「亡き王女のためのパヴァーヌ」(Pavane pour une infante défunte)は、フランスの作曲家ラヴェルが1899年に作曲したピアノ曲、1910年にラヴェル自身が編曲した管弦楽曲。 パヴァーヌとは、16世紀から17世紀にかけてヨーロッパの宮廷で普及していた舞踏のことで、原題のinfante défunteは「死んだインファンタ(スペインの王女の称号)」を意味し、韻を踏んだ表現が選ばれていて、歴史上の特定の王女に捧げて作られたものではなく、スペインにおける風習や情緒に対するノスタルジアを表現したものであり、こうした表現はラヴェルによる他の作品や、或いはドビュッシーやアルベニスといった同年代の作曲家の作品にも見られる。 ラヴェルがルーヴル美術館で出会った、17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスが描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲したとされる。