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January 15, 2006
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私は昭和の後、新しく誕生した元号「平成」にまだ馴染めずに、 「日本ではなくて、中国かどこかで暮らすような気分」 と日記の続きに書いてある。

本当に不思議だが、「昭和64年になった」と1週間前は皆で祝ったのに、その「昭和64年」も、また「昭和」も今夜限りなのだから。昭和64年がこんなに早く終わる―と言うより、何よりも昭和がこんなに早く、あっけなく終わるなら、もっと年が明けて、色々なことを書き記すべきだった―等々と後悔してしまう。

●結局、この時代の半分弱を生きた者にとっては、さまざまな想いが去来してしまう―戦争を体験しなくても。『さよなら子供たち』―ルイ・マルの作品であるこの映画が、最終的には、この時代の最後の(映画館で観た)映画になってしまった。正確には、この時代の最後の映画は、VTR で5日に観た『愛と哀しみのボレロ』なのだけれど。

●もう二度と、今夜限りで「昭和」はなくなるのだ、と思うと、親しい友人か肉親をいきなり失うようで、本当に寂しく哀しい。感傷的になってしまう。単に天皇が変わった、というだけのことではなくて、その時代に生きた個人個人の生活の歴史や意識が変わってしまうのだから。

●大正から昭和の境目に26歳だった人なんぞは、もう90歳だし、今度の新しい元号の時代がそんなに長く続かないのだとしても、やがては「昭和最後の年に26歳だった人は、もう90歳」と言われる時が来る―間違いなく西暦2050年には。今、昭和が終わりつつあるだけで、こんなに動揺しているのだから、21世紀になったら、どんなに感動するだろう。あと約10年―(来年にはきっと、「21世紀まであと僅か10年」と世界が騒ぐだろう)―自分はその10年後、どこで、どうしていることか。


 こんな日記を読むと、時代の境目にたまたま遭遇した私自身の感傷がよく分かって、興味深く思う。今は平成18年。明治の人ではないが、 「昭和は遠くなりにけり」 という感じが徐々に濃くなってきたようだ。

 また、私は21世紀の始まりを、よく当時は把握していなかった。 西暦2000年が21世紀の始まりだ と思っていたのである。正確には、21世紀の始まりは2001年からだった。これは不思議だ。

昔有名だったイタリア映画に 『1900年』 というのがあった。 この中で、登場人物が「もう20世紀だからな」と言うシーンがあった 。なぜ21世紀の始まりは「2000年」ではなかったんだろう。

 また、昭和時代最後の(というより私自身が、昭和の最後に観た)映画はかの有名な 『愛と哀しみのボレロ』 だったことも、すっかり忘れていた。

 この映画はフランス映画で、クロード・ルルーシュ監督作品。映画のタイトルは、 『レ・ザン・エ・レ・ゾートル』(Les Uns et Les Autres) と言う。直訳すると「一人とその他の人々」になってしまう。これでは日本では受けないので、『愛と哀しみのボレロ』にしたんだろう。

1980年代は、映画には何かと『愛と哀しみの○○』とか『愛と青春の日々』といったタイトルがついていたなあ~ と思う。それはそれでいいんだけれど、実際、この映画は 第二次大戦下のユダヤ人の「愛と哀しみ」を描いていた し、強制収容所で生き延びた音楽家のユダヤ人たちや、ヨーロッパ戦線から帰還したジャズ・ミュージシャンのアメリカ人などが、戦後再開し、それぞれの人生と、新しく生まれた子供たちに将来を託すお話なのだった。

最後のシーンは、戦中の思い出を胸に、彼らとその2世たちが、1980年のパリ・トロカデロ広場に集い、ユニセフのチャリティ・コンサートを開く 。ここで登場するのが、1936年、ボリショイバレエ団のオーディションを受けたバレリーナと、その選考委員を務めた男性との息子セルゲイ。

セルゲイは、ここでラヴェルの「ボレロ」を踊る 。だからこの映画は、『愛と悲しみのボレロ』という題名が分かりやすくて、相応しいんだろう。

 昔、高校の世界史の先生が(ちょっとシチリアのマフィアみたいなハンサムでした)コテッコテの大阪弁で、こう言っていたことも思い出す。

「君らなぁ、『ボレロ』作曲したラヴェル、知っとるか?ラヴェルっちゅう人はやなぁ、ホンマ偉い人なんやで。ラヴェルはな、背ぇが低かったんや。それがものすごいコンプレックスやったんや。そのコンプレックスを、撥ね返そぉー思うてな、あのすごい『ボレロ』作ったんやで。一度、聴いてみぃ」

 ところで、この映画で「ボレロ」を踊る俳優は、ジョルジュ・ドン。素顔はなかなか渋い。ブエノスアイレス生まれの人で、 モーリス・ベジャールの「20世紀バレエ団」 のスター・ダンサー。私はこの『愛と哀しみのボレロ』と聞くと、必ず このジョルジュ・ドンの踊り を思い出してしまう。

 80年代は、「20世紀バレエ団」に代表されるように、従来のクラシック・バレエをぶち破るような、革新的なバレエが次々と誕生した。音楽も、現代音楽を使い、踊りも余計な装飾を省いた、 人間の「肉体美」を前面に押し出した舞台 がどんどん発表された。

 「ボレロ」の曲は好きなのだが、ジョルジュ・ドンがこの映画で見せる踊りは、 「けばい衣装」と「ムキムキの肉体美」が混ぜ繰り返っていた 。「けばい衣装」はまあまあ許せるが、 あの「筋肉ムキムキッ」のマッチョは、「なにこれ~?」(笑) ......と言うのが、正直な感想なのだった。

 ジョルジュ・ドンさん、ごめんなさい。今でもジョルジュ・ドンはダンサーやっているかなあ。それとも、もう58歳だから、演出家かなあ。21世紀になっても、「20世紀バレエ団」の名称はそのまんまかなあ......昔の日記からは、昔活躍した方々が顔を出す。それも古い日記帳の醍醐味なんである。





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Last updated  January 30, 2006 01:34:41 AM
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