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2011.04.21
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「遺伝子組み換え食品最前線」という本を図書館で借りたのです。

13年ほど前に発行された本なので、厚生省となっていたり、知見の一部が古いけど、強欲多国籍企業の実態、企業寄りの厚生労働省の体質についてはさほど変わりないので、遺伝子組み換え食品の本質は充分伝わってきます。

また、昨今原子力村の唱えた安全性評価指針などと比べると、よく似たメカニズムが見えるが・・・この点が、まさにこの本の今日的意義なんでしょう。


「遺伝子組み換え食品最前線」渡辺雄二著、家の光協会、1998年刊

<実質的同等性の不合理>p106~107
 そもそも細菌というまったく種の違う遺伝子を組み込まれた植物は、細菌と植物の性質を合わせ持つ改造植物である。これは自然交配では誕生しえないもの、すなわち自然界には存在しえないものである。それが、自然界に存在する植物と「同等」であるはずがない。ところが、「違う」と認めると、食品としての安全性の確認がきわめて困難になる。組み換え作物自体を動物に投与して、急性毒性、慢性毒性、発がん性、催奇形性、アレルギー誘発性などを調べなくてはならない。さらに人間でも同様に調べる必要性も出てくる。これを行うには、膨大な労力と資金、時間が必要である。これでは、開発企業はいつになったら組み替え作物を市場に出せるかわからない。そこで、「実質的同等」という概念を無理やり捻り出したのである。

<モンサント社の虚偽報告>p107~112
 遺伝子組み換え作物の場合、実質的同等性そのものが、成り立たないケースがある。それが明らかになったのは、モンサント社の害虫抵抗性トウモロコシのアミノ酸組成をめぐる問題からだ。
 遺伝子組み換え作物の安全性評価は、開発企業が組み替え作物に関するデータを厚生省に提出し、それを食品衛生調査会が、安全性評価指針に基づいて行っている。つまり、すべて企業側が提出したデータで判断されるのだ。
 これがそもそもの大きな問題である。企業側が自分たちにとって都合の悪いデータ、すなわち安全性の確認の障害となるようなデータをわざわざ出すとは考えられない。これでは、客観的なデータに基づいた正しい評価を行うことができない。
 さらに、企業側が意図的に虚偽のデータを提出することもある。これが実際に起こったのである。
(中略) 
 実質的に同等かどうかの判断は組み替えを行ったトウモロコシと、行う前のトウモロコシを比較して行うのが当たり前である。ところが、モンサント社では、わざわざそれとは別のトウモロコシと比較している。ここにある意図が働いているのは明らかである。このことからも、企業が提出したデータは信用できないことがわかる。
(中略)
 前のデータを冷静に客観的に判断すれば、原文データから、アミノ酸組成が組み替え前と組み替え後のトウモロコシでは差があり、実質的に同等とはいえないことは明らかだ。モンサント社が行った分析データは、別のトウモロコシを使ったものであり、信憑性に欠ける。当然こうした解釈になるはずである。
 ところが、寺尾部会長は、こうしたデータをねじ曲げ、モンサント社に都合のいいような判断を示している。科学者としてまことに情けないと思う。厚生省も、寺尾部会長と同様な判断である。
 結局、日本の行政は、アメリカに逆らえないということなのだろう。もし、組み換えトウモロコシを安全と判断しなければ、アメリカ政府が圧力をかけてくることは目に見えている。それを恐れているのだろう。

<生態系破壊のメカニズム>p138~142
 アメリカの「」のジェーン・リスラーとマーカレット・メロンは、遺伝子組み換え作物は、生態系に対して次のような深刻な影響を与えると警告している。
1、遺伝子組み換え作物が雑草化する。
2、作物に導入された遺伝子が、雑草や作物に移行し、自然界に存在しない新たな植物を作り出す。
3、ウィルスの遺伝子を組み込まれた作物が、自然界に存在しない新しいウィルスを誕生させる。
4、遺伝子組み換え作物中にできる物質が、標的以外の生物に危険をもたらす。

 1は、当然起こりうる。なぜなら、遺伝子組み換え作物には種子ができるからである。その種子が周辺に飛び散って、子孫を作れば、雑草化ということが起こる。その雑草は、細菌の遺伝子を持つ自然界には存在しない植物ということになる。
 2は、デンマークの国立リソ研究所の実験ですでに確認されている。3もアメリカのミシガン大学で確認されており、この現象はウィルスだけでなく、細菌でも起こりうると考えるべきだろう。
 また、4も容易に起こりうる。害虫抵抗性のトウモロコシは、ガやチョウの類いの幼虫をすべて殺す作用を持っている。したがって、花粉を運ぶチョウなどが減ってしまうことになる。害虫抵抗性のジャガイモは、コガネムシ、テントウムシ、ホタルの類いに作用する。したがって、アブラムシを食べてくれるナナホシテントウなどが減ってしまう。

 ここで、国立リソ研究所の実験を詳しくみることにしよう。同研究所のトーマス・R・ミッケルセンらは、除草剤耐性の遺伝子組み換えナタネが、近縁の雑草と交配し、その雑草が除草剤耐性を獲得することを確認した。
(中略)
 ミッケルセンらは、「受粉能力を持つトランスジェニック(遺伝子組み換えの)雑草様植物が、ハイブリッド化、および戻し交配というわずか二世代後に誕生したことは、ナタネからその近縁種の雑草ブラシカ・キャンペストリスへの遺伝子拡散が急激に起こる可能性を示唆している」と、結論づけている。


