海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2006.06.19
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テーマ: ニュース(99718)
カテゴリ: カテゴリ未分類
近頃「鯨ウオッチング」などで環境保護の象徴ともなって来ている鯨、その商業捕獲が禁止されてから24年が経過して変化が出て来ている様です。
個体数が激減した時は「保護策」は有効ですが、一定の個体数増加があった時は、生態バランスを保つ意味で捕獲は認められるべきだと思っていました。
鯨の補食するオキアミ、小魚は大量で生態バランスが崩れるのではとの主張もあった様ですが、一理あると思われました。
日本国内でも野生猿、野生鹿なども保護されて来たことで、個体数が増えすぎ、農作物被害、森林破壊も懸念されますので、この様な「保護政策」は「過ぎたるは及ばざるが如し」と柔軟に対応して行くことが必要だと思っています。

カリブ海で開催中の国際捕鯨委員会(IWC)総会は3日目の18日、1982年の商業捕鯨一時禁止決定に批判的な内容の宣言を、33対32の1票差で可決した。
捕鯨支持派がIWCの主要議題で過半数を獲得したのは、禁止決定以来初めて。宣言には拘束力はないが、IWCの意思を示すものとなる。
今回のIWCは初日の終了時点で、捕鯨支持派とされるガンビアやトーゴが新たに分担金を支払って投票権が認められたため、採決が捕鯨国に有利になる可能性があるとの見方が出ていた。
2日目には、日本が承認を求めた4地域の漁民によるミンククジラの沿岸捕鯨の実施が、賛成30、反対31、棄権4の小差で否決されていた。


「捕鯨禁止」でネット検索してみましたら、その辺の経緯を解説したWebサイトが見つかりました。24年前もどろどろとした政治決着の結果で、今回採択でも「どろどろ」の政治駆け引きが続いているとの興味ある記事でしたので、脚色して転載します。

1946年に設立されたIWCは、加盟国17カ国前後で捕鯨国の仲良しクラブだった。状況が一変したのは1971年アメリカが「クジラやイルカなど海洋哺乳類の保護」を重要な政策として打ち出してからである。
この「保護政策」にイギリスも協力し、捕鯨に少しでもかかわりがある世界中の英連邦諸国を次々とIWCに招き入れた。スイスのように海のない内陸国も捕鯨に反対する目的で入ってきた。その結果、加盟国は1980年代には40カ国を超え、大半が捕鯨に批判的な国々になったところで、1982年商業捕鯨を禁止する決議(モラトリアム決議)がIWCで多数決採択され、1986年から禁止が実施された。

IWCでは決議があっても異議申し立てをすれば、従わなくてもよい決まりがあった。日本はノルウェーと共に異議を申し立てたが、アメリカから圧力をかけられて撤回してしまった。日本漁船はアメリカの200海里水域内で漁をさせてもらっていたが、日本が異議申し立てを撤回しない限り、日本に許可していた漁獲枠を削ると言ってきたのである。
ノルウェーは異議申し立てを維持して1993年に捕鯨を再開し、アイスランドも1992年に脱退したことで、日本は主要捕鯨国で唯一モラトリアムによる直接の影響を受けている国となった。

だが1990年代後半になり、日本が対米従属度を高めるとアメリカが捕鯨に関して日本に圧力をかけることは減った。こうした変化を背景に日本はまきかえし作戦に出、日本は発展途上国に開発援助(ODA)の見返りにIWCでの日本の立場に賛成するよう要請した。かつて英米が行ったのと同じ戦法をとったのである。

明治から敗戦をはさんで1970年代までは、鯨肉は国民的なタンパク源で、近代的な捕鯨によって安く大量の鯨肉を確保し、缶詰やその他の大衆食として定着させ、日本の産業振興を支えるという国策があった。
こうした政策は1986年の商業捕鯨禁止によって終わったが、それが外圧による強制であったため、日本政府は捕鯨再開を求める方針を掲げた。これは当時としては良かったかもしれないが、その後の日本が空腹の時代から飽食の時代へと変わっていき、食品流通が国際化されて安い牛肉などが海外から入ってきた結果、国民的な栄養源としての鯨肉の重要性は減った。
にもかかわらず日本政府が捕鯨にこだわっているのは、いったん決めた政策を変えることが難しいという、官僚制の弊害によるものだろう。その弊害を利用して、捕鯨協会がロビー活動を展開している様に見える。





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Last updated  2006.06.19 10:57:02
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カーク船長4761 @ Re[1]:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) オジン0523さんへ 26年前に修正致します!
オジン0523 @ Re:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) 私も2011年7月に男二人で北欧の旅を楽しみ…
カーク船長4761 @ Re[1]:クレジットカード情報の漏洩(05/30) maki5417さんへ 不甲斐無いのですが、末尾…
七詩 @ Re:クレジットカード情報の漏洩(05/30) 毎日のようにそういうメールが来ます。と…
maki5417 @ Re:クレジットカード情報の漏洩(05/30) Amazon発信と称するメール 末尾が、「.c…

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