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せっかくなのでバキュームゲージで両キャブの負圧を確認すると・・・違ってる(写真10)。ここは触るつもりはなかったのだが、ずれているのを見てしまった以上合わせねばなるまい。まずは2本のワイヤーの調整から。アクセル1つで2本のワイヤーを引っ張っているので、アクセルを開き始めたとき両キャブが同じように動き始めなければならない。これは外から見て分かるので比較的簡単。エアースクリューも外からマイナスドライバーでとりあえず1/4戻しとしておく。CRキャブの蓋を開けての調整は初めてであるが、ここから迷路にはまることになる。なかなか決まらないのでエンジンの前に扇風機を2台置き(写真11)、エンジンを冷やしながらの調整となる。両キャブのピストン(スロットルバルブ)の高さを合わせるのであるが、本来キャブを外して吸入側から見てピストンの高さを両方同じように合わすのであろう。外すのが面倒だったのでキャブを外さずにピストン上部で合わすことにした。いざ開けてみると高さが微妙に違う。ピストンの高さを合わせるためには、ピストンを吊っているリンク(写真12及び写真15の②)に付いているダブルナットを緩めて回すのであるが(②が楕円穴、これを上下させる)(写真13)これが何とも微妙で、バキュームメータの針がすぐに上下し、倍くらい違うようになることもあった。外のナットを回すとピストンが上下し、中のマイナスネジを回すとスロットルシャフト(写真15の⑥)が少し回転し、アクセルの開け始めがずれる。なかなか妥協点が見つからない。CRキャブってこんなめんどくさいことをするのだろうか。長期間の運転で多少ずれてしまったのだろうが本来組み立てたときに机の上でぴったりと会うように調整しておけばいいことなのだろう。だいぶ時間がかかってしまったが、(2つのバキュームゲージの校正はひとまずおいて)何とか合わせることができた(写真14)。あおってみると引っかかりもなくうまくいったと思われる。扇風機がなければエンジンが焼けてしまうところだ。あとは試乗してみて確かめよう。(藤)写真10写真11写真12写真15写真13写真14
2020.05.13
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今日は朝からBMWと戯れる。カムシャフトの先端に付いているガバナーとポイントを外す。荒れたポイント接点(前回写真3)と新品のポイント(写真4)の差は歴然、新品接点はさすがに光っている。よく見るとカムが当たるベークライトの部分はすり減って平らになっていた(写真5、手前新品、奥外したポイント)。ポイントを外すとドーナツ型のベースが顔を出す(写真7)。このベース、黒いネジとその対角線上の穴(ポイントから出るコードのクランプを兼ねる)でクランクケースに止まっており、このベースを少し回すことで点火時期を調整する。ポイントはシャフト右側にあるネジ穴1つでベースに止まっており(写真5の長穴)、これをずらすことによってポイント間隙を調整する。ついでにガバナーのスプリング2本も新品に換えておいた(写真6)。ポイントを組みガバナーをとりあえず取り付ける。とりあえず、というのはこのガバナーの反対側にカムが付いており、カムを組まないと間隙の調整ができないのである。間隙はお決まりの0.3ミリ、名刺の厚みである。次は点火時期。プラグを外しキャップを付けた状態でシリンダ上に置いておく。クランクシャフトを回し、パチンと火花が飛んだところが点火であり、その時期はフライホイール円周上の"S"マークで確認する。時期はポイントの乗ったベースを少し回すことにより動かすので、エンジンを回しながら、ができない。エンジンを止めてガバナーを外し、ベースネジを緩め、ベースを回し、ネジを締め、ガバナーを取付け、エンジンを回しタイミングライトで確認、を繰り返すのである。調整ができたらポイント室の周りの溝に新品のゴム紐(シール)をはめ込みオカメを閉じて完成(写真9)。(藤)写真3写真4写真5写真7写真6写真9
2020.05.12
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久しぶりの投稿である。4~5日前の早朝、気持ちよくBMWを走らせていると、どうもアクセルのツキが悪い。ぐっとアクセルを開けると小さいのだがゴンゴンする感じ。これはどうも点火タイミングが少しずれたかもしれない。タペットの音もちょっとおかしい。あまり無理をせずに帰って来た。タペットを触るのでエンジンが冷えてから&手が空いた2-3日後にヘッドを開けてみた。お決まりのタペット調整はそんなに難しくはないがプッシュロッド側をエンジン方向に押さえつけ、バルブリフターやロッカーアームの凹部分に残るオイルを充分押し出してからシックネスゲージを入れることが重要だ。今回は左のエキゾースト側の隙間が多少広かった程度で調整を終える。(写真1,2)次はタイミングライトで点火時期を確かめる。やはり少し狂っていた(遅くなっていた)。オカメ(電装カバー)を外し、ポイントを点検してみる。前回ポイントを交換してから15000キロくらい走ったろうか。ポイントの接点面はかなり荒れていた。(写真3)ちなみに新品は(写真4)なのでどうかと思いつつヤスリで磨いた。写真では古いポイントを外しているが、この日は外すことなく接点を磨いて間隙調整、点火時期調整を終えてエンジンをかけた。でもちょっとおかしい。アイドリングはわりと安定しているのだが、アクセルをひねったときのツキが悪い。もたつきながら回転が上がる。やはりポイントの荒れは修正されていないようだ。これは新品に換えた方が良いかもしれない、と、今日はここで時間切れ。交換は明日にしよう。(藤)写真1写真2写真3写真4
2020.05.11
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バイクが古いので新しい部品を組み付けるとバランスが崩れ正常な電子部品が壊れることがある。被害を最小限にするにはコンデンサの交換も必要だ。前回試した汎用コイルの売り文句は「高い電圧で強い火花が飛ぶ」であるが、これがバランスを崩す原因である。非常時には仕方ないが、ずっと使うとどこかにしわ寄せがくる、とフジイが言っていたのである。組む前に新品のコイルの抵抗値を計っておいた。1次側1.2オーム、2次側6.76キロオームで2本ともほぼ同じであった。(写真1・2)この年式の純正のプラグキャップやコードは雑音防止の抵抗が入っていない。(写真3)ちょっとイグニッションノイズをまき散らすかもしれないが、これにコネクタをねじ込み(写真4)コイル、コード、プラグキャップを組み付け、ついでにコンデンサも新しいものを組み付ける。(写真5)買ったゴム部品の中にフレームとガソリンタンク前方下部が接触するところに入れるゴム部品があった。(前記事写真6の中段左の細長いゴム)これは通称”ちくわ”というらしい。ちくわを縦に割ったような形をしており、うまいこと言うな、と感心。新品はさすがにきっちりとタンクが止まる。さて、試乗である。エンジンかけ、まだ暖まっていない状態でもなんか調子良さそうである。暖機の後、はやる心で走り出す…やったー直った!10キロほど走る中で高いギヤで低速、低いギヤで高回転、上り坂の高負荷など色々試し自分の顔がほころんでいるのがわかる。コードとキャップを純正に戻したためクラッシックが際立つ。青い高圧コードはちょいといただけないよね。ご心配をかけました、44年選手復活です。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2018.06.04
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症状が改善しないので原因はコードではない、かもしれない。こうなると1つづつ部品を替えて確かめてみなくてはならない。NGKのコードは以前エンジンをオーバーホールした時にフジイが付けたもの。その時替える前のコード(ノロジー)を返してもらっていたのでこれに付け替えてみて試乗してみるけれど…だめだ。(写真1)ということはコイルか!ここにきて最悪の事態になってきた。電気系統の不安に怯えながら整流器やレギュレターを純正品ではないが同等以上の性能を有する新品に替えていたのだが、純正コイルはいささか値がはるため汎用のコイルを買って持ち歩いていた。(写真2)遂にこいつの出番が来たようだ、と交換して試乗…症状が出ない。ありゃーやっぱりコイルか、これは観念せねばなるまい。最近のBMW純正部品調達は仙台にあるビーマーというところである。コイル2つにポイントやコンデンサ、(写真3)純正のプラグキャップ、高圧コード、(写真4)ついでに手持ちがなくなっていたエアフィルタ、オイルフィルタ、(写真5)朽ちかけていたゴム部品も注文する。(写真6)全て在庫があり、注文のメールから4日で全て届いたが、サイフが軽くなったのは言うまでもない。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5写真6
2018.06.02
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5月11日の三瓶山ツーリングの前日の早朝、また性懲りもなくプチツーリングに出かけた。女房に「明日ツーリングに行くのに」と言われながらである。女にはこの感覚は分からないだろうなぁ、と思いつつ出かけた。いつものように総社から空港、吉備新線、農道と走るBMWのエンジンは快調である。早朝の少しひんやりした爽やかな空気を肌で感じながら走る。賀陽道の駅での小休憩の後ルミエール病院の横を通り日羽から総社へ、浅原の小高い山を越えるころから何かエンジンの様子がおかしい。加速時や負荷時エンジンがばらつく。以前も同じような症状になり原因はイグニッションコイルのコネクタ接触不良であった。でも、ばらつく感じが以前とちょっとちがう。ばらばら感が以前よりひどい、これは困った。原因は何だろう、家まで帰れるかと思案しながらも「恐らく大丈夫だ」と、今までの経験から何となく感じた。倉敷ICから山陽道に乗り、瀬戸中央道へ。あまり急激な加速はエンジンが壊れそうな感じもするなか、粒江パーキングを過ぎたあたりでどうにも我慢できなくなり路肩の広くなったところで停めた。アイドリング状態のエンジンはそんなに悪くないのだが走り始めるとだめだ。加速しないし最悪の状態。それでも騙し騙し這々の体で家まで帰ってきた。早速原因を確かめるべくガソリンタンクを外し、イグニッションコイルをはずした。症状からは電気系統だろうと思われるがコイルは目で見ても良し悪しは分からない。確かめる方法はテスターを当てて一次側、二次側の抵抗値を調べることしかできない。結果は良、だろう。だろうと言うのは抵抗値は基準値より多少の違いはあるが、断線はしていないからである。もっとも断線していたら火花が飛ばないからエンジンは回らなくなる。この頃のBMWは、6Vのコイルを2つ直列につないでおり、1次側が1つでも切れたら火花は両方飛ばない。2次側が切れたら片肺になることが予想されるが、今回片肺ではなかったのである。さて弱った。どこに原因があるのかいろいろなところを眺めまわす。どう考えても電気系統だろうと高圧コードを見ている時気がついた。コードのコイル側は金属のコネクタが付き(写真1)イグニッションコイルのツノに入っているのだが、このコード芯線とコネクタのハンダが外れていることに気がついた。(写真2)これだ!間違いない、とこの時は確信した。ハンダ付けし直せば直るさ、と安易に考えながらよく見るとこの高圧コードの芯線はちょいとちがうぞ。最近の高圧コードには雑音防止のため抵抗が仕込まれている。プラグの「抵抗入り」と同じ原理か。このコードはNGK製で芯線がカーボン=抵抗でその周りにごく細いコードが螺旋状に巻いてある。(写真3)どう見ても半田付けができそうにない。今までの様々なハンダ付けをしてきた経験からハンダが乗らないと思われた。おまけにこのような振動する部分に細い線をハンダ付けすると、細いが為にまた断線してしまうことが予想できた。そこで考えたのはスリーブを「圧着」(写真4・5・6)した後、そのスリーブをハンダ付けでコネクタに止める、という方法である。幸い圧着の材料、工具は揃っているので早速やってみる。(写真7)自分でもなかなかうまくいった、と自画自賛。もう直ったようなものさと組み付け試乗に出かけた…アクセルをひねった瞬間、だめだ、直ってない!(藤)写真1写真2写真3写真4写真5写真6写真7
