出かけないときも多々ありますが、そのとき、じゃあ軽いから代わりにコンデジ、とは私でもなりません。iPad miniがあるからいいや、となってしまいます。世の中のたいていの写真はスマホやタブレットのカメラですんでしまうのは事実なのです。屋外での風景写真を、一部をトリミングなどせず、写真全体をパソコンのディスプレイ(スマホの画面ならなおさら)で見る分には、スマホと一眼レフで、写りの差なんかまず感じません。先日蝶ヶ岳に登った際の上高地から撮影した写真の比較です。どちらがiPad miniでどちらがデジタル一眼レフか分かりますか?上がiPad miniで、下がデジタル一眼レフEOSX7iです。横幅は1920ピクセルに統一してあります。注意深く観察すれば区別できるにしても、パッと見で「写りに大差がある」と感じる人は、まずいないだろうと思います。もちろん、これが、小さな花(特に白い花)を写したりすると、凄まじい差が生じます。暗いところでの撮影も同様。露出補正も、絞りを絞ることも(そもそも、多分スマホのレンズに絞りなんて付いていないのでは)できない。また、スマホのレンズはズームではない単焦点なので、画角を変えることはできません。遠くの鳥を写すなんて、まったく不可能です。もっとも、一眼レフでも、こだわれば、ズームレンズより単焦点のほうが写りが良い、と言われますが。しかし、世の中の、写真に特別な興味のない大半の人にとっては、そんなことはそうでもよいのが現実でしょう。風景と人物がちゃんと撮影できれば、写真の99%は目的を達するのです。少なくとも、残りの1%のために何万円ものお金をかける価値があるとは思わない人が大半だろうと思います。そういう中で、デジカメの売り上げが落ちていくのは、仕方のないことかもしれません。とは言え、その、残り1%のためによいカメラが欲しい、という、私みたいな人間も、確実にいます。それも、少なからず。私なんぞ、入門機とさほど高価ではないレンズしか使っていないので、写真を趣味にする人たちの中では、(機材に関しては)もっともライトな部類だと思いますけどね。だから、カメラ市場がなくなる、ということは、少なくともこれから10年20ねんでは起こらないと思いますが、まさしく引用記事が言うように、単体カメラはマニア向け、という時代になっていくのでしょう。
2017.05.25
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安倍晋三首相が「朝日新聞は言論テロ」に「いいね!」 朝日記者が菅義偉官房長官に事実関係ただす学校法人「加計学園」の朝日新聞の報道をめぐり、安倍晋三首相が「朝日新聞は言論テロ」などと書き込んだ知人のフェイスブックの投稿を評価する「いいね!」ボタンを押したことについて、朝日新聞の記者が22日の菅義偉官房長官の記者会見で事実関係をただす場面があった。首相が「いいね!」をしたのは、今月19日に劇作家の男性が朝日新聞について「言論テロといっていいんじゃないか。およそ『報道』ではないし、狂ってる」との書き込み。首相を含め500人以上が「いいね!」をしている。(以下略)---要するに、自分たちにとって気に入らない報道を「テロ」呼ばわりしているだけです。そりゃ、安倍にとって加計学園をめぐる一連の報道は、いろいろと都合が悪いでしょうし、気分もよくないでしょう。しかし、政治的に激しく対立する問題で、反対派から激しい攻撃を受けるのは当たり前のことです。それを「テロ」だというならば、安倍応援団が反安倍派に対して行っている攻撃(この記事を書いている産経などその典型ですが)だって「言論テロ」と言われても仕方がないでしょう。しかし、共謀罪が今まさしく成立しようとしている、というこのタイミングで、法案を提出している最高権力者である首相が自ら「朝日新聞は言論テロ」に「いいね」というのは重大な問題です。政府の言い分によれば、これはテロ等の準備行為を事前取締りいる法案だ、というのですが、そう説明している当事者が、テロという言葉を恣意的に使っている。上っ面ではともかく、腹の中では「テロの定義は時の政府の都合でどうとでも」「気に入らない、都合の悪い報道には『テロ』とレッテルを貼って取り締まりたい」と考えているのだろう、と透けて見えてしまう。少なくともそう疑わせるだけの「李下に冠を正す」行為以外の何物でもありません。で、問題の加計学園への獣医学部の新設問題をめぐる問題ですが、内閣府が文部科学省に対して、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと伝えたということを記録した文科省の内部文書の存在が、朝日新聞に報じられています。これに対して、菅官房長官は「出元が明らかではない」「信憑性がない」と否定に躍起ですが、問題の文書が文科省内部で誰かが記録用に作成したものであることは明らかです。多くの関係者が、その内容は事実である、と認めているし、報道では黒塗りされているものの、原本には具体的な個人名が明記されている。官房長官という立場上は「信憑性がない」と逃げるしかないのでしょうが、あれは本物であることがほぼ確実です。森本学園の「忖度」どころではない、安倍自身か、あるいは「総理のご意向」によって「官邸最高レベル」(菅官房長官も、その「容疑者」の一人になり得るでしょう)が明示的に「やれ」と言っているのです。笑えるのは、安倍応援団の一部が「作成した日付や部局がないから公文書じゃない」「公印が押していないから公文書じゃない」みたいなことを言っていることです。和田宗盛大丈夫か?朝日新聞と民進党。第二の「永田メール事件」になりはしないか?朝刊で、加計学園に関連し「文科省が、内閣府から「総理のご意向だと聞いている」などと言われたとする記録を文書にしていた」との記事。私も文書を手に入れたが、省庁の文書として本来あるべき作成期日と作成部局が入ってない飛騨守右近「必殺!刑事告発人」本来なら、役所が作成した文書とは、コレですよね〜 ^ - ^ 通知先、発信した役所の部署名、日付、発番、公印が揃って、初めて公文書となります。それ以外は、公文書として認められません。公文書規程にも定められています---・・・・・失笑するしかありません。公文書等の管理に関する法律 第二条4 この法律において「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書(図画及び電磁的記録~を含む~)であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。一 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの二 以下略公印があるとかないとか、書式がどうとかは、公文書であるか否かとは、まったく関係がありません。公務員が職務上作成した文書で組織的に使用するものはすべて公文書です。もちろんメモ書きも。公印は、それが公文書であるということを対外的に分かりやすく証明するだけのもので、その必要がある場合、つまり外部に対しての文書にしか押さないものです。外部というのは、他省庁、他自治体、まれには他局、他部もありますが。役所や部局にもよるでしょうが、どこの役所でも、公印を押す文書なんて、公文書のごく一部でしょう。日付や書式を気にするのも、役所内部ではあれ、他部署に対して発する文書だけです。こんな、明らかに外部非公開の業務メモに、公印やいわゆる公文書の書式があったら、そっちの方がよほど不自然です。実際問題として、例えば役所と外部の人、あるいは組織との間で裁判が起こった場合に、役所の側では、裁判の対象となった案件の、当時の担当者はもう異動した、退職した、なんてことは、いくらでもあります。その時、当時の担当者が残した、「××さんとの間で△△の事案が発生して、こう説明してこう解決した」という、たった一片のメモ書き(公印も書式もなにもない、ただのメモ書き)が決め手となった、なんて例は、別に珍しくもありません。逆に言えば、公務員が職務に関して残した文書は、それがたとえメモ書きであっても、状況によって、それだけ重いものになる、ということです。
2017.05.23
