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2010.08.22
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イラン初の原発稼働というニュースに、せっかちな大使の頭には次のような不安と苛立ちがよぎるのです。
(時宜を得たというか、偶然というか「イラク原子炉攻撃:ロジャー・クレイア著」という本を図書館で借りて読んでいた最中だったもので)

〇米露利害の前には、イスラエルや日本の安全はかくも軽いものか。
〇イスラエルは、また原発爆撃を企てるのか。
〇IAEA事務局長の天野さんは、イランとイスラエルを両睨みという難問を抱えるのでは?


イラン:初の原発稼働 米露利害一致し前進 懸念深めるイスラエル


 「西側諸国による圧力、制裁にもかかわらず、我々は象徴的な核の平和利用のスタートを見届けることができる」。イランのサレヒ原子力庁長官は21日、核燃料搬入にあたり、国際社会に翻弄(ほんろう)され続けた同原発の経緯に触れた。

 同原発は74年に独シーメンス社が建設を開始。しかし、79年のイスラム革命で中断し、イラン・イラク戦争(80~88年)ではイラク軍から繰り返し爆撃を受けた。95年にロシアが再建を始めたが、00年代前半に予定された計画は大幅に延期。07年にはロシアからイランへの核燃料の移送も始まったが、稼働時期はさらに遅れた。

 同原発稼働に難色を示してきた米国だが、今年6月、対イラン制裁決議を急ぐため、ロシアに決議への協力を要請。ロシアが協力に応じれば同原発支援を容認するとして取引した可能性がある。

 またロシアは米国の意向を受けてイランへの対空ミサイルシステム「S300」の納入も現在延期しており、イラン側が不満を強めている。原発稼働で、イランとの亀裂の修復につなげる狙いは明らかで、米露の利害の一致が原発容認につながった。

 一方、ブシェール原発をめぐっては、イランの核開発計画に強く反発するイスラエルの動向も注目された。イスラエルはイラクのオシラク原子炉を稼働直前の81年6月に爆撃。ブシェール原発の稼働前にも施設攻撃があるのではとの観測も流れた。核兵器関連の技術の蓄積が進むとの見方もあり、イスラエルが神経をとがらせる恐れもある

核燃料は9月に炉心に装填されるそうだが・・・・
イスラエルの原発攻撃のチャンスはそれ以前ということになるわけで、危機といえば危機である。
(炉心装填後の攻撃にはメルトダウンの恐れがあり、世界中から非難を浴びることになります)

戦争と商売を天秤にかけるような米露の動きに対して、インドへの原発売り込みに前のめりの日本は、パワーポリティクスにはとことん経験不足なので大丈夫かいな?と不安になるが・・・・
米国:「イラン核開発に1年以上」イスラエルに伝達 とあるように、常に臨戦態勢にある国は、いたって冷静なようです。

だけど イラン:第3のウラン濃縮施設「来春着工」 原子力庁長官 とあるように、イランは核兵器開発の意志を捨ててはいないようです。

核保有国のご都合でつくられたIAEAについて、調べてみました。
IAEAの全予算の25%が対日査察に投じられているそうです。(なんじゃ それ?)

IAEA事務局長に日本人選出の意味 より
IAEA事務局長となる天野は、かなり大変なことを米国からやらされるだろう。その最大のものは「イスラエルに対する核査察」である。オバマ政権は今年5月、イスラエルに対し、NPT(核拡散防止条約)を批准してIAEAに加盟するよう、初めて求めた。イスラエルは原子炉を持ち、核兵器開発もしており、400発といわれる核弾頭を保有しているものの、NPTにもIAEAにも参加していない。イスラエルは米政界を牛耳って、この不正状態に対して何の非難も受けない状況を維持してきた。しかし今、イスラエルの優勢は急速に崩れ、世界から非難される国になっている。(U.S. urges Israel to sign anti-nuclear arms treaty)(反イスラエルの本性をあらわすアメリカ)

 ここ2-3年の趨勢が今後も続くなら、米英が崩壊してBRICや途上諸国の主導となっていく国際社会からイスラエルへの核査察要求は強まるばかりだろう。隠れ多極主義の米政府も、その傾向を煽るだろう。日本の天野ではなく、南アやスペインの外交官、もしくはエルバラダイが続投していたら、南アやスペインやエルバラダイは、イスラエルに対する非難をしたことがあり、多極主義的な傾向もあるので、話はややこしくなかった。しかし日本は従来、イスラエルに脅されたらいっぺんで萎縮してしまうような「初心者」の国である。(だからイスラエル政府筋は、天野がIAEA事務局長になって良かったと言っている)(New IAEA Head Is Israel's Preferred Candidate)

