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2011.05.18
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カテゴリ: 経済
2010年9月、尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が起きた後に、中国からレアアースの輸出停止が表明されましたね。 
「中国は、いま」という本でレアアースの採鉱法を知ったのですがが、シェールガスのそれと似てなくもないのです。
レアアースとシェールガスの採鉱法が急に脚光を浴びたのは、環境破壊による低コストにG2が気づいた為である。(大使の場合G2を見る目は厳しいのである)

というわけで、以下の見方で掘り下げてみたいのです。
・レアアースの輸出停止は日中関係の転機と考えるべきなのか?
・資源採掘に走るG2では、住民の犠牲と引き換えになっているのでは?


「中国は、いま」国分良成編、岩波新書、2011年刊

<イオン吸着型鉱の開発>p181~182
中国は世界のレアアース埋蔵量の36%を占める最大の資源国であるが、生産量では実に97%(2009年)を占めている。
イオン吸着型鉱は1970年に江西省で世界で初めて発見された。このイオン吸着型鉱があるために中国は世界のレアアース生産をほぼ独占するほどになった。

1990年代前半に「現地浸鉱」という採鉱法が開発された。これは山の頂上に穴を開けて硫酸アンモニウムの溶液を流し込み、山中の風化した花崗岩に含まれるレアアースのイオンを浸出させ、山腹の穴やパイプによってレアアース溶液を回収する方法である。
 この「現地浸鉱」の方法を使えば、山肌の植生を破壊せずにレアアースを採掘できるはずであった。ところが、この採掘方法は100~200万元程度の小規模の投資でも始められるため、多数の民間企業家が江西省南部などでレアアースの採掘に従事しはじめた。これらの企業家たちは政府からのレアアース採掘許可は得ずに、資源のある村の幹部と話しをつけてわずかな地代を払って山を採掘してしまう。「現地浸鉱」は、注意深く行えば植生破壊や土壌流出は起きないはずだが、実際には土壌流出により農業に被害がもたらされる事態も起きている。また、レアアースの浸出・回収につかうアンモニアが田畑に流れ込むと肥料過多の状態になって農作物の葉ばかり伸びて実を結ばなくなってしまう。



<レアアース生産と輸出の規制強化>p182~183
 このまま安値でレアアースを輸出し続けるならば中国の貴重なレアアース資源は20年以内に枯渇し、その後は高値でアメリカなどから輸入しなければならなくなる、という警告が役人や学者から発せられている。そこで1998年以来、レアアースの輸出に対する数量制限が行われるようになった。特に最近は、2007年に6万トンだった輸出許可枠が10年は3万トンと大きく削減されてきている。
 中国では、レアアースが外国に安く買い叩かれるのは、レアアースの採掘と抽出に従事している企業が150社以上もあって過当競争に陥っているからだ、という意見が強い。輸出許可枠の配分においても、2008年には輸出を認める企業を23社に絞ることで業界の集約化を実現しようとしている。実際、包鋼希土など国有企業4社による寡占に向かう兆しもあるが、民間企業は輸出枠がなくても密輸出で販路を確保していると言われ、集約化は簡単ではない。
 2010年7月にはレアアース工業による汚染物質の排出に関する厳しい基準が設けられたが、この基準を厳密に適用すれば多くの小企業が淘汰されると見られている。



<日中のテクノ・ナショナリズムの衝突>p186~187
 中国がレアアアースの輸出を急激に絞った動機の一つとして、国内でレアアース応用技術を発展させたいという中国側のテクノ・ナショナリズムもあったとみられる。2010年8月に工業・情報化省が発表したきわめて野心的なエコカー発展戦略の案もそうした狙いの存在を裏付けている。その案によれば2011~2020年の10年間で電気自動車とプラグインハイブリッド車の累計販売台数500万台をめざし、乗用車の販売台数の半分以上はハイブリッド車にするという。この計画の特徴は、モーターや電池などエコカーに不可欠な重要部品を自主開発する方針を打ち出していることであり、その中には磁石や電池の合金材料などレアアースに関する部品も含まれている。そしてこれら重要部品を生産する外資系企業においては中国側の出費比率は51%以上でなければならない、とされている。
 この計画は2011年1月現在まだ正式には公布されていないが、もしこの草案の通りになれば、中国のエコカー市場へ参入しようと志す外国の自動車メーカーは、車だけでなく重要部品も現地生産し、かつその生産は中国側が過半数支配する合弁事業で行わなければならなくなる。市場が欲しければ技術を差し出せ、と言っているに等しいこの草案がそのまま実現するとは思えないが、レアアースの輸出削減の動きと照らし合わせると、中国政府にはレアアース応用技術の獲得という明確な戦略があるように思われる。