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高須クリニック院長“名誉毀損”で議員提訴美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が、衆議院厚生労働委員会での発言でクリニックの名誉を傷つけられたなどとして、民進党の大西健介議員らを提訴した。訴えによると、民進党の大西健介議員は17日の衆議院厚生労働委員会で美容外科の誇大広告などの問題についてふれ、「テレビCMも陳腐なものが多く、皆さんよくご存じのイエス○○とクリニック名を連呼するだけのCMとか」などと発言した。これについて「高須クリニック」の高須院長は、クリニックの名誉を傷つけられたなどとして大西議員と民進党の蓮舫代表らに対し1000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こした。高須クリニック・高須院長「僕の方に正義がありますから。絶対に勝ちます」これについて大西議員は、「質問の中では具体的なクリニック名は一切出しておらず、党の顧問弁護士と相談し対応していきたい」などとコメントしている。---どれほど勝ち目のない裁判であれ、裁判を起こす権利は万人に保障されているので、ご自由になさればよろしいのではないかと思います。裁判費用はまったく無駄になるでしょうが、金銭的にはかなり裕福な人なので、その程度のお金はへでもないのでしょう。ただ、裁判を起こしても、勝訴の可能性はゼロです。なぜなら、その発言は衆議院厚生労働委員会でなされたものだからです。日本国憲法第51条 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。ということに尽きます。過去、この憲法の条文にもかかわらず、国会議員の国会での発言を名誉毀損として訴えた裁判は存在しますが、請求は認められていません。病院長自殺事件最高裁判決当時無所属だった竹村泰子衆議院議員(後に参議院に転じて社会党→民主党)が1985年に国会質疑にて、ある精神病院の病院長が患者に破廉恥行為を繰り返していると質問した結果、その病院長が自殺したため、遺族が損害賠償請求した裁判です。この原告は、さすがに議員個人に対して損害賠償請求を行ったところで勝ち目がないことは明らかなため(弁護士に指摘されたのでしょう)、国家賠償法に基づいて国を訴えています。その判決は、議員個人の責任に関しては、たとえ故意または過失による違法な行為であったとしても責任を負わないとしています。ただし、国家賠償法に基づいて国が賠償責任を負うことはありえるとも指摘しています。もっとも、結論として国会議員が国会で行った質疑等において、個別の国民の名誉や信用を低下させる発言があったとしても、これによって当然に国家賠償法一条一項の規定にいう違法な行為があったものとして国の損害賠償責任が生ずるものではなく、右責任が肯定されるためには、当該国会議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とすると、国賠法による賠償も認めていません。これを今回の話に当てはめるなら、高須院長が大西議員を訴えて勝てる可能性は0%、国賠法に基づいて国を訴えるなら、勝てる可能性は0ではないけれど、まあやっぱり0.1%くらいでしょう。それでも、議員個人を訴えて勝てる可能性よりははるかに高いと思いますけど、それでも、国を提訴はしないのだろうと思います。だって、まったくゼロではないにしても、勝てる可能性はきわめて低いことは明白だし、おそらく勝ち目云々ではなく政治的アピールとして行う裁判なのでしょうからね。
2017.05.21
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2年前、安保法制のときに、連日のように国会前に足を運びましたが、それ以来約2年間、あまりこの種の集会に足を運びませんでしたが、共謀罪が成立してしまいそうだ、というので、久しぶりに国会前に行ってきました。いきなり、本題とまったく無関係ですが国会前には、何故かアルゼンチン国旗と日の丸が。何がどうしてそうなったのかと思って調べたら、今アルゼンチン大統領が訪日中なんですね。でも、正直言ってキルチネル、クリスティーナ夫妻の政権時代はともかく、今の大統領は好かんので、あまり興味を持っていませんでした。肉球新党猫の生活が第一今日一番笑えた旗です。選挙に出たら投票しちゃうかも。最前列までたどり着きました。わたしごときが最前列までたどり着けた、ということからも想像がつくように、脱原発集会や安保法正反対のときと比べると、残念ながら参加者数はかなり少なかったように思います。私は7時前には現地を後にしたので、それ以降の状況までは分かりませんが、私がいた時間帯の参加者数は万の単位には達していなかったでしょう、数千人、おそらく5千人内外ではなかったかと。もっとも、最前列に長時間踏みとどまるのはさすがに難しくて、行ったり来たりしながらしぶとく撮影。民進党蓮舫議員。最近色々とダメダメ感の漂う民進党ですが、蓮舫さんの演説はかっこよかった。そこは理屈抜きで好感を抱きました。この辺り、人が多くて普通にはとても写真が撮れないので、カメラをかかげて、ファインダーを見ずに撮影しています。なので、まともに撮れた写真は少ないです。共産党小池議員。社民党福島議員。皆さん、やはり政治家だけあって、数少ないまともに撮れた写真は、どれもピシッと決まった演説姿になっています。挨拶は民進党、共産党、社民党だけで、生活の党は何故か誰も挨拶しませんでした。取材陣も集まっていました。この写真はテレビカメラですが、その斜め後ろは新聞カメラマン。キヤノンの白レンズが並んでいました(笑)道の反対側に渡りました。いや、実は先ほどの演説会場前は、人が多くて長くい続けることが困難だったので、青信号になるたびに向こう側とこっち側を行ったりきたりして、各党議員の写真を狙いました。前庭公園入口前にも別ステージがあって、演説をしていました。そろそろ帰らなくてはならなかったので、ここではゆっくり話を聞けませんでしたが。ともかくも、共謀罪には反対です。
2017.05.19
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「殺してぇな」上司の罵声2時間 自殺遺族、ヤマト提訴ヤマト運輸の長野県内にある営業所のドライバーだった男性(当時46)が2015年1月に自殺した。妻子は、原因は上司の執拗なパワハラだったとして、慰謝料など約9500万円の損害賠償を求めて長野地裁に提訴した。「劣悪な労働環境が維持されないよう対策を講じて欲しい」。遺族の思いと、訴訟までの経緯を原告側代理人が語った。自殺した男性は1989年7月に入社。県内の営業所でドライバーとして働き始めた。2003年には所長となり、優秀な働きぶりで支店長から表彰されたこともあったという。11年に男性は通常業務のドライバーに戻り、被告の上司が所長に着任した。翌12年秋ごろ、突然、この上司から暴言や暴行を受けるようになったという。14年5月10日は約2時間にわたって罵声を浴びせられた。上司は机を蹴飛ばして大きな音を立てたり、威圧的に怒鳴りつけたりした。「俺、マジいらねぇコイツ、殺してぇなホントに」「クソみてぇなヤツ」。殴る、蹴るの暴行も受けたとしている。同12日にも2時間以上、「本当に役に立たねぇ」「バカなんだよコイツ!それがむかつく」「明日から来るな」などと叱責された。主管の支店長も同席していたが、制止しなかったという。この2日分については、家族の助言を受けた男性が内容を録音していた。弁護士は「人格、人間性をたたきつぶす暴言。『殺すぞ』という脅迫的言動もある。日常的で、非常にひどいパワハラ」と指摘した。---いろいろな可能性が考えられますが、優秀な働きぶりで表彰されたこともある、というくらいだから、もともとの能力は優れていたはずです。ただ、いったん所長になったのに再びドライバーに戻った(つまり降格)という辺りの経緯が鍵を握っているように思えます。会社側が降格させたのか、自ら希望したのか。いずれにしても、会社側は「不要な存在」と判断した可能性は大いにあります。そして、後任の所長としては、今の自分と同格の立場にあった従業員が部下になる、というのはやりにくいだろうとは思います。目の上のたんこぶと感じたかもしれません。ただ、どのような経緯があったにしても、「殺してぇなホントに」はありえない。どう考えても、この所長本人の人格的資質には問題がありそうです。慰謝料は当然ながら、それだけで済む問題か、と思います。刑事罰の対象になるべきだろうと思います。ただし、これが個人の資質だけの問題ではないこともまた明らかでしょう。前述のとおり、会社自体がこの被害者を「いらない人材」と見なしていた可能性も想定される中で「主管の支店長も同席していたが、制止しなかった」というのは、組織ぐるみでそのような行為を行ったといわれても仕方がないのではないでしょうか。ヤマトと言えば、ブラック企業の最たるものですが、それは単に勤務時間が長く残業手当も出ない、というだけではなく、こういうパワハラ体質も蔓延しているのだろうな、と思わざるをえません。そして、おそらくヤマトだけではないのだろうなと思います。氷山の一角なのでしょう。
