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2021年04月09日

カレル・ポラーチェク(四月六日)




 チェコの文学的な伝統に基づいて、新聞記者として働きながら作家活動を行ったポラーチェクの代表作も、日本語に翻訳されている作品も児童文学に含まれるものが多いが、チャペク同様、子供向けの本ばかりを書いていたのではなく、一般向けの作品も執筆していたようだ。名前を聞いたことがあるのは、『Mu?i v offsidu』というサッカーの世界を舞台にした作品。戦前にフゴ・ハース主演で映画化されているから、それを見た記憶があるのかな。

 とまれ、ポラーチェクの作品で、日本語訳されているのが、国会図書館オンラインで確認できるのは以下の三作。


?@小野田澄子訳『魔女のむすこたち』(岩波書店、1969)
 原題は『Edudant a Francimor』で1933年に発表された作品。エドゥダントとフランルィモルというのが主人公で魔女の子供たちということになるのだろうか。ビロード革命後の1993年に子供向けの番組「ベチェルニーチェク」で「三年B組の生徒の日記、もしくはエドゥダントとフランツィモル」と題してアニメ化されて放送されている。後には続編も制作されているから好評をはくしたものと思われる。
 翻訳者の小野田澄子氏は、チェコの児童文学の翻訳を手がけている人のはずだが、「honto」で確認できたのは、ポラーチェクの二作と、ラダの一作だけだった。もっといろんなところで見かけた記憶があるのだけど、古い時代の児童文学、絵本などの翻訳について情報を得るのは結構大変なのである。
 この『魔女のむすこたち』は、現在でも2018年に出た最新の少年文庫版が手に入るようである。いや、それどころか電子書籍も購入できるようになっている。


?A 小野田澄子訳『ぼくらはわんぱく5人組』(岩波書店、1990)
 言わずと知れた『Bylo nás p?t』の翻訳。原作がチェコスロバキアで刊行されたのは、著者の没後、第二次世界大戦後の1946年のことだった。この作品、子供向けの本だと思って読んでみたら、普段は使わないような難しい、古い表現が頻出して投げ出してしまった。主人公の子供が背伸びして、気取った表現を使ったという設定だったのだろうか。日本語訳がどうなっているかも気になるところだけど、残念ながら絶版で手に入らない。
 チェコでは1995年にチェコテレビで放映されたドラマが人気で、今でもしばしば再放送される。この前は、外に出られないお年より向けのチェコテレビ3で放送していて、びっくりした。日本でも放送されたらしい連続ドラマ「ラビリント」の監督を務めたイジー・ストラフが、主人公の兄役で出演している。このころはまだ俳優としてのキャリアが中心だったのである。


?B元井夏彦訳「医者の見立て」『ポケットのなかの東欧文学 : ルネッサンスから現代まで』(成文社、2006)
 日本語訳の収められた成文社のアンソロジーはすでに何度か収録作品を紹介したことがあるはずである。原題は「M?j léka? mn? poradil」だと思われるが、作品についても役者についてもよくわからない。

2021年4月7日15時30分。












タグ: 児童文学 翻訳
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