全20件 (20件中 1-20件目)
1
湘南さんのーレ・ルーミエ・ド・フォセ。ルーミエの孫による新興ネゴシアンだそうですヴェリタスさんで06シャトー・ド・フォンサレット5k台ですINAGEYAさんでセシルトランブレの07シャペル・シャンベルタンが税込15Kこちらは09ボーヌ・1erCru(フレデリック・コサール)。まあ元が高いですが。フィッチさんのDRC09コルトン友人たちと「ラ・ポルト・デュ・ヴァン」でワインの会をしたときに私が持ち込んだワイン(その1)です。実のところこの店のワインの価格は非常に安いので、店で注文しても十分だったのですが、たまたまセラーをあさっていて目についたので持参してみた次第。で、このホークスベイ、非常に特徴的なというか典型的なソーヴィニヨンブランです。クリアな色調、熟した柑橘系果実やレモン、グラスハーブ、それに硬質なミネラル。よくできたサンセールなどのような微妙なデリケートさはありませんが、強くまっすぐで透明な酒質には素直に好感を抱きます。NZのソーヴィニヨンブランというのは本当にレベルが高いなぁと思わせる一本。あと、私が持ち込んだのは~クロヴジョ07(ロベール・アルヌー)~カレラ・ジェンセン06 の2本でした。アルヌーは写真取り忘れ。ユドロノエラの後に、さすが特級は凝縮感が違うねぇ、などといいながら飲んだぐらいの記憶しかありません。ただ、若めのアルヌーに時折見られるクサさがなかったのはよかったですね。ジェンセンにいたっては、開けたことの記憶しかありません。さすがにもったいなかったかなぁ。で、友人が持参してくれたのがこのボトルだったのですが、こちらもオレンジピールを思わせる鮮やかな果実と柔らかい酸が印象的だったというところまでの記憶はあれど、的確にコメントを書けるほど覚えていません。ごめん、佐藤ちゃん。(^^;最近、本当に深酒すると記憶が飛んでしまっていけません。自重しなければ。
2014年05月30日
コメント(2)
この日は地元三軒茶屋の「ラ・ポルト・デュ・ヴァン」さんで学生時代の友人たちとの飲み会でした。最近ワイン会の頻度が減っていることもあり、たまに持ち寄る機会があると、ついつい大盤振る舞いをして最後のほうは記憶がなくなるということの繰り返しです。今回も最後に飲んだ2本ぐらいは、単に美味しかったということしか覚えておらず…。以前はメモをまったくとらなくてもワイン会のワインの感想すべて後から起こせたのですがねぇ、、、年ですかね。ジョリー・シャンパーニュNVブリュット初めて飲むシャンパーニュ。ムニエ90%。白い花や軽いクロワッサン系の香り。泡はきめ細かく味わいはやや軽めながら穏やかにバランスよくまとまっています。至極全うというかオーソドックスなシャンパーニュで、店の値段の4k前半は安いと思いました。アランユドロノエラの11ルージュ。こちらも店の値段は4kぐらいでしたかね。全般にここはワインの値段が安いです。ミネラリーで上品な赤系果実に紅茶やほんのりスパイシーな要素。味わいはACブルとあって抜きん出たものこそありませんが、果実味がクリアで酸も伸びやか。素性のよさを感じさせるものでした。ユドロノエラは最近人気上昇中とかで、早晩買えない作り手に化けそうな予感がします。
2014年05月28日
コメント(0)
たまたまセラーの手前にあったボトルです。1級だしまだ早いかなと思って開けましたが、案の定まだ早かったですね。飲めないというものでは決してないのですが、あまり魅力が感じられない。タンニンはだいぶやわらかくなってきていますが、まだフィニッシュに皮膜のように残ります。果実味は凝縮されていてクリーンなれど、いまひとつ旨みが乗ってこない。この辺が消化不良に感じる所以なんでしょう。もうしばらく寝かせるとよくなりそうな予感はありますね。なお、フィネスさん扱いのボトルのコンディションの良さはさすがというべきものでした。★★★☆翌日、セラーを漁ったら、このボトルのあったところのすぐ下に同じダンジェルヴィルの02年のボトルがあるのを発見。こちらから先に開けるべきでした。
2014年05月26日
コメント(0)
