海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2003.01.10
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カテゴリ: Classic Music
今では、音楽の巨塔としてバッハの地位は揺るぎないものがありますが、彼の生きていた時代はテレマン、パッヘルベルに較べて評価は低かった様です。
彼は10才の時に両親を失い、長兄に養育されたのですが経済的理由から音楽大学に行くことが出来なかったことが、音楽的才能を云々する前に、世の中の尊敬を得るのに困難さがあった様です。
ライプチッヒの聖トーマス教会の合唱長に就任するに際しても、テレマンが断り、次の候補も駄目になり、三番手としてバッハが選ばれるのですが、「最良の人物が得られなかったのだから、中ぐらいの者で我慢しなければなるまい」と言うのが選定理由でした。
しかも、晩年は作曲法は古いと言われ半ば忘れられた存在になり、眼の手術にも失敗し盲目となってしまうのです。

そんな彼を暖かく支えたのは、二番目の妻アンナ・マグダレーナでした。彼女が綴ったと言う想定で書かれたこの本「バッハの思い出」は真筆か否かは1936年発刊当時からあった様です。

訳者の山下肇氏はあとがきで次の様に述べています。
戦後版(1962年)には、あるドイツ人読者の読後感が「私の長い読書生活の中で、この本は最愛の書と言って良い。この魅力的な文学ほど、ドイツの家庭を美しく深く描いた書物は無い。」として紹介されている。このドイツ人読者は、本書がマグダレーナの真筆かどうかと言う疑念を承知の上で、優れた文学作品であることを主張しているのです。
その後、この疑念も次第に明らかになり、本書が真筆でないと言う見解が有力視される様になっているが、だからと言ってバッハの人間像の忠実な再現、資料としての正確さ等、その価値がいささかも減じているとも思われない。

バッハの再評価は死後100年を経て、メンデルスゾーンにてマタイ受難曲の演奏が行われて以後のことです。それ以降は彼の評価は高まる一方で現在に至っています。


バッハの平均率ハ長調の前奏曲をグノーが歌曲に編曲した“Ave Maria”をお聴き下さい





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Last updated  2005.07.12 15:49:59
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神秘和音については  
発生的には属9の和音ソ、シ、レ、ファ、ラの5度の音「レ」を半音下の「嬰ド」、全音上の「ミ」に二重に変化させて出来たものだと考えられています。<br>厳密に完全4度ずつ、というわけではなく、若干のズレはある、のかな?私もまだ詳しくないので、もう少し詳しく勉強してからまたお話しますね。いい加減なこと言えないわ(笑)。<br><br>余談ですが、昨日、クララ・ハスキルの弾く、モーツァルトの協奏曲20番と、ベートーベンの協奏曲3番のCDを借りてきました。今から、勉強する曲です。聴くのが楽しみ♪ (2003.01.10 10:50:10)

ハスキル  
情報ありがとうございました♪たくさんあるんですね…それぞれにまた違った魅力があるんだろうなぁ…聞き比べるのも楽しそうですね♪ (2003.01.10 11:08:52)

初めまして。  
こちらの記事とても勉強になります。バッハよくしらなかったのですが、MIDIサイトでプレルーディウムと言う曲を作っている人がいて、バッハは好き!と思ってしまいました。普段はテレビや映画の感想日記を書いています。TBつけさせて頂きました。よかったら遊びに来てくださいね。 (2005.07.14 14:19:18)

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カーク船長4761 @ Re[1]:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) オジン0523さんへ 26年前に修正致します!
オジン0523 @ Re:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) 私も2011年7月に男二人で北欧の旅を楽しみ…
カーク船長4761 @ Re[1]:クレジットカード情報の漏洩(05/30) maki5417さんへ 不甲斐無いのですが、末尾…
七詩 @ Re:クレジットカード情報の漏洩(05/30) 毎日のようにそういうメールが来ます。と…
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