2017.05.18
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ヤマハ、JASRACを提訴へ 教室演奏の著作権めぐり日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権料を徴収する方針を決めたことに対し、音楽教室大手・ヤマハ音楽振興会が7月にも、「教室での演奏には著作権は及ばない」として、JASRACへの支払い義務がないことの確認を求める訴訟を東京地裁に起こす方針を固めた。JASRACは来年1月の徴収開始を目指し、教室を運営する各社に使用料を年間受講料収入の2.5%とする規定案を提示、使用料規定は7月にも文化庁に提出する予定。これに対し、ヤマハや河合楽器製作所など教室側は2月、「音楽教育を守る会」を結成し、JASRACに対し「演奏権は及ばない」とする反論を各社が送付した。さらに使用料規定を出さないようJASRACに指導することを文化庁に要請し、要請に賛同する署名も約3万人分集めた。ヤマハによると複数社が訴訟への参加を検討しているという。訴訟により、使用料率など金額の多寡が問題でなく著作権がそもそも及ばないと訴える狙いだ。著作権法は、公衆に直接聞かせたり見せたりする目的で演奏する「演奏権」を、作曲家や作詞家が専有すると定める。同会側は「技芸の伝達が目的で聞かせることが目的でない」と主張。JASRACは「人気曲を使い、魅力を生徒が味わっている以上、聞かせることが目的」と反論している。---JASRACが音楽教室から著作権使用料を取ろうとしている問題は以前にも論じたことがあります。JASRACが音楽教室からも金を取ろうとしているらしいとうとう、それが訴訟というかたちに発展するようです。この問題について、JASRACの理事をしている東大の玉井克哉教授、作曲家の伊藤乾氏と、リコーダー奏者の本村睦幸氏のツイッターでのやり取りが、なかなかにすさまじいものがあります。JASRACと音楽教室の問題について 音楽教室において講師が一曲フルで模範演奏する機会ってどれくらいあるのかという問いに対して、基本的にはそういうことはない、というのがリコーダー奏者本村氏の返事です。それに対して、伊東乾氏はレッスンと称して自分でまともに演奏しもせず、鉛筆や消しゴム投げてばっかで一回二万円なんてのもあるわけで、音楽教育の改善につなげるのがよいでしょう。「レッスンは演奏か?」ではなく「演奏もしないで口三味線の教えでレッスン料取るな!」が正解と言い放ったんだけど、いやー、それは違うんじゃね、と。だって、そもそも音楽教室って、受講者が演奏技術(歌の教室なら歌唱技術)を学ぶためにあるのであって、講師の演奏を鑑賞する目的ではありません。私はほとんどの楽器が独習なので、講師からレッスンを受けた経験は乏しいのですが、グループレッスン(ワークショップ)は受けたことがあります。フルートとフォルクローレギター。それに、逆に教える立場ですが、ケーナの講習の助手みたいなことも、やったことがあります。その経験の範囲内で言えば、講師が1曲通して模範演奏なんてやりません。というか、できません。フルート四重奏曲やケーナ、サンポーニャ、ギター、チャランゴ合奏曲の模範演奏を、どうやって一人の講師がやるのか、と(笑)。物理的に不可能です。その上で、講師が実演するのは、間違いやすいところ、生徒がどうしてもできない部分だけ、せいぜい数小節程度です。それは、「引用」の範囲を超えるものではないでしょう。それを「演奏もしないで口三味線の教えでレッスン料取るな!」などという言うのは、楽器を教えることの実際を理解していないのでは、と思います。そんな事実認識から「音楽教室から著作権使用料を取る」なんて話が出てきたとしたら、メチャクチャとしか言いようがない。もっとも、講師と生徒が一緒に演奏する、たとえばケーナ二重奏の主旋律を生徒が、副旋律を講師が吹いて(あるいはケーナを生徒が、ギター伴奏を講師が、とか)通しで演奏、みたいなパターンだったら、講師が1曲通しで演奏することはあります。でも、それって演奏を「聞かせる」ことになるの?いかに考えても、その解釈には無理があります。それを、「人気曲を使い、魅力を生徒が味わっている以上、聞かせることが目的」だから著作権使用料を取ると、本気で言っているの?拡大解釈にもほどがあるってものじゃないでしょうか。その延長線上には、本当に、そのうち通行人が鼻歌を歌っても著作権使用料をふんだくるという未来が待っているのでは、と言いたくなります。要するにJASRACにとっては、音楽文化というのは提供された音楽を黙ってお金を払って聞く行為だけなんだろうな、演奏や歌唱にアマチュアが参入しようとする行為は、本音ではあまり歓迎しないのだろうな、と思えてしまいます。CDを買ってくれればお金が落ちるけど、演奏されてもお金が落ちないから。演奏したいなら権利金を払えということなのでしょう。一方、ヤマハや河合は、本質的には楽器製造業者です。もちろん大企業なので、他にも色々な側面があるにしても、基本的には多くの人に楽器を買ってもらわないと困る。限られた人気アーティストしか楽器を買わなかったら、商売にならない。演奏者の裾野が広ければ広いほど良いわけです。音楽教室も、その延長線上の存在でしょう。ヤマハもJASRACも音楽産業という同じ業界にいるものの、ことこの問題に関しては利害がかなり相反するわけです。私は、自分自身がアマチュアで演奏する立場ですから、音楽教室側の言い分を全面的に支持するものです。
2017.05.16
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鳥の写真を撮るようになると、私の使っている望遠レンズ(EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM)では、どうも能力の不足を感じてしまいます。ブログにアップするときはいつもトリミングしていますが、トリミングなしに写真をアップしても、鳥は豆粒のようにしか写っていないからです。もっと焦点距離の長い望遠レンズが欲しい・・・・・・とは思うのですが、望遠レンズって、300mmまでとそれを超えるものでは、値段も重さも大幅に変わるのです。重さ2kgもあるようなばかでかいレンズを持って出歩くのは、ちょっと面倒だし、10万円近くする(上を見れば100万円超までキリなく)するレンズをおいそれとは買えません。ところが、実は手持ちのレンズの焦点距離を簡単に伸ばすことができる装置があります。それがテレコンバーターです。(キヤノン製品では「エクステンダー」と呼称している)どのようなものかというと、これです。どうやって使うかというと、このようにカメラとレンズの間に挟みます。キヤノンの純正テレコンバーター(エクステンダー)はすごく高い(確か4万円くらい)上に、使えるレンズが非常に限定され、わたしの望遠レンズは対応していません。なので、サードパーティー製のKENKOのテレプラスHD1.4Xという製品を購入しました。