2018.05.31
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昨年秋頃から、BMWを走らせているとき雑音が気になりだしていた。それは左のシリンダヘッドあたりからで、明らかにカチャカチャという音だ。右からはあまり聞こえてこない。ロッカーアームとインレットバルブ、エキゾーストバルブの隙間が規定値以上になりバルブを叩いているようになったのだろう。寒さと忙しさも一段落、22日にはうどんツーリングに行くので調整をする。クランクを手で回すためにまずプラグを外し、エンジン前方の電装カバーを外す。お目当てのバルブクリアランス調整ネジを触るためにはヘッドカバーを外さなくてはならないのだが、BMWはいたって簡単。ヘッドを留めているのは片側たった3本のナットだけだ。(写真1・2)カバーを外すと2本のロッカーアームが姿を現す。(写真3)ちなみにロッカーアームとバルブステムは少しずれており、バルブを押したときバルブがゆっくり回るようにできている。おまけにプッシュロッドも回るような細工がされている。左シリンダ側の今の状態はどの程度かとシックネスゲージを隙間に突っ込み測ってみるとIN=0.15ミリ、EX=0.20ミリとなっていた。(写真4=左シリンダEX)カチャカチャ音の原因はこの大きめの隙間だろう。事前に手持ちのサービスマニュアル3種類をみてみると、なんと3冊とも違う、どーなっとるの?。3冊の中の1冊に表示されたIN=0.10、EX=0.15が正しいだろう!?と勝手に決めて調整を始める。BMWはOHVなので長いプッシュロッドを持っており、ロッカーアームのロッド側を強めにロッドに押しつけ、反対側のバルブステムとの間隙が最大になるようにしたときの隙間を合わせるのである。このときクランクシャフトを手で回し圧縮上死点を出しておくことを忘れてはいけない。隙間に入れたシックネスゲージを手で動かし「固いかな」ぐらいで固定する。(写真5=左シリンダEX)BMWのアジャストボルトは12ミリの六角ナット2つなので作業はやりやすい。(写真6)IN側はEX側より少し詰めて0.10ミリに調整した。右シリンダ側はIN・EX共0.15ミリだったのでIN側のみ0.10ミリに調整しヘッドカバー、電装カバー、プラグを元に戻す。エンジンをかけてみると、2か月ほど動かしていないのにあっさりスタート。すぐに700回転ほどでアイドリングを始める。なかなか静かでいいじゃん、と自己満足しながらしばらく暖機運転をしエンジンオイル量を確かめる。オイルはヘッドカバーを外すときに少し落ちるので300ccほど補充して作業を終わる。でもツーリングに行く前に試運転をしておかねばなるまい。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5写真6
2018.03.17
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梅雨の真っ最中であるが雨が降らない。6月7日にしこたま降って入梅、その後快晴続き。この間に乗りだめ?しておかなくては。車齢40年超のBMWの走行距離はあと46kmで70,000kmになろうとしていた。所有期間が長い割にオドメーターはなかなかその距離を伸ばしていないのだが、ようやくである。今日こそはその歴史的数字をカメラに収めるべく、早朝5時20分に家を出た。早朝は涼しく、電話に邪魔されずに気持ちよくBMWを走らせることができる。総社から空港、その先吉備高原へ向かう県道72号、岡山賀陽線走行中に歴史的数字が巡ってきた。一歩手前の69,999kmで一旦止まり写真撮影、さらに1km走行しめでたく70,000kmをカメラに収めた。(写真1)休刊になった別冊モーターサイクリストに「我ら10万kmクラブ」なる連載があったが、まだ3万kmも足らない。その後はいつものように国道429を少し戻り福谷橋から吉備高原広域農道を賀陽に向かう。この道は全長17kmほどで、そんなに距離はないが適度なコーナーと、アップダウンが続く。そこそこのスピードで楽しんでいると横をBMWのGSが猛烈なスピードで追い抜いていった。速すぎて正確な車種がわからなかった。しばらく走っていると道路の真ん中に茶色い物体が・・・通り過ぎざまに・・・ン・・・カメ!・・・亀?。(写真2)とっとっとっと、ブレーキ、Uターン。(写真3)よくGSに轢かれなかったなと亀命救助。幸い甲羅にキズもなく健康そうな亀ちゃん。(写真4・5)でもこんな山の中で何故カメ?近くに池や川もなく水気は少ない。持って帰る訳にもいかず少し山の中に入り湿気ていそうなところに放した。そういえば何年か前にフォーサイトでR429を走行中にも亀に遭遇、近くの川に放したことがあった。道の真ん中をゆっくり歩くカメは、「ゆっくり走れ」と言っているようで、その後はゆっくり走り賀陽道の駅でひと休み、ルミエール病院の横から日羽を経て清音へ、浅原を通り8時10分頃帰ってきた。前回のオイル交換から2,000kmくらい走ったので交換を行う。抜いたオイルは真っ黒。(写真6)フジイから教えてもらったオイルはELF ROAD 10W-40(半化学合成)とRACE 10W-60(全化学合成) (写真7)を3:1で混ぜて使用、だ。旧車に全化学合成オイルはよくないと言われており、以前間違って全化学合成油を全量入れたらオイルシールの隙間からオイルが滲んだことがあった。90/6は排気量の割にオイル量は2Lと少ない。今回オイルフィルタは交換しないので2L入れたら入れすぎになる。このエンジン、オイル入れすぎは厳禁。はじめ1.5Lくらい入れて確認、結局1.8Lで落ち着いた。ちなみに抜いたオイルを計ると1.6Lだった。前回はフィルタを交換し2L入れた、と記録していたので1,000kmで200cc消費したことになる。これはもちろん許容範囲内。本日の走行150kmでオドメーターは70,104kmだった。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5写真6写真7
2017.06.20
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2日ほど開いたがようやく試乗できた。朝夕は寒いが日中はそこそこ暖かいので調子を見るため30kmほど走ってみた。上り坂や車の少ないところでアクセルを6,500回転くらいまで開けてみるが、点火が間引かれたような症状は出なくなった。やはりあのコネクターのさびが原因で接触不良をおこしていたのだろう。接点を磨き、コネクターを交換したことによって直ったようだ。コネクターは時々抜き差ししてやることによって接触不良が未然に防げることがある。古い車の宿命だろう。とりあえずメデタシメデタシ。ポイントをいじっているとき昔の苦い経験を思い出した。神戸にいるとき鈴鹿サーキットのレースを見た帰りのことである。鈴鹿峠を下り栗東から名神高速に入る頃、エンジンの調子がおかしくなり、しまいにはマフラーから火を噴き出した。バルブを突いているのかとシリンダヘッドカバーを開けてタペットクリアランスを大きくしても改善しない。やっとの思いで大津SAに到着。この頃ガソリンスタンドは日曜日休みで高速のGSも休みだった。夜中12時、日が変わり月曜日になりGSが開いて工具を借り、そこでようやく不調の原因が判明する。それは点火時期の大幅な狂いだった。出発前ポイントを新品にし、調整して出かけたのでそこは大丈夫だ、と思い込みがあったのだ。その後は快調に神戸まで帰ったのだが、その後どうも点火時期がよく狂うようになり、原因が特定できないままベース(車体側に付いている直径数センチのドーナツ状鉄板でこの上にポイントが乗る)を注文。部品は新品ポイントが付いた状態で入荷。取りに行って値段を聞いてびっくり。何と13,000だという。思わず叫んでしまった。ポイントは1個2,600円である。と言うことはドーナツ鉄板1枚が1万円超!さすがに店も悪いと思ったのか計1万円でいいです、となった。当時乗っていたCB550の同じような部品は600円くらいだった。過去の点火方式、ポイントである。(写真1・2)昭和50年代半ば以降点火方式は電子式に変わった。ギャップや点火時期の調整で手を煩わすことは無くなった。機械が壊れなくなったのはありがたいが、自分で触れるところが無くなったのは一抹の寂しさを覚える。キャブレターが電子式燃料噴射にかわり、プラグも10万km交換不要、などとなると自分でできることはオイル交換くらいか。ウインカー球が切れてもディーラーで交換しないと警告灯が消えない。もうしろーとは触るな、ということなのだろう。面白くない、最近のバイクには乗れないな。(藤)写真1写真2
2016.11.13
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調子はかなり戻ったがまだちょっと本調子ではない。そうだ、点火タイミングを見てみようと、以前買っておいたタイミングライトを取り出し、エンジン左側の点火時期点検窓のゴム蓋を取り外し点検してみた。昨年ミッションを直したときフジイが調整したタイミングは正規より僅かに早いタイミングだったが、そこよりかなり早くなっていた。ポイントがすり減り点火時期が狂ったのかもしれない、と再び電装カバーを外した。以前自分でポイントを触ったのはコイル外しよりさらに遠い昔だ。カムシャフト先端にポイントがあり、更に先端にガバナー(自動進角装置)がついている。このガバナーは三日月状の重りが2個バネで吊されていて回転の遠心力で重りが外に動き、重りに押されて点火カムが動き点火タイミングを早める。(写真1・2)ガバナーを外しポイントにやすりを挟んで慎重に磨く。(写真3)磨き終えたら今度はポイントギャップの調整だ。この調整には特殊工具である名刺を使う。名刺の厚さは0.3ミリくらいで、挟んでもポイントを痛めることがない。ポイントをベースに止めている小さなビスを僅かに緩めてポイントが一番開いたところのギャップを名刺で合わせる。(写真4)ギャップを合わせたらいよいよ点火時期を動かす。BMWはベースであるドーナツ状の鉄板にポイントが乗っていて、このベースを回すことによって点火時期を変えることができる。ベースを止めている2本のビスを僅かに緩めてマイナスドライバーをテコにしてベースを回転させる。ビスを締めたらガバナーを取り付け、メインスイッチを入れてクランクシャフトを手で回す。外したプラグから火花の飛ぶパチンという音がしたら点火時期点検窓を覗き、フライホイール外周にあるSマーク(点火!)を確かめる。ほぼ合ったところでプラグを取り付けエンジンを回し、タイミングライトで確かめる。(写真5)BMWはエンジンを回しながらの調整ができないのでこれを繰り返し正確に合わせるのである。ちなみに写真5のSマークの上の「-」がの左の「<」(切り欠き)に合ったときが点火!なのだが、僅か早めに合わせた。エンジンは前方から見て時計方向に回っており穴から覗くとフライホイールは下に向かって動いている。従って「-」印より僅かに早く点火しているのである。最後の仕上げにキャブ調整。先日買いそろえた負圧ゲージのお出ましだ。左右のインテークマニホールドから負圧パイプを引き回し(写真6)ゲージにつないで計測してみた。結果は上々、キャブはほとんどいじることなく同調がとれていた。(写真7)久しぶりに点火時期調整をしたが試乗ができていない。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5写真6写真7
2016.11.10