 しかし天野がイスラエルに脅されて何もできないとなると、途上国から露骨に失望されるし、イスラエル批判を強めるオバマ政権からも叱咤される。IAEA事務局長になる以上、腹をくくってイスラエルと対決するしかない。日本とイスラエルの関係は悪化するかもしれない。日本外務省は否応なく、多極的な新世界秩序の中での新たなバランスをとることを迫られる。

 イスラエルが窮地に陥るのを喜んでいるイランは「天野はイスラエルの核施設を査察する勇気を持つべきだ。(被爆国の)日本は、世界のすべての核兵器を廃絶すべきだと宣言せよ」と声援(茶化し?)を放っている。(Iran: IAEA chief should dare to visit Israel)

 天野が手がけねばならないもう一つの重要事項は、北朝鮮の核兵器開発である。これについても、米国は建前では「絶対許さない」と言っているが、現実的には関与姿勢を弱め、中国に任せる傾向を強めている。天野のIAEAが頑張って北朝鮮に核廃絶をさせる努力をすることは、日本にとっても脅威を取り除ける良い話になるが、それには中国との協力が必須となる。

 逆に言うと、日本が国際社会で中国との協調体制を構築できるなら、中国は喜んで日本を国連安保理の常任理事国として推薦するようになる。日本の常任理事国入りは、今までの対米従属的、英米中心主義的な条件下での実現とは正反対の、多極主義的な意味を持つようになっていく。

 折しも北朝鮮は、今年もまた、米国の独立記念日の「祝砲」的なミサイル試射を挙行している。北朝鮮のこの手の過激な行動は、日本にとって「黒船」的な覚醒になると、今年3月の記事に書いたが、天野のIAEA事務局長への就任も、それと同じ流れで、日本を対米従属への安住から引っぱり出す契機の一つになっていくと予測される。(黒船ならぬ黒テポドン)



IAEAの本質を知らない日本人 より
IAEAは、そもそもアイゼンハワー大統領の"Atoms for Peace"(平和のための原子力)提案にもとづいて、原発を大いに普及しよう、しかし核物質が軍事目的に転用されるのを未然に阻止しようという2つの目的を両立するために設けられた機関だ。その後1970年にNPT(核不拡散条約)が発効して、世界中の「非核兵器国」(Non nuclear-weapon states)はすべての核物質を申告してIAEAの査察を受けることになった。これを「包括的保障措置」という。
 それでも南ア、イラク(フセイン政権)、北朝鮮など、NPTに加盟しながら秘密核開発に走る国が続出して、対抗上、環境モニタリング、抜き打ち査察などを盛り込んだ「追加議定書」が1997年に発効した。これだと秘密開発は99%阻止できると関係者は太鼓判を押す。しかし北朝鮮は未署名、イランは証明したものの批准していない。
 日本には55基の原発が稼動中、査察対象施設が250カ所もあり、世界最大の「非核兵器国」だ。このため、日本には20名から25名の査察官が常駐、とくに青森県の六ヶ所村の再処理工場には常時数名の査察官が張りついている。全施設をくまなく査察して歩いたらIAEAの全予算を投入しても足りなくなるので、「日本は軍事転用の意思のない国」と認定して「統合保障措置」を適用、全面的に信頼して、いわゆる"手抜き"に応じた。それでも全予算の25%が対日査察に投じられている。そんな国が核武装などしたら、IAEAの存在理由は失われる。
 近年は、安全対策も重要視され、チェルノブイリ事故のあと「原子力安全局」が新設された。日本人通産省OBの谷口富裕氏が担当事務次長だ。柏崎・刈羽原発に対する調査団派遣は地震対策を日本から学ぼうというもので、査察をしようというのではない。日本人は被害者意識が強すぎる。


ちなみに、先制攻撃という言葉は・・・・・
欺瞞にみちた、ブッシュのイラク開戦よりは、イスラエルの原発攻撃こそ的を得た解釈なんでしょうね。

あのブッシュは、2002年、陸軍士官学校の卒業式で「先制攻撃ドクトリン」を説いたが、このドクトリンはチェイニー副大統領の「1%ルール」に起源を持つとされる。
即ち・・・・
「計画された攻撃にたとえ1%でも実行可能性があるという証拠があるならば、アメリカ合衆国はその可能性を確実なものと見なして対処しなければならない」

・・・・・これなら、どのような国でもなんくせをつけて先制攻撃できるわけだ。





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Last updated  2010.08.22 22:07:06
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