これで焦点距離が1.4倍に伸びます。つまり、250mmの望遠レンズが350mmになるわけです。APS-C機では、フルサイズ換算でなんと560mm相当という超望遠レンズです。写真に写るものの大きさは、実質的に約2倍になります。お値段は16900円でした。望遠レンズを1本買うよりは圧倒的に安い。しかも、重さは百数十グラムで、とても軽い。というわけで、早速使ってみました。アオアシシギ(テレコンバーターなし、250mm F8 1/400秒 ISO320 露出補正なし)アオアシシギ(テレコンバーターあり、350mm F8 1/640秒 ISO500 露出補正なし)うーーーむ。鳥は動くので、まったく同じ被写体をテレコンありとなしで撮り比べることはできませんが、やっぱり比べてみると、テレコン付の方が画質はちょっと悪いかな。上記の写真はトリミングの上、実際の写真の半分の大きさに縮小しています。ピクセル等倍の原寸大で比較すると、こうなります。上段がテレコンなし、下段はテレコンありです。もともとテレコンなしでもピクセル等倍だとくっきり解像しているという感じではありませんが、テレコンをつけると一層画像がぼける感じは否めません。なお、このレンズは最大望遠時、絞り開放でF5.6の明るさですが、テレコンをつけると暗くなります。絞り開放でもF8、つまり上記の写真のF8というのは絞りは最大開放状態です。チュウシャクシギ(テレコンなし250mm F13 1/320秒 ISO640)今日はずいぶんたくさんいました。チュウシャクシギ(テレコンあり350mm F13 1/500秒 ISO1000)上段テレコンなし、下段ありミヤコドリ(テレコンなし250mm)ミヤコドリ(テレコンあり350mm)いつも、その場では判別できず、あとで写真を見て「ミヤコドリがいた」と気が付くのですが、今回は双眼鏡で観察して、その場で「ミヤコドリがいる」と気が付いて、撮影しました。いつもまったく同じところにいるんですね。しかし、これまでは一度に数羽しか見ませんでしたが、今日は何十羽もいました。しかし、遠い。テレコンなしだと豆粒みたいですが、テレコンをつけて豆粒が2倍の大きさになっても、やっぱり豆粒なんですね。ムナグロ(テレコンなし)ムナグロ(テレコンあり)テレコンがあってもなくても、いささか厳しい画質です。ただ、このアングルではテレコンをつけるとオートフォーカスがなかなか効かなくて、撮影が大変でした。というわけで、やっぱりテレコンバーター(テレコン)は、画質は元のレンズよりそれなりに落ちる、というのが結論です。オートフォーカスは動くけど、ピントもちょっと合い難いことが多いですし。まあ16900円という値段なりの能力、ということでしょう。大きくてきれいな写真を撮ろうと思ったら、ちゃんと望遠レンズを買えってことですね。しかし、高いし重いからなあ、そのうちに考えます。以下、テレコンありなしによる撮り比べではありませんが、今日撮影した鳥の写真をいくつか。オオヨシキリ。「仰々し仰々し」と、あちこちで盛んにさえずっているのですが、声はすれども姿は見えず、アシ原の中にいるとなかなか見つけられないのですが、がんばって探して、やっと写真に収めました。顔は隠れちゃったけど。こういう、小さくてすばしっこい鳥にはテレコンはまず無理だろうと思っていたので、最初からテレコンは装着しませんでした。キアシシギ(テレコンあり)ハマシギ(テレコンあり)チュウシャクシギ(テレコンなし)テレコンつける、とどうやっても杭の上の鳥にオートフォーカスでピントが合いませんでした。なのでテレコンははずしました。コサギ(テレコンなし)スズガモ(テレコンなし)5月中旬になって、先週よりスズガモが増えました。きっと、南から渡りの途中で立ち寄ったのではないかと。この写真だけ、トリミングなしです。他の写真はすべて同じサイズでトリミングして、それをちょうど2分の1のサイズに縮小しています。チュウシャクシギ(テレコンあり)テレコンつけて飛ぶ鳥を撮影するのはまず無理だろうと思っていたのですが、何故か1枚だけピントがあいました。他の写真はダメでしたが。カンムリカイツブリ(テレコンあり)まだ数羽残っていますね。というか、スズガモもカンムリカイツブリも、もう北に帰らないで越夏する鳥が何羽かいるんじゃないかと。まあ、1年経ってもまだ鳥の写真を撮っているようなら、そのとき新しい望遠レンズを考えることにします。
2017.05.14
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首相の「そもそも」、大辞林では… 答弁書で発言正当化「共謀罪」法案をめぐる国会答弁で、安倍晋三首相が使って論争になった「そもそも」の意味について、政府は12日の閣議で「大辞林」(三省堂)に「(物事の)どだい」との意味が記されており、「どだい」には「基本」という意味があるとの答弁書を決定した。「そもそも=どだい=基本」という「三段論法」で首相発言を正当化した。首相は1月の衆院予算委員会で、「共謀罪」の適用対象について「『そもそも』罪を犯すことを目的としている集団」と答弁。「そもそも」を「元から」という一般的な意味でとらえると、オウム真理教のような団体が対象外になると追及された。4月の衆院法務委では「『そもそも』の意味を辞書で調べたら『基本的に』との意味もある」と説明。ネット上で「辞書を調べたが『そもそも』の意味を『基本的に』とするものは1冊もない」などと話題になり、野党から「詭弁を弄し(答弁の揺らぎを)ごまかしている」と指摘された。民進党の初鹿明博衆院議員が質問主意書で、出典となった辞書を明らかにするよう求めていた。答弁書は「そもそも」の意味を「基本的に」と記した辞書が実際にあるかないかについては直接答えなかった。---まあ、どう考えても「そもそも」に「基本」などという意味はありません。こんなの、「間違えました、すみません」で済む話だと思うのですが、「そもそも」は「どだい」の意味(もある)、「どだい」は「基本」の意味だから「そもそも」は「基本」の意味だという無茶苦茶な三段論法を使って、この誤用を正当化するという、斜め上過ぎる答弁書です。その意味するところはただ一つ、「安倍様は無謬である、一切、どんな小さな間違いすら犯すことはない、安倍様が間違えた、なんて、絶対に認めない」ということです。どんだけ肝っ玉が小さいのかな、と思ってしまいます。たかが枕詞の意味など枝葉末節だ、という意見も聞こえてきそうですが、そうではありません。より深刻な問題をはらんでいます。共謀罪の適用対象は「そもそも罪を犯すことを目的としている集団」だというのですが、その「そもそも」という単語の定義を政府の都合で恣意的にどうとでも変えられるということは、他の単語も同様である、ということになります。たとえば、手元の岩波国語辞典では「犯罪」とは「罪を犯す行為」とあります。では「罪」とは何か。いろいろな意味がありますが「道徳や宗教の教えに背く行い」など、必ずしも「違法行為を犯す」という意味に限定されてはいないのです。つまり、こういう三段論法を使うなら、「犯罪」とは「法を破ることに限らない」という定義も可能であり、つまり何でもありにできる、ということです。ところで、「そもそも」オウム真理教の犯罪行為は共謀罪の対象になるのか、否か。政府の意向としては対象にする、ということでしょう。(だから、「そもそも」の一般的用法ではオウムは対象外になるものを、「そもそもとは基本的の意味だ」という無茶苦茶な理屈で対象に含めようとした)まあ、確かにオウムの犯罪みたいなものが対象外となる共謀罪では、法律制定の意味がない。けれども、その一方で当時オウムと対峙していた二人の人が「共謀罪ではオウムの犯罪は防げなかった」と言っています。一人はジャーナリストの江川紹子。彼女の共謀罪への賛否は詳しく確認していませんが、少なくとも賛成ではないのでしょう。オウムのテロ、「共謀罪」では防げなかった 江川紹子氏そしてもう一人、自ら狙撃事件というテロの被害者となった元警察庁長官の国松孝次。彼は共謀罪には賛成しつつ、しかしオウムの事件は共謀罪があってもお手上げだったと認めています。オウム事件「共謀罪あってもお手上げ」法案賛成の国松氏立場はおそらく正反対であろう二人が、オウム事件は共謀罪では防げなかったという点では一致しています。結局のところ、警察はある時期まで、オウムを犯罪集団とは考えていなかった(あるいは、考えたくなかった)ということです。つまり、警察が最初から狙っている対象はともかく、予想もしない相手に対しては、手も足も出ない、ということです。このことから考えて、共謀罪によって犯罪が未然に阻止できるというメリットは非常に限定的で、拡大解釈、恣意的な運用というデメリットのほうがはるかに大きいとわたしには思えます。