TPPに反発する攘夷派の大使としては、組み換え作物はすなわち「黒舟」であり、国防のためにも食料自給率を上げる必要性を強く主張したいのである。


<組み換え作物という「黒舟」>p161~166 
 遺伝子組み換え作物は、現代の「黒舟」といっていいだろう。アメリカ側は日本に「開港」を迫り、その受け入れを認めさせた。そのため通常の作物に混じって遺伝子組み換え作物が輸入され、醤油や豆腐、納豆、サラダ油、コーン油、ビール、スナック菓子、マヨネーズなどさまざまな加工食品に姿を変え、私たちの口に入っている。消費者はそれを拒否したくても、表示がないため拒否できない。
 いずれ、組み換えの小麦や米もアメリカから入ってこることが予想され、日本の食卓が遺伝子組み換え食品で占領される日も遠くないという状況である。
 アメリカ政府は1991年、「国家バイオテクノロジー政策報告書」なるものを発表し、アメリカが国を挙げて遺伝子組み換え技術の開発を行い、その特許を知的財産として保護し、世界各国に広めていく方針を打ち出した。また93年のガット・ウルグァイラウンドでは、組み換え作物の特許を各国が認めるべきと主張し、受け入れられた。つまり、アメリカは政府と企業が一体となって、遺伝子組み換え作物というハイテク商品によって、世界経済の覇権を握ろうとしているのだ。
 アメリカのこの戦略に日本は完全に取り込まれている。それは、1996年9月に最初に安全性が確認された遺伝子組み換え作物7品目をめぐる経過をみれば明らかだ。
 多国籍化学企業のモンサント社が開発した除草剤耐性組み換えダイズの安全性が、アメリカで確認されたのは94年9月。96年春には全米のダイズ畑の約2%に作付けされた。農家は通常、乾燥に強い、病気に強いなど5~6品種のダイズを作付けするが、その一つが遺伝子組み換えダイズであった。
 それらは同じ時期に一緒に刈り取りされ、何ら区別されることなく、カントリエレベーターに貯蔵された。そしてなどでリバーエレベーターに運ばれ、さらにハシケで港湾の倉庫に運び込まれた。これらの過程で組み替えダイズと通常のダイズとは完全に混じってしまう。
 この流通システムはカーギル社などの穀物メジャーが長い間かけて作り上げてきたもので、急に変えることはできない。

 アメリカにとって日本は最大のお得意様で、輸出ダイズの18%(95年実績)は日本が買っている。ダイズを日本に輸出するためには、混じっている遺伝子組み換えダイズも輸出できる体制が必要だった。
 ところが、日本には95年まで遺伝子組み換え作物に関する安全評価指針がなかった。そこで、厚生省に指針の策定を急ぐように働きかけた。厚生省はそれを受けて研究班を作って急いで指針作りにとりかかり、95年10月に指針案をまとめ、わずか4ヶ月後の96年2月には指針を公表したのだ。
 モンサント社はすぐに組み替えダイズの申請を厚生省に行い、わずか半年後の96年9月には「安全」との判断が下された。アメリカ政府は、是が非でもダイズの輸出が始まる秋までに、日本に「安全」と認めさせる必要があった。もし組み替えダイズの安全性が確認されなかった場合、日本へのダイズの輸出が全面的にストップする恐れがあったからだ。(中略)
 もし、アメリカの意向に従わず、組み換えダイズを「危険」と判断すれば、組み換えダイズばかりか通常のダイズも日本に入ってこなくなる可能性があった。こうなったら、食品業界は大混乱に陥ってしまう。時間をかけてじっくり審議する余裕はなかったのだ。結局、組み換えダイズが安全であろうとなかろうと「安全」と判断せざるを得なかったのだ。
 ナタネや飼料・加工食品用のトウモロコシもほぼ100%輸入に頼っており、状況は同じである。つまり、日本の厚生行政はすでに主体的な判断ができないような状況になっているのだ。
(中略)
 ヨーロッパの国々では、消費者の組み換え作物に対する反発が強く、また生態系への影響などを考慮し、それを拒否する国々が少なくない。オーストリアとルクセンブルグでは、害虫抵抗性の組み換えナタネの栽培が、イタリアでは組み替えトウモロコシの栽培が禁止された。
 ヨーロッパの国々が、アメリカに対して強い姿勢に出られるのは、食料自給率が高いからである。1987年の時点ではあるあが、フランスは140%を超え、イギリスも70%を超えている。アメリカから食料が全面的に入ってこなくなっても、なんとかしのげる数字である。日本も食料自給率を少なくとも60~70%に引き上げるべきであろう。



遺伝子組み換えダイズ抜きの豆腐が食いたいと思うが、既に発売されていたようです。
太子食品工業さん・・・・あんたは偉い♪

遺伝子組み換え不使用宣言は、タイシが国内で最初
 今では当たり前になった「遺伝子組み換えでない」の表示。実は、食品衛生法で義務化される以前から太子食品工業が国内で最も早く取り組んだことなのです。
 平成9年1月、タイシは「遺伝子組み換え大豆不使用宣言」を新聞広告で発表。当時、大きな反響を呼び、タイシの情報公開への取り組みが多方面から絶大な支持を得ました。同年4月には日本で一番最初に商品パッケージに「遺伝子組み換え大豆は使用しておりません。」の表示もスタート。その企業姿勢は現在も少しも変わっておりません。栽培から流通まで厳重な管理を行うIPハンドリングシステムを徹底しており、安心安全が確認された大豆のみを原料としています。

 [H13.4.1]厚生労働省が遺伝子組み換え食品の表示義務化厚生労働省は「遺伝子組み換え」「遺伝子組み換え不分別」の表示を義務化。「遺伝子組み換えでない」を任意表示とする食品衛生法の一部改正を施行しました。すでに私たちタイシが行っていた取り組みが法によって義務化されたといえます。










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Last updated  2011.04.21 16:50:45
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