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【送料無料】あの日、僕は旅に出た [ 蔵前仁一 ]私:この本は、著者が1982年、26歳でインドに行くところから始まり、50歳代半ばまでの人生の記録だね。 350頁の厚い本だが、読んでいくうちに「こういう人生もあるのか」と興味をもったね。 3分の2ほどは、面白く読んだ。 後の3分の1は旅の本の出版業の話になり、これは面白くなかったね。 世界を旅する本だが、カネはあまりないがヒマだけあるタイプの一人旅が中心だね。A氏:いわゆる「バックパッカー」だね。私:俺はその言葉を初めてこの本で知ったね。 一人で世界各国を渡り歩くだけでなく、やすい宿で泊り、1年とか2年とかかけて旅行するんだね。 この本には、著者が外国の安宿であった日本のいろいろな「バックパッカー」の話を書いているが、その多様さには驚くね。 サハラ砂漠を歩いて横断した人もいる。A氏:旅費はどうやって稼ぐのだろうね。私:一旦、日本に帰って日本で仕事して金を貯める。 基本的に円高だから、外国、特に新興国では楽に長期間の旅行ができる。 こういう人生の送り方もあるんだね。 別な世界が開けた感じで良い読書になった。 もともと著者はグラフィック・デザイナー兼イラストレーターが本職だった。 後に、自分の旅の経験談や「バックパッカー」たちの経験談を雑誌「旅行人」に掲載したり、出版社を作り出版もしたりしきた. 旅の著書も多数出版している。 この本では、著者がいろいろな「バックパッカー」を紹介し、その本を出しているが、それらの本が読みたくなったね。 名前だけ記録しておく。 さいとう夫婦、おがわかずよし、岡崎大五、田中真知、宮田珠己、石井光太 「さいとう夫婦」というのは、夫婦2人のペンネームだね。A氏:図書館の著者名検索で予約出来るね。私:とりあえず、著者が 「読んでいると笑いが止まらず、メチャメチャおかしい。これはすごい書き手だ」 という宮田珠己氏の「旅の理不尽」を図書館に予約した。 3年前発行の本だから、すぐに借りられるだろう。 この本の図書館の要旨は次のようにある。 「真面目なサラリーマンだった著者が、有給休暇を使い果たして旅したアジア各地の脱力系エピソード満載の爆笑体験記。 若き宮田青年は、数々の失態を繰り返しながら旅の醍醐味と人生のほろ苦さを学んでゆく。 誰もが経験するような旅の日常を、誰も追随できない独特の感性と文体で綴る鮮烈な処女作!エッセイスト・タマキングの底力を感じる一冊」
2013.11.30
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私:この朝日新聞記事の「岐路の核燃料サイクル」の連載は今日で最後だね。 今日の見出しは「結べぬ『環』 止まらぬ計画」で副見出しは「何が国益か 熟慮すべき時」とあるね。 ドイツはすでに脱原発なので核燃料サイクルの「環」は無しだ。 だから、このサイクルの最終点の「高速増殖炉」も不要で使われないまま、閉鎖され、年間50万人が訪れる観光施設になっているという。A氏:これはチェルノブイリ原発事故でドイツの反原発の機運が高まったこと以外に、断念の決定的な理由は反対運動でなく、コスト高だったからだという。 建設の遅れで費用が膨らみ英仏に再処理を委託するより倍以上高くなったからだという。私:日本では約2兆1,900億円の費用をかけた六ヶ所村の再処理工場の稼働も4年ほど遅れていて、昨日のブログでふれたように、原子力安全委員会の審査で、さらに遅れそうだね。 着工以来20年たつという。 建設費も当初の3倍に膨らむ。A氏:一方、フランスは核燃料サイクルが最も進んでいる国だね。 再処理工場とMOX燃料工場を持つ。私:フランスは毎年1200トンの使用済み核燃料のうち1000トンを再処理し、取り出した10トンのプルトニウムをMOX燃料にして原発でまた使う。 核燃料サイクルを推進している。 しかし、サイクルの「環」の最後の高速増殖炉は98年に閉鎖して、その後新設の計画はないから、完全なサイクルの「環」はフランスも遠い先の話だね。 そのフランスもフクシマ事故で原子力発電の比率を落すという。A氏:日本はフランスの後を追うように、六ヶ所村の再処理工場の稼働が準備状態、そして次のサイクルのMOX工場はまだ、基礎工事の段階。 「環」の最後の高速増殖炉「もんじゅ」はトラブル続きで停止中で、これも金食い虫だね。 1兆円を超える建設費。 トラブル続きで停止中でも維持費に1日5500万円かかるという。私:日本の核燃料サイクルには「一度決められたら変えられない」という強い力が働いているようだ。 フクシマの事故で状況は変わったはずなのに、長期的な国益をかんがえた政策へという変化はない。 「原子力村」はフクシマでも無傷だったのだろうか。 しかし、現実は核燃料サイクル政策は岐路を迎えている。
2013.11.29
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A氏:昨日、休載した「核といのちを考える・岐路の核燃料サイクル」の2回目が今朝の朝日新聞に掲載されていたね。 見出しは「プルトニウム捨てる選択」とあり、小見出しは「『資源』扱い 日本ジレンマ」とあるね。私:要するにプルトニウムは「資源」なのか、「ゴミ」なのかという問題だね。 多くの国にとってプルトニウムの資産価値は「ゼロ」だという。 使用済み核燃料の再利用はウラン燃料より高くつき、フランスも最大の利用国だが、プルトニウムの帳簿上の価値はゼロにしているという。A氏:英国は有償なら「ゴミ」としてのプルトニウムを引き取っていいという。 ドイツなどのプルトニウムを有償で引き取り、175億円相当の収入を得たという。私:しかし、日本は、プルトニウムは、再利用する政策だから「資源」だね。 現在、「ゴミ」として英国に引き取ってもらうわけにはいかない。 原子力委員会の核燃料サイクル検討会では、現状のウラン価格では、プルトニウム1グラムを燃料として利用する度に40ドルの損失になるという試算を示した。 英国はプルトニウムを「ゴミ」として捨てるための技術開発をしているという。 セラミックにして閉じ込める技術だ。A氏:英国にはプルトニウムを使ったMOX燃料を使える原発がないというが、今年、新しい原発を作るというね。 英国は原発ゼロではないんだね。 しかし、新原発はプルトニウム利用を前提としていないという。私:ますます、プルトニウムの行き先が問題になってきたね。 それは日本の核燃料サイクル政策に影響を与えているね。 小泉純一郎氏の「原発ゼロ」は使用済み核燃料の捨て場所がないということが大きく問題となっているが、問題はすでに英国、フランス、日本にある42トンのプルトニウムが「ゴミ」となったときの捨て場所問題もあるね。 英国に買ってもらうかだね。 「原発ゼロ」は核燃料サイクル政策からの撤退でもあるから、プルトニウムは「ゴミ」となる政策だね。 明日は、この「岐路に立つ核燃料サイクル」特集の最終回だね。 どういう問題がさらにあるか、期待したい。 ところで、この特集記事のすぐ下で、六ヶ所村の使用済み核燃料の再処理工場が稼働しようとしたら、、原子力委員会の審査が必要となり、操業開始時期が大幅に遅れると報じている。 それにしても六ケ所村で新たにプルトニウムが作られるとはね。
2013.11.28
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A氏:君は、今朝の朝日新聞に昨日から始まった「核といのちを考える」の続きを期待していたが、今朝の朝日新聞の1面、2面、3面とも、昨日の特定秘密保護法案・衆院強行採決で記事が満杯で、「核といのちを考える」の2回目は休載となったね。私:俺は特定秘密保護法案について、一番、疑問に思うのは、安倍政権はなんでこんなに「急ぐのか」ということだね。 必死だね。 今朝の朝日新聞でも「採決なぜ急いだ」とあるが、理由がはっきりしない。 「審議を長引かせれば、法案への逆風が強まり、政権自体が揺さぶられかねない、との懸念があった」という記事が急いだ理由となっているが、これも、ピンと来ない。A氏:フランスの秘密保護法制に詳しい北海道大の白取祐司教授は 「法律は必要があってつくるものだが、今回は必要性が弱すぎる」 とコメントしているね。私:「必要性が弱すぎる」のに、安倍政権は必死だね。 これがわからないんだね。 米国の圧力でもあったのか。 マスコミは報じていないね。 しかし、米国を匂わすように、BS9チャンネルで、10月3日に開かれた日米安全保障協議委員会のことにふれているね。 この委員会は俗に「2+2」と言われおり、日本から外務大臣と防衛大臣の2人、米国からは国務長官と国防長官の2人の合計4名の委員会だね。 具体的には10月3日には岸田外務大臣、小野寺防衛大臣、ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官の4名だね。 その議事録がインターネットで公開されているが、そこに「情報保全」という項目がある。 そこに 「情報保全が同盟関係における協力において死活的に重要な役割を果たすことを確認し,情報保全に関する日米協議を通じて達成された秘密情報の保護に関する政策,慣行及び手続の強化に関する相当な進展を想起した」 とあるね。 「急ぐ」のは、これに関係あるのだろうかね。A氏:外交、防衛の秘密情報の保護の必要性は分かるが、今回は枠を広げすぎたようだね。 外務省、防衛省以外の省まで名乗りだしたという感じだね。私:外国と比較すると、外国には秘密情報の特定が正しいかチェック機関があるが、この特定秘密保護法案には明確なものはない。 さらに公開が60年後というのは長すぎる。 そうまでして、「急ぐ」のは何なのか、未だにわからないね。
2013.11.27
