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今年のクリスマスは、実は受験高校の説明会があったのだが、同じものが1月18日にある、ということなので、息子は、「クリスマスなのに、外出しないのはつまらない。クリスマスは、街の雰囲気も違うし」と言った。
それで、観たかった映画『のだめカンタービレ・最終楽章劇場版』を観に行った。
よく以前、「漫画の『のだめカンタービレ』などで、クラシックファンが増えましたね」というコメントをサイトで見かけたりしたのだったが、私は、その漫画を知らなかった。
Wikipedia で原作者の二ノ宮知子さんを検索すると、その作品の解説が詳しく載っていた。
随分と緻密な構成で、クラシックに精通している人が描いたのでは、と思わせるようなストーリーのようだった。
最初、タイトルの『のだめ』の意味が分からなかったが、それも、作品に登場する女性ピアニストの名前が「野田めぐみ」だから、愛称が『のだめ』になった、ということだった。
この作品を読んで、「本格的にクラシックを勉強し始めました」と言う人が多いほど、その影響力はすごく、かつ大人気だったらしい。
私は、「クラシック漫画というと、くらもちふさこさんの『いつもポケットにショパン』があるんだけど?」と不思議に思った。でも、その疑問は、11月の終わりに買った、映画情報誌TVTaro ですんなり解けた。
表紙が、『のだめカンタービレ』に登場する、のだめの彼氏を演ずる玉木宏だった。
最初は「ふぇ~最近の芸能人は、草食系男子が多いんじゃのぅ」と思ったほど、表紙の玉木君は色白でふにゃ~っと優しげな表情だった。
「こういう雰囲気の人が、最近はもてるのだわ」
でも、その玉木君の『のだめカンタービレ』に関する特集記事の写真などを見ると、すぐに「こ、これはスゴイ!面白そうで、カッコいい!観たいよ、この映画!」となっちゃったんである。
舞台が、チェコ、ウィーン、パリ、etc. に加え、玉木君の指揮者ぶりが唸るほどカッコ良すぎる。
それに主役のピアニスト「のだめ」ちゃんが、天才的なピアノの腕前なのに、普段は、ぼ~っとしてて、且つ、玉木君演ずる「千秋(千秋)先輩」に「愛されている」っていう、一方的な妄想を抱きやすいって所が笑える。
実際、観に行ったら、もう傑作。
「千秋」は素敵だし、指揮もピアノもバイオリンもこなすし、その時の真摯な表情が、「草食系」どころか、しっかり伝統的な「男前」!
音楽も、クラシックの王道をしっかり歩んで描かれている。「千秋」は「俺様、何様、千秋様」と言うほど、プライドが高く、人にも自分にも厳しい。(俺様を何様だと思ってんだ?千秋様だぞって意味かな。)
肩で風切って歩き、ごみ溜めみたいな、ルー・マルレ・オーケストラの団員をしごき、「黒髪プリンス」とあだ名をつけられつつも、最後には、見事にオケをまとめ上げ、立派な演奏を指揮するところに感動、感動♪
そんな「エリート男」が唯一、弱いのが、天才的なピアニスト且つ「変態的妄想癖」のある「のだめ」ちゃん。
のだめちゃんは、パリの「コバト」、コンセルバトワールでの進級試験に一発で合格、「トレビアン(成績優秀)」をもらうほどピアノがスゴイ。
その、のだめちゃんが、千秋先輩を見つけて、ダダダーッと駆け寄り、「せんぱぁ~い!」と抱きしめ、彼の首にキス、ではなく、思わず噛みついてしまう所がすごいギャグで、爆笑してしまう。
千秋はのだめを「俺様が面倒見てやる」みたいな感じで接している(本当は彼女の才能に惚れ込んでいる)が、のだめは千秋先輩と「相思相愛なの」と思い込んでいるんだから、あらゆるところでパロディが発する映画なのだった。
誰でも、天才的指揮者と天才的ピアニストには憧れるというのに、そのカップルがチグハグで、笑えるんだなぁ。
だから、「この映画、この『のだめカンタービレ』は大人気になったんだ」と理解できた。
『いつもポケットにショパン』も、優れたクラシック漫画だけれど、これほど笑えるわけじゃない。こちらは本当に感動する。だから、『いつもポケットにショパン』も、映画になったらいいのに、とも思った。
それにしても、『のだめカンタービレ』には驚いている。来年は、最終楽章の後編がまた4月17日にリリースされるから、また絶対観たいし、DVD も、原作も絶対読みたい!と思ったのでした。
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