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2010.09.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
中国の報道官が「船長拘留は中国主権の侵害である」とチキンレースのようにトーンを一段上げて陳べているが・・・・
この北朝鮮のようなレトリックの背景には、中国の管理者体制を維持しようという意志が伝わってくるのです。
報道官の言に頭に血が上る大使であるが、仙谷官房長官が言うように「戦略的互恵関係を優先し、冷静に対処する」のが肝要なんでしょう。

ここで、寺島実朗さんの「未来に対する歴史責任(2004年)」の一部を引用します。
********************************************************************
 中国経済の高成長に関心を抱き、「中国関連のビジネスで一儲けを」という程度の意識で中国にかかわっている人は、やがて大きな失望に直面するであろう。中国は複雑で混沌としており、歴史軸が長い。中国が放つ文明文化の総体と向き合う気迫なくして、中国と向き合うことはできないのである。

 近代史における日中関係史に関して、過剰な加害者意識を燃やし自虐的になることも、開き直って無責任になることも正しいとは思えない。過去の歴史に関して真摯に教訓を読み取ることも必要ではあるが、戦後生まれが人口の大半を占める時代に向けて、最も大切なのは未来志向の建設的な関係の構築である。少なくとも戦後生まれの日本人として責任をもって語りうるのは、21世紀の日本が近隣諸国にとって軍事的脅威にならないという意志である。そして、日本近代史の総括を心に、中国、さらにアジアとの相互信頼関係を構築していくことが、21世紀を生きる世代が担う責任である。

 中国も経済開発の実績の中で、次第に大国意識を高めており、これまで「発展途上国」という自己認識を示してきていたが、2003年11月に訪米した温家宝首相は「平和的台頭」を意識し始めている。そうした空気を背景に、中国において「反日ナショナリズム」的動きが現れてきていることも事実である。尖閣諸島問題、東シナ海ガス開発など、両国間のナショナリズムを揺さぶる課題も待ち構えている。「売り言葉に買い言葉」的な不毛な緊張関係に吸い込まれていくことは避けねばならない。

 日本の国際関係における最大の弱点は、近隣に信頼関係を確立していないことである。1902年から20年間の日英同盟、戦後は半世紀以上の日米同盟と20世紀の四分の三をアングロサクソンの国との2国間同盟で生きた日本は、アジアの国に中で特異ともいえる「脱亜入欧」志向を身に付け、「名誉白人的位置づけ」に自己満足する傾向を有す。米国との関係を同盟の機軸とするにせよ、アジアとの重層的連携関係の充実こそ21世紀の日本が目指すべき方向であり、その中核として中国との関係が重要であることは間違いない。



 「米国のアジア戦略の最大の悪夢は日中同盟が形成されることである」という表現を何度も米国のアジア外交の研究者から聞いたことがあるが、簡単に日中同盟ができるほど日本の21世紀は単純ではないであろう。それでも、日中の次世代の責任として「分断統治」の呪縛を脱却し、主体的に相互信頼の基盤を構築しなければならない。日本人として注意深く自問せねばならないのは、日本自身がアジアの分断統治に加担する側に立ち続ける可能性はないかということである。

 米国が選択している台湾と中国の分断の固定化(台湾の地位未定論への暗黙の支持)を「当面の日本の国益」とする欺瞞はやがて許されなくなうであろう。大中華圏の交流密度の高まりという新しい地平の彼方に、中国人自身の主体的な英知によって中台の紛争要素が解消されることを支援する側に日本が回ることが大切であろう。

 アジアの中で「大中華圏の台頭」を脅威としないために、中国も次第にASEAN+3(日中韓)の枠組みへの参画に意欲を示し、TAC(東南アジア友好協力条約)にも署名し、東南アジアとの自由貿易協定にさえ積極的な姿勢をみせている。アジアの多国間協調の推進に日本がいかなる役割を果たしうるのか。おそらくこのテーマこそ21世紀の日本外交の宿命の課題となる。米国との同盟関係を維持しつつアジアに多角重層的な協調の基盤を構築することが日本の国益であろう。そのためには日本外交の基軸にアジアへの強い問題意識を据える必要がある。アジアの安全保障はアジアが主導して決めること。アジアの資金はまずはアジアに還流させること。大中華圏という視界の彼方に我々に問われているものが浮かび上がってくるのである。
****************************************

