海外旅行紀行・戯言日記

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2003.06.29

乗客は戻った様ですが・・－危機にある航空業界

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6月16日、6月21日成田－シカゴ往復便は殆ど満席で、旅行客は戻って来ていると思いました。イラク戦争・SARSの影響から脱却しつつあるのでしょうか？
航空会社の株主通信等を見ていると、競争激化による単価下落の影響が大きく、収入減となり先行きは大変のようです。

米国航空宇宙学会誌の6月号の巻頭論説は次ぎの様に航空業界の現状を述べています。

空港でのセキュリティの厳重さ、9.11多発テロのトラウマによる飛行に対する不安、行楽客の航空便利用の差し控え、新型肺炎SARSへの恐れ、航空業界役員の不当な行動など種々のマイナス要因が重なって、航空業界は回復が難しい状況になってしまっています。
ユナイテド（United Airlines）は破産手続き中ですし、USエア（US Airways）は破産は免れたが未だ危険な状態、アメリカン（American Airlines）も破産手続きに入りそうな状況になっている。デルタ（Delta Airlines）及びノースウェスト（Northwest Airlines）は少し状態が好転している様ですが、未だ不安定なままです。
議会筋では「強制介入なり調停はあり得ないので、各社はスリム化を図って再生するか、そのまま消え去るしかあり得ない。」との観測がされています。このままでは生き残るのはSouthwest Airlinesしか無いのでは無いかとの悲観的な議論もされている様です。

健全な航空業界であることは何十万人と言う従業員と株主にとって重要であるだけで無く、何百万人と言う旅行者にとっても大切なことだと言えます。
航空業界の健全性は、航空機製造会社から、航空電子部品、ブレーキ・タイア、翼・ドア、座席・カーペット供給メーカにとっても欠くべからざるものです。
その連鎖効果は尚続き、売上減少は研究開発費を減らして新技術の台頭が無くなり、惹いては米国航空業界のリーダとして地位を危うくすることになります。
航空業界未来検討委員会は報告書で「航空宇宙業界は経済的にも、安全観点からも、輸送観点からも主要な役割を果たして来ましたので、政府として投資を増やしてこの難局を打開し、民間投資も増える様に画策して欲しい。」としています。

今こそ、政府・民間双方とも全力を挙げて、高い壁を乗り越えて健全な航空業界を取り戻す為に努力しようではありませんか！

しかし、USA Today 6月16日には次の様な記事も掲載されていました。

ヨーロッパ航空製造会社エアバス（Airbus）は今年300機のジェット旅客機を納入し、航空機製造の巨人ボーイング（Boeing）を凌駕することになった。
エアバス社によれば、今年のパリ・エアショーで、昨年に較べ75機多く、新たに250機の受注が見込まれると発表しました。

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