海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2004.02.04
XML
カテゴリ: Opinion
先週スイスでのダボス会議でも、民主主義は各地域の特異な文化に根ざしているとの発言がありましたが、地盤・看板が蔓延っている日本の政界では、国民による国民の為の真の民主主義は本当に根付いているのでしょうか?
小泉政権が田中真紀子と共に誕生した時にはその期待が持たれましたが、幻想に終わりました。

アメリカのブッシュ政権、イギリスのブレア政権が共に、イラク侵攻の大義となった大量破壊兵器(WMD)情報について、真相を調査する超党派の独立委員会を設けると表明しました。
最近の世論調査での「イラクを攻撃した本当の理由を調査すべきだ」と言う世論動向に押され、無視することは政権崩壊となるとの判断からの様です。

発端は先月まで米政府の現地調査団長であったデビッド・ケイ氏が、議会で「イラク開戦時にWMDが存在したことを示す証拠は一切無い。殆ど誰もが間違っていた。」と証言したことでした。
イラク侵攻時、情報操作もされたこともあり、イラク攻撃に肯定的であった米国主要メディアも復興支援事業でのハリバートン社の独占的契約に疑念を呈して、ブッシュ政権の「この問題での言い逃れ」を批判するようになりました。
アメリカ大統領選挙でも、対抗馬となる民主党候補者が「ブッシュ政権のイラク占領統治反対」を声高に叫び、大きな世論動向となりましたのでそれに乗ったメディア戦略もあるのかも知れませんが、右に寄りすぎた政策を中立地点に迄戻そうとするバランス感覚が絶妙に働いているのでしょう。
やはり、米国の民主主義は健全に機能していると感心せざるを得ません。

日本では民主主義を標榜しているのですが、小泉政権は従来の自民党政権よりも尚一層、米国追従主義の政策推進に勤しむこととなりました。
独自の調査機関も無く、内閣官房の意のままに世論動向も無視して、国連外交よりも日米同盟(この言葉は何時から使われる様になったのでしょうか?)重視を鮮明に打ち出しました。
「日本が危機に陥った時、国連は日本と共に戦ってくれない」と従来国是であった国連重視の政策をあっさりと否定してしまいました。
イラク侵攻の大義に対しては「過去にWMDを持ち、それを使って自国民をも殺戮した。国連の調査委員会にも非協力的であったので、国連決議違反だ。」
「WMDが見つからないと言って、無かったことにならない。」とブッシュ政権の情報提供を受けての米国追従主義に徹し、「イラク侵攻はフセイン圧政に苦しむ、イラク国民を解放したことで正しいことであった。」と自衛隊をブッシュ政権の要請によって占領統治されたイラクへ人道支援の名目で派遣してしまいました。しかも、派遣壮行会では「戦地に赴く出兵兵士を送る」主旨の悲壮な言葉での激励となりました。
衆議院での派遣承認決議では、自民党では党議拘束を掛けましたので、世論動向を見ての大物議員3人の決議欠席があっただけで、その疑問の輪が他の議員まで拡がることが無かったのは残念です。

日本では、民主主義の名を借りた追従主義が横行しています。
米英両国での超党派の調査委員会の結果をどの様に小泉政権が判断するのか注視して行きたいと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.10.23 11:38:48
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Category

カテゴリ未分類

(190)

My Town

(532)

Little Journey

(785)

Overseas US

(231)

Overseas Europe

(191)

Opinion

(1323)

Classic Music

(523)

Technology

(199)

Flower

(598)

Books

(207)

Goto Islands

(262)

Gardening

(215)

PC

(174)

Social Security

(35)

Stock

(139)

Politics

(726)

技術士

(18)

Overseas Oceania

(19)

Paintings

(72)

TV

(70)

Profile

カーク船長4761

カーク船長4761

Favorite Blog

デジカメ・ミラーモ… New! 隠居人はせじぃさん

映画「碁盤斬り」を… New! 七詩さん

休止 Fugu-chanさん

雲の上はいつも蒼空 蒼空0205さん
旅でのひとり言 旅行好き2002さん

Comments

オジン0523 @ Re:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) New! 私も2011年7月に男二人で北欧の旅を楽しみ…
カーク船長4761 @ Re[1]:クレジットカード情報の漏洩(05/30) maki5417さんへ 不甲斐無いのですが、末尾…
七詩 @ Re:クレジットカード情報の漏洩(05/30) 毎日のようにそういうメールが来ます。と…
maki5417 @ Re:クレジットカード情報の漏洩(05/30) Amazon発信と称するメール 末尾が、「.c…
カーク船長4761 @ Re[1]:有川湾奥の矢倉岳から見る新上五島町(05/26) 小倉さんとこの孫さんへ 榎津郷は竹の子島…

Freepage List

東京都多摩市


多摩市周辺


神代植物園


自宅周辺で良く行くお店


近くの低山


低山でも注意を


供養登山-低山トレッキング


西海国立公園


上五島日記


下五島日記


海外旅行の思い出


ホテルが見つからない


レンタカーが変調


大都会の一方通行


北米家族旅行


北米家族旅行(2)


ヒューストンの住居


アメリカは広い!


テキサス州の州花


Deep South


住み良い都市統計


パクス・アメリカーナ


キャンプ生活


カリフォルニア1号線


カナダお国自慢


温泉国立公園


化石の森国立公園


カールスバード鍾乳洞


Everglades国立公園


Great Smoky Mt.


ニュージーランド南島


珈琲が美味しくない


Kingston Flyer


南ヨーロッパ旅行


チロルでは寄り道


パンと湯はホテルで


ザルツブルクの魅力


美しい夏の行方


北ヨーロッパ旅行


夏の個人旅行は難しい


天才アーベル


Clara Haskil ?


ディヌ・リパッティ


ホルン信号


Charllote Church


ヨーゼフ・シゲティ


エミール・ギレリス


ナルシソ・イェペス


キリ・テ・カナワ


半額チケット


ブレンデル


Andras Schiff


バレンボイム


コレルリ


ヘルマン・プライ


へブラー


グレン・グールド


ラズモフスキー3番


デュ・プレ


カール・ライスター


油絵を描く楽しみ


美術館での写真


レンブラント


如意輪観音


拙いパステル画


スケッチと模写


ゲーテの詩は如何?


陶淵明の雑詩


奥の細道


ヨーロッパとは何か


魔法使いの弟子


ボードレール


杜甫


すみれ-ゲーテ


北米の国立公園


米国 国立公園


カナダ国立公園


ドイツ旅行


遅れてきた国民


プロテスタント


フランクフルトと京都


Riemenschneider


ドイツとゲルマン


ベートーベン生家


シュヴァイツァー博士


フランス旅行


星の王子さま


落葉


ボードレール


東欧旅行


幻想都市プラハ


スイス旅行


アインシュタイン


ハイジの道


シオンの城


ベネルックス三国旅行


夢の跡-ブリュージュ


英国旅行


三越のライオン


オーストラリア旅行


海外生活


JCBが使える


Globalization


レッド・ドラゴン


「大学」-宇野哲人


世界の美術館 訪問記


読書評


イタリア旅行


ポルチーニ


カナダ旅行


メキシコ旅行


インド旅行



© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: