動詞、現在形、過去形を勉強してきて、仮定形や受身形が使えるようになれば、チェコ語の動詞の勉強は終わりといってもいい。副動詞とも呼ばれるチェコ語のプシェホドニークはあるけど、チェコ人でも使う人は少ないし、正確に使える人もあまりいないらしい。古語扱いで学校でもあまり勉強しないのかな。プシェホドニークがもとになっているらしい動詞から作る形容詞はあるけれども、これも動詞から直接作ったと考えれば問題ない。
いきなり受身というと、身構える人もいるかもしれないが、我々チェコ語学習者は諸学のころから受身を使用している。正確には受身形からできた形容詞というべきなのかもしれないが、その境目はチェコ語の場合にはしばしばあいまいになる。それは、「疲れた」というときの「unavený」である。
この言葉はもともと動詞「unavit(疲れさせる)」からできたもので、その受身形「unaven(つかれさせられる)」に形容詞の語尾がついて「unavený(疲れた/疲れている)」となったものである。ここで厄介なのは、チェコ語の形容詞には短語尾形(これについてもいずれ)と言われる使い方があることで、ちょっと古めかしくは感じられるが「Jsem unaven」でも、「Jsem unavený」と意味は変わらないのである。
さて、すでに使っているよと例を挙げた「unavit」から「unaven」になるところからもわかるように、動詞の原形が「it」「et/?t」で終わる場合には、それを取り去って「en」を付ければ受身形が出来上がる。また原形が「it」で終わるものも、「otev?ít(開ける)」「zav?ít(閉める)」のようにこの形に含まれることが多く、それぞれ「otev?en」「zav?en」という受身形になる。
ここで、受身形の文中での使い方を先に説明しておくと、形容詞化させたもの以外は、必ず動詞「být」と共に使用される。その際、形容詞を述語として使う場合と同様に、主語と述語の性と単複を一致させなければならない。動詞「být」はいいとしても、また新たに活用語尾を覚えなければならないのである。名詞の代表的な活用語尾に倣うので簡単といえば簡単だけど。
男性名詞の単数の場合は、語尾無し、つまり「Hrad je zav?en」となり、女性単数は「Škola je zav?ena」、中性単数は「Toto místo je zav?eno」となる。特に主語を指定しない場合は、中性扱いとなって「Je zav?eno」ということになるから、「zav?eno」という形を聞いたことのある人は多いだろう。複数になると男性名詞活動体が「Páni jsou unaveni」、不活動体と女性名詞が「Hrady/Školy jsou zav?eny」、中性名詞は「Všechna místa jsou zav?ena」となる。ここにあげたのはわかりやすいんだけどねえ。
ということで、まとめに入ろう。まず動詞の受身形は、文中では原則として動詞「být」と組み合わせて述語として使用される。主語と述語で、性、単複が一致しなければならないのは、形容詞と同じ。語尾は以下の通り。
単数
男性名詞 語尾なし
女性名詞 –a
中性名詞 –o
複数
男性活動 –i
男性不活 –y
女性名詞 –y
中性名詞 –a
受身形には3種類(5種類にしてもいいけど)あって、原則として原形の語尾でどの形になるかを判断する。
A受身形の 語尾が-en/?nとなるもの。
?@原形が「-it」もしくは「-et/?t」で終わる動詞。
p?ipravit → p?ipraven
postav?t → postaven
?A原形が「ít」で終わる動詞の一部。
chtít → cht?n
?B原形が子音二つ(-st/-ct)で終わる動詞の一部。子音交代を起すことが多い。
nést → nesen
péct → pe?en
sníst → sn?den
?íst → ?ten(一人称単数?tuから)
?íct → ?e?en(一人称単数?eknuから)
?C原形が「子音+nout」で終わる動詞。子音交代を起すことが多い。
tisknout → tišt?n
dosáhnout → dosa?en
長くなってきたのでB以下は次回に回す。相変わらず構成がまずいよなあ。
2019年3月13日23時。
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image