こんなセットものを購入してみました。ブルゴーニュ高騰の折、デイリーワインの有力候補として開拓したいと思っているのがテンプラリーニョです。かつての安価なスペインワインは「タルタル&おしなべて状態悪」というイメージがあったのですが、最近はそれらも改善されているだろうと期待しつつ。【送料無料】すべてパーカー【90点以上】6本セット!価格:8,618円(税込、送料込)↑今は売り切れですが、アイテムを微妙に変えて定期的に売り出されているようです。まあパーカーさんの点数はともかく、すべてスペインワイン、でもってこれで8KというCPに惹かれました。追々夏場にかけて開けてみたいと思います。【送料無料!!★限定50セット限り!!】ぜ〜んぶ当店独自輸入☆これは楽しい☆いまどきドイツワイ...価格:8,424円(税込、送料込)こんなのもありますね。
2014年05月25日
コメント(0)
最近高騰著しいブルゴーニュですが、丹念に探すと07、08年当たりでかなり安く売られている銘柄があるので、この辺をうまく拾っていくのが賢い買い方かと。さて、「樽を強めにかける濃厚系のブルゴーニュ」というイメージが時流のそぐわなくないのか、最近すっかり不人気銘柄になってしまった感のあるジャイエ・ジル。先日の東急3割引セールでも出てましたが、それでもあまり売れていなかったような…。この銘柄はたまたま某ショップのお得意様セールで3Kで売られているのを見つけて買ってみたものです。そういえば私自身もジャイエ・ジルを購入したのって久しぶりのような気がします。でもって、これがよかったのですよね〜。前のエントリーのキュベ・ダニエルショパンの後ということもあり、まずは状態のよさにホッとします。輸入元はラックさん。赤と黒の中間ぐらいでややトーンの高めの果実、紅茶、軽くスパイス、それに白粉やファンデーションを思わせる華やかな香り。味わいは各要素がバランスよくまとまっています。果実味は必要にして十分な濃縮感と張りがありますが、抽出の強さを感じる事はありません。タンニンは滑らか、酸はやや高めで構造のバックボーンを支えます。久しぶりに飲んだジャイエ・ジルでしたが、ずいぶんとエレンガントになっていたのに驚きました。相変わらず化粧っ気はやや強めですが、それも以前のようなカラメル的樽香でなく、より上品なものです。美味しいです。私の好きなパリゾと似た味筋ですね。AOCはHCNですが、十分村名レベルにあるといってよいと思います。まだ結構在庫があったので、さっそく2本追加購入しました。★★★★
2014年05月24日
コメント(0)
一時ずいぶんと話題になったパスカル・ラショーのキュベ・ダニエルショパン。私も05年あたりは何本か飲みましたが、ダニエルショパンがどうこう以前に状態が怪しげなボトルが多いような気がして、いつのまにか追いかけなくなってしまいました。この銘柄自体、08年以降見かけませんが、もう作っていないのでしょうね。というわけで、私の記憶からはすっかり欠落していたのですが、ドラジェさんで04年が税込み2.5kとやたら安く売られていたので、試しに3本買ってみました。【5月末まで値下げ】コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ・ルージュ キュヴェ・ダニエル・ショパ...価格:2,570円(税込、送料別)まあこれだけ安くなっているのにはそれなりの理由もあろうかと、当たれば儲け物ぐらいの気持ちで購入したわぇです。で、とりあえずどんなものか確認しようと一本開けてみたのですが・・・。キャップシールをはがすと、残念ながらかなりはっきりと噴いた跡があります。噴いた後にカビがびっしりとついて見るからに不健全なコルクの状態。この時点でほとんど諦めかけていたのですが、グラスに注いでみると、香りは素晴らしいです。黒系果実にスパイス、下草、麦わら、皮革などの入り混じった熟成香。ところが飲んでみると、どうもよろしくないですね。味わいがギスギスした感じでバランスが悪く、後半には苦味やエグミが感じられます。飲み進むうちに、ブショネにも似たコルキーなニュアンスや雑菌または腐敗酵母系と思しき不健全なニュアンスが感じられるようになりました。結局初日はボトル半分なんとか飲んだものの、小瓶に残した翌日分はどうにも杯が進まずギブアップ。とんだ不良債権を抱えてしまったなあと暗くなっていたのですが、同じ銘柄を飲まれたマグカップばおたさんのブログを拝見すると、噴いていないボトルであれば結構美味しく飲めそうな様子。少し希望が湧いてきました。★☆追記:その後、気になったので自宅のセラーの2本のキャップシールをはがしてみたところ、どちらも噴いておらず、なおかつあまりワインが染みあがった形跡もありませんでした。今回のものはおそらくコルク不良が原因で染み出したのではないかと思われます。