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私:この「核といのちを考える」欄は3日連続の特集の予定だね。 今朝はその第1回で「岐路の核燃料サイクル」という見出しで、1面と2面に記事が続いている。 1面の見出しは「宙に浮いたプルトニウム」だね。 2面の見出しは「夢の燃料 いまや重荷・進む脱プルトニウム」だね。A氏:今、世界の原発から出た使用済み核燃料を再処理して出たプルトニウムはどのくらいあるのかね。私:全世界で260トン。 英国で約120トンで自国分が96トン、残りの24トンは海外分。 24トンの内日本の分が17トン。 日本は、その他、フランスに18トン、日本国内(六ヶ所村)に9トンあるという。 合計、44トン。A氏:このプルトニウムはウランと混ぜてMOX燃料として原発で消費されるね。私:MOX燃料加工工場は英国とフランスにある。 ところが、フクシマの事故を受け、英国の工場は2011年に閉鎖。 日本の原発稼働が現在ゼロなのでフランスは日本向けにMOX燃料は送れない。 プルトニウムは置いたまま。 英国は、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムをとりだしている工場「ソープ」をすべての使用済み燃料の再処理が終わる2018年に停止する。A氏:ドイツはどうなっているのかね。私:22年までに原発を停止するドイツは5トンのプルトニウムが英国にある。 そこでドイツはフランスにある日本のプルトニウム18トンのうちから5トンを帳簿上で、交換することにした。 これを「スワップ」というそうだ。 フランスはこの「スワップ」した5トンをMOX燃料にして隣のドイツに送ればいい。 ドイツは他の国と「スワップ」したり、英国に有償で引き取ってもらったりした。 これにより、ドイツはプルトニウムゼロを実現できそうだという。 しかし、日本は使い道のないプルトニウムを英国に抱え続けることになる。A氏:使用済み核燃料ゼロの核燃料サイクルは「夢のシステム」だったが、60年たって原発の使用済み燃料再処理は高くつき割にあわないので、米国やドイツはいち早く手を引いたね。私:しかし、日本は近く六ヶ所村の再処理工場が操業開始しし、本格的な核燃料サイクルが始めるという。 プルトニウムが新たに発生して増加する。 これをフランスに送り、MOX燃料にして送り返してもらえば、原発で燃料として消費できるが、もっと放射性の高い使用済み燃料が発生する。 また、多くの国が断念した高速増殖炉も何兆円もかけているが、断念していない。 A氏:こういう面からも小泉純一郎氏は原発ゼロを指摘してもらいたいね。私:ところで、英国は、海外のプルトニウムを保管する新ビジネスをすすめるという。 日本は永久にその保管料を払うことになるのかね。 それがまた電気料金値上げにつながる。 明日はどういう記事になるかね、期待しよう。
2013.11.26
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私:マスコミが今、この問題を盛んにとりあげているね。 猪瀬直樹都知事が5千万円という大金を徳田毅議員から議員会館で現金で受け取って、持ち帰るということ自体、何か怪しいカネの流れだね。 俗にいう「裏金」だろうね。A氏:悪いことに、猪瀬都知事は、最初、記者に「選挙のためのカネ」と言い、後で「個人的な借金だ」と言い直したことだね。私:徳田側は、選挙のために必要だという猪瀬都知事の要求だという。 カネを借りるタイミングが都知事選の直前だから、なお、疑われるね。A氏:猪瀬都知事の前任者の石原慎太郎氏と徳洲会の徳田虎雄前理事長は、自他ともに認める「盟友」だったという。 石原氏が都知事選に立った時にかなり資金援助をしていたのではないかね。私:政治家の人脈のない猪瀬氏はその伝手で徳田前理事長を訪問したのだろう。 初対面だったという。 大学時代は「白ヘル」で、学生運動をして、政治を突き、ジャーナリストとしては政界の裏をついてきた猪瀬氏だが、政治家の経験はない。 いざ、その政治家の立場になると、裏金の対応には慣れていないための失態だね。 自分がジャーナリストの取材対象になってしまったね。 2020年のオリンピックの東京招致の功労者だけに残念だね。 オリンピックの準備の前にとんだ邪魔が入ってしまったね。 どのように事態は収拾されるだろうか。
2013.11.25
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【新品】【書籍・コミック 小説・エッセイ】世界が認めたニッポンの居眠り 通勤電車のウトウトにも意味があった!私:新聞の書評に載っていたので、題名に興味を持って、図書館に予約して待って借りた。 読後感は、一言で言うと、ガッカリだね。 まず、睡眠全般について、古代から現代に至るまで、いろいろな文献で、世界各国の睡眠、特に昼寝について調査して書いている。 「日本人の居眠り」のことよりもその方の内容が多い。 睡眠法の多くの本も紹介しているが、結局、肝心の「何故、日本人に居眠りが多いのか」にはきちんと答えていないね。A氏:日本に来た外国人が電車に乗ると、居眠りする人が多いのに驚くそうだね。 特に女性にも多いのに驚くという。 外国ではまず、見られないそうだね。私:著者は、ある人が「日本は安全だから、安心して電車の中でも居眠りするのだろう」という発言を紹介しているね。 ところが、これに対して、著者は「日本は安全だろうか」と疑問を呈し、阪神淡路大震災や東日本大震災の話を持ち出すという非論理的な解説をしている。 この本のレベルを象徴的に示している解説だね。A氏:天災の安全と盗難などの安全は次元が違うのを混同しているね。私:こういう震災時でも、日本には略奪騒ぎがないという安心感を指摘すべきだが、それがないね。A氏:昨日のこのブログで日本人は英語圏と違い、日頃から自己主張をする習慣がついていない。 だから、自己主張が必要無いところでは眠くなる。私:国会で議員が居眠りするのは、議論の前に内容が分かっていて、出席していても自己主張をするわけでないから、緊張感がないからだろう。 だから、眠くなるのだろう。 学生だって、マス講義で先生の言うことを聞くだけで、自己主張がなければ、次第に眠くなるだろう。A氏:真剣に興味を持って質問をするくらいに聞く話は眠くならないね。私:著者はウィーン大学日本研究所で睡眠に関する研究をして博士号を取得したオーストリア人だ。 それが、俺たち日本人にとって当たり前のことを長々書いている。 最後に「居眠りはアルツハイマーを減らしてくれる」、「居眠りすれば長生きできる」など、居眠りの効用を14項目羅列している。 しかし、言っていることに学術的根拠が本当にあるのか疑問に感じたね。
2013.11.24
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私:予備校のベテラン英語講師に「最近の生徒の英語力は落ちているか」を聞くと「今の受験生のほうがアメリカで生き残れるだろうが、ペーパー試験では昔のほうができた」という。A氏:俺たちの英訳の教育と違い、今の学生は英語の順序のママ、「左から右に理解する」のだね。 「訳すな」と指導するところもあるという。私:しかし、ベテラン英語講師は、 「英文の構造や内容を正確につかんでいるか、訳させればわかる。 緻密に読む力がついていない生徒が増えている気がする」 という。A氏:しかし、センター試験でも東大入試も、たくさんの英語を読み、聴き、すばやく処理することを求められる。 「じっくり」「訳しながら」では追いつけない。 受験の世界も大量情報処理が求められる時代になってきたね。 同時に情報の中身も軽くなるのかね。私:夏休みに小学校5年生の孫が遊びに来たので、「『暑い』は英語でなんというのか」と聞いたら、「It's hot」と即答したね。 実はこれは意地が悪い質問で、日本語には主語がないが、英語では主語がいるからムリにItが出てくる。 もちろん、孫はそんなItの意味など知らないが、英語は一応正しく言える。A氏:英語の緻密な構造を知らなくてもすらすら言えるというのはそういうことだね。私:ところで今、ビジネスマンの英語力を測定する試験がTOEIC(トーイック)だね。 このテストを作ったのは日本人の故・北岡靖男氏で、1970年代のことだね。 最初の受験者は2773人。 昨年の受験者は約230万人。A氏:北岡氏は晩年「英語学習のための物差しを作るつもりだったが、英語を強制する道具になってしまった」とぼやいていたという。私:「英語は使わないと意味が無い」として、都内で週1回、夜男女数十人が集まって議論する場があるという。 筆者も参加したが「英語議論力特訓ゼミ」だという。 主催者は 「日本は『上』がつまっている。世界に出る若い『個』を育てたい」 という。A氏:パランリピックの佐藤真海選手は、9月の国際オリンピック委員会での日本のプレゼンテーションのトップを切ったね。 堂々たるスピーチだったね。 彼女は、朝起きたらiPhoneで英語ニュースを聴く、移動中も寝る前も海外のスポーツ情報をネットで読む、週末は家で洋画、と英語学校には行かない「自己流」で英語になれるようにしたという。 プレゼンの英語のイギリス人指導者は、数度のトレーニングで発音を何箇所か直したものの、大事なのはどう気持ちをこめるか、伝えたいという思いをどう乗せるかだったという。 彼女はIOC総会だけでなく、記者会見の英語での応答も見事に乗り切っていたという。A氏:彼女は高校時代に受験で単語も文法もつめこんだが、今、蓋があいてぼこっと出てきた感じだという。私:そういえば、もう30年ほど前にディベートを広めた松本道弘氏は、同時通訳もするが、海外には2ヶ月くらいしか行っていないそうだ、 その英語力はFEN(米軍極東放送網・現在AFN)のラジオ放送を徹底的に聴いて鍛えたものだという。 1940年大阪生まれ、関西学院大学卒だというから、学生時代は受験英語世代だね。この特集の最後で、筆者は 「英語教材をいくら勉強してもそこに『言いたいこと』は書いてない。 言いたいことをいう力をまず鍛える。 日本語で出来ないことが、英語で出来るはずはない。 そう思いませんか」 とまとめているね。 しかし、主語があいまいな日本語の構造や、日本文化は「言いたいことをいう力」を鍛えることにあまり向いていないと思うね。 やはり、日本語と並行して英語の日本語にない構造を学ぶべきだと俺は思うがね。 「言いたいことをいう力」を鍛えるには英語はいいと思うね。 受験英語であっても、自己流であってもね。
2013.11.23
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私:この欄は、10回にわたって連載していて、21日が最終回だった。 英語を使う立場に立って初めて、主張したり議論したりする経験が不足していたと実感した人たちを取材したレポートだね。A氏:俺も日本人の英語問題に興味を持って読んだよ。 トップの記事が高校生の英語によるディベートだね。 ディベートは課題に対して相手と議論するので、「知的格闘技」とか「言葉のボクシング」とか言われる。 英語によるディベートは、論理力とともに英語の読む・書く・聴く・話すの4技能すべてが要求される「英語の総合競技」だね。私:昨年12月の全国高校生英語ディベート大会で、栃木県立宇都宮高校が参加250校の頂点に立って優勝した。 「言葉の情報量では帰国子女の英語に勝てないが、少ない言葉で反論できるようにした」という。A氏:その宇都宮高校英語部は今年初めにあったトルコの世界大会に日本代表として参加する。 予選の相手はタイ、トルコ、チェッコなど8カ国で英語を母国語とする高校生ではない。 それでもスピードや語彙力は段違いで、嵐のように主張がとんでくる。 ずらずらずらっと論拠を並べ、こちらが出して論拠を次々に打ち破る。 日本勢は惨状だった。 結果は8カ国中、レバノンに勝っただけで1勝7敗。私:しかし、この1勝は快挙で、日本代表として3年ぶりの勝ち星だ。 今回も含め、日本は7回出場し4勝52敗。 生徒の話では日本の学校教育の場で、日常的に議論する場がないという。 国際的に「議論の基礎体力」が違うようで、これは大人も同じだ。 その体力のないのを英語のせいにしていないかと筆者は言う。