2017.05.13
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鳥の写真をアップしはじめたころ、昔使っていた野鳥図鑑をまた引っ張り出して使っている話を書きました。それがこちらです。小学館「日本の野鳥」高野伸二著、1976年発行。(私が持っている版は1980年第4版)40年経ったからと言って青い鳥が赤くなったり、20cmの鳥が30cmに太ったりはしないから、古い図鑑でも問題ない・・・・・・、とは思ったのですが、鳥の分類が当時とはだいぶ変わりました。たとえばスズメは当時スズメ目ハタオリドリ科でしたが、今はスズメ目スズメ科です。なので、とうとう新しい野鳥図鑑を買ってしまいました。日本野鳥の会「フィールドガイド日本の野鳥」高野伸二著「新しい図鑑」と書きましたがウソです、全然新しくありません。初版1982年発行なので、これも35年経過しています。もっとも、今回購入したのは2015年発行の増補改訂版です。どちらの図鑑も、著者は同じ高野伸二さん、日本野鳥の会の理事でしたが、この図鑑が遺作となり、1984年にガンで亡くなっています。まだ50代後半でした。当時、野鳥の会の会報「野鳥」に、図鑑の絵を描くときの苦労話が掲載されていました。鳥の足を描くのが苦手で、足を後回しにして鳥の画を描き続けた結果、最後になってどの画も足だけ描き残ってしまい、来る日も来る日も足ばかり描き続けてうんざりした、というような話。図鑑が出版されてすぐ、知人から電話がかかってきて、野外での識別が困難な2種のシギについて「高野さんの図鑑を見て、××シギと○○シギ(具体的な種名は失念しましたが、ジシギ類でしょう)の見分け方が分かりました!」と言われて仰天、そのとき初めて、片方のシギの頭に線を1本描き忘れていたことに気が付いた、という話などがおぼろげな記憶にあります。高野氏は、日本の野鳥観察、ナチュラリストの第一人者でしたが、正直なところ、絵の専門家とはとても言えません。小学館版の「日本の野鳥」は、お世辞にも上手い絵の図鑑とは言い難いです。が、おそらくその後、よほど画の訓練をしたのでしょう。野鳥の会版の「フィールドガイド日本の野鳥」では、絵がずいぶん向上しています。それでも、図鑑としてではなく絵としてみると、これをプロの絵とは言うのは、ちょっと辛いところだろうな、とは思います。おそらく小学館版は絵の具で彩色しているのに対して、野鳥の会版は多分色鉛筆でしょう。それはともかく、気が付いたら我が家にはずいぶんいろいろな鳥の図鑑があることに気が付きました。9冊あります。一番上の3冊は、日本野鳥の会が発行している「山野の鳥」「水辺の鳥」で、同じ野鳥の会発行の「フィールドガイド日本の野鳥」よりも初心者向けの図鑑です。左端は1976年発行の初版(「水辺の鳥」しか手元にありません。「山野の鳥」は紛失したか実家にあるか???)です。中央と右の2冊は3訂版で1996年に発行されています。私が買った記憶はまったくなく、相棒が買ったもののようです。中段左端は、高野伸二氏による野鳥識別ハンドブック、これは図鑑ではなく、似た種類同士の識別のポイントを白黒のイラストと文章でまとめたものです。中央と右の2冊はすでに紹介したとおりです。下段の3冊は、ヨーロッパ(左)と米国(中央)とオーストラリア(右)の鳥類図鑑です。ヨーロッパと米国の図鑑は、中学生のとき、多分野鳥の会のショップで買ったのではないかと思います。外国に行けもしないのに、背伸びしたものです。オーストラリアの図鑑は、1999年にオーストラリアに行ったときに買ったものです。そのときのオーストラリア旅行は、諸事情により私の中では黒歴史になっているので(笑)、撮った写真もすべて処分したのですが、鳥の図鑑とディジリドゥ(先住民の笛)だけがかすかに旅行の痕跡として残っています。で、具体的にページの中身を並べてみました。左上が今回購入した日本野鳥の会「フィールドガイド日本の野鳥」左下が、40年前の小学館「日本の野鳥」右上が野鳥の会「水辺の鳥」1976年初版(松井虎二郎画)右下は同じ「水辺の鳥」3訂版(谷口高司画)※谷口高司氏は、「フィールドガイド日本の野鳥」増補改訂版でも、新たに追加になった鳥の画を描いています。左上がイギリスとヨーロッパの鳥図鑑右上北米の鳥図鑑左下オーストラリアの鳥図鑑です。北米の鳥図鑑は、ちょっと版ずれしています。日米欧の鳥図鑑がみんな頭を左にしている中で、オーストラリアの図鑑だけが頭を右に描いています。ただし、このページはたまたま右向きですが、ページごとに右向きになったり左向きになったりしています。(それ以外の日米欧の図鑑は全部左向き)で、この中で、同じ鳥の絵を比べて見ました。と言っても、日本、ヨーロッパ、北米、オーストラリアのすべてで共通に見られる鳥は、そう多くはありません。が、いないわけでもありません。いくつかの該当する種の中から、先日葛西臨海公園で見たキョウジョシギ(英名Ruddy turnstone 学名Arenaria interpres)を選びました。野鳥の会「フィールドガイド日本の野鳥」小学館「日本の野鳥」日本野鳥の会「水辺の鳥」1976年初版日本野鳥の会「水辺の鳥」1996年三訂版ハムリン「イギリスとヨーロッパの鳥」ゴールデン「北米の鳥」「オーストラリアの鳥」ページごとに違うので一概には言えないのですが、全体的にはヨーロッパの図鑑がもっとも画が上手いように私には思えます。北米の図鑑は、私が持っている版はが版ずれしていなければね。で、本物のキョウジョシギの写真はこちらです。
2017.05.11
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中国頼みに日本側は警戒感 トランプ大統領が尖閣問題で目をつぶる?トランプ米大統領が北朝鮮抑止のため「中国頼み」に傾いていることに、日本側で警戒感が漂い始めている。米国の求めに応じて中国が影響力を行使すれば、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入にも目をつぶる「取引外交」をするのではないかと疑念が浮上しているようだ。トランプ氏は選挙公約で中国を「為替操作国」に認定すると息巻いていたものの、就任後は事実上撤回。就任100日を迎えた集会では支持者に「北朝鮮問題で助けてもらえませんかとお願いしているのに、為替操作国と言ったらうまくいかないだろう」と釈明した。民進党を除名されたばかりの長島昭久元防衛副大臣は、今月1日のワシントンのシンポジウムで「経済と安全保障の問題を取引材料にしてしまうのではないか」と指摘した。尖閣周辺では中国公船の領海侵入が常態化。トランプ氏は2月の安倍晋三首相との会談で尖閣を日米安保条約第5条の適用対象と約束したが、あっさり政策転換する傾向もあり疑念を抱かせる原因となっている。---だからどうした?と言うしかありません。トランプ大統領は最悪ですが、北朝鮮への対応として、トランプだろうが他の誰であろうが、他の策なんかあるのでしょうか。北朝鮮と中国は、かつてのような政治的つながりは薄れ、かなりの対立をはらんだ関係になっているようですが、中国の北朝鮮に対する経済的な影響力は今も圧倒的です。その中国の協力なしに、北朝鮮に対してどのような圧力をかけたところで、効果など期待できません。中国頼みなんか嫌だというなら、中国には一切協力を求めないで、どうやって北朝鮮の核開発を止めるのでしょうか?米海軍の空母が朝鮮半島沖合いに展開しましたが、空母1隻(いや、それが3隻でも4隻でも同じことですが)で北朝鮮が「参りました」と頭を下げることなどありえないでしょう。