とりあえず男性名詞複数に付く場合の格変化は次の通り。
1格 staré(不活動体)/sta?í(活動体)
2格 starých
3格 starým
4格 staré
5格 staré(不活動体)/sta?í(活動体)
6格 starých
7格 starými
このうち、2、3、6、7の四つの格は三性共通である。大切なのは、2格と6格が同じ「-ých」という語尾をとること。6格は、名詞の複数の語尾にも「-ch」が出てくるから覚えやすいのだが、2格は名詞の場合には、語尾なしか長母音で終わることが多いので気をつけなければならない。
それから、7格の語尾の「-ými」は、女性名詞の複数七格に出くる「-mi」と同じものだと考えておけばいい。名詞、形容詞に限らず複数の7格の語尾には「-mi」が出てくることが多い。いや、語尾が「-mi」で終わっていたら複数七格だと考えることができるのである。ただし、「do P?íbrami」は2格で例外である。
先に女性名詞と中性名詞に付く場合を説明すると、1、4、5格は同じ形をとるので、
1格 staré(女性)/stará(中性)
2格 starých
3格 starým
4格 staré(女性)/stará(中性)
5格 staré(女性)/stará(中性)
6格 starých
7格 starými
軟変化は、硬変化の語尾の長母音をすべて「í」に変えてやれば出来上がり。その結果、1格から7格まで3性共通になってしまう。そのため、読むときに名詞の性がわからなくなることもあるのだが、理解には影響しないからいいか。
1格 jarní
2格 jarních
3格 jarním
4格 jarní
5格 jarní
6格 jarních
7格 jarními
名詞だけでなく形容詞まで格変化をするのは、勉強する際にはやめてくれと言いたくなるようなことではあるのだが、格変化を覚えていくつかの形容詞がついた名詞節を正確に変化させて使えたときの達成感は大きい。特に6格か7格に女性名詞がつくと、語尾が「‐ch」「‐mi」でそろうから、うまく最後まで言い切れたときは、やったぜとこぶしを握りたくなるぐらいである。そのせいで、しばしば無駄に形容詞を使って話している自分も何が言いたいのかわからなくなることがあったのもいい思い出だと言えば言える。勢いあまって名詞の二格の語尾も「‐ch」にしてしまうなんて間違いもよくやらかしていたなあ。
実は、形容詞にはここまで書いてきた格変化とは別に、述語として使う単語尾形という特別な使い方もあるのだけど、ちょっと古い形で現在ではあまり使われないからあえて覚える必要はない。出てきたときに形容詞の単語尾形だとわかるように簡単に説明だけしておくと、形容詞の語尾の長母音を取り除いて、対応する名詞に典型的な語尾をつけてやればいい。男性名詞なら語尾なし、女性なら「-a」中性なら「-o」という具合である。
自分では意識しては使わないので、例があまり思い浮かばないのだけど、「hotový(完成した)」という形容詞がよく単語尾形、特に中性と対応する形で使われることは覚えておいたほうがいい。「Hotovo?」なんて一単語で、もう終わったかどうかを聞かれるのだけど、こういうのはチェコ語では無人称の文だとか言って中性単数扱いにするんだったかな。
それから昔、知人に「Já sú zv?dav」と言われて困惑したことがある。翌日師匠に質問したら、師匠も妙な組み合わせだねえと笑っていた。「sú」は典型的なモラビア方言で、「zv?dav」は、「興味がある」という意味の形容詞「zv?davý」の単語尾形。方言と今では文語的な感じのある単語尾形の組み合わせというのは、普通ではないのである。
ということで、形容詞の格変化についてはこれで「hotovo」である。
2018年3月21日10時。
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