A氏:自民党の教育再生実行本部と経済同友会が「実用的な英語力を測定する試験」と位置づけ、大学入試にTOEFL(トーフル)を導入するように提言した。 これに反論が続出した。 経済同友会の提言には「日本企業はグローバルな競争で戦える人材獲得に悩まされており、その要因の1つに日本人の低い英語力がある」としている。私:海外でのビジネスがうまくいかないのは、英語教育が悪いからと他人のせいにしているようだと筆者は言う。 昔の受験英語のように「文法・読解」中心の英語教育を受けた人たちが、メイド・イン・ジャパンを世界に売りまくり、高度成長を実現したのではなかったのか。 反対の合唱の前にTOEFL熱はさめたようだという。A氏:ところで、学校英語はすでに20年ほど前に「コミュニケーション重視」にかじをきっている。 その生徒が今、ビジネスの第1線にいるはずだ。 その効果に経済同友会は知らん顔かね。私:英語教育については、40年近く前に、元外交官で参院議員の平泉渉氏と上智大教授の英語学の渡部昇一教授の大論争があったね。 平泉氏は、実用英語を強調し、高校では志望者だけ英語を特訓し、国民の5%が実用的な英語能力を持ち、大学入試から英語を外せという試案を提案した。A氏:一方、渡部氏は、読解と作文で鍛えた学生は、留学した後、外国人教授が驚くような伸びを見せるという。 英語の読み書き重視による知的訓練の方が、長い目で見て役に立つというのが渡部氏の主張だね。私:ところで、意見を異にする両氏が、同じ懸念を口にした。 それは40年前の論争当時に比べ、高校生の英語力が下がっているということだ。 それは明日、ふれよう。
2013.11.22
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私;最近、テレビでチラッと見たが、フランス経済がよくないようだね。 経済的にはEU圏はドイツの一人勝ちのようだね。 しかし、この新聞欄のジャン・ピサニフェリー教授によると、欧州の一人当たり国内総生産(GDP)はほとんどの国でリーマン・ショック以来、減っているという。 増加傾向のドイツさえ、この6年間の平均成長率はふるわないという。A氏:ピサニフェリー教授によるとリーマン・ショック以降、EUは600万の雇用を失ったという。私:このような場合、経済成長は最優先の政治課題となるね。 しかし、ピサニフェリー教授によると、EUと各国政府は口先ではそれに賛同しながら、有効な経済再生戦略を立ててこなかったという。A氏:言い訳は財政再建問題の火消しに手間取っていたというわけだね。私:急激な財政再建と金融緩和のもたつきのせいだという主張する人もいるという。 ノーベル賞経済学者のポール・サミュエルソンの次の言葉を引用しているね。 「我々が2つの目を持つのは、1つは供給に、もう1つは需要に向けておくたまなのだ」A氏:ピサニフェリー教授は、さらに別な主張を紹介しているね。 それは「欧州は成長をそれほど、望んでいない」というものだね。私:「今回の経済危機をより質素な経済に移行する機会とみなすべきだ」という考えだね。 成長には副作用がある。 シェールガス探査も環境問題がある。 成長はさらに格差を拡大するともいう。A氏:しかし、ピサニフェリー教授はこの考えに反対だね。 成長がなければ、誇るべき欧州の社会保障の社会モデルはまちがいなく崩壊するという。私:「現在の膠着状態を終わらせ、経済の潜在力を引き出すためには、需要不足、生産性向上を妨げる障害、成長の質の改善に同時に対処する、新しい「協定」が欧州に必要である」とピサニフェリー教授は言う。 そして、その議論を行う政治の場がすぐ必要だという。 成長の質というのは環境にやさしく格差が拡大しない成長のことだね。A氏:しかし、財政再建と経済成長という矛盾の解決にはまだ、妙薬はないようだね。私:アメリカも同様だ。 次期FRBジャネット・イエレン副議長が、失業率は多少改善したが、まだ、安心できる状態でないとして金融緩和の継続を匂わせただけで株価は上がったね。 アメリカも財政問題と経済成長の間で、試行錯誤しているようだね。 それは日本も同様で、来年早々の消費税増税で財政は少しは余裕ができるかもしれないが、消費は低下するのか、経済成長は悪化するのか、まだ、先が見えないね。 リーマン・ショック以来、ダラダラ続いている先進国に共通している未解決の問題だね。
2013.11.21
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横浜は連日、快晴で気持ちがいい気候である。 日本海側や北海道がすでに雪とは考えられない。 この快晴に家にいられなくなり、午後1時半、家を出る。 冷たい風が強く吹いている。 枯れ葉がとんでいる。 うすいジャンパーをはおり、いつもの近くの自然公園に出かける。 丘の上の森に入ると風は木に遮られてなくなる。 森のなかの道は枯れ葉が積もっていて、サクサクと柔らかく歩きいい。 少し汗ばむが、下着が濡れることはない。 しかし、喉は乾く。 森の入口で買った280mlの緑茶のペットボトルを飲み干す。 真夏時は、この4倍の水を飲めるのだから、人体というのは不思議なものである。 鳥の鳴き声をもなく、晩秋の森は静寂である。 丘の上の森の林の切れ目から、眼下を見ると1戸建て住宅群がずっと一面に広がる。 このへんの横浜市の郊外地には高度成長時代に多くの宅地開発業者が進出し1戸建て住宅群を建てた。 東京から、多くのサラリーマンが、民族移動のように、それらの住宅に移動した。 そして、東海道線、横須賀線、京浜東北線、京浜急行、東急などの鉄道で、ラッシュにもまれ都心に通った。 昼はそれらの人の大移動で都心の人口が増え、夜は、家に帰るので都心の人口は激減した。 住宅群には子どもの声が満ちていた。 今、その頃から、50年ほどたつ。 それらの1戸建てで、子どもは成長して、独立して外に出るので、今、子どもの声は消え、多くは高齢者の夫婦2人住まいや、一人住まいが多くなっている。 空き家もある。 眼下に広がる住宅群をみながら、時の移り変わりの変化に感慨にふけった。 いつもの2時間、12000歩のウオーキング。 汗はかいていないので、帰宅してそのまま、お茶を飲んで休憩。
2013.11.20
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私:この新聞欄は、毎週土曜にその時々の昭和史の一部を紹介している。 今週は1940(昭和15)年、に調印された日独伊3国同盟のことだ。A氏:俺も「秘密書簡」というのが登場するというので、興味を持って読んだよ。私:この年の1年前にはドイツがパリに無血入城し、間もなくドイツが全欧州を勢力下におく勢いだった。 日本は陸軍を中心にドイツに接近する機運が急速に強まっていた。 3国同盟の交渉の焦点は3国のいずれかが米国と戦争になった場合、他の国は「自動参戦」にするか「自主参戦」にするかだった。A氏:今でいう日米安保の集団的自衛権みたいなものだね。私:ドイツは「自動参戦」を主張、日本は米英との戦争に巻き込まれたくない海軍の強い抵抗で「自主参戦」にこだわる。 松岡外相は「自主参戦」となる見通しを強調し、昭和天皇も了承する。 しかし、ドイツの最終案は「自動参戦」だった。A氏:窮した松岡は駐日ドイツ大使オットと相談し、オットから松岡への「秘密書簡」でドイツが「自主参戦」を認める形を装った。 しかし、実は、この「秘密書簡」をオットはベルリンに送らず、ドイツの外相も知らずオットの私信でしかなかった。私:もし、この「秘密書簡」をオットがベルリンに電信で報告していれば、米国はドイツ大使館の通信内容を把握していたから、「秘密書簡」の内容は筒抜けになっており、米国は「自動参戦」が骨抜きにされていたことを知っていただろという。 そして米国は日本を敵視しなかっただろうという。A氏:しかし、「秘密書簡」は知られなかったので、米国は日本を「敵」とみなし、日米関係は急速に悪化する。 この3国同盟はウソをウソで塗り固めた同盟だったという。私:「3国同盟を結んだら、日ソ親善の仲介役になる」と主張したドイツは翌年、日本を裏切って独ソ戦を始めた。 松岡は、日米関係を改善しようとするが、近衛文麿首相と対立し、内閣を去る。A氏:証言として松岡の4男が当時の父のことを話しているね。 1940年9月に日本軍が仏領インドシナに進駐する前後、松岡に報告に来た陸相の東条英機に「貴様は日本を潰す気か」と怒鳴りつけたという。私:対米戦争になった時、深夜、二重橋のところで車を降り、土下座して「陛下、申し訳ありません」と泣いていたという。A氏:ヒットラーに欺かれ、近衛首相に欺かれ、悲劇の人だね。 山田風太郎の「人間臨終図巻」では、 「松岡の外交は、マージャンで、相手3人(米独ソ)の手を全然見ず、自分の手ばかり見て勝負しているようなものであった。 彼はヤクマンを志して、ヤクマンを打ち込んだ」 とある。 敗戦後、A級戦犯になったが、若いころの肺結核が悪化し裁判中に66歳で病死する。私:敗戦間近に徳富蘇峰が彼にあったときのことが「終戦後日記」に次のように書いてある。 「松岡は次の3つの理由で日本は絶対負けないと言っていた。 1つには、日本の国体は伊勢神宮をもとしているから、必ず、神が助けてくれる。 2つには、直感だ。 3つには、経験からくる直感だ」 松岡はアメリカで苦学して、アメリカの大学を卒業していて「俺ほど米国人を知っている人間はいない」と自負していたという。 しかし、敗戦間近に伊勢神宮を持ち出し、それにも裏切られるね。 彼は共同謀議でA級戦犯として逮捕されるが無罪を主張する。 大体、日本の15年戦争に一貫した共同謀議なんかあろうはずがないね。 ナチのように、最初から一貫した思想で戦争を始めたわけではない。 15年戦争の始まりの満州事変では下克上で関東軍に引きずられ、さらに下克上で中国との戦争にずるずると引きこまれてきただけだね。 大東亜共栄圏だとか、八紘一宇とかいう大義名分は後追いでつじつま合わせをしたに過ぎず、15年間、一貫したものではないね。
2013.11.19