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帰りながらあれこれ頭の中で原因を特定していく。〇症状はアクセルを開けたときのみ現れる。(減速時、平坦時は現れているかもしれないがわかりにくい)〇片肺ではない。(両シリンダは同じように熱い)〇アフターファイア、バックファイアはしていない。(点火時期は大幅にはずれていない)〇燃料系統ではなさそう。(症状が突然現れ、変化しない状態ながらなんとか走ることができる)どうもプラグ以外が原因の失火か、と、何となく絞り込んだ。さっそく修理にかかる。確定した症状は点火が間引かれているような回転、である。電気系統の不具合であることは間違いなさそうだ。エンジン前方の電装カバーとプラグを外し、クランクシャフト直結の6角穴にレンチを刺す。火花が飛ぶ瞬間のあたりのクランクシャフトを手で回してみると、プラグに火が飛ぶときと飛ばないときがある。まず疑うはイグニッションコイルかとコイルを外してみた。以前タンク下のフレームを塗り直したときに外して以来だからかれこれ10年!である。コイルの外観はそこそこ汚れているが、それよりもコネクターのオス・メス両方の金具が気になる。案の定金具は錆びたような情況で接触不良が疑われた。(写真1)この時代のBMWは6Vのコイル2つを直列に繋いでおり、オスコネクターはコイル1本2箇所出ている。コイル側のオス金具を外しサンドペーパーで磨いて組み付けた。コイル自体に傷みはないかとテスターで計ってみる。コイルの1次側(低圧)の規定値(1本で)1.15~1.32Ωに対し計ると2本とも1.2Ω、(写真2)2次側(高圧)の規定値(1本で)7.5~9.15kΩに対し、6.36kΩと6.39kΩ、(写真3)ちょっと低いが断線とかはなさそうで大丈夫だろう。以前この年代のRシリーズのイグニッションコイルは丈夫である、と聞いたことはあるが如何せん40年経過である。コイルに刺さるメス金具は経年変化で相応のヘタリがあり、さらに磨くこともできないので新品コネクタに交換した。(写真4)40年選手のコイルには一抹の不安が伴うので汎用の(といってもR用であるが)イグニッションコイルを持ち歩いている。ついでにこれも計ってみたら1次側3.2Ω(写真5)、2次側14.19kΩだった。この汎用コイルは1個のコイルから高圧接点が2本出ているタイプだ。接点を磨いたコイルに新品コネクターを挿し車体に取り付けエンジンをかけてみる。賀陽でプラグ交換した後よりアイドリングは安定している。でも走ってみなければ分からないので次の日15kmほど走ってみた。結果は上々である。やはりあのコネクターが接触不良で時々火花が飛んでいなかったのであろう。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2016.11.08
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最近ちょくちょく早朝にひとっ走りすることがある。爽やかな朝、電話などに邪魔されずBMWを堪能するには良い時間帯だ。大体5時半頃出発、130kmくらい走り8時半か9時くらいに帰ってきて仕事に取りかかる。11月に入り早朝は寒くなってきたが、12月が近くなるとそれこそ寒さで震えるようになるので早朝はこれくらいが限界だろう。空港から県道72号岡山賀陽線、吉備高原口から国道429号を少し下り福谷から吉備高原広域農道を賀陽へ、日羽谷川沿いに下り日羽から国道180号で総社へ、というのが最近の早朝コースである。空港の辺りはエンジンもまことに快調で寒さにもめげずルンルンでエンジンの鼓動を堪能していた。福谷から広域農道に入り賀陽までの17kmのアップダウン+コーナーを堪能しようとアクセルを開けたら何かおかしい。アクセル一定か下りはあまり感じないが、加速や上り坂でエンジンがバラバラいう。エンジンが止まることはないのだが回転がうまいこと上がらない。遂に電気関係のどこかに不具合が生じたか、とアクセルを開けたり閉めたり、どんなときにどんな症状が出るか確かめるが、アクセルを開けるとだめだ。点火が間引かれているような症状で、細かく加速・加速・減速をしているようなかんじ。一番に思いつくのはプラグだ。いつも新品プラグは持ち歩いているので道の駅賀陽に入り取り替えてみた。エンジンはすぐにかかるが、アイドリングが一定しない。点火時期もずれているかもしれない。原因がプラグならすぐに直り、いつもの道を走って帰ろうかと考えたが、調子は改善しない。これはなるべく早く帰って原因を探らねば、と賀陽から高速に乗り帰路につく。賀陽から岡山方面は僅かな下り坂なのでそう気にはならない。これ以上悪くなったらどこかで立ち往生も考えられるが、あまりスピードを出すことは控えなんとか帰ってきた。今回写真は無し。(藤)
2016.11.06
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ウインカー、ストップ、テールの配線を換えるためコネクターを圧着、つなぎ直した。組み込む前の試験点灯もうまくいきレンズを元に戻す。ホームセンターで買ってきた水道用Oリングをレンズに取り付け(写真1・2)LEDランプをケースに収める。でもよく考えるとLEDランプはそれ自体防水されているし反射鏡は要らない、となるとOリングも不要だった。さてさてどのような点灯状態かLEDと球+反射鏡を比べてみる。LED裸試験点灯の時と同じようにカメラの設定をマニュアルにし撮り比べてみた。比べやすいように4枚の写真ファイルを1ファイルに合成した。(写真3)上段左は球のストップ、上段右は球のテール。下段右はLEDのストップ、下段右はLEDのテールである。全体にLEDの方が明るい印象だ。LEDはボードの上にまんべんなく並んでいるので、テールレンズ全体が赤く光るようになった。LEDは節電効果が高く、おまけに切れないといううたい文句だ。今まで発電不足で困った経験はないが、280Wしか発電しない90/6には少しだけありがたい。それよりも夜間走行時、後方からの視認性が上がった効果のほうが高い、と勝手に自己満足。あ、この歳であまり夜間走行はしないなー。(藤)写真1写真2写真3
2016.07.12
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ストップランプケースの中には配線が数本。左右のウインカー、ストップ、テール、アースラインだ。車体側からきた配線にはコネクターが付いていない。被覆を剥かれた中心導体は反射器の裏に取り付けられた逆U字型をした銅製バネ部品に引っかけられている。(写真1)配線を穴から抜くときコネクターがあるとじゃまで抜けないが、これなら簡単に抜くことができる。コストがかかる凝った造りだがこの辺りもオーナーの心をくすぐる。今回LED化にあたり、この反射器は不要になる。交換にと買った反射鏡とレンズ間のパッキンは不要であることにここで気づく。LEDストップランプはそれ自体が防水加工されているようだ。従ってコネクターを新たにつけ配線しなくてはならない。(写真2)茶はアース、青/赤、青/黒はウインカー、車体側の緑/赤、黒/白がテール・ストップである。ウインカーのパッキンはついぞ交換したことがない。よく見るとひび割れてガタガタだ。(写真3)取り外したウインカーレンズについたゴムカスを取り除きながら気がついた。このレンズのゴムが収まる場所はなんとU字形に成型されて丸いゴムがうまく納まるようになっている。(写真4)レンズの加工に感心しながら新品の紐状ゴム部品に交換していく。(写真5)前後左右のウインカー4つとも順に交換を終える。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2016.07.11
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仙台のビーマーのHPをウロウロしていたらLEDストップランプなるものが販売されていた。(写真1)年式が新しい100RS用は少し大きく四角いが、古い90/6用は小ぶりで丸っこい。ウインカーバルブは矢さんがLED化していたが、そこそこの値段だしノーマルウインカーリレーが使えずちょいとめんどくさいので今回は交換しない。ふれこみは消費電力 5W(ノーマル電球はストップ27W、テール 5W)多少発電機の負担は減るがモトはとれない!。これを組み込んでみるか、と注文するついでに劣化したゴム部品も換えるべく数点ピックアップした。(写真2)細長い4本はウインカーボディーとレンズ間のパッキン。四角いのはストップランプ反射鏡とレンズ間のパッキン。四角い中の3本はドイツ規格のヒューズだ。(写真3)ヒューズは予備に買っておく。レンズと組み付けビスの間のゴムシールはホームセンターで売っている水道用Oリングが使える、とふんだ。3-4日ほどですべて届きLEDランプをさっそく試してみる。実験用12V電源につなぎスイッチオン。当たり前だが当然点灯。テールランプとストップランプは当然ストップランプが明るい。点灯LEDの数が変わるのではなく一つ一つのLEDの輝度が変わるタイプだ。写真に撮ると同じように写り、明るさの差が無い。なんで、とよく考えるとカメラ設定は「オート」で撮っていた。そりゃーカメラは自動で露出と絞りを計算し、一番いい状態でシャッターを切るわな。これじゃー比較にならんとマニュアル設定にして撮った。ストップが写真4、テールが写真5だ。さてこれを組み込んだらどんな感じかな。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2016.07.08
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フロントサスが直り走ってみたくてしょうがない。そんなとき陽気に誘われふらっと出かけた。今日は奥吉備街道を全部走ってみよう。いつもの総社から空港、宇甘渓、よく通行止めになる県道71号線はokだった。建部町から奥吉備街道に入る。春の陽気ときれいな青空、3-4速を多用した4000回転あたりのエンジン、まことに気持ちがよい。人間もBMWもそこそこの年齢なので無理、無茶はしない。ソメイヨシノはもう散ってしまったが、八重桜がまだ楽しませてくれる。(写真1)社外品のレギュレターや、ダイオードボードも問題なく動作しているようだし、遠出も大丈夫だろう。いや、身体がもたないか。帰ってきてからちょいと部品交換。先日のビーマーではもう少し部品を仕入れていた。まずはバッテリーケースのクッションゴムだ。バッテリーケースは5個のゴムで吊されている。これが経年変化でひび割れてくる。(写真2)そのうちちぎれてしまうので早めの交換が必要になる。5つ全て外したら3つが割れていた。(写真3)次はチェンジベダルゴムだ。コイツはいつも品質がよくない。早めに割れてくる。切れてしまわないうちに手当(写真4)をしながら使っていた。あまり目につくことはないがいささかぶさいくなので新品を2つ購入、ようやく交換となった。さぁ、いつでもツーリングに行けるぞ。(写真5)(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2016.04.18
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ブレンボのディスクプレートにはやはりブレンボのパッドか、とEBC製はやめてブレンボを組み付けた。(写真1)コイツの効き具合も含めて試乗だ、と出かけたのが太さんたちのプチツーリングの日の午後。目的地はいつもの奥吉備街道、北房まで。今回は奥吉備街道40キロを全て走ることなく、途中の円城から街道に入る。北房までは25キロほどだ。途中でいろいろなことを試す。強めの加速でフロントサスが伸びるか、ブレーキングのあとのサスの動き、あるいはコーナー手前の段差の連続でのサスの動き、などなどどれも明らかによくなった。BMWのクランクは前からエンジンを見て時計方向に回転している。当然反動が車体に出てくる。BMWにまたがってアクセルをふかすと車体が右にぐらっとする。左コーナーでアクセルをあけると車体は起きようとするが、サスが伸びることによって路面をしっかりとらえる。右・左コーナーでアクセルオン・オフを使い分けながらの旋回が気持ちよくなった。現代のサスに及ぶべくもない(現代のバイクに乗らないので分からない)が、BMW本来の柔らかいがしっかりしたサスが戻ってきた。さらにブレンボディスク+ブレンボパッドもいい仕事をする。ガツンと効くことはないが、以前のソリッドディスク+EBCパッドに比べるとかなり改善された。でもディスクはすぐにキズだらけだ。(写真2)途中、満開の桜の下でパチリ。(写真3)勘違いと思い込みで回り道をした今回の修理だった。一車種を長く乗り続け、他のバイクを触ることが少ないことは、こんなところに落とし穴があるのだろうか。北房の道の駅で好物の揚煎餅を久しぶりに手に入れニコニコ、動きの戻ったサスにニコニコしながら帰路につく。本日の試乗170kmなり。(藤)写真1写真2写真3
2016.04.15
