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2006.11.18

教育基本法改正案－強行採決

(5)

テーマ：政治について(19894)

カテゴリ： Politics

安倍新政権が「美しい国、日本」を標榜し、今国会の最重要課題と位置づけた「教育基本法改正案」が与党の単独強行採決で、11月16日に衆議院を通過しました。参院の審議内容がどうであれ、一ヶ月経過すれば法案は自然成立の運びになることから12月15日迄の会期中に、同法を成立させるための強攻策だった様です。

凶暴少年犯罪の多発、小中学生の自殺問題、いじめ問題、学力低下問題、高校での必修課目未履修問題等、国民としては「崩壊に向かいつつある日本」を防ぐべく、先ずそれらへの是正解決策を求めています。

しかし、隠蔽体質と問題先送り主義と言う積年の病弊により日本の教育に問題が山積していることと、今回の教育基本法改正案はまるで結び付きが無い様に思われ、強行採決には合点がいきません。

今回改正案は「愛国心」がキーワードで、与党である公明党から申し入れで「我が国と郷土を愛するとともに」と修正されていますが、法案成立が教育諸問題への解決の糸口にならない様で、焦眉の急とも思われないのです。

今回の改正案
第二条（教育の目標）
教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとすること。
一　幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体をはぐくむこと。
二　個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性をはぐくみ、自主および自律の精神を養うとともに、職業および生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三　正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四　生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五　伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

従来の基本法
第２条（教育の方針）
教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。

教育の問題は「百年の計」と言われますが、単なる法律改正で済む問題でなく、やはり日本の爛熟した経済社会の中で腐敗して来た道徳・倫理観、それらは世代を越えて取り戻す必要があるのだと思います。
就学児童及び教育関係者の問題として極小化すること無く、格差是認する様な労働者権利諸問題、官民を問わない隠蔽体質、金権万能主義など、積年の病弊社会を是正すべき項目が山積しています。

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