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【送料無料】忘却のしかた、記憶のしかた [ ジョン・W.ダワー ]私:イラクのフセイン後の体制と、日本の戦後の民主化との比較は、第11章でなく第10章にあったので、これを最後にまとめておく。 2002年に米政府当局者たちがフセイン打倒後のイラクに期待される解放と親米への方向転換のモデルに日本の占領の成功を思い出していた。A氏:当時のブッシュ大統領がそのように言っていたね。私:最初は、日独モデルであったが、日本はドイツより魅力的なモデルとなった。 その理由は、日本はイラクのように非西洋であり、非白人であり、非キリスト教であったからだという。A氏:日本の戦後初期を知っている人には、日本の戦後の民主化に成功した重要な要因が、すべてイラクに欠けていることは明らかなのに、なんでブッシュ政権は、イラクの民主化の期待に日本モデルを持ちだしたのかね。私:戦後、日本ではイラクにあるような宗教的、民族的、地域的、部族的な敵意は生じなかった。 占領軍に対する日本人のテロは一例もなかった。A氏:日本占領の成功の多くは、日本が「無条件」降伏をすることによって、絶対的な権威を勝者に譲り渡したことだ。 そして、最高司令官ダグラス・マッカーサーの強い支配の下におかれた。 そして、農地改革、労働者の組織化を支援し、戦争を禁じ、人権を重視した新憲法を制定し、学校の構造改革、教科書改訂、民法、刑法の改正を行った。私:そのような改革が可能だったのは、戦前の日本に民主主義の強い伝統があっただけでなく、それまであった官僚機構が生き残り、占領軍に協力したからだった。 イラクにそのような行政機構を期待することは難しかった。A氏:さらに日本は島国であり、敵対するような国にからは物理的に切り離されていた。 イラクのように、いろいろな国と地続きであるという物理的条件はなかった。 さらに忘れていけないことは、敗戦後の天皇は、敗戦前の天皇であったことだね。私:このように、占領下の日本は、戦後のイラクにとって、何のモデルにもならない。 そのような日本との違いを含めて甘い見透しで、イラク戦争に突進したことは、リアリズムでなく、おそるべき傲慢だとダワーは指摘している。 その傲慢さは日本の15年戦争のときと似ているという。A氏:実際、イラクは今も混乱状態だね。 まさに、大きな失敗だね。 しかも、ブッシュ政権は、後から、大量破壊兵器はイラクでは発見されないと国家的なミスまで発生する。私:この本は一貫して書き下ろしたものでないので、日本の15年戦争の日本人が忘れたい記憶が繰り返し登場する。 だから、かなり、飛ばして読んだね。 ダワーの大著「敗北を抱きしめて」を読んだ俺にとっては、たしかに、この本は「ダワー入門書」と言えるだろうね。
2013.11.18
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【送料無料】忘却のしかた、記憶のしかた [ ジョン・W.ダワー ]私:原爆投下の8月8日から9月までの間、廃墟になった病院で生き残った病院職員と患者に焦点をあわせた蜂谷道彦医師(博士)の日記「ヒロシマ日記」は貴重な原爆記録だという。 1955年、英語や十数カ国の欧州の言語に訳され出版され、ヒロシマの原爆の惨状が全世界に知らされる。 この本の第6章は、原爆投下50年を記念して1995年に復刊された「ヒロシマ日記」への序文として書かれたものだ。 蜂谷医師は、患者の不可解な症状に直面する。 後に彼はそれは放射能によるものであること発見する。A氏:ダワーのような歴史家にとって興味深いのは、8月15日の天皇による降伏宣言に対する蜂谷博士の反応だね。 彼は、本土決戦を覚悟していたが、降伏の衝撃は、原爆の衝撃より大きかった。 彼は天皇を裏切り、人々を欺いたゆえに日本の軍部指導者への軽蔑の感情がひろがった。私:占領軍の広島進駐があると報せが病院に届いたとき、患者を含む女性は乱暴されるかもしれないと逃げ出したが、蜂谷氏は「西洋人は文化人だから心配ない」と動じなかった。 同僚が米軍が来るから女性を避難させるようにとすすめた時、蜂谷氏はそれは日本の兵隊たちが、中国でどんなことをやったのかを知っているための動揺であることを見抜いていた。A氏:敗戦のこの時期は、日本人は「虚脱」状態で、心理的に疲労していた。 無節操と腐敗が生い茂る雑草のようにはびこった。 略奪や野盗がひろがり、大量の軍需物資の略奪がおきた。 「下等で教養のない者の天下」になったと蜂谷氏は記している。 これが降伏直後、占領軍がくるまでの数週間の現象であった。私:しかし、人々は、次第にかっての人々の絆を回復するようになる。 この本の第7章も原爆に関するもので、これはアメリカの原爆に対する姿勢を述べているもので1995年に発表されたものだね。 特に、アメリカの原爆に対する姿勢は1995年の太平洋戦争の50周年記念に明らかだね。A氏:このとき問題になったのは、スミソニアン博物館にヒロシマに原爆を落としたB29エノラ・ゲイの展示を中心とする原爆に関する展示内容だった。 展示内容が原発の残虐性を示すようなものがあることに反対意見が出た。 英雄的な行動であることを否定することだということだね。 結局、爆心地の破壊についてはわずかの数の展示にとどまった。私:アメリカが自ら原爆の残虐性を強調することは、アメリカの軍務につく者の勇気を「鼓吹」するものでなくてはならないことに反するというわけだ。 ダワーは、この考えに反対して、太平洋戦争後の朝鮮、ベトナム、イラク、アフガニスタンという議論の多い戦争について、どんな種類の「鼓吹」をスミソニアン博物館に期待できるのかと皮肉っているね。 明日は、この本の最後の第11章にあるイラク戦争でブッシュ政権がイラクと日本を比較したことへの批判をとりあげよう。
2013.11.18
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【送料無料】忘却のしかた、記憶のしかた [ ジョン・W.ダワー ]私:この本の4章は1995年にダワーが雑誌「外交史」の原爆特別号に発表されたものだ。 原爆を落とされ市民の最初の反応は「憤怒」だった。 アメリカ人の捕虜は殴り殺された。 9月に占領軍の検閲が始まる前に、新聞はアメリカ人への憎しみを報じた。 後に占領期に米軍の日系2世の兵士が、両親の出身地広島の親戚を訪ねたところ、人々からアメリカの「殺人者」への敵意をむきだしにされた。 そのことに心が千々に乱れ、東京にもどって兵舎で自殺するということもあった。A氏:そのうちに、自然の災害のように思っていた人々は、それが人災であることを知り、人々は科学と技術が想像もできない次元に跳躍したことを認識させられた。 敗戦の8月15日までには、新兵器が2つの都市を破壊したことが日本中に知れ渡るね。 天皇も終戦の詔勅で「敵は新たに残虐なる爆弾を使用して頻りに無辜を殺傷し」と述べている。私:原爆は、アメリカの物質的な実力と、科学的な知勇との象徴となり、それが物質面での日本の相対的な遅れを際立たせ、衝撃的なものとなった。 アメリカが原爆を完成しつつあったとき、日本の軍国主義的政府は、天皇の忠誠な臣民に、祖国を守るため竹槍を手に、死ぬまで戦うように熱心に勧めていた。 日本の降伏から9月半ばにアメリカが検閲を始める間、科学を推し進める緊急の必要性について、毎日のように政府やマスコミの声明が出た。 8月20日付「朝日新聞」は「われらは敵の科学に敗れた」と書き「この事実は広島に投下された1個の原爆によって証明される」と述べた。A氏:日本人にとって、原爆は、核兵器の恐怖と科学への明るい見込みの2面性をもったんだね。 科学への明るい見込みが後に、ソニー、ホンダなどに代表される日本のものづくりに展開されるね。私:占領下で、原爆のことはアメリカによって抑えられ、解禁されたのは1948年頃だね。 その頃、日本人はその残虐性の詳細を知ることになる。 一方、アメリカは、その残虐性を知ると、それを正当化しようとして、日本の本土決戦を避けられたという理屈を持ちだすね。 日本では敗戦直後、その残虐性を知っていた重光葵外相(後に戦犯となる)は、連合国による日本の戦争犯罪の告発について、日本側が原爆を対抗宣伝に使う外務省内部の覚書を作る。 鳩山一郎(占領軍にパージされる)も同じような意見をおおやけにする。 ダワーは、日本はこのように、アメリカの残虐性を問題にするが、他のアジア人に対する戦争での日本の残虐性はそれほどには問題にしていないと批判的だね。明日は、「第5章 広島の医師の日記」で別な視点からの原爆にふれよう。
2013.11.17
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【送料無料】忘却のしかた、記憶のしかた [ ジョン・W.ダワー ]私:冷戦が始まる前から、米国は注意深く、日本の戦争責任のある側面を東京裁判で隠した。 純粋に功利的な政治上の理由から米国は日本の戦争犯罪の本質と巨大さを隠蔽した。 東京裁判で米主導の検察が無視、および又は隠した主要な論点と犯罪は次のようなものである。 1.日本の侵略と残虐行為に対する天皇の認識と責任 2.悪名高い731部隊が満州ですくなくとも3000人の囚人に対しておこなった致死にいたる「医学」実験 3.慰安婦の徴募と事実上の奴隷化。多くは韓国・朝鮮の若い女性だった。 4.中国における日本の化学戦の全容 この他に財閥という寡占産業の除外もある。A氏:天皇はいかなる責任からも免除されたね。 戦後にナチス体制が排除されたドイツと違い、敗北した日本では決定的に過去と袂をわかつことがなかった。 15年の侵略が遂行された同じ玉座の君主を維持することは、この制度やさらに人格の継続性を物語る、このうえない象徴となったね。私:昭和天皇の長寿で、昭和は、「侵略の昭和」と、「平和な昭和」とに分かれ、同じ昭和天皇のもとにあった。 そして、今や昭和というとき、「侵略の昭和」は忘却され、平和で高度成長で繁栄したイメージの「平和の昭和」のほうが強く残っているね。A氏:ところで、731部隊はその人体実験のデータを米軍に提供するのと引きかえに秘密の訴追免除を受けたね。 これも日本の責任をあいまいにした1つの原因だね。私:5つにわけたテーマの最後は「5.罪と責任をみとめる民衆の議論」だね。 敗戦後の日本では、日本の罪と責任をめぐっていろいろな議論があった。 日本の軍国主義に同調した学者は戦後、マルクス主義に目を向ける。 東京裁判は昨日の名誉ある指導者たちを笑いものにした。 戦争アレルギーから、軍隊を「自衛隊」と呼んだ。 戦車は「特車」と呼んだね。 家永教科書裁判もあった。 ダワーは、現在、日本国民の多くは、戦争責任を正しく認識しているという。 1994年の調査では、質問された日本人の80%は、政府は「日本が侵略、植民地化した国々の人に十分な償いをしていない」ことに同意したとダワーは述べている。 しかし、この10年、この「愛国心のない」考え方に対して、ネオ・ナショナリズムが生まれつつあるとダワーは指摘する。 アメリカ人、中国人とりわけ韓国人に対して、人種的カードを切ることに習熟したという。 そして、そうした人々を日本人に対する偏見にとらわれていると描き出す。 これは時代をつうじてくりかえす不吉な循環性があり、ダワーのような部外者からみると日本人の「愛されない能力」を意固地になって、ただ強めようとしているようにみえるという。 明日は、第5章と第6章が原爆のことをあつかっているので、まとめてふれよう。
2013.11.16