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フロントフォーク如きで一月も悩んでいるうちに太さんはクラブマンを完成させてしまった。さて、再び分解、リング7を取り外した。コイツが悪いのか、新品とどう違うのだと新旧を見比べる。(写真1 左新 右旧)切り欠きの大きさ以外に何かあるのか、と今度は拡大鏡を手に比較しているうちある違いに気がついた。このリングがインナーチューブ内側と摺動するか所、つまりリングの外側の形状だ。入っていたリング断面(写真2)、今回買った新リング断面(写真3)、新リングは少し丸い!これか!以前買って使うのをやめたリングも断面を見ると四角い。入っていたリングはこすれて摩耗し四角くなったのだろうか、分からない。確信はないが動きを改善するにはこれを交換するしかない、と分解作業を進める。一度ばらしてから日がたっていないので作業は慣れたもの。向きや順番を間違えないように慎重に組み立てる。また、ストップブッシュ2は入れる場所を変えてサスが伸びきったとき当たる位置に入れ直した。再度オイルを入れ、スプリングを入れない状態で伸縮してみる。おっ、明らかに以前と違う。最も縮めた位置でインナーチューブ上端を持ってぶら下げてみたら、以前はアウターチューブは引っ張らないと降りて来なかったが、今度は自然に静かに降りてくる。明らかにスムーズだ。縮めてみても以前よりは小さな力で縮む。これは良いかも、ともう一本も作業を行った。はやる心で組み付けるが最後の三つ叉、ピンチボルト締結はトルクレンチの出番だ。(写真4)(藤)写真1写真2写真3写真4
2016.04.14
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直ったかどうかは全て組み立て試乗してみないと分からない。組み立てた後車庫内でメインスタンドを外す。サスは数センチ下がるもののブレーキを握り車体を揺すってみるもやはり動きは渋い。近所を少し試乗してみてもやはり動きが悪い。このBMWは以前サイドカーをつけていたときもあり、強化スプリングが入っている。それが悪さをしているのだろうかとノーマルの柔らかいスプリングを試してみることにした。再びビーマーで注文するも純正は欠品。社外品だが純正よりもよい、と言うふれこみのスプリングがあるようでそれを手に入れた。スプリングは案外安い。BMWのスプリングはノーマル黄色、強化白のペイントが塗ってある。外したスプリングは白。手に入れたのは純正ではないので色は無し。(写真1)線材の太さは変わらないが、巻き方が違うようだ。早速組み付け前回と同じように車庫内で揺すってみるも多少柔らかくなったかな、と言う程度。試乗もしてみたがやはり動きは悪い。カタログをくれたBMWに長く乗っていた人に聞いても分からない。フジイに聞いてもモノに触らず電話だけではなかなか解決しない。ただ、この年代のサスはかなりいい加減なのでちょっとの組み立てミスが作動に悪影響は与えにくいらしい。さて、困った。通常フロントサスはブレーキをかけて車体が止まったあと伸びる。(我がBMWは伸びない)、壁などに軽く当てて縮んだ後伸びる。(同 伸びない)、また、BMWはシャフトドライブなので加速するとリヤサスはもちろんフロントサスも伸びるのだが、これが伸びない。コーナーは”伸びる”サスを利用し、加速状態で駆け抜けるのが鉄則だ。バンク角も深くとれるので伸びないサスはいただけない。分解図、ばらしたときの写真、記憶を基に縮んだときの図、伸びたときの図を描き、悩む事数日。図の13はパイプであり、図では分からないがあちこちに穴が開いている。9と14はスプリングで押され、フォークオイルの流れを一方方向に制限するバルブの役目をしている。頭の中だけではこのオイルの流れがなかかか理解できないのだが、バルブが悪さをしているとは思えない。車体を揺すったとき、サスの動き始めに引っかかりを感じる。もうこれはリング7に原因があるとしか思えない。(藤)写真1
2016.04.13
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フロントフォークオイルシールの打ち替えは難なく終わる。(写真1)ギャグに比べてあっけない。普通ここにはオイルシールが抜けないためにクリップが入っているのだが、BMWにはそれがない。従ってオイルシールの交換は簡単である。パーツリストの図を参考にインナーロッド13を組み立て、リング7を入れてインナーチューブ内側に入れるのだが、ここでプラスチック部品2を入れる場所に悩む。(図1)を見ると2はスプリングの下に入っているように見える。確かに2の内径はスプリングベアリング8の上部外径にぴったりだ。でも名前は「ストップブッシュ」。サスが最大伸びきったときはインナーチューブ下部、リング3の上部とインナーロッド13の太くなったところの下部が当たる。そのクッションと考えれば13のロッド部分に入れなければいけない。でもそれだとロッド13の外径はブッシュ2の内径に比べて細すぎてグサグサだ。悩みつつスプリングの下、スプリングベアリング8の上部に入れることにして組み立てた。インナーロッドを組み立て、リング7を注意深くインナーチューブに挿入、更にアウターチューブに組み付け、オイルを280cc注ぐ。スプリングは入れないで何度か伸ばしたり、縮めたりしても特にざらつきなどは感じられない。縮める力より伸ばす力の方がかなり大きい。ただ動き始めが少し引っかかる。他の正常なBMWのサスを知らない私は「こんなものか」。もう一本も同様の作業を行い左右の差は感じられない。(藤)写真1図1
2016.04.12
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フロントフォークを全てばらすとこんな部品から構成されている。(写真1)左上部3枚のピストンリング状部品が取り外したリングであり、その下部6枚が新品である。新旧リングをフリー状態で計測すると直径、厚み(摺動面と内側)とも変わりない。ということはすり減っていないということか。しかし合口の隙間は新品のほうが少ない。実は以前行った”作業ミス”のときも新品リングを用意していて、今回と同様のことを考えたのだがその時は実際組んでみたのである。すると合口の少なさ故インナーチューブ内径に対し、合口の少ないリングはどうにも固すぎてうまく入らなかったのである。そこであきらめて古いリングをそのまま組んだのである。今回、前回の失敗を思いつつも再度新品リングを6枚買いちょっと見比べただけで「前回購入リングと一緒か」と落胆しつつ、摩耗していないこともあって旧リングを再利用したのである。これがまたまたミスを招く。ちなみにサークリップの下にある大きめの黒いドーナツは、フルボトムしたときのクッションで、アウターチューブ最下部のキャップの内側に付く。(写真2)(藤)写真1写真2
2016.04.11
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一番中心にあるロッド13を抜き、部品を並べてみるとこんな感じだ。(写真1)左端に太くなった部分8があり、そこにピストンリング状の部品7が3枚重ねて入れられている。(写真2)以前組んだときに、この3枚の組み付け方を間違えたのかもしれない、と考えたのである。このリングはインナーチューブ内側のオイルを掻きおろすための部品であるが、サービスマニュアルには「この3枚のリングの切り欠きを揃えていれよ」とあった。それを読まず(英文だったので・・・)ピストンリングの常識で切り欠きを120度ずらして入れていたのである。切り欠き、というだけに揃えて入れると当然隙間ができる。ピストンリングには当然隙間はないほうがよい、という常識で組んだ間違いなのか、それが動きが悪い原因なのだろうか、こんなのが関係するだろうか、などなど考えを巡らしオーバーホールに至ったのである。4サイクルエンジンのピストンリングは動作中に回転する。いくら揃えて入れてもだんだんずれてくるはずだ。揃えることに意味はあるのだろうか。でもサービスマニュアルにわざわざ書いているのだからやってみよう。(藤)写真1写真2
2016.04.10
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いよいよフロントフォークの修理に取りかかる。R90/6のフロントフォーク内部はこんな部品から成り立っている。(図1)BMWR/5シリーズやBMWR/7シリーズの初期モデルもよく似た感じだ。このうち2,4,7,9,11(図1中の番号:以下同じ)を交換する。但し4と11は同じ部品でアルミ製。10はBMWR90/6には設定無し。また、分解して分かったのだが5は物理的に入らない。(3と3で挟まれた間が狭く、4と5両方を入れるのは不可能。)但し4と5はよく似た部品なので区別がつかない。日本のメーカーは必ずパーツ番号が印刷された袋に入ってくるが、BMWはそうとも限らないので困るときがある。必要であろう部品を取り寄せた。(写真1)プラスチックの部品を中心に交換し、オイルシールも交換しよう。まずはフォークを車体から取り外し万力に固定。ボトムケース下部の36ミリ巨大ナットを緩め外すと(写真2)インナーチューブの下部が現れる。ここにドーナツ状の特殊なリングが2個ねじ込まれている。これが3だ。緩めるためには特殊工具が必要なのだが、そんなものは持っていない。そこでステンレスの板をグラインダで削り工具を作って緩める。(写真3)(藤)図1写真1写真2写真3
2016.04.09
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2月29日ようやくホイールが返ってきた。ベアリングの具合は、と指をアクスルの穴に突っ込みぐりぐりしてみたら以前のようなゴリゴリ感は当然無い。少し重たい感じだがグリスのよく効いたねばっとした感じで回る。このあたりがベアリングに対するプリロードの与え具合なのだろう。フジイにはさらにもう一つ作業をお願いしておいた。BMWのフロントディスクブレーキははっきり言って効かない。特に濡れるとだめだ。当時のディスクブレーキ国産車も同じような効きだった。見た目も良いドリルドディスクだったら効きもよいかとお願いしておいたのである。フジイが見つけてくれたのはなんとブレンボ製。(写真1)この時代のローターをグリメカというメーカーが売っているのは知っていたがブレンボが作っているとは知らなかった。おまけにブレンボはアーテ製キャリパー用のディスクパッドまで作っていた。(写真2)到着の2-3日後に取り付け、少し乗ってみた。(写真3)今まで付いていたEBCのパッドはまだ新しいのでもったいないと思い、そのまま使ってみたら多少効くようになった程度、やはりブレンボのディスクにはブレンボのパッドがいいのだろうか、と悩みながらもう一つ、フロントサスの動きが直っていない。ワコーのオイルとは関係ないようだ。こうなるとフロントサスのオーバーホールが必要か、とパーツリストとにらめっこ。ゴム系やプラスチック系のパーツを拾い出す。注文は仙台のビーマーというお店だ。メールのやりとりの中で気になる注意書きを見つけた。それをもとにBMWの英文サービスマニュアルを丹念に読んだら、サスの固い理由はおそらくこれだろうという記述を見つけた。以前行った私の作業ミスだ、きっと。(藤)写真1写真2写真3
2016.03.11
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もう一つしておきたいことがあった。それはフロントフォークのオイル交換である。BMWのフロントサスはこれで大丈夫か、というくらい柔らかい。メインスタンドを下ろすと、それだけでかなり沈み込む。走っているとよく動くサスなのだが、最近動きが硬い。このオイルは数年前に替えているので、オイル自体の劣化はないと思われるのだが、オイルの粘度を下げたら柔らかくなるのかなと思い替えてみることにする。まずはフロントフォークを外す。これがなかなかとめんどくさい。ハンドルを外すために4個の13ミリナットをアッパーブラケット下のとても狭い空間で緩め、ハンドルを外す。(写真1)フロントフェンダーを外した後、フォーク最上部のナットカバーを緩める。このカバーはアルミ製で、上部に2つ穴が開いていて、この穴に車載工具である特殊工具をあてがい緩める。(写真2)その下にある36ミリの大きなナットを緩めるのだが、これが固く締まっており車載工具でなかなか緩まない。このナットは薄く工具が外れやすいので、慎重に行わないとナットの角を痛める。(写真3)最後にアンダーブラケットのピンチボルトを緩めてようやくフォークが下に抜ける。抜いたフォークは逆さにして1日置き、オイルを出し切った。新たなオイルはどれくらいの粘度がいいのかわからないが、今まで10番が入っていたと思い、もっと下げてみる。ワコーの01番を手に入れ01番400cc(無色透明)、10番200cc(ピンク色)を混ぜて片側280ccずつ入れる。(写真4)ワコーの缶には表が出ていて、これによると粘度は20位かな。(写真5)どのような動きになるかは走ってみないとわからない。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2016.02.17
