この言葉、見てわかるように、形容詞型の格変化をするし、形容詞的に名詞と組み合わせて使う。関係詞としても使えるので、形容詞の格変化というのも、覚えるのは大変だけど一度覚えてしまえば、その後の学習がものすごく楽になるのである。それはともかく、いつものように例文をいくつか挙げおこう。
1格
(今日はどんな天気でしたか?)
・Jaké bylo dnes po?así?
(今日の天気はどうでしたか?)
無理やり訳し分けたけれども、どちらもどんな天気だったか質問するときに使うもので、チェコ語では下のバージョンを使うことの方が多いと思う。
2格
・Z jakého jazyka jste p?elo?il tuto knihu?
(どんな言葉からこの本を翻訳しましたか?)
3格
・Jakému kamarádovi posíláte dopis?
(どんな友達に手紙を送っていますか?)
4格
・Jaké máte nejoblíben?jší pivo?
(どんなビールが一番好きですか?)
6格
・O jakém tématu píšete ?lánek?
(どんなテーマについて記事を書いていますか?)
7格
・S jakou japonskou univerzitou spolupracujete?¨
(どんな日本の大学と協力関係にありますか?)
2格以降は、「どんな(jaký)」よりも、「どの(který)」を使った方がよさそうに感じるのは、日本語の影響だろうか。チェコ人に聞いたら、どちらでもいいとか、どちらも意味はあんまり変わらないという答えが返ってきそうだけど、自分では、最初から「jaký」を使うぞという意識を持っていなかったら、「který」を使ってしまうと思う。もちろん、ここに挙げた例文が、文法的な正しさはともかく、チェコの人が普通に使うものであるかどうかについては自信はない。
・Jaké je nejkrásn?jší m?sto v Japonsku?
(日本で一番きれいな町はどんな町ですか?)
無理に直訳した日本語を読んだら、どんなまちって一番きれいな町って言ってるじゃないかという感想を持つだろう。日本語なら「どこですか」と聞くところなので、「kde」を使いたいところである。ただこの手の分で使うと、「どこにありますか」という意味になってしまって、本来の意味とは微妙にずれてしまう。それで、チェコの人はここにあげた、日本人が初めて見たり聞いたりしたら、ぎょっとするような疑問文を普通に使うのである。「どの町ですか」ということで「které」を使ても問題はないはずだけど。
一応、いくつかの選択肢が提示されていて、その中のどれという場合や、提示されていなくても文脈から選択肢が限られている場合には「který」を使って、選択肢の限定がない場合、あらゆるものが対象になる場合には「jaký」を使うのかなと考えている。ただ、最後の例文でも、日本の町ならどこでもいいと言う意味では制限はないが、日本の町の中から選ばなければならないと言う意味では制限があるので、「které」を使いたくなるのである。
この「jaký」からも他の疑問詞と同じような派生語が作られる。「n?jaký(或る)」「nijaký(どんな〜〜も(ない))」「jakýkoliv(どんな〜でも)」「jakýsi(或る)」など、単独では訳しにくいものも多いけど、特別なものとしては「ledajaký」というのがある。京産大の辞書には載っていないのだけど、大抵は否定の「není」と共に使って、普通の一般的などこにでもある物ではなく特別なものであることを示す表現だったと思う。思うというのはそんなによく使う言葉ではないので、確信を持ってこうだと言い切れないのである。
この「jaký」、普段はあまり考えずに使っているけれども、いざ説明しようと思ってあれこれ考えると、本当にこれでいいのかと確信が持てなくなってくる。確信が持てないときには「který」で代用してごまかせることが多いとはいえ、厄介な言葉である。
2020年6月12日24時。
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