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【送料無料】忘却のしかた、記憶のしかた [ ジョン・W.ダワー ]私:1945年、仏文学研究者の渡辺一夫氏は、第1次世界対戦にプロイセンの将校の言葉として「ドイツ人」には「愛されない能力」があるという言葉から、これは「日本人」にも言えることではないかと日記に書いていたという。 第2次世界大戦で、日独は、残忍な行為をしてきたという点が似ているという。A氏:日独には共通して「愛されない能力」があるということか。私:しかし、著者は今日の日独には差があると指摘している。 日本は、敗戦以後、平和国家になったが、戦争と記憶に関する限り、日独が異なる道をとっていると外国人は見ているという。 「ドイツ人」は一般にナチスの過去と向きあうことで称えられてきた。 しかし、対照的に「日本人」は、15年戦争の汚点を消し去ろうとしているという酷評を外国から浴びているという。A氏:侵略戦争、南京虐殺、靖国問題、慰安婦問題などが今もくすぶっているね。私:しかし、「日本人」の中でもこの問題についていろいろ違った考えを持っているという。 著者はその思考パターンを次の5つに分けた。 1.否定 2.道徳的等価性の喚起 3.被害者意識 4.日米2国間による日本の戦争犯罪の汚点の除去 5.罪と責任を認める民衆の議論 「1.否定」とは、日本は1930年代の国際情勢に応じて、自衛行為をしたのであり、かつ、全アジアを抑圧的な欧米人から開放し、共産主義にも対抗して、「大東亜共栄圏」を建設する使命を行ったという考えだね。 そして、侵略や残虐行為は他の戦争国もやっていることで、日本だけ悪者にするのはおかしという論理になる。A氏:橋本徹大阪市長が慰安婦問題でそのような発言をして国際的に非難を浴びたね。私:そして、「東京裁判史観」を批判する。「2.道徳的等価性」では、東京裁判が問題になる。 特に、インドのパル判事の「被告全員無罪」の主張は、「東京裁判史観」を否定する日本人には天の賜物であった。 勝利者が公平な裁判をしていないというパル判事の主張は、日本は道徳的に戦勝国と同じだという主張に使われた。A氏:パル判事は日本の南京虐殺を問題にするなら、原発の残虐性も裁かるべきだというからね。私:「3.被害者意識」だが、戦争の責任に対する日本人の意識があまり深くないのは、戦争による加害者意識よりも自分たちの被害者意識が強いことだね。 敗戦直後は、食糧難に苦しんで戦争を反省する余裕もなかった。 次に、敗戦間もない1950年に朝鮮戦争がはじまり、冷戦に巻き込まれる。 これで、15年戦争の責任はあいまいになる。A氏:問題は冷戦が終わった後だね。私:冷戦が終わるまでに、日本は米国との2国間関係が重視され、それが継続した。 ところが、ドイツは、より大きな北大西洋条約機構(NATO)の一員となり、大陸の隣邦や以前の敵と建設的な関係を結ぶことを重視するようになった。 逆に、日本は日米関係に中心が置かれ、日本は隣邦に対して、ドイツのように強い連携をつくり上げることができなかった。A氏:その間、中国が台頭するね。私:明日は「4.日米2国間による日本の戦争犯罪の汚点の除去」にふれよう。 ここには例の731部隊の問題が登場するね。
2013.11.15
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【送料無料】忘却のしかた、記憶のしかた [ ジョン・W.ダワー ]私:帝国日本が戦争に至った道のりについて2つの対照的な見方がある。 1つは、伝統的な見方で日本が米欧列強にくらべて進歩が遅れていたことや「封建制の残滓」が持続したことを強調したものだね。 強固な民主政治を確立できず、西洋に追いつこうと必死だったというものだ。 2つ目の新しい研究は、日本が戦争に突き進んだ国際環境(列強の帝国主義、植民地主義、世界恐慌、螺旋状に拡大した世界の軍備競争、勃興する民族主義、敵意に満ちた共産主義など)だけでなく、1910年代から日本に盛んになりはじめた「近代主義」や「近代性」の多くのあらわれを強調する。A氏;非軍事的な「大正デモクラシー」の発展だね。 政治的には議会政治の強化、政党に率いられた大企業の利権で支えられた内閣の登場、労働運動家、フェミニスト、社会主義者、共産主義者、自由思想やマルクス主義者に強く影響された新たなインテリ層を巻き込む反対運動の台頭などだね。 だから、1930年代、政府の監視機関が英米思想を日本人の頭から追い払うのに必死だったほどの影響が社会的に広まっていた。私:「大正デモクラシー」は社会的、文化的にみて歴史的に多くの貴重なものを残している。 1920年代には「モガ」「モボ」を中心とする流行。 岩波書店の「岩波文化」、講談社の主婦や少年少女を対象にした大衆向け雑誌の「講談社文化」。 子ども向けの定期刊行物、書籍、漫画、オモチャ、ゲーム、衣類といった「児童文化」の商品が出まわる。A氏:大衆文化の多くは音楽でも表現され、ラジオと蓄音機が普及し、作曲家、作詞家、歌手には有名人の地位が与えられる。私:しかし、最大の大衆文化は映像による表現だね。 児童書の挿絵画家、漫画、新聞の風刺漫画、近代的な画家が活躍する。 広告美術の世界も発展する。 こうした文化は、写真と映画製作の独創的な革新によって完全なものになる。 1920年代、30年代には外国のモデルや着想を日本土着のビジョンや主題と結びつける上で画期的な貢献をする。 これらの大衆文化が日本の戦争の宣伝に威力を発揮したのを忘れてはいけない。 日本の戦争の宣伝技巧は米英の宣伝力を上回っていた。A氏:これが昨日のブログのハリウッドの映画の名監督キャプラをして、日本戦争映画の称賛になったのだね。私:日本の戦争映画はリアリズムのレベルが高く、抑制されたヒューマニズムの気風すら感じるという。 これは南京虐殺や、自虐的な「万歳」攻撃で命を投げ出すことで有名な日本人のイメージと全く反したものだ。 日本の戦争映画は戦場の騒乱や殺戮ゲームよりもむしろ、日本人の主人公たちの真摯さや仲間同士の友愛、感情をあらわにしない自己犠牲に焦点を合わせる傾向があった。 映画は中国人であれ、白人であれ、敵にはめったに銃の照準をあわせなかった。 おしゃべりは最小限に抑え、ひとことも話さずに長時間が過ぎることもある。 流れる楽曲は感傷的で甲高い素材というより、調子が美しく、ロマンチックなものにむかう傾向があった。 著者ダワーは日本で1938年に作られた最初の長編商業戦争映画「チョコレートと兵隊」、1940年に作られた松竹の「西住戦車長伝」、1944年の黒澤明の「一番美しく」の内容を具体的に説明しているね。A氏:戦争中の日本の軍国主義を単純化して、忘れようとして、一色で観るのは危険だね。 事実を直視すべきだね。 15年戦争は聖戦だという人たちは、こういう戦争映画を見ているのかね。私:戦争宣伝に用いた芸術的技巧はいかなる旧式の形をとっていても伝統とかけ離れていた。 その図柄は大胆で垢抜けていた。 描かれた飛行機、戦艦、戦車は時代の先端をいっていた。 戦争の聖なる使命という大義はアジアの繁栄の新時代を画することだったが、その宣伝は「大正デモクラシー」以来の「近代性」の美しい表現だったという。 宣伝内容が「近代的」な宣伝技巧とマッチしない矛盾が特徴だね。 明日は、この本の第4章の中国や韓国などに「愛されない能力」を持つ日本についてふれよう。
2013.11.14
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【送料無料】忘却のしかた、記憶のしかた [ ジョン・W.ダワー ] 私:この本は、このブログの「9月29日の朝日新聞書評」で興味を持って図書館に予約したものだね。 著者の主な書いたものを、自身による解題を付して、年代順に配列したものだね。 「ダワー入門」と呼んでもよい本だという。 11章からなる。 第1章は、マッカーシズムの時期に自殺に追い込まれたカナダの日本学者E・H・ノーマンについての論考から始まり、イラク戦争に際して米国当局が、かつて"成功"した日本占領の体験をモデルにしようとしたことに対する痛烈な批判をしているね。 国連に反して単独で中東に攻め入った米国こそ、満州事変から15年戦争の泥沼に入った日本に似ていると言っている。 そして、日本は「大東亜共栄圏」の確立を大義名分とし、米国は民主主義の拡大が大義名分だね。 第2章は、1986年に刊行された「容赦なき戦争・太平洋戦争における人種と権力」だね。 この本は7年前に読んだね。A氏:このブログで7年前に読後感をまとめているね。 第2次世界大戦は人種差別戦争だという。 日本兵は残虐だというが、戦争では各国の兵隊が残虐行為をしているのを描いているね。 特に日米戦争は、日本は猿・ジャップと言われ、動物のような虐待を受ける。 例の大西洋横断で有名なリンドバーグが太平洋戦争中にニューギニアの米軍基地で過ごす日記があるが、そこに次のような記事があるという。 「米軍が日本兵に対して動物に対するような軽蔑の念をもって嬉々として殺すのを目のあたりにして苦悩する」 彼は「騎士道的伝統派」だったのだね。 リンドバークの日記では東洋人の残虐のほうがわれわれのよりたちが悪いと信じていたが、その区別は、だんだんあいまになっていったとあるという。私:米軍の戦いぶりは日本兵を動物狩するという発想なんだね。 戦争当時、米国のクオーリティペーパーの写真誌「LIFE]に、若い娘がボーイフレンドから送られた「ジャップの頭蓋骨」をうっとりと見つめている写真が掲載されている。 米国兵が太平洋戦争でこうした陰惨な戦勝記念を集めたのは有名だ。 こうしたことを当時の敵である独伊人の白人死者に行ったなら、冒涜として騒ぎになっただろうという。 第3章は、日本は中国への侵略と米国などに対する戦争の正当性についての戦争中の日本の宣伝活動について述べている。 第2次世界大戦中、日本人よりも洗練された国内向け電撃キャンペーンをした国はないという。 1937年から、1945年にかけての映像宣伝はめざましいものだったが、戦争が終わって以来、その大半は見ることができず、忘れ去られた。A氏:敗戦後、米国の占領当局は、「封建的で軍国主義的」とみなされる236本の長編映画の廃棄を命じているね。私:しかし、著者は別の見方をしているね。 ハリウッドの有名は映画監督キャプラが真珠湾攻撃からまもなく、米陸軍のために「記録映画」風の宣伝映画を作ることになった。 そのとき、参考までに対中戦争の間に日本が封切り、米国が押収した多くの日本の長編映画を上映して観る機会があった。 そのとき、監督は 「こういう映画にはかなわない。 われわれがこんな映画を作るのは、たぶん10年に1本だ。 だいたい、こんな俳優なんていない」 と称賛の声をあげたという。 明日は、この3章でとりあげている日本の戦争宣伝活動の興味ある問題をとりあげよう。
2013.11.13