2014年05月21日
コメント(6)
先日書いたデキャンタージュについてですが、その後、脱酸素スキームでもお世話になっているT氏に意見を求めたところ、下記のようなブログを紹介されました。>デキャンタージュでググると、メルカプタンという硫黄化合物が香りを閉じ込める作 用をしていて、>これが酸化されると香りが開放されるという記事がありました。>(アメリカのワインライターの奥さんのブログっぽい)http://sfwine.exblog.jp/17227927ブログにはこう書かれています。>(前略)>この化合物は、二酸化硫黄(sulfur)と共にワインに含まれていて、>これらはワインのえも言われぬ果実香を閉じ込めてしまう事が出来るんだ。>なので我々は、ワインが空気に触れる範囲を広げ、科学的再結合を促す必要がある。>ボトリング直前に、保存の為のsulfurを混入したばかりの新ワインは、>なおさら空気に触れさせる事が必要だって事、納得だよね。なるほど、これはたしかに説得力がありますね。デキャンタージュで香味が変わるのは、SO2やメルカプタンが飛ぶことによって芳香成分が出やすくなることが主要因だと。デキャンタージュが酸化を促すわけでないということになると、ブルゴーニュだろうが白ワインだろうが古酒だろうが、デキャンタージュしてかまわないということになりますね。いや、古酒の場合は、液体内のSO2は使い切ってしまっている場合が多いはずなので、澱を除く目的以外であまりデキャンタージュする必要性はないということでしょうか。もっとも古酒の場合、SO2を過剰に投与されているケースもありますから、必ずしもそうでもないのかもしれません。ところで、年を経て酒質が儚げになっているような古酒の場合は、人によってはデキャンタージュはおろかスワリングすら厳禁という人も少なくありませんが、これはどういうことなのでしょうか?想像するに、これもデキャンティングやスワリングによる酸化のリスクというよりは、芳香成分の総量の問題ではないかと。芳香成分は無限にこんこんと湧き出てくるわけではなくて、ある程度限りがある。でもって古酒の場合はそれが残り少なくなっている分、デキャンタージュやスワリングで放出されてしまうリスクがある、ということでしょうか
2014年05月21日
コメント(0)
※このエントリーは後日削除します。YOLの次回のコラム(話飲徒然草)用に以下のような文章を書いていたのですが、書いているうちに自分自身がわからなくなってきました。デキャンタージュについて、知見をお持ちの方、ぜひご教示いただけないでしょうか?***************デキャンタージュとはワインをボトルから直接グラスに注ぐのではなく、いったんデキャンタというガラス製の容器に移してから注ぐ行為のことを言います。デキャンタージュは、愛好家なら知らない人はいないのでは、というくらいポピュラーなものですし、ソムリエの認定試験の実技種目にもなっています。私がワインを覚えたての頃、デキャンタージュの目的は、1. ボルドーなどの古いワインのオリを取り除くため2. まだ若くて閉じているワインを空気に接触させて開かせるためであると習いました。また、ブルゴーニュワインについては酒質が繊細であることに加えて、そもそもブルゴーニュの澱は微細なので取り除く必要もなく、したがってデキャンタージュは不要であるとも。もっとも最近では、ブルゴーニュであっても積極的にデキャンタージュをする人もいるようですし、自然派ワインの還元臭や異臭をとりのぞくという目的でも行われているようです。