米軍が北朝鮮に武力侵攻でもすればよいとでも?もちろん、純軍事的には米軍が圧倒的に優位です。ただし、すさまじい犠牲を伴うことになりますけど。それこそ、日本も米国もただではすまないでしょう。1994年の核開発危機の際も米クリントン政権は北朝鮮への攻撃をかなり真剣に検討したと言われますが、想定される損害の大きさと、当時の韓国の金泳三大統領が強く反対したことから、軍事作戦は行われませんでした。状況は今も同じでしょう。韓国は大統領選の投票が始まっていて、ひょっとするとこの記事が公開される頃には大勢が明らかになっているかもしれませんが、誰が大統領に当選するにしても、北朝鮮への軍事作戦を容認することはありえないでしょう。いくら最終的には米軍が圧倒的に優位でも、戦争の最初にソウルが火の海になるのではたまりませんから。韓国の同意と協力がなくて北朝鮮に対する軍事作戦などできるわけがありません。さすがのトランプと言えども、そんな選択は取れない、トランプだからではなく、他の誰でも同じですけど。であるなら、北朝鮮の暴走を抑えるには、北朝鮮に影響力を持つ中国と協力する以外に選択肢はありません。こういう主張を見ると、「北朝鮮の脅威」ってのは、実は安倍政権やその周辺にいる極右系の人たちにとって、本当は「脅威」ではなく、世論を煽って強硬論に支持を集めるための便利なツールなのだろう、としか思えないのです。中国に頭を下げて解決を図るより、「北朝鮮の脅威」を叫んでいるほうが万事都合がよいのでしょう。
2017.05.09
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シギ・チドリまつりって、ネタで考えたのですが、なんと実際にそのようなイベントが4日と5日に行われたそうです。というわけで、連休最後の1日、東京は朝9時過ぎが干潮時間だというので、午前中(最低潮位時間には少し遅れましたが)葛西臨海公園に行ってきました。同じことを考えていた人は多いようで、バードウォッチャーは結構多かったです。みんな、私よりよほどでかい望遠レンズを持っていましたが。まずは西なぎさよりキアシシギの群れが飛来しました。実は、うっかりして双眼鏡を持ってくるのを忘れてしまいました。シギって概ね茶色か灰色で、背景(カキ礁)の色に溶け込んでしまうのです。一眼レフの望遠レンズのファインダーでは、動かないと全然分からなくて、探すのに苦労しました。まだしも肉眼の方が視界が広いので、「動くもの」はカメラのファインダーよりは見つけやすかったです。というわけで、鳥の種類を書いていますが、その場では「シギの仲間」という以上の種類はまったく分からず、帰宅後に図鑑等で確認しました。一部、他の人が口にしていた名前を聞いていたものもありますが。また、シギの仲間って、みんなよく似ていて、区別が難しいのです。コアジサシ。水中の魚に向けてダイブした直後。コアジサシ。アジサシの仲間って、先端の尖った翼と、深くくびれた尾羽、ツバメとシルエットがそっくりです。飛び方も似ているし、飛翔速度も速い。違うのは、ツバメは前を向いて飛んでいるけど、アジサシの仲間は水中の餌を探して、下を向いて飛んでいることが多いところでしょうか。分類上は、アジサシはカモメの仲間、ツバメはスズメ目ですから、まったくかけ離れています。チュウシャクシギ。全長40cm前後で、くちばしが下向きに湾曲しているのが特徴です。(多分、チュウシャクシギで間違いないと思います)ダイサギ西なぎさに群れている鳥を撮影したら、偶然ミヤコドリが飛んでいるのが写っていました(写真左下)。加えて、遠方で立ったまま翼を広げている鳥(カワウ)の両側にいる数羽の鳥もミヤコドリです。その他、アオサギ、ハシブトガラス、ユリカモメが写っています。いただきます♪チュウシャクシギがカニらしき餌をくわえた瞬間。コサギ。足の指だけが黄色いのがはっきり写っています。右はチュウシャクシギ(くちばしは下向きに湾曲)、左はおそらくオオソリハシシギです(くちばしはわずかに上向きに反っている)。こちらも同じく、右はチュウシャクシギ、左はオオソリハシシギです。コアジサシの団体様が到着です。・・・・・・どうも、コアジサシだけでなくアジサシも混ざっているような気がするのですが、確証はありません。カワウの団体さんもお着きです。上に飛んでいるのはユリカモメの若鳥。キョウジョシギ。まだカンムリカイツブリが残っていました。カモ類もほとんど北に去りましたが、まだスズガモが数十羽残っています。残っているのか、もっと南から渡りの途中で立ち寄ったのかは分かりませんが。ここから、鳥類園内に移ります。観察窓越しなので、かなり近い位置から撮影できるのがメリットです。ハマシギコチドリキアシシギ。すぐ近くまで来たので、アップで写真が撮れました。今日見られた鳥はチュウシャクシギ、オオソリハシシギ、キアシシギ、キョウジョシギ、ハマシギ、コチドリ、コアジサシ、アジサシ(確証なし)、ユリカモメ、ミヤコドリ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、カワウ、カンムリカイツブリ、スズガモ、ホシハジロ、カルガモ、キジバト、ハクセキレイ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ツバメ。声のみ確認はシジュウカラとオオヨシキリでした。
2017.05.07
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昨日の記事に、タイトルだけ書いて本文に触れるのを忘れましたが、例によってケーナとサンポーニャを持っていきました。夕方、テント場、山荘からみて山頂の向こう側で、5~6曲、ピーヒャラと吹いてきました。サンポーニャはいつも使っているカーニャ(葦)製ではなく、割れないようにプラスチック管を持っていきました。山の上でケーナは気持ちよいのですが、厳冬期ほどではないにしても、朝晩はどうしても寒くて、指も唇もなかなか自由になりません。そういえば、私のほかに、どなたかオカリナ(多分)を吹いている方もいらっしゃったようです。かすかに聞こえました。ところで、翌朝5月5日です。4時半過ぎに起き出したところ、まだ日は出ていませんでした。そこそこには寒くて、テントの周りには霜が降りていましたから氷点下ではあったのですが、厳冬期の寒さとは比べ物になりません。左に八ヶ岳、右に富士山。富士山は前日も見えたのですが、やはり日中より早朝の方が視界があるようで、よりはっきりと見えました。日の出です。テント場のテント群と常念岳、大天井岳。朝焼けに染まる槍穂高連峰。西穂高岳から前穂高岳、奥穂高岳まで。(奥穂の山頂にちょっと雲がかかってしまった)奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳乗鞍岳穂高連峰先ほどの写真より、数分か10分後くらい、少し太陽が昇ってきてからの撮影です。もう朝焼けは終わりに近い時間です。これも同様です御嶽山と乗鞍岳槍穂高連峰全部。実際は、もうちょっと明るいのですが、見た目の明るさどおりに写真を撮ると、雪の白さが飛んでしまうので、やや暗めに撮影しています。夜明けの撮影の後、お湯を沸かして朝食、テント撤収、7時過ぎに出発しました。テント場から目と鼻の先、蝶ヶ岳山頂付近から槍穂高連峰を撮影。残念ながら、山頂部に雲がかかってしまいました。この時間には、すでにかなりの人が出発済みで、テントはだいぶ少なくなっていました。それにしても、蝶ヶ岳ヒュッテ、この大きさの山小屋に二百何十人泊まったのだから、相当の混雑だったはずです。この少し先で、またケーナを吹いて、下山。動画も撮ったのですが、指が回らず失敗演奏なので、なかったことにしておきます。(笑)蝶ヶ岳に上高地側から登るコースは、徳沢からと横尾からの二つあります。登りは徳沢からだったので、下りは横尾へ、でもよかったのですが、横尾への下りは展望なく、ただただ急降下のみ。展望がないのは徳沢への下りも同じなのですが、長塀山付近は雰囲気がよいので、下りも登りと同じルートを選びました。(下った後の林道歩きが、徳沢からのほうが短い、というのもありますが)写真のあたりは、妖精の池というのがあるはずなのですが、もちろん今はまだ雪の下です。徳沢に着きました。ソフトクリームが美味しかった!!7時過ぎに蝶ヶ岳を出て、途中ケーナを吹いたりしていた時間はありますが、10時前に着いたので3時間かかりませんでした。雪の上は快調に飛ばしたのですが、雪がなくなったところからペースが落ちました。上高地まで戻ってきました。11時40分ころバスターミナル着。昼食+生ビールが美味しかった!!それにしても、2日間、ほぼ快晴ですばらしい天気に恵まれました。テントは重かったけど、やっぱりテント山行はやめられません。