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A氏:今朝の朝日新聞では、JR北海道がレールの異常値を改ざんしたという疑いを報じているね。 内部告発だろうね。私:国土交通省による監査が実施される前に、レールの異常値を正常値に改ざんした一部保線所があったという疑いだね。A氏:最初の修理を放置していた問題と違った問題が出てきたね。 朝日新聞は取材に応じたJR北海道の社員の話を掲載しているね。私:それによると線路のポイントの点検に改ざんがあるようだね。 理由は、ポイントの補修は直線やカーブに比べて時間がかかるからだという。 取材に応じた社員は 「ポイントが安全上、重要だということは認識していた。 しかし、現場では人手が足りず、やむを得ず改ざんをしていた」 と言う。 A氏:改ざんも「危険性の低い基準値超え」を異常なしとして改ざんし、「危険性が高い基準値超え」は優先的に補修していたという。私:これでは、記録だけでは監査は正確にできないね。 いよいよ、記録をしていないのではなく、虚偽の記録をしていたという「重症かつ悪質」な問題になったね。 最近、ニュースで盛んに報じられている食品表示偽装で問題になっている「意図的でない偽装」が、このJR北海道のレールポイントのケースの場合、「意図的偽装」になるね。 犯罪に近い問題になったね。 それにしても、基準値超えに「危険性の低い基準値超え」と「危険性の高い基準値超え」の2つがあるというのは、人手不足でやりくりする一種の現場の知恵かね。 脱線事故を起こし、人命を失うかもしれないリスクを賭けた知恵だね。 ここまで来ると安全感覚は賭けの対象になっていて怖いね。
2013.11.12
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私:住友商事がシンガポールの放送局で週3時間の番組枠「ジャパンアワー」を持っているという。 その旅グルメ番組で、北海道・登別温泉の魅力を知ったシンガポールのリー・シェンロン首相が、6年前の訪日の際、家族で同地を訪れたというエピソードがある。A氏:最近騒がれているような有名ホテルのレストラン偽装表示がそのとき出なくてよかったね。 もし、出ていたら、シンガポールをはじめとして国際信用丸つぶれだったね。私:よくテレビでタレントがいろいろな地方をまわり、グルメを紹介している番組がいくつかあるが、日本を紹介するためには役に立つんだね。A氏:特に「おもてなし」を日本文化の特徴として売り込むには「食」はいい題材だね。私:オリンピックはスポーツだけでなく、文化の国際交流の祭典だでもある。 日本文化を売り込むいいチャンスだね。 そこで、アジアに現代日本を理解してもらうために、人気ドラマなどのTV番組をアジア各国で連日放映する官民合同プロジェクトが動き出し、政府予算も使ってアジア各国の放送局でシンガポールのように番組枠を買い取るのだという。A氏:プロジェクトの目的は番組の普及や観光地の宣伝にとどまらず、アジアで低下する日本の存在感の復活が狙いだという。 モデルはライバルでもある韓国だという。私:最近、中国やインドのなど新興国ブームに陰りが出たことで、次の「期待の星」に韓国をあげるエコノミストが多いという。 外人観光客数でも、韓国は日本より300万人多い。 その高評価の裏には、韓国の国のPR上手があるという。A氏:まず、韓流ドラマ、Kポップスと売り込み、人気に乗ってサムスンや現代の製品イメージが高まる。 政府も加わった「チーム韓国」の力強さが背景にある。私:しかし、韓国は日本よりひどい高齢化で社会制度の整備が追いつかない。 貧困世帯の比率は先進国で最悪。 自殺率もトップ。 北朝鮮問題も抱えている。A氏:それでも韓国の評価が高いのは、観光戦略や英語発信力など体系的にうまく進めているからだという。 日本はかっての大国意識を捨てて、世界市場に向けて必死に売り込みをしている韓国のひたむきさを学ぶべきだという。私:一躍スターとなった韓国。 日本はかっては優越感に浸っていた相手に追い越されるという「焦り」があるという。 それが最近の韓国への感情悪化の背景にあるのではないかと筆者は言う。 それで思い出したが、1980年代、日本車が米国車に追いつき、追い越そうとしたとき、日本に優越感を持っていた米国は焦り、「あのちっぽけな黄色い連中、ご存じのホンダ」という人種差別的な言葉が米国で復活したことがあったね。 「官民ジャパンアワー作戦」で日本が出直す意味はそういう面からもあるという。A氏:日本はもっと得意な「おもてなし」文化を売り出すべきだね。 その面で、外人客が宿泊する大手ホテルレストランの食品偽装の顧客軽視の体質は、クールジャパン戦略に致命的なダメージを与えたね。 大いに反省し迅速に改善すべきだね。 しかも、素材を生かした顧客重視の「おもてなし」文化の象徴である「和食文化」を世界文化遺産に登録申請しているのだからね。私:現在、日本の各テレビチャンネルで放映している地方のグルメ番組は、その意味では「おもてなし」の心がそのままあらわれていて、クールジャパンに使えるのではないかね。 これらのテレビ番組の積極的なアジア進出を期待したいね。 東京オリンピック開催を機に、韓国に負けずクールジャパンは強力的に進めるべきだね。
2013.11.11
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私:今朝の朝日新聞の「ザ・コラム」欄に大久保真紀編集委員が書いてある記事を読んで驚いたよ。 ひどい国家の詐欺だね。 1956年から59年にかけて日本政府はドミニカの優良農地を無償譲渡するということで移民の募集をした。 大規模農業を夢見た人たちが、田畑や財産を処分して、鹿児島、福島、高知、山口県などから新天地に向かった。A氏:記事によると249家族、1319人が移住したんだね。 しかし、待っていたのは石ころの山、塩の砂漠、乾燥した荒れ地だった。 土地はもらえず、生活は苦難を極め、自殺者も10人を超えたという。私:その後、大半は帰国したり、ブラジルに転住したが、残った47家族が今、約1千人の日系社会を築いているという。 政府による詐欺行為に対して、現地の大使館に交渉したり、何度も来日して政府と交渉したりした。A氏:無視する政府に対して、移住者は2000年損害賠償を求めて提訴した。 2006年6月に東京地裁は国の責任を全面的に認める一方で、20年以上経ったので、請求権は消滅したということで棄却となった。 移住者は「祖国とは何か、自国民をだまし、苦しめ、殺すのが祖国なのか」と悔しがる。私:ところが政治が動く。 判決内容を聞いた当時の小泉純一郎首相は、「実質敗訴だ」とし、国の謝罪を閣議決定し、見舞金の支給を決め、「政府として率直に反省し、おお詫び申し上げます」という極めて珍しい首相談話が出た。 原告は控訴を取り下げた。A氏:移住者を支援してきた自民党参議院議員の尾辻秀久氏は、首相談話を出す際、小泉首相に「きちんと謝ってください」と言ったという。 最初「遺憾」という表現が、率直な謝罪に変わったという。 尾辻氏は「普通の総理ならああは書かない」と言ったという。私:この首相談話で現地の大使館や国際協力機構(JICA)の対応が百八十度変わる。 しかし、まだ、優良な農地は譲渡されていない。 移住者はこれからさらに交渉を続けていくという。 記事を書いた大久保氏は、荒れた現地に立ち、流れる涙を止めることができなかったという。
2013.11.10
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A氏:今日の夕刊の「惜別」欄で中村(旧姓河西)昌枝さんの死去の記事を載せているね。 君がブログ「『東洋の魔女』論」でふれたが、1964年東京オリンピックでバレーボールで金メダルを獲得した全日本女子「東洋の魔女」の主将だった人だね。 私:厳しい練習でも女性としての身だしなみはきちんとしていたと「『東洋の魔女』論」にも書いてあったが、この新聞欄でも同様のことを書いているね。 A氏:練習ではレシーブが自分の額付近に返らないとトスを上げず、周囲を必死でプレーさせたという。私:今年に入って体調を崩したが、2020年のオリンピックの東京開催決定を喜んでいたという。A氏:しかし、今の日本女子バレーで選手の基本技術の低下を心配していたという。「パス回しが遅くなるのは、体格で劣る日本にとって致命傷」だという。 力頼みでなく、球を丁寧に扱うからこそできる美しいパスワーク。 それが求められる美学だったという。私:享年80歳。 女性としては早い死だね。 2020年まで、生きていて欲しかったね。 俺たちも2020年の東京オリンピックまで健康でいられるだろうか。 島倉千代子もなくなったね。 いつの間にか、時間が経っていき、「昭和」で活躍した人がどんどん去っていくのは「昭和人」としては寂しいね。
2013.11.09
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私:今回のコラムでは、クルーグマン教授は、「世界経済危機の元凶はドイツ」とドイツに噛み付いているね。 今、ドイツ当局者が米国に激怒しているのは、メルケル首相の携帯電話盗聴だけではない。 米国財務省の報告書にある次のドイツ批判の文章であるという。 「経常収支におけるドイツの大幅な黒字は『ユーロ圏ばかりでなく、世界経済に対してデフレバイアス』を生み、弊害をもたらすものである」A氏:この文についてのドイツ当局の怒りをクルーグマン教授は批判しているね。 実際、一時、巨額の貿易黒字を出した中国の額は減少している。 そして中国に取って代わったのがドイツで、昨年、世界最大の経常黒字国になった。 GDP比で計算すると、ドイツの黒字は中国の2倍を超えたという。私:その背景には、同じユーロ圏の南欧との関係があるね。 南欧が財政危機になり、ドイツからの要求もあり、南欧は緊縮財政に追い込まれた。 これによって、債務国の貿易赤字は解消され、ドイツの黒字も縮小し、貿易不均衡はバランスよく改善さるべきなのに、ドイツはまったく調整しなかった。A氏:ドイツが調整行動しなかったために、南欧の緊縮財政は、苦しい局面に直面した。例えば、スペインは国内失業率27%、若者の失業率57%。 このため、欧州は全体として大きな貿易黒字となり、これが世界経済が不況から抜け出せない原因の1つとなっているという。 消費が自国の商品やサービスではなく、貿易黒字国に向かうようにし、そして仕事を奪い、貿易黒字を出して、近隣諸国を零落させているのがドイツだという。私:さらに、ドイツはユーロ安により輸出に有利だ。 もし、マルクなら、マルク高でそうはいかなかっただろう。 ドイツは、黒字を貯めこむのでなく、近隣諸国のために支出を増やすべきだった。A氏:クルーグマン教授は返す刀で、米国の失業手当の削減に反対する共和党を批判しているね。私:リーマン・ショックから6年目になるが、続く不況の本質は消費の不足にある。 しかし、多くの政策立案者たちは未だにそれがわかっていない。 しかも、どうやら永遠にわからないようであると悲観的な結論に終わっているね。
2013.11.08