ところで、上記2番目のメカニズムについて、私はずっとデキャンタージュにより液体に酸素が溶け込んで酸化を促進し、それで香味が開くのだとばかり思っていました。しかし、最近、それについて疑問を感じるようになりました。(目的自体を否定するものではありません。) 実は、私自身はめったにデキャンタージュを行うことはありません。理由は単純で、1.デカンタージュをする過程で、ワインの温度が上がりやすい。(特に夏場)2.デキャンタを洗うのが面倒くさい。というやや本質から外れたところで好みではないからです。もっともその一方で、見方を変えれば、デキャンタージュまがいのことをほぼ毎回しているとも言えます。というのも、我が家では飲み残しのワインを必ず「ペリエ」の小瓶に移し替えて翌日分として保存しているからです。「飲み残しを小瓶に移し替える」という行為は、私に限らず多くの愛好家が実践しています。ポイントは瓶口ギリギリまでワインを注ぎ、なるべく空気が入らないようにすること。この保存法で大抵のワインは、翌日はもちろんのこと、経験的に2〜3日の範囲であればそこそこ良好な状態で保存が可能です。ではこの方法でどのくらい保存可能かというと、これも経験的なものですが、1週間近く経過するとかなり酸化が目立つようになるように思います。これはすなわち、「小瓶に移し替える」ことによって新たに溶け込んだ酸素により酸化が進むまでには数日から長くて1週間近くかかるということです。翻って、たとえばレストランでデキャンタージュをしてもらったからといって、その場ですぐに酸化が促進されて味わいが変わるという化学反応が1〜2時間のうちに起こるものでしょうか?それに、デキャンタージュにそれだけの即効的な効果があるのであれば、逆に澱を分離しなければならないような、老いて酒質が繊細になったワインはあっという間に壊れてしまうのではないでしょうか?しかしその一方で、若くて閉じたワインをデキャンタージュすることで香味が開いたという経験は、これまた多くの愛好家にでもありますよね。これはつまるところ、デキャンタージュで酸化が促進されるというよりは、デキャンタージュという行為を通じて抜栓後の時間が経過することと、液体の温度が上がることが大きなファクターなのでなかろうか?一時はこれが結論だと思いました。いや待てよ、とここで自問自答になってしまうのですが、私が参加しているリアルワインガイド誌のテイスティングでは、同じ銘柄について必ず1巡目と2巡目の2回試飲を行います。そして1巡目と2巡目の香味は通常かなり異なるのです。これを時間の経過と温度の上昇だけで説明できるのだろうか?何人かでワインを回してジョボジョボとグラスに注ぐという行為を繰り返す間に酸素が液体に溶け込んでいることがやはり大きいのではなかろうか。(ここで行き詰まっております(笑))
2014年05月18日
コメント(2)
セシルトランブレのバックVTです。直近のVTがかなり高くなってしまったので、安く出ている07や08を買ってみました。グラスに注ぐと、んん?香りが出ないなぁ。閉じている時期なんでしょうか。ブショネではないようですが…。と思ってしばらく待っていたら、黒系果実とスーボワ的なアーシーな香りが出てきました。味わいは結構こなれていて、しなやかにまとまっています。酸は比較的おとなしくじんわりとしていてタンニンもキメ細やか。ツルリとしたなめらかなテクスチャーが魅力的ですが、構造はこじんまりとしていてグリップも緩めに感じます。全般にフェミニンな印象のワインです。飲み進むうちに香りも普通に出るようになってきましたが、う~ん、なんというかドロンとしたやや生気に乏しい香味で、期待していたものとは異なるんですよね。これが実力なのかなぁ、それともコンディションの問題でもあるのでしょうか。このボトルに関しては、やや消化不良でした。★★★→★★★☆翌日:と思ったのですが、小瓶に残した翌日は初日に感じられたモタツキ感がなくなり、香味のピントが合ってきたので、星を増やしました。★楽天でセシル・トランブレを検索★
2014年05月17日
コメント(0)