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次は整流器。整流器はローターの上に付いている。三相交流発電機で発電された電気を直流に直すダイオードが組み込まれている。(写真1)これを純正ではないが新品互換品に交換する。(写真2)使われているダイオードは国産でノーマルに比べて大容量(許容電流値が大きい)という触れ込みだ。ネジ4本を外し、配線7本を差し替えるのだが、6本は簡単。残りの赤線1本を替えるためにかなりの部品を外さなければならない。(1本の線を交換するために、左右キャブレター、エアクリーナ、セルモーターカバーを外さなければならない。キャブを止めている片側5本のホースバンド、更に曲がったインシュレータを外し、キャブを外す。エアクリーナケースを左右に分割、ようやくセルモータカバーが外れる。赤線は何とここ、スタータマグネチックスイッチの端子につながっているのだ。(写真3)結線自体は至って簡単なのだが、分解、組み立てにそれなりの時間を要する。分解の時セルモータカバーの左右に付いていた「BMW R90/6」のエンブレムが接着剤の経年劣化によって外れてしまった。そこで両接着面をきれいにし、新しい接着剤で貼り直す。(写真4)カバーを取り付け(写真5)エアクリーナーエレメントも新品を組み込んだ。(写真6)ちなみに写真5のパイプ状の穴は、クランクケース内のブローバイを逃がす穴で、この中の弁がアイドリング時のいやな音を出している元である。分かっているのだがこの弁の強さが微妙で、強くしても弱くしてもエンジンが上手く回ってくれない。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5写真6
2016.02.15
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まずはレギュレター交換だ。BMWのレギュレターはガソリンタンクの下にある。前回写真で梁に吊されたBMWの前側ロープがフレームに引っかかったところの銀色の四角い箱がレギュレターだ。この時代のレギュレターは機械式で、リレーのような電磁石コイルで接点がくっついたり離れたり(実際は振動しているかんじ)してバッテリーに行く電流を制御している。これを互換性のあるICレギュレターに替えた。(写真1・右が新)ネジ2本とコネクターの抜き差しだけで高性能が得られる!?次は発電機を見て見る。数万キロ走ったBMWのブラシはどのようになっているのか、新品を用意してまずは確認。写真2の真ん中、丸い部分がクランク軸中心にセットされたフィールドコイルの接点。赤マジックでFと書かれたところの中にブラシが2本入り、螺旋状のスプリングでスリップリングに押さえつけられている。スプリングを外し、ブラシを取り出して長さを計ると16ミリ。新品は17ミリ(写真3)なのでほとんど減っていない。限界は長さ8ミリ以下なので今回は交換しなくて良さそうだ。(藤)写真1写真2写真3
2016.02.13
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昨年のタイヤ交換の時言われたベアリングのゴロゴロ。そろそろ交換せねば、と行動開始。どうせ寒いし、バイクに乗れないし。フジイに聞いてみるとそんなに時間はかからないようだが、なんとここにきてオイルシールが欠品、メーカーにも無いらしい。現物を見て合うシールを探すとのことでプラスアルファの時間が欲しい、とのことである。何とかなるだろうと前後タイヤを車体から取り外した。片側だけ取り外すことはあっても、両方いっぺんに取り外したことはない。どちらかに転ぶことが予想されるので車庫の梁にロープを掛けて車体を吊して取り外した。(写真1)以前太さんがリヤホイールはどうやって車体側とつながり、力を伝達しているのだろう、と言っていたので写真を撮ってみた。これが車体側。(写真2)ベベルギヤケースにスプラインが切ってあり、この外側に後ホイールのスプラインが入り込む。(写真3)90/6のリヤブレーキは普通のブレーキシューが外側に開くことによって作動するタイプ。このスプラインには薄くグリスを塗っておかないといけないが、多く塗ったり種類を間違えるとブレーキシューに付いてブレーキがきかなくなる。さてさてホイールはいつ帰ってくるだろう。それまでにいくつか部品を交換しておこう。まずはガソリンタンクキャップ。少し錆びが浮いていたので手持ちの新品と交換。さて次は・・・(藤)写真1写真2写真3
2016.02.12
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最近BMWのコーナリングでフロントに落ち着きが無い。妙にハンドルがうねるような動きをする。こんな時は・・・とフロントタイヤを見ると、ありゃ、スリップサインがでておる。12,000kmくらい走ったかな。(写真1)これはキケンと地元のバイク屋にフロントタイヤを発注したのが11日。メーカーはMETZELERだが、今度はPERFECT ME11にする。3.25-19だが、現代のタイヤと比べると 異様に細い。でも昔はこんなもんだった。リヤにいたっては4.00-18だ。注文の次の日には入荷していたのだが、雨降りや仕事の都合でようやく27日に交換となった。バイク屋は自宅から1kmほどの距離だ。BMWを店に入れると、既に居たお客が寄ってきて質問攻めにあう。こんな旧いバイクが走っているのが不思議なようだ。工具を借り、自分でフロントホイールを外す。店主はホイールをタイヤチェンジャーにセット、タイヤを外す。(写真2)何でも最近チェンジャーを新しくしたらしく、自分の使い勝手のいいように改良しているのだとか。タイヤを組み替えた後はバランスとりだ。(写真3)かなり偏りがあったらしく、リムにはバランスウエイトが少々多めに貼り付いた。バランスを取りながら店主が気になることをつぶやく。「藤さん、ベアリングがおかしいよ」何と、タイヤを揺すると少しゴリゴリした感じが手に伝わる。ひどい状態ではなさそうだが早めに交換した方が良さそうだ。またまた自分でホイールを組み(写真4)回してみると、先ほどのようなゴリゴリ感はあまり無い。10km程試乗し、ハンドルに落ち着きが戻ったことを確認して家に帰る。所有しているドイツ語のパーツリストでベアリングの品番をもとに、NTNのカタログと照らし合わせてみると、90/6には円すいころ軸受(NTNの表記)が4個(前後で2個ずつ、全て同一)使われていた。円すいころ軸受は扱いが少々難しい。2つのベアリングを向かい合わせにセットしてアクスルを締めるのだが、その締め具合でローラーに強い力が加わる。そのため中央にディスタンスカラーが入るのだが、これが0.05ミリ刻みで用意されていることが分かった。フォークにセットし、アクスルを締めて回すとゴリゴリ感が減少したのはそのせいか。ベアリングを交換することはできても、締め具合に合ったカラーを用意するのが難しいぞ。(藤)写真1写真2写真3写真4
2015.09.28
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私のBMW R90/6は昭和49年初年度登録。当時私は大学2年生。130万円もするBMWは当然買えるわけもなく、エエなぁとバイク雑誌を見ながらヨダレを垂らしながらHONDA CB125に乗っていた。社会に出てCB550Fを駆るも憧れのBMWは高値の花、垂涎の的。昭和57年、レッドバロンで8年落ちというちょい旧なBMWを発見、委託という販売形態ながら値段交渉。何とか払える金額に落ち着き銀行で借金して購入したのが今の90/6である。昭和61年、岡山へ帰ってきて近所に居たマニアと知り合う。そのマニアはBMWを乗り継ぎ、ピカピカのR100RSとニコバッカーフレームのK100を所有していた。R69SやR75、R90も所有していたらしく、BMWのツインキャブのバランス調整をドライバー1本でチョイチョイとこなす。大阪の代理店、服部モータース(今は無い)とも親しくいろいろなグッズも所有していた。その人が「当時物」として下さったのがこの6シリーズのカタログである。一つは4頁の簡略な物、もう一つは12頁の詳しい物である。私のR90/6は車体番号からごく初期型であると想像できた。このカタログを見るとそれが分かる。たとえばフロントフォークボトムのリブの形やシート、ハンドルのスイッチなどである。また、太グッチは純正車載工具が貧弱(失礼!)だが、BMWはタイヤレバーやシックネスゲージまで入っている豪華版である。中古で買うと車載工具は失われている場合があるが、私の90/6は失われていなかった。また、純正ガソリンタンクは少し細身で18L入りだが、私の90/6はオプションの物が付いていて、24L入りとばかり思っていたが22L入りであることが分かる。写真1は4頁カタログの表紙で、右からR90S、R75/6、R60/6。写真2はその裏頁で、R90Sと90/6の緒元が英語で記載してある。写真3は12頁カタログの表紙でR90/6だ。4頁カタログの緒元の90/6とは同じ車体と思われるが、微妙に撮影角度が違う。写真4は12頁カタログの10頁目で、ここに車載工具が写っている。BMWはこれだけの工具が標準で用意され、工具メーカーはHEYCO!だ。(藤)写真1写真2写真3写真4
2015.09.22
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最近空冷エンジンはめっぽう少なくなった。小排気量のスクーターに至るまで水冷エンジン採用が増えてきた。ましてや大排気量エンジンは水冷ばっかりだ。空冷エンジンは外気温や走行状態によってエンジン内の燃焼温度が上がったり下がったりすることが予想できる。そのため各クリアランスは(水冷に比べて)大きめにとっているはずだ。その反対に水冷エンジンは温度管理がやりやすく、クリアランスも小さめ、ひいてはエンジンの寿命にも影響するだろう。そんな情況だからガソリンの品質も水冷エンジンに適した、反対に空冷エンジンには厳しい状況らしい。具体的には燃焼温度が上がり、それに対応してプラグやエンジンオイルも選ばなければならない。90/6の標準プラグは6番だがこれでは低すぎるようだ。この度フジイでは7番のノーマルプラグを推薦してきた。イリジウムも良さそうだが、中心電極が細いため火花が一定の所にしか飛ばない。それよりも中心電極の太いノーマルプラグは、火花の飛ぶ位置が微妙に変わり、いい場合があるという。先日は新しい7番プラグで走って帰ってきたので外してみた。(写真1)左側が左シリンダである。右に比べて中心の碍子が黒い。混合気は以前より薄い方向でセットしたようなのだが。もう少しエンジンを回して、距離を走ってみなければ何ともいえない。(藤)写真1
2014.02.12
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変速操作は爪(シフトフォーク)が軸方向に動くことによってギアをスライドさせている。つま先の操作で行うのだが、ほとんどの国産車は爪が車体と直角方向に動く。ミッション軸が車体と平行なBMWは車体と同じ方向に動く。そのため爪を動かす機構がちょいと違う。写真1は以前分解したときのものだが、プレートの溝に爪の反対側が入っている。このプレートを変速操作で回転させることによって爪を平行移動させているのである。アウトプットシャフトの先端(出力側)は、220Nmの強いトルクで締められるのだが、それがオーバートルクで締められたため交換することになった、と以前書いた。そのネジ部分がこれである。(写真2)よく見るとネジ部分が少しけずられた感じだ。フランジを入れ、ナットを入れてまわしてみる。(写真3)普通だったら手で回して入っていくはずだが、変形しているためだろう、手では入っていかない。インパクトレンチなどで、ダダダダッと締めてしまうと良くないらしい。長めのエクステンションでじわっとトルクを掛けるのがよろしいようで。もちろんトルクレンチは必需品。それにしても写真3のフランジとアウトプットシャフトはテーパー状態で接合している。220Nmで締められているだけで、キーとか溝が無い。かなりの力で回るはずなのによく滑らないものだ。(藤)写真1写真2写真3
2014.02.11
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メインシャフトの斜めギアは、カウンターシャフト(写真1)の5速ギア(右端の一番大きな斜めギア)に常時かみ合っている。左に向かって3速、2速、4速、1速である。2速ギアは左右に出っ張り(ドッグ)があり左右に動く。出っ張りが隣のギアの穴(写真2)に入ったり、出たりしながら力の断続を行う。アウトプットシャフトにもギアが5枚あり(写真3)同じように出っ張りのあるギアで変速操作が行われる。このギアを左右に動かすのが爪だ。(写真4)この爪が3本、ギアの溝に入り右に左に複雑に動くのである。3本のシャフトに爪が入るとこうなる。(写真5)うううん、よくわからん。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2014.02.10
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さて、ミッションを見ていってみよう。写真1は交換されて戻ってきたミッションである。右からインプットシャフト、カウンターシャフト、アウトプットシャフトである。まず右端のインプットシャフトである。クラッチのセンターにはこのスプラインで接続されている。(写真2)クラッチは断続のため多少前後に動く。動きながら力を伝えるためこのスプライン上をスライドする。かなりの力がかかるはずである。このシャフトは以前バネが折れたときに交換していたが、今回も交換された。見た目は悪くないのだが・・・。右側にベアリングと斜めのギア(写真3)、そして凸凹が組み合わさっている。本来この左にはキックギアがある。斜めギアはシャフトに対してフリーで左に凸がある。その左の凹部品はシャフトとスプライン接合されている。実はこの凹型部品の左にはコイルバネがあり、右方向に強く押されて凸凹接合されているのである。角が丸いので変速時のショックを和らげる働きをする。シャフトの中心には穴が貫通していて(写真4)この穴の中を通った丸棒はクラッチのバネを押し、クラッチを断続するのである。BMWのクラッチは一般的なバイクの湿式多板式ではなく、車と同じ乾式単板式である。でも、最新のBMWは湿式多板式になったようだ。(藤)写真1写真2写真3写真4
2014.02.08
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今回の修理のメインはミッションであるが、醜くなったシート(写真1左右とも破れた)の張り替えも依頼しておいた。しばらくしてフジイから連絡があり、パーツとしてのシート表皮は手に入るということであった。しばらくしてまた電話があり、シート表皮は入っても張り替えの業者が廃業、職人がいないという。更に張り替えには古くなったスポンジ(つまりアンコ)が使えず、そこまで交換(パーツは無いので製作)すると元の形に戻らないという。さあ、困った。更に探すと純正ではないがシートそのものが社外パーツとして作られていた。張り替えよりは高いが致し方ない。無くなってからでは交換のしようがないので注文することにした。するとまたまた問題が。私の90/6は1974年新車登録だが、/6シリーズ自体は1973年後半から発売されていた。フレーム番号から想像すると200台目くらいの製造(R90/6は全世界で2万台くらい)で、6シリーズの初期型である。国産では想像できないが、使われているシートはなんと/5シリーズの終わりの物らしい。つまり、余っていたので使っちゃった、てなもんだろうか。幸いこのシートもあったので写真をやりとりしながら同じ形の物を買うことができた。取り付け金具などは同じなので簡単に取り替えができるかと思ったら、交換になんと丸一日かかったという。フジイから送られてきた写真には、リヤフェンダーとタイヤが外されていた。シート裏の取り付け金具の6本のネジがバカになっていて、ドリルでもんで外すのに工具が入らず、すべて外すことになり丸1日かかりながらも何とか交換することができたという。(写真2、3)このシート、金具から全部付いた状態のアッセンブリーで、無かったのはシート最後部の「R90/6」のオーナメントのみであった。(写真4は古シート、5は新シート)(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2014.02.07
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ついにBMWが帰ってきた。1月31日昼頃、バイク輸送の業者から岡山に着いたとの連絡があり、その日の夕方岡山まで引き取りに行ってきた。今回の修理はミッションのオーバーホールであるが、前回のエンジンオーバーホールから約8000km走行したこともあり、エンジンの調整も行った。タペットクリアランスは勿論、キャブレターの再調整も行った。そんな中で、メインジェットが交換され、混合気が薄くなる方向でのセッティングを行ったという。インテークの延長と共によりよい燃焼がなされるという。さて、走行にどのような変化が表れるのか楽しみである。1月とはいえ31日は比較的暖かい日であった。まずエンジンをかけ、暖機運転だ。CRキャブはチョークはついているが使わなくても比較的掛かりはいい。燃料コックを開け、キーをひねり、セルボタンを押すとすぐにエンジンが掛かる。冷えているためアイドリングはしないのでアクセルを少し開け気味にし、しばらく回すと低いながらもアイドリングを始める。運送会社の終業時間だったため、帰る社員がのぞき込み「静かだな」と声をかけてくる。この頃のBMWのエンジンは確かに静かだ。暖機運転中に身支度を調え、右ミラーを触ると根元がブラブラ、ネジが緩んでいる。また、クラッチレバーのホルダーも緩んでいるが近くのGSでガソリンを入れるときに工具を借りて直そう、と静かに走り出す。走り出してすぐにトルクの太さを感じる。クラッチの穏やかな接続と相まって優しい運転が可能である。また、肝心のミッションはとても柔らかい。元々BMWのミッションは少し気を遣う。回転を合わせてやるとスッと入るのだが、乱暴に行うとガラガラ、ガッチャンとなる。基本的に変わりはないが操作が柔らかい、これまた絶妙な仕上がりである。写真は岡山の運送店で受け取った直後のBMWである。写真で分かるかな、シートがきれいである。そう、新品のシートが手に入ったのである。この話は次回。(藤)
2014.02.06
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パーツにはそれぞれ”馴染み”があり、アウトプットシャフトだけ新品にするのはよろしくないらしい。とはいえミッションのギア、シャフトを全部新品にすると恐ろしい金額になる。そこらはフジイさんがうまくやってくれた。(写真1)左からインプットシャフト、カウンターシャフト、アウトプットシャフトである。これを組むにはミッションケース内で前後方向の動きを規制するシムが必要だ。これも専門店でないと各種厚みを用意しておくことができない。以前プラグが真っ黒というブログを書いたとき、オカメの中でオイルが滲んでいる部分があった。その時は掃除してフタを閉めたのだが、このオイル漏れの箇所が気になり確かめてもらった。するとそれはカムシャフトの前側のオイルシールからだった。ここにはポイントと進角のガバナーがついている。それをベースごと取り払ったのがこの写真。(写真2)このオールシールの入手に苦労したようだが、何とか手に入れ前側から交換できたという。1981年以降のフラットツインエンジンは、ポイント式点火から電子式のトリガーに変わり、この部分は大きく変わった。前回のオーバーホール以後8000kmほど走行したので、バルブクリアランスやキャブ調整もしてほぼ完成したという。私は年末年始は忙しいので取りに行くことができない。都合で1月下旬まで預かってもらって暇になってから取りに行こう。今回埼玉まで取りに行くのではない。岡山デポまで輸送業者に送ってもらうつもりで、岡山まで取りに行くのである。(藤)写真1写真2
2013.12.23
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10月21日に我が家を出発したBMWは10日ほどで埼玉県のフジイに到着。ミッションを降ろし修理にかかる。BMWの別体ミッションはエンジンをフレームから降ろすことなくミッションのみ降ろすことができる。シャフトドライブなのでミッションアウトプットシャフトとプロペラシャフトはユニバーサルジョイントで連結されている。連結に使用されている4本の10ミリボルトは再利用禁止だ。規定トルクで締めたら多少変形するのだろう。ミッションアウトプットシャフトに取り付けられたフランジの中心にある大きな24ミリナットは220Nmという強いトルクで締められている。これを緩めるにはフランジを固定する特殊工具が必要だ。フジイから来たメールにはこのナットがオーバートルクで締められていたという。早い話がアウトプットシャフトのねじ部分がオーバートルクで変形し、再利用できないらしい。(写真1)ちなみに斜めに刻まれたギアはスピードメーター取り出しのギア。一般的なバイクは前輪のアクスルシャフトにこのギアがある。太さんの摩耗したプラスチックギアと同じ働きをする。早速当初予想以外の余計な部品、作業が必要となる。このアウトプットシャフト、新品はかなり高価である。また、ミッションのフタを開けるのも温度差を利用した開け方をしないと開かない。問題の2速固定変速不能の原因はこれだ。(写真2)指で持っているのが折れたバネである。下側のパーツに爪があり、その爪をカムに押さえつけているのがこのバネである。エラそうに書いているけど作業を行っているのは私ではない。こんな難しい修理、私にできるわけがない。(写真はフジイから送られてきたもの)(藤)写真1写真2
2013.12.21
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仙台のビーマーというところに注文していた新しいパッドが手に入った。社外品である(写真1)アーテのパッドは面白い形をしている。(写真2)は普通の形であるが、90度ひねってみると、パッドが斜めになっている。(写真3)斜めは内側、外側両方共で前回キャリパーが面白い動きをする、と書いたがこの形が関係しているのである。斜め同士がディスクを挟んで合わさり、ディスクに対しては均一に当たる。パッドの裏にグリスを少量塗布しキャリパーに付けるのは簡単だ。キャリパーを左フロントフォーク下部にセットし、グリスを塗布したシャフトを下から差し込む。このシャフトをよくながめてみると太い部分と細い部分があり、さらに”偏芯”しているのが分かるだろうか。(写真4)前回の(写真5)に見える切り欠きにマイナスドライバを当て、少し回すと偏芯している分、キャリパーが前後、左右に少し動くのである。斜めになったパッド全面がきれいにディスクに当たるように回す。最後にもとのネジを締める。このネジの内側にはコイルバネが付いていて偏芯ピンを押すようになっているので、シャフトが回ることはない。(藤)写真1写真2写真3写真4写真5
2013.10.25
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BMWを押しているときどうも重たい。フロントを持ち上げて車輪を回してみるとホントに重たい。ブレーキを引きずっているみたいだ。ライトを当ててブレーキパッドを見て見るとなんかおかしい。ブレーキパッドが山なりに反っているみたいだ。この時代のBMWはアーテというメーカーのキャリパーだ。これがまた面白い動きをする。左フロントフォークを下から見てみるとこんな感じ。(写真1)真ん中の六角ナットを外すと中にシャフトの端が見え、切り欠きが見える。(写真2)このシャフトは止まっていないのでそのまま引っ張ると抜ける。するとキャリパーがフロントフォークから外れ、パッドも簡単に外れる。パッドを見て驚いた。バッドがガタガタである。ひどく欠けた感じのパッドが外側、比較的きれいなのが内側である。(写真3)二つを合わせてみると外側パッドが反っている!(写真4)ブレーキの引きずりはこのためである。おまけにひび割れみたいな情況で、爪でひっかくと剥がれる。こんなこわれ方のパッドは初めて見た。(藤)写真1写真2写真3写真4
2013.10.24
