そうなのである。反バビシュの人たちはバビシュ氏の会社であるアグロフェルト社傘下の会社の商品をボイコットすればいいのである。会社の業績に悪影響が出るようになれば、バビシュ氏も政界から身を引くかもしれない。サマースクールの先生のように実際に不買運動をしている人たちは、そこまで考えてはおらず、ただ自分の払ったお金が回りまわってバビシュ氏の政治資金になりかねないというのに耐えられないだけという可能性もあるけど。
とまれ先ず避けるべきは、チェコ二大新聞を所有する出版社のMAFRAの出版物である。ムラダー・フロンタ、リドベー・ノビニの二紙はもちろんだが、無料で配布されている日刊紙メトロもチェコ版を発行しているのはMAFRAであるから、反バビシュの人たち受け取らないほうがいい。他にも週刊誌の「テーマ」や「5プラス2」なんかがこの会社の刊行物である。この会社は出版社なので、新聞社の出版部門のような名称で普通の本の刊行もしている。「mf」という記号の付いた本は買ってはいけないのである。アグロフェルトがMAFRAを買収したのは、2013年というから、VV党崩壊の後である。ということはこの前書いたバビシュ氏の指示でってのは間違いだったかなあ。
MAFRAはネット上で ムラダー・フロンタ と リドベー・ノビニ のサイトも運営していて、紙の新聞より多くの情報を提供している。アグロフェルト本体では、セズナムに次ぐチェコのポータルサイトの ツェントルム とニュースサイトの アクトゥアールニェ も所有しているから、ツェントルムの無料メールを利用している人は、別のサービスに乗り換えよう。バビシュメールなんて使えないよな。
オロモウツから電車でプシェロフに向かい、プシェロフの駅に近づくと進行横行右手に何本かの背の高い煙突が見えてくる。この煙突には確か「PRECHEZA」と書かれているのだが、チェコでも有数の化学工場である。この会社を含め、いくつかの化学工業の会社もアグロフェルトの傘下に入っているらしい。この手の企業の製品は、直接一般市場には出てこず、材料として企業間で取引されているだけだから、一般人には購買も、不買もできそうにない。でも、反バビシュの旗を振っている人たちの中には、この手の企業と取引のある会社で仕事をしている人たちもいるはずだから、取引停止とかできないのかね。
アグロフェルトは、本来は農業関係の企業らしいが、農産物をいちいちどこの農場で生産されたものか確認してから、買う、買わないを決めるのは大変である。ということで農業の隣の業種である食品加工業に注目しよう。
残念ながらオロモウツにもあるのである。オロモウツの牛乳などの乳製品を生産するオルマという会社がアグロフェルトの傘下に入っている。以前経営の状態が芳しくないと聞いたことがあるので、それをアグロフェルトが買収したということなのかなあ。うちは以前から南ボヘミアに本拠地を置くマデタの製品を優先しているから、オルマは牛乳もチーズも買ったことがないので、以前と比べて製品の質がどうなのかは知らない。
もう一つは、食肉加工業の、というかソーセージやサラミなどを生産しているコステレツケー・ウゼニニ社である。以前、腎臓結石の治療のために毎日自宅でピルスナーウルクエルを飲んでいたころは、つまみとしてここの会社のサラミやらハムやらを買っていたのだけど、最近はとんと買ったことがない。アグロフェルトに買収されてからは、効率と利益が最優先になってしまって製品の質、味が落ちて昔の味を知っている人には食べられたものではないという話も聞くから、食べなくていいや。特徴的なロゴのついたトラックが走り回っているのを、以前にもましてよく見かけるから、売り上げは落ちていないのだと思う。ということで酒のつまみも別の会社のものにしよう。
それから鶏肉にもバビシュ印の鶏肉があるから、それも避けたほうがいい。ボドニャニという地名を冠したブロイラーっぽい鶏肉の会社もアグロフェルト傘下である。ここも以前に比べると……なんて話を聞くから、以前の顧客が離れて新しい安いものを求める消費者が支えているのかもしれない。その消費者が離れれば、バビシュ首相にダメージあるかもよ。
製粉と製パン業のペナムも忘れてはいけない。小麦粉もパンもこの会社のものは、結構あちこちで見かけるから、気を付けていなかったら買ってしまうかもしれない。パンは、昔買って食べたことがあるかもしれないけど、パンなんてどこの会社のものか気を付けて買うことはないから、何ともいない。最近は買うときは自分の店で焼いているパン屋で買うのでペナムのパンは食べていないと思う。そのパン屋がペナムの小麦粉を使っていないという保証はないけれども。
探せば他にもバビシュ印のついた企業はたくさんあるはずである。反バビシュを叫ぶ人たちには、みんなで集まって大騒ぎして地域の人々に迷惑をかけるだけの無意味なデモだけでなく、もうすこし実効性の期待できる反バビシュ運動を展開してほしいものである。ゼマン大統領やら、バビシュ首相やら海千山千の面の皮の厚い政治家、実業家には、デモなんて蛙の面にしょんべん程度の効果しかないのは目に見えているのだからさ。
2018年11月23日17時15分。
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