私の好きなヴィレーヌ。白はいつでも手に入りますが、赤、ことにディゴワーヌは入手困難。ディゴワーヌを買うために毎年抱き合わせで大量の白を買う羽目になっています。このフォルチューヌは若木から作られる銘柄で、店によっては結構高値がついているときもありますが、私は東急の2割引セールの時にゲットしたので2k台で買えました。ただ、年によってはディゴワーヌでなくてもフォルチューヌで十分じゃん!と思ったりする出来のこともあるのですが、どうも今回開けた11VTのボトルはいまひとつでしたね。決して悪くはないのですが、酒躯全般の軽さと果実味の質感に少しばかりのキャンディっぽさがあります。香りはすばらしいもので赤系果実や紅茶、スパイスなどに軽く皮革系のニュアンスがまざりはじめていて、この香りだけでもまあ買ってよかったなぁとは思います。それでも、先日のRWGの試飲でレベルの高い安価なACブルをいろいろ発見してしまったこともあり、この銘柄でなければ、というものはないですねぇ。ディゴワーヌのほうも4~5本あるので、早晩開けてみようと思います。★★★
2014年05月16日
コメント(2)
リリース当時に購入したボトルです。先日の02コルトンがよかったので、期待して抜栓しました。濃厚なルビーの色調、エッジはオレンジがかって複雑になっています。グラスを近づけると、黒系果実のコンポートやスパイス類、薫香、それにオークのすばらしい芳香。飲んでみるとまだまだ強いですね。果実味は凝縮されていますが、タンニンが豊富で酸も強め。フィニッシュは収斂味が強めに出ます。良年のほまれ高い2005年ですが、このボトルは抽出が少し強い気がしますし、一本調子で杯が進みません。この作り手のネガティブな面が強調されてしまっている感じで、あまり良い印象は受けませんでした。★★★
2014年05月14日
コメント(0)
当ブログとしては非常に珍しいローヌの白です。今まで食わず嫌いだったといいましょうか、先だってワインバーでグラスで飲んだものが思いがけず美味しかったことで最近ローヌの白にも興味が募っています。グラスに注ぐと中程度のきれいなイエローの色調。少し黄緑がかっています。香りはやや控えめで、白桃やメロン、花の蜜、グラスハーブなど。味わいは果実に厚みがあって蜜のような甘さを感じます。それを支える酸はやや控えめですが、フィニッシュにはナッティなニュアンスとともに苦味が感じられて、甘苦いフィニッシュを形成します。ふだん飲まない味筋の白ですが、やはりこれはこれで面白いです。ただ、このボトルに関しては、リピートするかと問われるとかなり微妙な気もしますが。★★★☆★ヌフパプの白を楽天で検索してみる★
2014年05月13日
コメント(0)
間があいてしまったので、読者のみなさんもすでにお忘れかもしれませんが、正月以来、ボジョレのイージーパックで40℃×7日間湯煎したものとセラーに保存していたものとの比較をしてきました。確認したい点はひとつ。「外部からの酸素の侵入なしでワインは熱劣化するのか否か」ということです。3度目の今回は、本来なら湯煎後半年ぐらい寝かせたかったところですが、次号のRWG誌のコラムの締め切りの関係でこの時期の試飲となりました。とはいえ、ボジョレーヌーヴォーで4ヶ月経過といえば、通常のワインであれば十分に熟成した頃合いと思ってよい時期です。(1年経過したボジョレを数本試飲したことがありますが、一部の優良生産者の物を除いて、漬け物のような無惨な味わいになっていました。)2回目の試飲でかなりはっきりと優劣がついてしまっていたので、今回はその差がさらに広がっているかが焦点になるだろうとばかり思っていたのですが…。この日はカミサンが留守にしていたので、上の子にブラインドテイスティングを手伝ってもらいました。まずは色調から。色合いが明らかに違えばブラインドも何もあったものではないのですが、目視では違いは判別できません。* 一番目のグラス(右)赤系果実、バナナ、スミレ、ハーブなどの整った冷涼感のある芳香で、香りに力がある。味わいはよく開いていて外向的。酸はジリジリとしていて後半からフィニッシュにかけてややザラッとした印象。* 二番目のグラス(左)赤系果実、紅茶、枯葉。