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夏の笏取りツーリングで壊れたミッションを修理すべく、重い腰を上げねばなるまい。ミッションは2速に固定された状態である。変速操作をしたときに動く”爪”を押しているバネが折れている症状だ。このバネ、以前にも一度折れた。その時は3速に固定され、場所は総社であった。3速ならばなんとか高速を走ることができる。30kmほどの道のりをゆっくり帰ってきた。帰ってきてから某ディーラーに電話、私、「こういう車種のかくかくしかじかの症状、直せますかね」、ディーラー「直してお返しする自信がありません」なぬ、ディーラーが直せぬと!すったもんだで行きつけの某自動車屋さんで直してもらったのである。同じ箇所が1万kmほどで壊れた。このバネは当たり外れがあるそうで、早く折れたらハズレで気の毒。当然ハズレで今回は2速固定、高速は走れないので下道150kmを時速45kmで帰ってきた。国産車では考えられない故障であるが今回は藤井さんにお願いする事にした。部品代200円、工賃、往復運賃でトホホの出費であるが、藤井さんの技術できちんと直ってくることだろう。特殊工具を使い、温度差を利用した分解、組み立て、シム調整などしろーとにはできない。めったに開けることのない箇所なので、ついでに他のバネやベアリングなども換えておいたら安心だ。埼玉まで送るのでBASというバイク輸送専門の運送屋にお願いする。HPをながめていると私の所属するある団体の会員だと1割引きだそうだ。岡山市の手前にデポがあり、持っていけばいいのだが軽トラックに積むにもクラッチを握って200kgを押し上げる自信がない。こかしたらそれこそ大出費だ。少し高くなるが取りに来てもらった。19日の朝、トラックに積み込まれ自宅を出発する。岡山を出るのは22日の火曜日だそうだ。藤井さんには修理中の写真を撮っておいてくれるよう頼んでおいた。藤井さんの都合によるけどいずれ続きが書けるかな。(藤)トラックに積まれたBMW R90/6
2013.10.22
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38年経つBMW、エンジン機械部分はオーバーホールしたけど電気関係にいささか不安を持つ。そこで電気関係のパーツを仕入れておこうと考えた。不安なのはイグニッションコイル、ダイオード、レギュレターなどだ。仙台にあるビーマーという会社のHPにあったので注文してみた。ついでに少し幅広で高さのあるハンドルバーも買う。(写真1)年をとってくると短く低いハンドルだと取り回しと乗車姿勢がきつくなってくる。このハンドルバーだといいかな。ついでにグリップゴムも手に入れる。イグニッションコイル(写真2)ノーマルは1気筒1つだが、これは1個で2気筒分、発生電圧も高い、という触れ込み。左上からコンデンサ、カーボンブラシスプリング、発電機のカーボンブラシ、左下はステアリングダンパー下のブッシュ、右はガバナースプリングだ。(写真3)コンデンサがいかれると火花が飛ばなくなる。ブラシは減ると発電しなくなるし、ガバナースプリングがへたると進角が変になる。最後にダイオードボード(整流器)とレギュレター(写真4)これが一番心配。このダイオード自体は国産品という。レギュレターはノーマルより小さい。ノーマルは機械式だが、コイツは電子式かな。いずれも壊れると充電しなくなる。津往復の前にグリップゴムとブッシュを交換して、ハンドルバー以外は持参して出かけた。幸い途中で修理屋を開店することなく帰ってくる事ができた。様子を見ながらぼつぼつ替えていこう。(藤)写真1写真2写真3写真4
2012.09.02
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以前予備のプラグを、と思いフジイが付けたIRITOP8というプラグを探したが手に入れることができなかった。そこで同じイリジウムシリーズのIRIDIUM BPR7EIXとBPR8EIXをそれぞれ2本買っておいた。この2本、ネジ部分は同じだがIRITOPは細身のプラグ、BPRは普通に太い。このうち7番を付け、再び早朝試乗に出かけた。明日までは天気が良さそうであるが、その後は曇りがちの天気となる予報である。ぼちぼち梅雨に入ろうかという頃、梅雨に入ればバイクに乗れる日は少なくなる。今日のコースは岡山ICから奥吉備街道へ、北房ICから高速で帰路へという距離的に高速が多い道である。奥吉備街道は岡山県内をほぼ東西に走り、アップダウンとコーナーが続く快走路、40kmの間に信号が2つしかない。今まで何度往復したことだろう。朝5時半に出発するつもりが少し寝過ぎて家を出たのが5時50分だった。果たして、新しいプラグの威力や如何に、といってもそんなに劇的に変わるわけもなく快調なエンジン音を響かせ、黒煙を吐くことなく奥吉備街道を気持ちよく走る。北房から高速での帰り道、エンジンがボコボコいいだした。前回ガソリンを入れてから320km走行の頃である。BMWのタンクは24L入り、残り6Lが予備である。以前よりは少し燃費が向上したかな、と思いつつコックをリザーブに替える。エンジンは再びブイーーンと回りだし無事帰着、ガソリンスタンドへ直行する。355km走行し20.1L給油、気になる燃費は17.7km/Lと出た。ニードル位置を下げてガソリンを絞ったけれど、思ったほど燃費は向上しない。気になるのはプラグの焼け具合。で、外してみると(写真1)の通りである。右のプラグが右シリンダ。新品プラグだからあまり汚れていないけど、やはり右シリンダの方が焼けがいいようだ。早朝プチツーは電話などに邪魔されることがなく気持ちよく走れる。ナンダカンダで5月はひと月1,000kmも走ってしまった。写真1
2012.06.01
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2日前の夜、気になって外したプラグがこれである。(写真1)ツーリングから帰ってきたあとで、黒い排気ガスと同じくプラグは左右とも真っ黒だ。CRキャブのニードルクリップ位置を左右とも上から2段目に替え、送られる混合気が薄くなったはずである。薄くなればくすぶりも解消しプラグの焼けも改善されるはずだ、と20kmの試乗から帰って外したプラグがこれである。(写真2)左のプラグが右シリンダである。わずかに右プラグが焼けている。試乗距離が少ないのでわかりにくい。さて、今日は早朝に試乗に出かけることにした。先日とほぼ同じコースをとったが、高速の割合を少し増やし、高速・下道半々くらいだった。5時半に出発、高速に入り帰ってきたのが7時45分、2時間15分で150kmを走ってきた。アクセルのツキは以前とあまり変わることはなく、快調に走ることができた。途中何度か急加速を試みる。急加速しながらバックミラーで排気ガスの情況を見る。車体にしがみつき前方も見なければいけないし、ミラーをじっと見つめることができない。あまり気にすることのないレベルだろうと思われた。まあ、黒煙は大丈夫だろうと早朝の冷気の中を快調に走る。3,000回転以下はトルクも少ないしエンジンがぎくしゃくするので、気持ちの良い3,500~4,500を多用して走る。しかし混合気が薄くなっているはずなのでエンジン音や振動に気を配りながら走る。今日の吉備高原はうっすらとした霧がかかり、まことに気持ちがよい。エンジン音や振動に大きな変化は感じられず2時間の試乗はあっという間に終わる。帰ってきてから早速プラグを外してみる。(写真3)今度は右のプラグが右シリンダだ。前回よりかなり改善したが、やはり左右プラグで少し焼け具合が違う。右の方がいいかんじだけど、もう少し焼けてもいいかなと思われる。あとはプラグの番手を下げてみるか。今8番が付いているけど7番にしてみたらどうなるだろう。写真1写真2写真3
2012.05.31
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次はCRキャブだ。CRキャブをばらすのは初めてである。通常ジェットニードルはキャブのピストンを外さなければ取れない。ピストンを外そうと左キャブのフタを外してみた。(写真1)おや、ニードルのクリップが見える。ストッパーをずらしニードルをピンセットでつまみ持ち上げるとあっさり出てきた。(写真2)長い!定規を当てるのを忘れたが10cmくらいはありそうだ。ピストンは外す必要がない。これなら簡単にニードルの位置を変えることができる。クリップを確認する。目の薄くなったオッサンには溝が見えにくい。目を凝らして見るとクリップを留める溝は7カ所あった。真ん中の上から4番目の溝で止まっていた。これを1段あげろってことか。目をこすりながらクリップを上げて上から3段目で留める。さて次は右のキャブだ。同じようにニードルを引っ張り出すと、あれ、上から3段目で止まってる。何で左右違うのだろう。セッティングでわざとこうしたのだろうか。悩みながら1段上げて、上から2段目にして組み込んだ。(写真3)左のクリップも右に合わせてさらに1段上げた。キャブのフタをしてエンジンをかけてみる。調子は良さそうであるが走ってみないと分からない。そこで夜ではあったが試乗に出かけた。遠出はできないが20kmほど回転を上げ気味に走ってみた。急加速で最初のころは黒煙を吐いていたが、次第に薄くなったような気がする。後方の車が照らすヘッドランプに映る排気がそのように見えたのである。帰ってきてプラグを外してみた。距離が短いのですぐには分からないが、少し焼けたようなプラグになっていた。いずれ高速を200kmほど走ってみよう。燃費も改善されるかもしれない。写真1写真2写真3
2012.05.30
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先日のツーリングの時、後を走るドカ氏が「急加速時BMWのマフラーからディーゼル並に黒煙を吐く」と言われた。帰ってプラグを外してみると真っ黒だった。走っているときにかぶるような状態ではないので何か他に原因があるのかと、修理したフジイにメールして尋ねてみた。フジイの返事は、1,点火時期の確認。2,キャブのニードルを1段あげて混合気を薄くしてみる、だった。そこで先日作業をしてみた。まず、点火時期である。めったに出番のないタイミングライトを取り出し、あてがってエンジンをかける。ン、何かおかしい。点火時期ではなくて、タイミングライトの動作がおかしい。いろいろやってみるけど時々しか発光しない。なんせかれこれ30年前のライトである。そろそろ寿命か。しかたなく原始的方法をとることにした。まず、オカメと言われる電装パーツを覆っているカバー(クランクケース先端のカバー)を外す。(写真1)上に見えるのがクランクシャフト先端に付いたオルタネータ。その下がカムシャフト先端に付いた進角装置。(写真2)ポイントはこの進角装置の奥にある。気になるのは周辺にオイルが付いていることだ。どこから漏れたのだろう。クランクシャフトのオイルシールからだと大事だ。プラグも外し、キャップを付けてシリンダの上に置く。スイッチをONにしクランクの先端にヘキサゴンレンチを付けて静かに回す。クランクケース左にある小穴のフタを取り、奥に見えるSマークを探す。Sマーク上の-印が小穴の真ん中に来たときが点火時期。果たして…プラグにパチンと火花が飛ぶ。ということは点火時期は合っている。ついでにポイントギャップを磨き、周辺のオイル汚れをクリーナで流してオカメを閉じる。その時オカメの内側に73の鋳込み発見。(写真3)このBMWは1974年型だから、その前年に作られた部品だ。BMWの部品には製造年の鋳込みがある部品が多い。写真1写真2写真3
2012.05.29
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修理レポートも最終回となった。休もうと思っていた桂川をぶっ飛ばしてしまったからには何とか寝ないで名塩SAまでたどり着かねばならない。気力を振り絞って、睡魔と戦い、アクセルをガバッと開けたら危ないのでそこそこ開け、一人だからわかるまいと大声で歌を歌いながら名塩を目指す。吹田JCは眠い中でも間違えずに通過し中国道に入った。あと少し、この坂を上ると名塩だぁーーーっ。今度は進入路に入ることができた。バイクを止めると03:37、53,932km、多賀から120kmだった。とにかく横にならなければ・・・もう恥も外聞もなくそこらのベンチに倒れ込む。うーーん、頭が沈んでベンチの板が痛い。枕がほしい、この期に及んで枕かいな。何かないかな、そうだ雨具の入った袋を枕に、と、取り出して頭の下に敷いたとたん・・・寝てしまっていた。目が覚めたのは5時前、東の空が白んでいた。1時間ちょっと寝てしまった。久しぶりの野宿だった。身につけていた物で無くなった物はないようでちょっと安心。夢遊病者のようにトイレに行き、眠気覚ましに持参した歯ブラシで歯を磨き、冷水で顔を洗う。睡眠時間は足りないが思いっきり寝たあとの目覚めのようだった。多少ボーッとしているが、少しおなかもすいたのでパンをかじりながら熱いコーヒーをすする。目も覚めたので岡山を目指して出発。あと180km程だ。神戸JCから山陽道に入る。高速道路には「キロポスト」というのが道路端に100m毎に記されている。早島JCの横には150kmのポストがあり、神戸JCからの距離を示している。降りるICはその先20kmである。最後の休憩をとるため龍野SAに入る。06:05、54,013kmだった。内津峠PAでガソリンを入れてからここまで287km走行した。まだリザーブにならないけど、残りのガソリンはあと9L位だろうと予想ができる。龍野から我が家までちょうど100kmである。給油せずに我が家まで帰れそうである。ここまで故障せずに帰ってきた。あと100km故障しないでくれ、と祈りつつ出発する。このあたりは走り慣れた高速道路、無理をせずに90km/hから100km/h位で流す。これくらいのスピードが一番疲れないし、エンジンも快適である。そうこうするうちに早島JCから瀬戸中央道へ、我が家はもうすぐだ。07:50児島ICをETCで通過、高速代は2,300円+250円だった。到着が土曜日だったので上限1,000円の恩恵を受け、高速代がやすくついた。すぐに近くの行きつけのGSで給油、オドメーターは54,112kmで21.4L入った。内津峠から385km走行していたので18km/lということになる。金曜日の夕方埼玉を出てからここまで14時間、766km走行し人車とも故障無く、新聞記事にもなることなく無事に帰ってきた。我ながら驚異的である。他人的にはアホである。50歳半ばのオッサンが夜通し埼玉から岡山までバイクで走るという無謀なチャレンジはあっけなく幕を閉じた。BMWの丸いシリンダヘッドをなでなでして車庫に納め、家に帰り女房にあきれられたのは言うまでもない。この後昼までフトンとお友達であった。岡山へ向けて最後の休憩地、山陽自動車道、龍野SAにて。時刻は午前6時過ぎ・・・
2010.12.28
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BMWの運転姿勢は上体を少し伏せ上目がちに路面を見るような姿勢である。背筋を伸ばし、肘を伸ばし気味に乗る。しばらく運転すると首の後が痛くなる。BM乗りは皆同じことを言う。ヘルメットの重さのせいもあるので、ヘルメットは買い換えるたびに軽いものを選ぶようになった。学生の頃持っていたBELLのフルフェイスは、今考えるととんでもなく重いヘルメットだった。また、おしりが痛くなるのは体重のせい。痩せていた頃はおしりが痛くなることはなかった。しかし今回どちらも痛くならない。バイクの調子良さのせいだけでは説明がつきそうにないが、とにかく痛くならない。内津峠PAを出発する頃はすでに日が変わっていた。さすがに眠たくなってくる。若い頃は一晩寝ずに走ってもどうってことなかったがこの年になると12時過ぎはおねんねの時間である。たまらず養老SAに入ってしまった。00:34、内津峠からわずか50km、53,776kmである。悪い癖で、車をとめ少し寝ようか、と横になっても寝られない。多賀SAまでいけば風呂にも入れるし、横になれるだろうとわずかの休憩で出発。多賀までは30kmくらいだろう。程なく多賀SAに到着。01:13、53,812kmだった。エエーっと、風呂はどこだ、多賀SAは設備の改装中でわかりにくいが、探し回ってようやく「ホテル」を発見。なんと多賀SAの中にホテルがあるのだ。風呂があり仮眠が取れることは知っていたが、それがホテルだとは知らなかった。とにかくフロントで話をしてみた。すると風呂には入れるが、ホテルの客室も仮眠室も満室だという。寝るのはあきらめざるをえないが、風呂に入ってゆっくりしようと聞くと、「タオル200円(買い取り)」「バスタオル50円(貸し付け)」「入浴料735円」だという。これならタオルを持ってくればよかった、と思いつつ、なくては入れないのでお金を払い浴場へ。あまり大きくはないし、そんなにきれいでもなかったが、それでも薄汚れた顔を洗い、体を温めることができることはありがたい。湯船に長めにつかり今までの疲れを癒す。風呂から上がりちょこっと仮眠室を覗いた。真っ暗だけどすやすやと気持ちよさそうな寝息がたくさん。くやしい~っ、と思いつつ外に出てどこか眠れそうなところを探す。9月初旬は夜中でもそんなに寒くはなく、横になれるところはベンチ程度しかないが、風呂に入って眠気が覚めたら・・・寝られない!それでも1時間くらいゴロゴロ。仕方ないので出発するか、と走り始めてしばらくすると・・・眠い。さっきは寝られなかったではないか、と我慢しつつ走るがどうにも我慢できなくなってきた。どこかでバイクを止めよう、と探す。すでに滋賀県を過ぎ京都府に入っていた。そうだ桂川PAがある。これを過ぎるともう当分ないなぁ、と考えつつ走る。しかし眠たい、そう、すでに時刻は3時近いのである。いつもだったら夜中の12時を過ぎると夢の中にいるおじさんが、寝ないで3時頃まで運転しているのだから眠くなるのは当然。ぼつぼつ危険!と思われる状態になってきた。止まろう、止まろう、ウトウト、止まろう、ウトウト、桂川PAはまだか・・と思った瞬間、左側に桂川PAの進入路が・・・わぁーっ、通過してしまったぁぁぁ。いかん、やばい、この先止まれるところは、桜井PAは無くなったし、吹田SAは吹田JCの向こうだし、中国道に入ったら…、と考えを巡らせ答えは、な・じ・お。名塩SAは遠いぞ。トホホ。夜間走行に備え、車体後部とヘルメットには夜行テープを貼った。後方からライトで照らすとかなり目立つ。
2010.12.16
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少なめの腹ごしらえを終え藤野PAを出発する。何だか長い名前のアクセレーターアシスタントマットというアクセルグリップに取り付けた品は、長い時間一定スピードで走行するには都合が良い。一部の車やバイクにはオートクルーズなるものが付いている場合がある。そこまではいかなくてもなかなか便利だ。アクセルをずっとひねっておくと手首が痛くなるときがあり、その点、これは手のひらで押しているだけなのでらくちん。ただシビアなアクセル操作には向かない。峠道などではやめた方がいい。今回はずっと高速なので大変お世話になりました。そうこうしているうちに諏訪湖SAに到着。21:15 53,569kmだった。昼間なら諏訪湖が一望でき、すばらしい景色なのだが真っ暗ではどうにもならない。かつてHONDA CB550Fに乗っていたとき(90/6を手に入れる前だから30年くらい前かな)松本の友人を訪ねて何度か中央道を走ったことがある。そのときは伊北ICで中央道を降りて松本に向かっていたので、伊北ICから東京間はバイクで走ったことがない。山並みを堪能することができなかったのは残念だが、90/6の調子良さに浮かれて楽しいことこの上ない。まるで恋人とデートしてるようなものである。暑かった東京に比べさすがにここまで来ると涼しい。バイクは体がむき出しなので危ない反面自然を体で感じることができる。暑い、寒いの微妙な温度変化や湿度も感じる。しかしいやなのは雨である。今回雨具の用意はしているが使うことはないだろう。ここから中央道は名古屋に向かって下り、体感気温も上がっていくことだろう。何か大回りをしているように感じるが、距離的には東名と中央道はあまり変わらないようだ。事前に調べてみたが、中央道が4kmほど遠いだけ。それよりも新名神を行く方がずいぶん近いようだが、多賀SAに寄らなければならないので、新名神を走るわけにはいかない。恵那峡SAに着く前にガソリンがリザーブに替わった。長い恵那山トンネルを走りながら考える。あと6リットルか、このバイクはここまで310キロくらい走っている、とすると310km÷18Lで、えーーーっと17km/Lか、などと暗算をしながら走る。恵那峡SAでガソリンを入れるべきか次の内津峠PAまでいくことができるかなどと考えながら23:00 恵那峡SAに着く。53,684kmだった。トイレを済ませ地図を見ると内津峠PAまではあと50キロほど。3Lあれば行ける、ええいいってまえっ、と出発。内津峠PAに23:58に着いた。 53,726kmだった。トリップメーター379kmでガス補給。21,6L 給油した。残り2.4Lだった。計算すると17.5km/lということになる。燃費はもう少し良くても良いかなーと思いつつ、まあよく走るし気分も良いからいっかー。この時間になるとさすがに少し眠たい。おまけに疲れも感じ始める。でもBMW特有の首の後が痛くなることがない。お尻もそんなに痛くない。なんでかなー?。恵那峡SAにて。真っ暗だし、バイクだけではどこで撮影したかわからない・・・。
2010.12.15
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さて、ようやく出発である。今年の夏はことのほか暑かった。9月に入ってもまだ涼しくなる気配は少なく、汗をかいている頭にヘルメットをかぶり、グローブをつけ90/6に跨る。シールドを下ろしクラッチを握る。静かに1速に・・・とはならずガッチャン、現代のバイクよりは変速ショックが大きい。フジイのスタッフにお礼を言い、静かにクラッチを放す。この時17:49、積算距離は53,346km。スムーズなエンジン回転に合わせスルスルと走り始める。このトルク感がたまらん、と内心ニヤニヤしながら教えてもらった近くのガソリンスタンドにすぐに到着。ハイオクガソリンを満タンにする。16.6L入り、トリップメーターを0にする。この90/6のガソリンタンクは24L入り、予備は約6Lである。本当は4Lなのだが、以前ガソリンコックが壊れ純正を引くも欠品。仕方なく比較的新しい年式のコックを手に入れたが、どうも正規用のパイプが長く、残り4Lにならない。もう少し切って短くすると4Lになりそうだがその加減が難しそうであり、そのままになっている。満タン時の積算距離は53,347kmであった。休憩のたびに時間と距離とを記録しておきたいが、メモに書くのも面倒なので止まるとすぐにメーターの積算距離を自分のパソコン宛にメールすることにした。すると時間は自動的に記録されるので考えなくていい。スタンドを出発する直前に距離をメールしておいた。18:00ちょうどだった。ついでに女房の携帯にもメールしておく。「これから出発するぞ」すぐに返事が返ってきた。「ゆっくりしていたんだね」そう、GSの分解を興味深く見ていたもので・・・。(女にはワカルマイ!)再び90/6に跨り高速入り口を目指す。東京外環自動車道、川口ICはすぐに見つかりETCゲートをくぐる。さあこの先高速を降りるのは遙か750キロ先、バイクが壊れるか、体が壊れるか、何が起きるか分からない、と多少不安を覚えながら加速。エンジンの機械部分は大丈夫でも一抹の不安を覚えるのは電気関係。発電機、ダイオード、レギュレター、コイル、当たりまえながらすべて36年選手である。点検しているとはいえ、点検時良くても何時壊れるかは神のみぞ知る。その時はその時さ、とあきらめましょ。あっという間に100km/h、3700回転。いい加速だねー。絶妙なるバランスの左右ピストンは荒ぶることなく仕事を行い、フライホイールはその挙動を乱すことなく定速回転を続ける。大泉JCから関越自動車道に入り、鶴ヶ島JCから首都圏中央連絡自動車道、八王子JCから中央自動車道へと教えてもらったとおり、間違えずに走ることができた。あまり無理をせずに100km程度走る毎に休憩しようと思い19:10藤野PAに滑り込む(53,439km)。この頃には日は暮れライトを点けての走行になっていた。ここはパーキングなのにコンビニだった。コンビニ内をウロウロしていると、何と娘が集めている「ご当地グッズ」が大量にあるではないか。関東地方の6県分程を買い込んだ。お腹もすいたので軽い食事を摂る。このパーキングはダイオードのイルミネーションがしてあり、ちょいと参考になるかと写真を撮っておいた。近頃のデジタルカメラは暗くても良く撮れる。どこまで眠らずに走ることができるかわからないが、一応名神多賀SAで仮眠をとろうと決めていた。多賀には風呂と仮眠施設があるらしい。今まで利用したことはなく、初めて利用してみよう、と考えつつ出発。藤野パーキングエリアのイルミネーション
2010.11.17
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