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A氏:今朝の朝日新聞は一面トップで食材偽証問題をとりあげたね。 昨日に続き、2日連続の一面トップだね。 今日は、有名百貨店で連鎖して発生していることを報じている。 全国の偽装メニューの数は膨大な数にのぼるね。私:昨夜、テレビのニュースステーションでも扱っていたが、盛んに「誤表示」と言っていた。 気になったが、古舘キャスターは「本当は偽装ですが」とか言い訳をしていた。 しかし、朝日新聞は「偽装表示」で一貫しており「誤表示」は使っていないね。A氏:「誤表示」を使うのはレストラン側に立った発言で、「偽装表示」は顧客側に立った発言だね。 意図的であろうとなかろうと、消費者にとっては表示と実態が違う偽の表示であることには変わりないね。 「羊頭を掲げて狗肉を売る」というのと同じだね。 ミスで「羊頭」を掲げようと、顧客が食ったのは「羊頭」でなく「狗肉」だね。私:今日は、午後のテレビ報道で、ついに、ホテルオークラまで登場したね。 帝国ホテルは大丈夫かね。 しかし、ホテルオークラの釈明記者会見では、説明が他の記者会見と違い、「『メニュー』から仕入れまでのプロセスに問題があった」というようなことを言っていたね。 ようやく視点が問題の本質をついてきたね。A氏:具体的には、君の言う、「メニュー」、「レシピ」、「食材注文書」の情報のプロセスの一元化だね。私:このIT時代の世の中で、「メニュー」、「レシピ」、「食材注文書」の情報がバラバラで一元化していないというのは驚きだね。 自動車など、2万点の部品を使う製品は完全にIT化で情報の一本化が進んでいる。 それに比較すると、調理の世界の情報化・IT化は遅れているようだね。 今回、続々出る「偽装表示」は原因が共通しており、この業界で固有のものであることを示している。A氏:とりあえず、「メニュー」にシェフの承認サインをすればいいのではないの?私:そうだよ。 そうすれば、シェフの頭の中で、「メニュー」、「レシピ」、「食材注文書」の情報は一元化できる。 次に、シェフの頭の中をIT化することだね。
2013.11.07
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A氏:阪急阪神ホテルズのレストランのメニューの偽装問題が発生してから、すでに2週間くらいたつね。 ヤマト運輸のクール宅配便のミスのスクープに集中していたせいか、朝日新聞は最初、このメニューの偽装の報道には熱心ではなかったね。 しかし、続々発生する有名店のメニュー偽装について、ついに、今朝の朝日新聞の一面トップは「食の偽装 際限なし」という大見出しで扱っているね。私:さらに続いて2面は、ほぼ、1ページ大を使って報じているね。 いずれの企業でも意図的な偽装ではないとして弁明している これは依然として姿勢が被害者の顧客を向いていない弁明だね。 故意に殺人をしたわけでないというのと同じで、人が死んでいるのは事実だね。 それと同じで、意図的でないとしても、「メニュー」と現物の料理が異なるという事実は消えないし、顧客を騙したという事実は変わりないね。A氏:誤表示でなく顧客にとって偽装には変わりはないね。私:一連のこの報道で不思議なのは、最初から俺が指摘した「レシピ」が登場しないことだね。 これは「『レシピ』と、表示した『メニュー』の違い」問題なんだがね。 それにからんで食材の注文書も納品書も報道では登場しない。 今朝の朝日新聞の報道にも、唯一、「レシピ」が登場するのは、高島屋の偽装の記事のところだね。A氏:車海老が実はブラックタイガーを使っていた理由を次の様に説明している記事のところだね。 「もともとの『レシピ』は『車海老』だったのが、製造会社と試作を重ね、価格、内容面から『ブラックタイガー』となり、『商品名』の変更を忘れていた」 と「レシピ」が1語だけ登場するね。 「商品名」とは「メニュー」のことだね。私:この場合、「レシピ」は「車海老」から「ブラックタイガー」に変更になったことを明確に記事にしていないね。 だから、正確には 「『レシピ』は変更したが、『メニュー』の変更を忘れていた」 ということになるね。 そして、後は、調理場ではこの変更された「レシピ」で調理されることになる。 試作のときは「車海老」を買っていたのが、「ブラックタイガー」に変わったから、業者にも「車海老」でなく、「ブラックタイガー」の注文書が発行され、現物はその表示で納入されているはずだね。A氏:「ステーキ」の「メニュー」表示が実際には「牛脂注入肉」や「加工肉」だったというのも、「メニュー」、「レシピ」、注文書の混乱の問題だね。私:あるテレビで、実際に業者から納入された箱に「牛脂注入肉」とラベル表示された映像を放映していたが、これは良い映像だね。 レストラン側が「牛脂注入肉」と注文書に記入して発注し、それに基いて、業者が、「牛脂注入肉」を納入したことを明確に視覚的に報じている。 そのもとは「レシピ」だね。 調理場は「レシピ」支配の世界だよ。 だから、問題は「メニュー」でなく、「レシピ」がどうなっていたかだよ。A氏:調理場の「レシピ」と、顧客向けの「メニュー」が、それぞれ別に一人歩きしているという点が、これらの偽装の共通点ではないのかね。 このレストラン業界は調理場が職人的で、「レシピ」が勝手に独立して強いのかね。私:それなのに「レシピ」の報道がないし、何に基づいて「ブラックタイガー」や「牛脂注入肉」を長い間にわたって注文し、業者が納入したのか、の報道は一切ないね。 これは自動車、電気の工業製品と比較すると分かる。 これらのカタログや取扱説明書は、設計の仕様書、図面に基づいて作成される。 そして、購買は図面通りの材料・部品を購入し、製造現場も設計の図面通り作る。 だらか、この食品偽装のような「レシピ」と「メニュー」がそれぞれ一人歩きする問題は工業製品にはシステム上発生しない。 設計情報で一元化している。 工業製品では「レシピ」にあたる「設計情報」が王様だ。A氏:工業製品のカタログや取扱説明書が「メニュー」で、設計の仕様書や図面が「レシピ」に当たるね。私:それでも大量生産の場合は不良品が顧客に渡ることはある。 だから、リコールはあるね。 しかし、カタログや取扱説明書に書いてあることと、現物が違っていたら、顧客はその製造会社の品質管理体質を疑って、買うのを控えるね。 それは極めて幼稚なシステムで企業が運営されていることを示すからだね。 今度問題を起こした業界は、工業製品の会社に学ぶべきだね。 朝日新聞は「高級志向につけ込む」と原因をきめつけているが、違うように思うね。
2013.11.06
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A氏:昨日と今朝の朝日新聞では2日連続で「攻防太平洋・資源を求めて」と題して、世界各国の太平洋への資源開発の攻防を特集しているね。私:初めにニューギニア島の天然ガス採掘のことから始まるね。 米石油最大手のエクソン・モービルが投資して、来年後半から生産を開始し、半分は日本向けだという。 日本の年間輸入量の約4%にのぼるという。A氏:それから、特集の本命の海底の話になるね。 ニューギニアの沖合ではカナダの資源開発企業ノーチラス・ミネラルズが世界初の海底鉱物資源の商業開発を進めているという。 水深1600メートルから銅や金を採取して中国に輸出する計画だという。私:ここから、太平洋全体の海底資源の話に転ずる。 海底資源の調査、開発権には「排他的経済水域EEZ」がある。 これに対して、公海の海底資源を欲しい場合は管理者の国際機関「国際海底機構(ISA)」から探査権を得れば可能だ。A氏:2010年時点で日本。フランス、ロシア、中国、韓国など7カ国が太平洋東部の「マンガン団塊」の探査権を取得している。 今年に入って日本が中国とともに太平洋中央部の「コバルトリッチクラスト」の探査権を認められた。 現時点で、太平洋ではのべ14カ国が探査権を持ち、3カ国が申請中。 太平洋にはマンガン団塊は2億トン、コバルトリッチクラストは約3億トン。 両方に含まれるコバルトの量は日本の消費の約250年分に達する見込みだというね。私:太平洋開発競争でも、中国は「海洋強国」を掲げ、意欲満々で、近年、技術の進歩も著しい。 中国建国100周年(2049年)をめどに「世界の海洋強国」となり、海洋科学技術を世界トップの水準にするという。 有人宇宙船でのドッキングを成功させ、宇宙ステーション建設に一歩踏み出した昨年6月の同じ日に7020メートルの潜水に「蛟龍号」が成功している。 それと資源が乏しい韓国も1996年に一元的に海洋政策を担う海洋水産部を設けるなど、着々準備を進めている。A氏:海洋国家日本は領海とEEZは世界6位の広さがある。 しかし、鉱物資源が安くなり、自力開発より、海外から買う動きが始まり、また、バブル崩壊で「海洋」どころでなくなり、太平洋開発には遅れた。 ようやく、海洋政策を一元的に扱う担当大臣のポストを設け、基本法が施行されたのは2007年になってからだ。 日本の海洋政策の「失われた10年」だという。私:今年3月に、愛知県の渥美半島沖で海底のメタンハイグレードから天然ガスを取り出すのに世界で初めて成功したという。 地球の深部まで切削できる探査船「ちきゅう」が深さ1千メートルの海底の約330メ-トル下から取り出したという。 10月に日本の最新鋭の海洋資源調査船「白嶺」が沖縄トラフト調査に向かった。 亜鉛、鉛、金などの鉱物資源を含んだ大規模な海底熱水鉱床があるとがわかっているという。A氏:日本も本腰を入れはじめたね。私:しかし、この日本自慢の調査船「白嶺」の船上に設置した海底掘削装置や遠隔操作無人探査機などの9割は英国や米国などの海外製だという。 この方面にも力を入れないと、海洋資源開発の産業基盤を海外企業に頼ることになり、日本はさらに出遅れるという。私:太平洋に多くの資源が眠っていることの調査に日本は大いに貢献した。 しかし、その果実を味わっているのは他の国だという。 海洋開発には莫大な資金が必要だ。 日本が太平洋海底開発に積極的に乗り出すには、政府の支援が必要だが、まずは開拓者精神を持った企業が出てくるかどうかだ、とこの特集は最後に言っているね。 ここにも「民間の爆発」が期待されるね。 太平洋の攻防は、俺たちの孫の時代に本番となるだろうね。
2013.11.05
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私:戦国時代の蓮如の頃、日本の農村社会が大きく変わる。 16世紀初めに、村落で小農の独立が進み、それまでに比べ、より横並びの協働が必要な生産・社会関係に変わっていく。 この時期に形成された村落共同体は、「ムラ社会」として、その後、日本社会の基本形になる。 戦国の終わりから江戸時代になって、葬礼の習慣が根付いていくのもそのためだね。A氏:村落共同体があるから、その構成員を弔うという発想が出てくるわけだ。私:村落共同体にとって、構成メンバーの死は重大な出来事だし、共同体の人間関係の再構築も必要だ。 葬列を作り、みんなで墓地まで行き、墓を掘って埋葬するという一連の手続きはその確認作業だね。 だから村落共同体にとって葬儀や法事は非常に重要なものとなる。 したがって、村落共同体の確立と浄土真宗の広がりは軌を一にしている。A氏:そうした村落共同体と仏教との関係を確立させ、統治システムに組み込んだのが江戸幕府の寺請制度だね。 菩提寺を決めて檀家となることを義務づける。私:村落共同体の構成単位は「家」だから、この頃から、庶民の間でも「家」のシンボルとして「先祖代々の墓」が建てられるようになる。 このような日本人の「死生観」は江戸期に作られたが、戦後、作られた「伝統」もある。 それは、お寺の住職は世襲になったことだという。それまでは師弟関係で継承されていた。 しかし、寺の世襲は檀家の要望でもある。 自分たちの葬儀と墓はどうなるのか、とにかく続いてくれることが望まれる。A氏:寺の仕事では葬式の比重は大きいね。私:それは明治の廃仏毀釈と戦後の農地改革で寺領の収入源がなくなってしまったことが大きい。 そこで葬式を立派にしてお金をいかに引き出すかという工夫が重なってきたのが、今の「葬式仏教」だね。A氏:しかし、都市化が進むと、村落共同体が崩壊し、寺と檀家の間が離れていくね。 墓地は商品となる。私:葬儀も規模の縮小と簡素化が最近の特徴だという。 村落共同体の1員でなく、現代のように「個人として死ぬ時代」になると「死生観」というもの自体、必要でなくなるかもしれない。A氏:少子高齢化、核家族化が進むと「死後に忘れられしまう」という恐れが新しい「死生観」の軸になるかもしれないね。 現代は、1周忌、2周忌くらいで後はないかもしれない。 膨大なブログの記録は死んだらどうなるのかね。私:このブログで、島田氏の著書「人はひとりで死ぬ・『無縁社会』を生きるために」をとりあげたが、島田氏には別に「葬式は、いらない」という本があるように、「無縁死」は、人間本来の姿だという。 死によって、人は自由になり、解放され、現世との縁が切れ、「無縁」になることで救われ、あらゆる死が本質的に「無縁死」である。 現代は、そういう「死生観」が存在価値を増していくのかもしれない。 村落共同体に慣れてきた人にはさびしいことだが。A氏:それで思い出したが、君の7年前のブログに「プライベイト・ライアン」というスピルバーグ監督の1998年作の映画の話があるね。 第2次世界大戦で、トムハンクス扮する大尉が、数人の部下を連れ、行方不明のライアンという兵士を探し出し、米国に連れ帰る特命を受ける。 理由は、ライアンは4人兄弟の末子だが、すでに3人は戦死しているのでライアンが戦死すると家族が絶えるからだ。 米国には当時、こういう粋なはからいがあったんかね。 もっともそれはユダヤ人のスピルバーグ監督の「死生観」による創作だろうか。私:ようやく、戦場でライアンを探し出すが大尉は戦死する。 大尉は息を引き取るときに、ライアンに「有意義な人生をおくれ」と言い残す。 ここで映画のシーンが一挙に現在になる。 白い十字架が林立するアメリカの戦士の墓で白髪の老いたライアンが10人くらいの自分の子や孫たちとともに亡き大尉の墓にひざまずく。 大尉の墓に向かって年老いたライアンは「貴方が言われたように長い間、有意義な人生をおくるよう努力したが、果たして十分か自信がない」というようなことを墓に語りかける。 そばにいたライアンの夫人が「あなたが有意義な人生をおくったのは、皆知っている」と慰める。 ここで映画は終わるね。 人は「個」であっても、最後はこういう満足した「死」でありたいね。
2013.11.04
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私:昨日に続き「文藝春秋」11月号の特集の中の記事だが、これは「日本人の死生観」と題して、宗教学者島田裕巳氏と東大教授本郷和人氏の対談だね。 日本人の「死生観」は現代、激変しつつある時代だという。 その原因は長寿化だという。A氏:「死」より「老後」の方が深刻な問題になってきているね。 「人生60年」の時は退職して10年くらいで「死」に直面していた。 今、90歳まで生きると、退職後の30年をどう生きるかのほうが大きな問題になるね。私:ところで、平安時代は火葬が多いというが、もともと火葬は仏教とともに入ってきた風習だという。 それ以前は土葬が普通だったという。 鎌倉中期までは、一般庶民の死体は放置されていた。 しかし、死体が病原菌のもとになり、疫病の源であることがわかり、土葬にするという衛生感覚が始まるという。 日本人の遺骨への執着は古いものではないという。 死体について、島田氏は世界中の宗教は「穢れ」を嫌うか、嫌わないかの2種類にわかれるという。A氏:神道は「穢れ」を嫌うね。 仏教は「穢れ」を嫌わない。 興味が有るのは、刑事ドラマを見ていると、殺人死体を刑事や検視官が調べる前に死体に向かって合掌するね。 あれは神道でなく、仏教の習慣からだろうね。私:イスラム教やユダヤ教も「穢れ」を嫌うほうだが、キリスト教は自ら清める力を持っているので「穢れ」を恐れない。 日本では死という「穢れ」を神道では扱えない。 靖国神社には、戦死者の遺骨はないね。 そこで死に関する儀礼を担ったのが仏教だね。 仏教の教義そのものは抽象度が高く、難しいものだが、日本ではずっと死によりそってきたので、仏教は日本人にとって中心的な宗教であった。A氏:奈良・平安時代には葬式などあったのかね。私:なかったようだね。 仏教と死後の供養を結びつけるのは、平安末の念仏信仰だという。 特に源信の「往生要集」は、どうやったら死後は極楽往生するかというマニュアルのようなものだという。 そこで仲間が死にそうになったら、みんなで念仏を唱え往生を助けようという念仏講が生まれる。 日本人の死生観の一つの原型となり、これが広がる。A氏:仏教といっても宗派があるね。私:現在、浄土真宗が最も信者が多いそうだ。 宗祖は鎌倉時代の親鸞だが、爆発的に勢力を拡大したのが二百数十年後の戦国時代の蓮如のときだね。 その点は明日ふれよう。
2013.11.03
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私:11月号の「文藝春秋」は大型企画とし「歴史の常識を疑え」という特集をしており、その中で「教科書ではわからない」として20項目の常識を疑う例をあげている。 この西郷隆盛の「ストレス病」の話は、その20のうちのトップに載っている。 実は、西郷隆盛は細心で緻密な計画を立て実行する人で、嫌いな相手は徹底的にやっつけるということは、以前、西部邁ゼミナールで俺は聞いたことがある。 だから、あの上野の銅像のような堂々として、一見、太っ腹な人ではないのでとは思っていた。 その緻密さは、一見、緻密そうに見える大久保利通以上だったという。A氏:彼の会津藩嫌いはすごいらしく、戊辰戦争では明治新政府軍は徹底的に会津軍をつぶすね。私:この「文言春秋」の記事に載っていないが、西南戦争での「抜刀隊」編成には、この会津藩の西郷に対する怨念が、あったというね。A氏:西南戦争では田原坂で激戦になる。 白兵戦になると徴兵制で集めた政府軍は、農民・町人出身者を中心に構成されており、士族で構成された西郷軍の抜刀攻撃には対応出来なかった。 そこで武士出身の者を集め、「抜刀隊」を編成するね。私:この「抜刀隊」は、政府軍を後方支援していた「警視隊」が武士百余名を集めて編成したものだという。 戊辰戦争で賊軍とされた旧会津藩士など旧幕府出身者が多く志願したといわれる説と、実際には薩摩藩郷士(外城士)出身者が主力を形成していたとする説もあるという。 薩摩藩郷士が多いとする説は、薩摩藩出身者の多い「警視隊」と「抜刀隊」とがこんがらがっているのではないかという。A氏:これも「歴史の常識を疑え」かね。私:「抜刀隊」の話は、この「文藝春秋」にはない。 俺が勝手に話を広げた。 旧会津藩士の隊員が、戊辰戦争で賊軍の汚名を着せられた雪辱を果たすべく「戊辰の仇、戊辰の仇」と叫びながら斬り込んでいったと言われているね。 「抜刀隊」は、田原坂で西郷軍と激戦後、これを破る。 政府軍は最後、西郷軍を追い詰め、西郷隆盛は城山で自刃となる。 翌年、大久保利通が暗殺され、薩摩の両雄の死で、当時の会津の人の中にはこれで恨みを果たしたと思った人もいるだろう。
2013.11.02
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私:毎週土曜日にデジタル92チャンネルで西部邁のコーナーが30分ある。 アーカイブもある。 10月12日土曜日には佐伯啓思氏がゲストとして登場していた。 興味があったのは福沢諭吉の「学問のすすめ」のことだね。 ここには有名な「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らず」がある。 ところが、この文章だけ、独立して世間に広まったので誤解する人もあったという。A氏:人間はもともと平等であるという意味ではないの?私:ところが「すぐ次の文」に 「されども今広くこの人間世界を見渡すに,かしこき人あり,おろかなる人あり,貧しきもあり,富めるもあり,貴人もあり,下人もありて,その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや」 とある。A氏:「現実には人には貴賎がある」とあり、なるほど、平等論とちょっと違うね。私:俺は「学問のすすめ」の概要は知っているが、ストレートに読んだことがない。 しかし、なるほどと思ったね。 福沢諭吉は「アメリカ独立宣言」を日本語に訳しているが、そこに 英語の「all men are created equal:すべての人間は平等につくられている」を「天ノ人ヲ生ズルハ億兆皆同一轍ニテーーー」と訳している。 だから、正確には「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らずと云えり」と「云えり」がつくのは、独立宣言からの引用を意味するんだろうね。 そして、英文では「神:Creator」であるところが、「天」になっているね。 これは本来キリスト教的な発想だね。私:佐伯氏によると「学問のすすめ」の最後は、意外に、かんたんなことを2、3すすめているだけだという。 1つは、「外出するときは、顔をにこやかにせよ」ということだという。 2つ目は、英語にすぐに飛びつかず、日本語をまずシッカリ学べとあるという。 それから、この座談では、佐伯氏が肥前国佐賀鍋島藩藩士・山本常朝の「葉隠」にもふれているね。A氏:「武士道は死ぬこととみつけたり」で有名だね。私:俺は「葉隠」も全部読んだことはない。 この有名な「武士道は死ぬこととみつけたり」の言葉でしか知らないから、相当、厳しいことを書いてある書だと思っていた。 しかし、佐伯氏は「『葉隠』の大半は、武士の日常の作法のことが書いてある」のだという。 茶の飲み方とか、外での会話の仕方とか。A氏:何事も浅い歴史知識は危険だね。私:「葉隠」は、当時はあまり読まれなかったという。 山本常朝は「葉隠」で殉死を強調しているが、本人はしてないという。 歴史的な事実というものは要注意だね。 「文藝春秋」11月号(今月号)では大型企画「歴史の常識を疑え」として20項目をあげているね。 「西郷隆盛は『ストレス病』で苦しんだ」など、今までの常識と違った歴史の見方が載っているね。 面白いので読んでいる。
2013.11.01
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