香りはこちらの方がよく開いているが、ややスパイスというか出がらしっぽいニュアンスがある。飲んでみるとこちらのほうが味わいに集中力があり、後半のザラつきもない。むむっ、どうしたものでしょうか。左右のグラスの香味は同じではありませんが、差はそれほど顕著いうわけではありません。あえていえば、香りは、一番目>二番目、味わいは、二番目>一番目。 右側の一番目が40℃湯煎で二番目がセラーでしょうか?→不正解。一番目(右)がセラー保存、二番目(左)が40℃湯煎。う〜む、意外な結果でした。私自身が間違えてしまいました。でもって、ここで大きなミスを置かしてしまった事に気づきました。二杯目を注ごうとしたところ、元のパックに判別用のシールを貼るのを忘れていて、どちらが湯煎でどちらがセラー保存だかわからないのです。こうなるともはやリアル・ブラインド。左右のパックを代わる代わる飲み比べてみたのですが、結局最後までどちらがどちらか判りませんでした。というわけで、要は香味は同じではなかったけれども、その差は決して大きくなく、また優劣もつけ難い、という結果だったということでしょう。この結果には、私自身もすっかり混乱させられました。比較したワインはボジョレーのイージーパック。片方はセラーに保存していたもの、もう片方は40℃で7日間湯煎にしていたもの(平野さんの実験は45℃で5日間)です。湯煎直後=明確に劣化。香り消失してエグ味。(平野さんによる実験)↓1週間後=湯煎パックもセラー保存と遜色ないレベルで美味しく飲めた↓2ヵ月後=湯煎パックには、(飲めないほどではないが)熱によると思しきネガティブなファクターが見られた↓4ヶ月後=両者甲乙つけがたく、私自身がブラインド試飲を正解できなかった。2ヶ月後から4ヶ月後に至るつながりが見えません。可能性としては、〜4ヶ月後はどちらのパックも熟成が進んだことで2ヶ月経過時点で見られたわずかな熱の影響がマスキングされた。〜2ヶ月後の試飲時点では、湯煎パックの熟成が早めに進んでいたことを熱による劣化と受け取った〜2ヶ月後の試飲時のボトルバリエーションならぬパックバリエーション。たとえば湯煎の時点で少しばかり空気が入ってしまっていたとか。というようなところでしょうか。この実験を仕込む際、たぶん白黒はっきりはつかないだろうなぁと思いましたが、案の定そのような結果になりました。〜熱劣化の大きな要因は外部からの酸素の流入であるので、酸素を遮断することによって、温度管理をしていなくても、かなりのレベルまで状態を維持できる。〜とはいえ、酸素を遮断しさえすれば「完全に」熱劣化を防げるものではないので、やはりきっちり温度管理されたボトルこそが最上である。〜脱酸素スキームは、たとえばセラー故障や天災時の保険、セラーからあふれたボトルの緊急避難といった用途には有効。というようなことなんでしょうかねぇ。
2014年05月11日
コメント(0)
前回リアルワインガイドの試飲は参加者が少なかったこともあって、かなりの量のボトルが私のレビュー担当になりました。それで翌日の香味も確認しようと、担当ボトルをすべて持ち帰ったらこの有様です。事務所で行う試飲ではすべて吐き出しますが、さすがに自宅ではそこまで厳密にやらないので、これだけの本数を一度に試すと結構酔いが回ります。カミサンからは邪魔だと白い目で見られましたが、おかげで二日間、晩酌には事欠きませんでした。たぶん徳丸さんも誌面で言及すると思いますが、今回改めて感じたのは裾モノのレベルの向上ですね。RWG誌黎明期に試飲した99〜01年あたりのACブルといったら、それこそ「赤い水ですか?」と言いたくなるようなものが多くて、ACブルって世界中で一番コストパフォーマンスの悪いジャンルだと公言して憚らなかったものですが、今回試飲した中には2K、いや1K台でも自分でリピートしたくなるような、よく出来たボトルが結構ありました。こうやって裾モノばかり並べて飲み残しを自宅で飲んでも心底楽しいと思わせてくれましたし。地球温暖化の影響?といっても、試飲アイテムの多くは11VTと決してスゴく良いビンテージでもないんですけどね。醸造技術の底上げというような要素もあると思いますが、あとはやはり国内で流通しているボトルのコンディションの水準が全般に向上していることも大きいんじゃないかと思います。十数年前の試飲ボトルは、薄さや要素の少なさもさることながら、雑味やエグ味を感じる物が少なく有りませんでしたから。そういえば、ブショネにあたる確率も以前に比べるとずいぶん少なくなってきているような気がします。