辺境意識に徹しきれず、ついヒートアップする大使ですが・・・・
寺島さんの引用文を書き写して頭を冷やした大使でおます。
(出典は「大中華圏」岩波書店です)

アーミテージが言うように「中国は尖閣諸島で日本を試している」のかもしれないけど、更にいえば、中国は尖閣諸島で日米同盟を試しているはずである。
日中関係は2国間関係では完結せず、必ずアメリカという要素が絡みついているはずであるが・・・・アメリカはいまのところ静観の構えのようです。

日本政府は本日、思いやり予算から日本人労働者の人件費提供の一部を停止すると表明したそうですが・・・・
日米中というトライアングルのなかで、日本政府は米中両睨みにもかかわらず,わりと冷静に筋を通していると思う次第です。

尖閣諸島領有問題 ウィキペディアによれば・・・・
アメリカは、尖閣諸島に対する日本の「施政権」を認めているが「主権」を認めたわけではない、ただ、日本の施政下にある尖閣諸島が武力攻撃を受けた場合は(日米安保条約5条に基づき)共同防衛行動をとる、というものである。この見解は、クリントン政権時の1996年と、ブッシュ政権時の2004年に、米政府高官が示した見解と変わらないとされる。・・・・だそうです。

司馬さんが漢民族を指して、私利私欲を追求するのにほとんど無制限な情熱を持ってる人たちが潜在的にたくさんいる民族と言っていたが・・・・
この人たちを共産党政権がうまくコントロール?しているので世界は助かっていると、言えなくもないのが辛いところです。





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Last updated  2010.09.23 18:28:39
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Re:中国のレトリック(09/23)  
薔薇豪城  さん
 日本政府は冷静に、しかもきちんとした対応をしてほしいですね。昨日聞いたラジオで、毎日新聞の近藤かずしげさんは、中国が今回、領有権を主張するならば、アメリカが占領したとき、そしてアメリカが日本に返還した時に、抗議すべきだった、と言っていました。それをしないでいて、今になってどうしたの?と。
 でも、両国の「正義同士」がぶつかりあえば戦争になるということを、前の戦争で学んだのだから、それを回避するための高度な外交努力が求められる、そして、アメリカは普天間の問題と合わせて、介入してくるんだそうです。国民の間には「中国憎し」が広がっていますけど、ほんとに、政府の冷静な舵取りを期待したいですね。 (2010.09.23 10:59:05)

Re[1]:中国のレトリック(09/23)  
Mドングリ  さん
薔薇豪城さん
> 日本政府は冷静に、しかもきちんとした対応をしてほしいですね。昨日聞いたラジオで、毎日新聞の近藤かずしげさんは、中国が今回、領有権を主張するならば、アメリカが占領したとき、そしてアメリカが日本に返還した時に、抗議すべきだった、と言っていました。それをしないでいて、今になってどうしたの?と。

<確かにガスが沸いてから領有権を言い出すところが、いかにも漢民族だけど、領有権はお互い棚上げするのが賢い対処でしょうね。
> でも、両国の「正義同士」がぶつかりあえば戦争になるということを、前の戦争で学んだのだから、それを回避するための高度な外交努力が求められる、そして、アメリカは普天間の問題と合わせて、介入してくるんだそうです。国民の間には「中国憎し」が広がっていますけど、ほんとに、政府の冷静な舵取りを期待したいですね。
-----
<「売り言葉に買い言葉」で、ついヒートアップしてしまいますが、中国の報道官は日本と自国民の双方に向かって話していることを、冷静に理解すべきでしょうね (2010.09.23 16:52:55)

Re:中国のレトリック(09/23)  
alex99  さん
国際的にも認められた日本の領土なのに、領有権を棚上げする?
そんなことをしていたら、国家の構成要素である国土というものが無くなりますよ(笑)

(2010.09.24 13:12:35)

Re[1]:中国のレトリック(09/23)  
Mドングリ  さん
alex99さん
>国際的にも認められた日本の領土なのに、領有権を棚上げする?
>そんなことをしていたら、国家の構成要素である国土というものが無くなりますよ(笑)
-----
<今回の結果は日中間に領土問題は存在する、中国は国際ルールを無視するほど高圧的、日本は圧力に弱いというメッセージを与えたと思うけど、両者の得失はどうなんでしょうね?
トウ小平さんがかって「10年棚上げしてもいい。次世代の知恵にゆだねる」と言ったそうが、知恵は回らず体制の危機は深まったのかも。
(2010.09.25 06:35:45)

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