海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2004.02.25
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テーマ: 本日の1冊(3684)
カテゴリ: Books
景気回復が宣言されたとの政府発表があって、マスコミでも4半期ではありますが年率7%の経済成長があったと報道されましたが、世間一般には一向に回復感の無い状態が続いています。
失業率は高いままで都会には失職したホームレスが溢れ、新卒者の就職も史上最低を更新しています。
国民年金も官僚に将来展望も無く無駄使いされて、残高が減少の一途となり破綻状態となりました。
この様にどんどん、希望を抱いて世の中を生きていくことが難しくなっています。

この様な世情の中、倫理感覚も薄れてしまい、信頼すべき警察、病院、学校の不祥事が日常的となりました。警察内での公金横領があったと思えば、警察官が誘拐犯となる始末ですし、病院での手術ミス隠蔽は後を絶ちません。
治安の乱れも酷く、空き巣に留まらず、強盗事件も多発、詐欺も「オレオレ詐欺」と巧妙化し、世間には不安だらけです。
消費者金融の30%利息が法律上認められ現実には100%以上の利息が課せられていますし、本来ボランティアであるべき介護もビジネスチャンスと捉えて金儲けの機会にする等、拝金主義の横行も最悪の状態になっている様に思われます。
弱いもの虐めも極まれりの状況ですが、糾弾すべきマスメディアのテレビ業界も広告料収入維持の為、視聴率アップを図るとして芸能人の巣窟になり果て、挙げ句の果てはアナウンサー迄芸能人気取りに汲々としています。

何か地道な生き方を忘れてしまった日本はどうなっていくのでしょうか、50年を経て尚色あせない言葉がありましたので紹介致します。

人生について-「1978年初版、2003年10版」(小林秀雄著)
20編程の評論が収められていますが、冒頭の「私の人生観」の末尾に次の様に書いています。

思想が混乱して、誰も彼も迷っていると言われます。そう言う時には、又、人間らしからぬ行為が合理的な実践力と見えたり、簡単すぎる観念が、信念を語る様に思われたりする。けれども、ジャーナリズムを過信しますまい。ジャーナリズムは、現実の文化に巧まれた一種の戯画である。思想のモデルを、決して外に求めまいと誓った人。平和と言う空漠な観念の為に働くのでは無く、働くことが平和なのであり、働く工夫から生きた平和の思想が生まれるのだと確信した人。そう言う風に働いて見て、自分の精通している道こそ最も困難な道だと悟った人。そう言う人は隠れてはいるが到る処にいるに違いない。


これは戦後の混乱期で未だテレビ時代前の1949年での講演記録「私の人生観」で語られている小林秀雄の言葉ですが、そのまま現状への打開の言葉として聴ける感じがする様です。
50年以上何の進歩もしていないと分かるのが驚きでもあり、空恐ろしくもあります。





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Last updated  2004.02.25 18:25:46
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カーク船長4761 @ Re[1]:米国を懐かしんでスコーンを食する(05/01) maki5417さんへ イギリス発祥なのかも知…
maki5417 @ Re:米国を懐かしんでスコーンを食する(05/01) 英国が起源かと思っていました。
通りすがり@ Re:桜ヶ丘公園のキンランとギンラン(04/25) 掲載画像はギンランではなくササバギンラ…
maki5417 @ Re:ツツジ・花水木の美しい季節(04/27) こちらもハナミズキが咲き始めました。 ア…
オジン0523 @ Re:花のある生活(04/21) 奥様との思いでいいですね。 我が家でも家…

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