2014年05月10日
コメント(2)
高騰著しいジョルジュ・ミュニュレ・ジブールの中では比較的入手しやすいアイテムがNSGの2銘柄。とはいえこれらも11VTでは10K台前後にまでなっています。先日某所で07VT数本をお安く仕入れることができたので、セラーの整理の意味もあって手持ちの05年を開けてみることにしました。グラスに注ぐと濃厚な色調のルビーでエッジにはオレンジが見えます。香りは軽く火を通した黒系果実、丁子、ナツメグなどのスパイス類、木質、黒土、焦臭。いかにもというような熟成香はまだ出ていません。飲んでみると味わいはスパイシーで、充実した果実味を高めの酸とよく熟したタンニンとが支えてバランスをとっています。まだ早いかなと思って開けましたが、フツーに飲めてしまいますね。ただ、現時点では各要素をそれぞれにかなり強く感じるので、余裕のある方はもう少し溶け込んで渾然一体となるのを待ったほうがいいかもしれません。翌日:小瓶に残した翌日。香りもそこそこ残っていて、味わいは要素がなじんで大変よい感じになっていました。やはり美味しいですね、ジョルジュ・ミュニュレ。★★★★★楽天でジョルジュ・ミュニュレを検索★★ミュニュレ・ジブールで検索した結果はコチラ。★
2014年05月07日
コメント(2)
もうひとつの特集アイテムがこちら。前のエントリーの特集ともども、私の目下の関心事項にまさに一致しているのでテイスティングに出向くのが楽しいです。その分レビューの個数は増えるわけですが。。今年のゴールデンウイークにもっとも驚いたこと。玄関先に置いてある観葉植物の鉢(一番手前)の土のところに大きなカブトムシの幼虫が顔を出していました。思い当たる節はあります。昨年飼っていたカブトムシが全滅したあと、余っていたマットをプランターの土に転用していたのでした。きっとその中に卵が紛れ込んでいたのでしょう。それにしてもカブトムシの生命力って凄いですね。
2014年05月06日
コメント(0)
amazonで輸入クラシックCDボックス3組で1割引きというセールがあったので、以下のボックスを購入しました。最近は音楽を聴くのはほぼ往復の通勤オンリーでして、CDを購入したのも久しぶりのことです。ブリリアントのフォーレ・エディション(19CD)本来の目的はこれだったのですが‥ドイツグラモフォンのドビュッシー・エディション(18CD)結構手持ちのCDとカブるのですが、つい買ってしまいました。ジュリーニ・コンプリートソニーレコーディングス(22CD)新発売BOXです。ジュリーニ晩年の録音ですね。あとはカラヤンの70年代のボックスをどうしようか思案中。60年代も買ったので、コンプリートしたい気持ちはあれど、あまりに手持ちのCDとカブるので‥。あと、このBOXはジャケットをみてもわかるとおり、オリジナルににこだわっているため、一枚あたりのCDの収録分数が少なく(40分ぐらいのものがザラにある)CDの枚数ばかり増えてしまうのが難点です。CDのボックスって意外に収納かさばるんですよねぇ。ブリリアントのバッハBOXとかグレングールド作品集とか、あまりにかさばるので今や奥底にしまいこんでしまって聞く機会ありません。とはいえ、今やBOXもの以外ほとんど買う気はないし…。
2014年05月05日
コメント(0)
東急本店の3割引セールで購入したボトル。地味な銘柄ですが、買った理由はひとえに安かったからに他なりません。決して濃すぎず薄すぎず、中程度のルビーの色調。香りは赤系果実のリキュール、オレンジの皮、タイム、紅茶、それに枯葉や皮革、腐葉土系の心地よい熟成香も混ざります。飲んでみると酸味主体の薄旨紅茶系で、構成要素や余韻はクラス相応なものの、破綻のないナチュラルな味わいには好感が持てます。自己主張も変に強すぎず、日常の晩酌のお供にまさに最適。いや、これは失敗でした。何がって、1本しか買わなかったことです。1K台でこの香味ならもっと買っておけばよかったと思えど後の祭り。ブルゴーニュは12,13VTも生産量が少なく価格は高止まりとなりそうですし、しばらくは06~08年あたりの安いバックビンテージを探すことにエネルギーを費やそうかと。★★★☆