2017.05.06
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5月4日・5日の2日間で、北アルプスに行ってきました。本当は、3日から登りたかったのですが、前日2日の夜職場の飲み会があり、更に3日はエストレージャ・アンディーナというグループの練習があったので、3日の夜行バスで上高地に向かいました。4日朝、上高地に着いたら、ご覧のとおりの快晴です。河童橋と穂高連峰。雪は、歴史的暖冬だった昨年よりはかなり多いようですが、例年と比べるとどうでしょう。ほぼ例年並み、というところでしょうか。同じく河童橋から見た焼岳。ところで、今回の行き先は、穂高連峰でも焼岳でもなく、蝶ヶ岳です。蝶ヶ岳には過去4回(91年9月、94年7月、2001年と04年の各5月)登っていますが、今回は13年ぶりになります。夏山では、北アルプス入門の山と言われます。多分、積雪期でもそれは同じでしょう。ただ、海抜1500mの上高地から2670m余の山頂まで、標高差1200m近いので、技術的には簡単でも、体力的にはそんなに楽な部類ではありません。上高地から徳沢までは、1時間半ほどで歩きました。今回、テント山行なので、荷物は極力軽量化につとめ、一眼レフは標準レンズのみ、望遠レンズと双眼鏡は持ちませんでした。なので、途中で鳴いていたあんな鳥やこんな鳥の撮影はあきらめました。それでも、荷物の重さは食料と水あわせて19kg、肩にのしかかります。徳沢から蝶ヶ岳への登山道に入ってしばらくは、雪がほとんどありません。おかげで、冬用の登山靴は土と泥でドロドロに。「徳沢まで1km」という標識の辺りから、やっと雪道になったものの、最初はいかにも春の山らしい、汚れた雪。登っていくうちにそれがだんだんきれいな雪になって行きます。昭文社の登山地図では、徳沢から長塀山(ながかべやま)まで3時間40分、そこから山頂まで1時間となっていますが、これはもちろん無雪期の、それも小屋泊まりの荷物の重さでのコースタイムです。雪山をテントを担いでそんなスピードで歩けるはずもなく、徳沢発が7時50分ころ、長塀山着が12時、蝶ヶ岳到着が午後1時ころ・・・・・・あれっ、コースタイムより遅いことは遅いけど、大幅に遅かったわけでもないですね。ただ、まあヘトヘトに疲れ切ったところで、やっと蝶ヶ岳に到着しました。すると疲れも吹っ飛ぶ景色です。槍穂高連峰全山。中央やや右の小さな尖峰が槍ヶ岳、左端の山が奥穂高岳です。穂高連峰全山。写真右端が゛南岳と大キレット、その左隣から北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳、西穂高岳の小ピーク群、そして左端の遠景が焼岳です。右端が槍ヶ岳、その左から大喰岳、中岳、南岳で、写真左端が大キレットです。穂高連峰の中心部。右から北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳です。涸沢岳と奥穂高岳の間の雪面(ザイテングラード、あるいは小豆沢)には、登山者が歩いているのが分かります。と、言っても、この写真は縮小しているので分かりません。原寸大の写真だとこうなります。雪面を小さな点が連なっているのが分かるでしょうか。写真中央辺りで列はいったん右に折れ曲がり、その後再び左に折れ曲がって鞍部に向かっています。私は、このルートをゴールデンウィークに3回登っていますが、こんな途中で折れ曲がるルート取りは初めて見た気がします。おそらく、雪崩の危険性などからこのようなルートを設定したのでしょう。こうやって見ると、雪の壁のように見えて、よくこんなところを登れるなあと思ってしまいます。ちなみに、雪面上で少し雪の色が灰色または茶色っぽく見えるところは、雪崩の跡です。常念岳。蝶ヶ岳の北に隣接する山です。それはともかく、蝶ヶ岳の稜線に雪はほとんどありません。右端が前穂高岳、その左に連なるのが西穂高岳です。蝶ヶ岳にテントを張ったら、もうヘトヘトで、いったんテントの中でくたばってました。が、ちょっと昼寝をして目が覚めたら、まだ3時ころ。起き出して、稜線上を30分くらい北に行った蝶槍という小ピークを目指しました。再び槍ヶ岳。こちらは、この写真でも槍沢をトレースがあることがなんとなく分かると思います。更に写真をピクセル等倍まで拡大してみます。涸沢よりは少ないですが、トレース上に登山者がポツポツと見えます。こらのほうが雪崩の跡がよく分かります。目的地の蝶槍と、その向こうに常念岳です。常念のさらに北に連なる大天井岳。蝶槍の上から撮影。常念岳と大天井岳。蝶ヶ岳山荘に引き返してきました。テントがかなり多いです。それでも、小屋泊まりの人よりは少なかったはずです。小屋から放送で食事の順番を伝えるのが否応なく聞こえるのですが、夕食は4回に分けて、190番より後の人~と言っていたので、宿泊者は200人以上いたのでしょう。相当の混雑です。テントは重くて疲れるのですが、この時期は大混雑の山小屋よりは快適だと思います。夕暮れ時の蝶ヶ岳山荘と常念岳。♪遠き山に、日は落ちて~夕日が大キレットに没するところを撮影しました。この種の写真を撮って、網膜に太陽の跡が残ってしまったことがあります。なので、今回はデジタル一眼レフのファインダーは見ず、液晶画面だけを見て撮影しました。下手な鉄砲数撃ちゃ式に、たくさん撮ったら、ピンボケしていないものが何枚かありました。デジカメだと、こういうことができるのですね。フィルムカメラでは、そんなもったいない撮りかたはできません。以下、次回に続きます。
2017.05.05
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憲法改正「2020年に施行したい」 首相がメッセージ安倍首相は3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。首相は改正項目として9条を挙げて「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」との考えを示した。18年秋の自民党総裁選での3選を前提に、自らの悲願である憲法改正の実現に意欲を示した。野党の反発は必至だ。首相がメッセージを寄せたのは、日本会議が主導する美しい日本の憲法をつくる国民の会などの改憲集会。首相はメッセージで「憲法改正は自民党の立党以来の党是」とした上で、「憲法を改正するか否かは最終的には国民投票だが、発議は国会にしかできない。私たち国会議員は大きな責任をかみしめるべきだ」と強調。20年に東京五輪・パラリンピックが開催されることについて「日本人共通の大きな目標。新しく生まれ変わった日本がしっかり動き出す年」として20年に改正憲法の施行を目指す考えを示した。憲法9条について、首相は「多くの憲法学者や政党には自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する。あまりにも無責任だ」として、自衛隊の根拠規定を9条に追加すべきとの考えを強調。さらに「改憲勢力」と位置づける日本維新の会が改正項目に掲げる教育無償化についても「一億総活躍社会を実現する上で教育が果たすべき役割は極めて大きい」と前向きな姿勢を示した。---今日は70年目の節目となる憲法記念日です。その記念日に、安倍は憲法を変えることへの執念を表明しました。2020年を新しい憲法が施行される年にしたい、つまり、東京オリンピックを「新」憲法で祝いたい、というわけです。冗談じゃない、と私は思います。安倍が望むような「新しく生まれ変わった日本」が、多くの国民にとって幸せな生活に結びつく日本の将来の姿であるとは、私はどうしても思えません。私自身は、自衛隊が意見だとは今は思っていません。自衛隊は必要です。しかし、「多くの憲法学者や政党には自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する。あまりにも無責任だ」から憲法に自衛隊を位置付けたい、そのような議論が存在する状態を指して「無責任」というのは、非常に怖いことであると私は思います。現在自衛隊を違憲としている政党は共産党くらいですが、その共産党も自衛隊違憲論を前面に出してはいません。それどころか、国民連合政府ができたら、自衛隊違憲論はそこには持ち込まない、つまり、事実上棚上げすると言っています。自民党政権はいうまでもなく、民主党政権だって自衛隊は違憲とは言わなかったし、共産党が提唱する国民連合政府ができたとしても、それは同じです。したがって、政府が打ち出す政策という意味で、安倍のいう「無責任」な状態は出現することはありえません。それでも、共産党が自衛隊は違憲であると綱領に書いているのは事実だし、憲法学者に自衛隊は違憲論が今でも少なからずあることも事実です。しかし、では憲法を変えてしまえばそのような議論はなくなるのでしょうか。確かに、「違憲」論はなくなるかもしれません。しかし、自衛隊は違憲と主張していた人が、憲法が変わった途端に自衛隊を礼賛するわけがありません。自衛隊に対する警戒感、否定的感情の存在は、憲法を変えたからと言ってなくなりはしません。そのような議論をなくすのは、自衛隊に対して否定的な主張を取り締まる、つまり言論の自由をかなぐり捨てでもしなければ不可能です。したがって、自衛隊の合憲性に対する議論が存在すること自体を「無責任」という言い分は、言論の自由に対する重大な懸念を抱かせるものです。戦後72年、日本は一度も戦争に参加することも戦争を仕掛けられることもありませんでした。その理由のすべてが憲法第9条のおかげだ、とまでは言いませんが、9条(に代表される平和主義)の存在がかなり大きな割合を占めていることは疑いがありません。前述のとおり、私は、衛隊を違憲とは思いません。でも、自衛隊が必要以上に強大であるべきではないとは思っています。9条改正は、特に安倍のような政権の下では自衛隊のの際限なき強大化を招く可能性が高いと思います。ここでいう強大化とは、もちろん人員、装備、予算といったハード面もありますが、発言力の拡大や自衛隊に対する懐疑論への圧迫、自衛隊優先の政策など、ソフト面も含んでのことです。要するに、軍事優先国家に道を開くだろうと思うのです。そうなることは、日本にとって明るい未来には、なりえないと私は思います。それにしても、安倍のこのメッセージ、やっぱり日本会議の集会に出されたものなんですね。相変わらず、日本会議の主張が大好き、というわけです。x
2017.05.03
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川崎サポーターの旭日旗掲出、AFC「倫理違反の疑い」ソウル郊外の水原であったサッカーのACLの試合中に川崎のサポーターが旭日旗を掲げた騒ぎで、アジアサッカー連盟(AFC)は27日、差別の禁止などを定めた倫理規定に違反する疑いがあると発表した。今後はAFCの規律委員会で処分の有無を含めて検討する。川崎によると、サポーター対応を行う川崎のスタッフがスタジアムにおり、相手チームから連絡を受けてサポーターに事情を聴いた。該当するサポーター2人は挑発の意図はなく、純粋に応援する気持ちだったと話したという。韓国では旭日旗は日本の軍国主義の象徴と見られており、反発も大きい。川崎の広報担当者は「日本協会やJリーグと協議をしながら、今後の対応を検討したい。大きな事故にはならなかったが危険なことになる可能性はあった。今後、クラブとして対策を立てないといけない」と話した。AFCの倫理規定では、人種、性別、宗教、肌の色などによる差別を禁じており、クラブには2試合以上の無観客試合や罰金の処分、サポーターには2年以上のスタジアムの入場禁止処分が科される可能性がある。---個人的には、旭日旗が差別的、とは思いませんが、戦争や軍国主義の過去を連想させる余地は大いにあるし、そのことで、韓国で不快感を持つ人がいることも、判らないではありません。しかし、とりあえず、日本人が、日本の側の視点で旭日旗をどう見るか、という話をしても仕方がありません。ことは、日本ではなく韓国のサッカー場で起こったことだからです。イスラム教徒が礼拝をしている中でダビデの星の旗を掲げたらどうなるか。「行動する保守」とかいう極右連中が日の丸を林立させている集会の中で旗を振り回したらどうなるか、甲子園球場で巨人阪神戦のさなかに、一塁側・ライト側スタンドで巨人の応援旗を振り回したら(後楽園で逆のパターンも同様)どうなるか。相手側の本拠地で、相手側が嫌う行為をあえて行う、それを「挑発する」「喧嘩を売る」と言います。問題のサポーターは挑発の意図はないと主張しているそうですが、本人の主観的な意図はどうあれ、結果として相手サポーターに対して喧嘩を売ったのです。そう受け取られても仕方のないことでしょう。それが本当に「純粋に応援する気持ちだった」としても、結果としてフロンターレに対して大きな迷惑をかけているわけです。まさか本当に無観客試合なんてことになったら(そこまでの処分には至らないのではないか、と思いますけど)迷惑どころでは済まない、大変な被害でしょう。ただし、川崎フロンターレのサポーターに対する周知にも問題はあります。ホームページを見ると、2010年4月の北京戦についての案内には持ち込み禁止物・横断幕(基本的には禁止ですが、もしお持ちになった場合は現場で公安により検査されることになります。没収される可能性もありますので、お持ちにならないことをお勧めします。政治的に敏感な内容、ホームサポーター及び中国人を刺激すると判断される内容を記したものは禁止です。中国語でなくても、何が書いてあるのか公安が調査します。旭日旗、日の丸も禁止という指示が公安より出ています)という告知があります。ところが、今回の試合に関する告知には、単に他人への迷惑や危害を引き起こす可能性があると主管者・管理者が判断する物他人への迷惑や危害を引き起こす可能性があると主管者・管理者が判断する行為という漠然とした内容が持ち込み禁止物、禁止行為として触れられているだけなのです。2010年当時の中国で旭日旗が問題だったなら、現在の韓国でも同じく(あるいはそれ以上に)問題が生じるだろう、程度のことは、運営側として当然念頭においておくべきことでしょう。そもそも、国内のJリーグの試合では旭日旗は容認されているようですが、実際にはこれはJFAの試合運営管理規定に抵触します。第4条(禁止行為)8.政治・思想・宗教・軍事的な主義、主張、観念を表示、若しくは連想させるような掲示板、立て看板、横断幕、懸垂幕、のぼり、旗、プラカード、ゼッケン、文書、図面、印刷物等を持ち込み、又は設置、掲揚、着用、散布、貼付すること。もちろん、これはJFAだけが設けている規定ではありません。ヨーロッパにおいては、これはかなり厳格で、たとえばサッカー場にハーケンクロイツを持ち込むことが絶対禁止であることは誰にでも分かるでしょうが、それだけでなく、現在のドイツ連邦軍が使用している鉄十字も持込は容認されていないといいます。そこから考えれば、かつての日本陸海軍旗であり、現在も自衛隊旗である旭日旗がサッカー場で容認される余地は、本来はないでしょう。国内では、誰もクレームをつけないから問題として表面化しないけれど、国外での試合では、そうはいきません。いずれにしても、本人たちは川崎に対する応援のつもりでやったのかもしれませんが、結果はひいきの引き倒しとしかいいようがありません。無知から出た主観的善意ほど迷惑で危険なものはありません。
2017.05.02
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