チェコに来てから、自転車を買って数年はあちこち走り回っていたのだが、仕事を始めてからはその回数も減り、最近ではタイヤの空気が抜けたまま放置してあるという状態である。職場まで歩いて30分ほどのところに住みながらトラムを利用するという体たらくで、その結果が医者に高血圧だと宣告されたのだと理解している。このとき、チェコに来て初めて、ジョギングを始めたのだが、ジョギングシューズは買ったものの、定期的に走るのには失敗した。
その後も、何度か走ろうとしては挫折してきたのだが、せっかく始めたのにすぐにやめてしまった原因を思い返すと、膝などに強い痛みが出て走ろうにも走れなくなって、痛みが引くのを待っている間に走る気力も失ってしまうというパターンが多かった。これは、恐らく自分では無理なく走っているつもりでも、弱体化した体が耐えられなかったということだろう。日本にいたころも、久しぶりなのに、昔の感覚のままに走って筋肉痛などで大変な目に遭うことがあった。
シャワーを浴びる前に毎日運動していたら、少しずつ連続でできる回数も増え、腹筋や背筋などのトレーニングも追加するようになった。増えたといっても、それぞれ合計で50〜100回というレベルでしかないが、当初の惨状に比べたらはるかにましである。そろそろ少しずつ走り始めても大きな問題はあるまい。毎日軽い筋肉痛状態で体は悲鳴を上げていたけど、夜の寝つきもよくなったし、腰痛も心なしか軽減されて、健康的になった気はした。
この時、ふと思い立って体重計に乗ってしまった。運動不足なのは自認しているし、恐らく増えているであろう体重を確認しておくのも悪くないと思ったのである。結果は、腰痛が出るのも、走ったら足が痛くなるのも当然だと思わされるほどに体重が増えていた。最近Sサイズのポロシャツを着ると、お腹がぽっこりしているような気がしていたのだけど、数字で突きつけられると、自分が肥満への路をたどっていることに愕然とせざるを得ない。
具体的な数字はあれだだけれども、高校時代の一番運動に適した体格だった(少なくとも自分ではそう認識している)頃と比べると、15kgも体重が増えていた。その後のまだ何とか動けていた大学時代から長期にわたって維持されていた体重と比べても10キロ増である。この全てが去年の春以来の引きこもり生活で増えた分ということはないだろうけれども、多少は体重を減らさないと、体力づくりなんて話にはならなそうである。このままでは足の負担が大きすぎる。
かくて、体力づくり、運動不足解消を目的とした運動に、体重を減らすという副目的が追加されることになった。これもまた年を取った証拠というやつであろうか。
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