2014年05月04日
コメント(2)
この日は友人たちと愛宕グリーンヒルズ森タワーにあるJ.H.V(ジェ・アッシュ・ヴェ)に行ってみました。某インポーターさん直営の店だとかで期待していたのですが・・。料理はCPもよく美味しかったし、ワインリストも硬軟取り混ぜていろいろあって面白いと思いました。雰囲気もシックで落ち着いていてよい感じです。ただ、いかんせんサービスが「なっていない」。こんなに酷いと思ったサービスは久しぶりでしたよ。本日の鮮魚料理は何の魚かと聞いたら「金目鯛のポワレです」「じゃあ、それを。」ところがしばらくして「すみません、金目鯛でなくて真鯛でした。」まあこれなどは笑って許せたのですけど、その直後に同じ店員にスパークリングワインを注文したらビールを人数分持ってきたのにはさすが引きました。そのあとも、アンセルミの白をボトルで注文したら、「おひとりで飲まれますか?」という訳の判らないレスポンスが返ってきたりとか、ワイングラスが空になっても誰も注ぎに来ず、(ちなみにボトルは手元にない)ので、目で合図をしたら「はい?なにか?」という具合だったりとか。。この日は友人2名を連れて行ったのですが、他の二人も苦笑していてホストの私が恥ずかしくなりましたよ。まあ仕事の会食でなかったのが不幸中の幸いでした。せっかく料理とワインと雰囲気はよいのに、もったいないです。アンセルミ・サン・ヴィンチェンツォ2013よくあるイタリアの白のようなシャバシャバしたタイプではありません。果実は蜜っぽく、酒質はしっかりと粘性と厚みがあってミネラル感もあり、なかなかよく出来ています。個人的にはやや中途半端感があるというか、もう少し爽やかさにふるか、リッチさにふるかにしたほうがわかりやすいかなと思ったりもしますが、まあ市価2Kの白ワインにそれほど多くは求められませんね。結局この日はこれ一本で通しました。前菜のホワイトアスパラにはよくマッチしていましたが、メインの魚のポワレにあわせるには、同じような価格でオンリストされていたシュヴロのシャルドネあたりのほうがよかったかもしれません。というわけで、店員のサービスはトホホレベルでしたが、料理と店の雰囲気は気に入ったので、また折を見て再訪してみようと思います。
2014年05月02日
コメント(0)
先日ワインバーのグラスワインで飲んだ08年のボルドーがすでに飲みやすく印象に残りました。それでさっそく自宅でも08ボルドーを飲んでみようと買ったのがこのモーカイユです。ムーリスにある老舗のクリュ・ブルジョワですね。グラスに注ぐと色調は綺麗なルビーでそれほど濃くはありません。香りは、と思ったら、う~む完全に閉じています。ウンともスンとも言わない感じ。仕方がないので一回デキャンティングしてしばらく放置しておいたら、ほんのりと黒系果実やスパイス類、シダ、黒鉛などの香りが出てきました。味わいは香りに比べるとずっと近づきやすいもので、お世辞にも凝縮感された感じではないのですが、それが幸いしてか、頑強なタンニンに辟易させられることもなく現時点でもするすると飲めるなめらかさが心地よいです。昔はパーカーさん好みの濃厚なボルドーを好んで飲んでいた時期もありましたが、年をとったせいもあって、今はこのぐらいの、ワイン誌的に言えば、「水っぽい」とか「薄められた」といった表現で形容されそうな按配でも十分だと思ってしまいます。それを考えるとパーカーさんの評価軸のブレなさはある意味スゴイなあと。ちなみにこのモーカイユ、小瓶に移して半分残したものを数日後に飲みましたが、ほとんど衰えておらず、むしろ香りはよく出るようになっていました。ブルゴーニュ高騰の折、また少しずつボルドーにも目を向けようかと思います。★★★
2014年05月01日
コメント(1)
全20件 (20件中 1-20件目)
1