アメリカやカナダでは、雨後のタケノコのようにシェールガスの掘削井が出現しているそうです。

GASLANDの衝撃 より
NHKのBSで2夜連続でGASLANDというドキュメンタリー映画が放映されたが・・・・
アメリカでは、ある日、裏庭の隣に掘削井が出現して、蛇口から天然ガスが噴出したりしているようです。

この映画では、天然ガスの採掘方法で用いられる水圧破砕採掘法によって飲み水が汚染された人々をレポートしているが・・・・・
水圧破砕法によるシェールガスの採掘なんてものは環境破壊そのものであり、こんな工法は生物のいない地球外の惑星で許されるSFのような話であるが・・・・・
拝金のアメリカでは、住民の苦情などという柔なものは無かったことにされるのが怖いのです。
水圧破砕採掘法( Hydraulic Fracturing )とは
天然ガス採掘に用いられる水圧破砕法は水とともに有害な化学物質も注入する。その化学物質が地下水に流れ込み飲み水として利用されるというもの。


日本でも、かって足尾銅山とか四日市公害、豊島産廃とかの環境破壊があったが、田中正造や彼の地の住民などの頑張りでそれらに歯止めをかけてきた歴史がある。

なお、福島原発事故の煽りを受けて、短期的に天然ガス発電の比重が増すものと予想されるが・・・・シェールガスの輸入があるとすれば、その背景を知っておく必要があると思うのです。


豊島問題ホームページ より
「消費は美徳」という言葉が使われたのは、昭和30年代以降の高度成長時代のことです。私たち日本人は、戦後の経済発展の中で、いつの間にか、大量に消費して大量に捨てることが当たり前、豊かさの証拠でもあるかのように考え始めました。
 豊島問題は、そうした社会がもたらした戦後最大級の不法投棄事件と言われています。そして、この問題は、あまり重要視されてこなかった廃棄物の問題を、一気に我が国最優先の環境問題にクローズアップさせ、廃棄物政策の見直しを行う引き金となった問題でもあります。
 豊島に不法投棄された廃棄物の処理は、国の公害等調整委員会の調停に基づき、香川県が実施することになりましたが、この問題は、国家レベルの課題である「持続可能な社会の構築」、特に資源循環型社会形成に向けた取り組みとして、すべての人に、企業・消費者・行政関係者といったそれぞれの立場で考えていただきたいと思います。

中国で循環型社会意識が根付くのは、いつになるのでしょうね(日本も含めてですが)

**************************************************************************(5/20追記)
中国政府のレアアース統制が明らかになりました。やっぱりというか、したたかというか。はたまた傍若無人というか。

5/20 中国、レアアースの価格統制 禁輸解除後3倍近くに高騰 より
日本が得意とする自動車や家電製品に欠かせないレアアース(希土類)をめぐり、中国政府が一定の価格以下での輸出を認めない制限措置をとっていることが19日、わかった。輸出価格は日本への事実上の禁輸を解除した昨年12月以降、3倍近くに高騰している。

 複数の業界関係者が明らかにした。経済産業省もこうした状況を把握している。菅政権は、日中韓首脳会談のため21~22日に訪日する中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相との二国間会談で、問題提起する方向で検討に入った。

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件後の日中関係悪化をきっかけに、昨年9月、中国からのレアアース輸出が滞り始めた。同12月初めに輸出がほぼ正常化したが、関係者によると、直後から中国税関による輸出価格の制限措置が始まったという。

 具体的には、輸出業者がオンラインで税関に輸出申請する際、当局が設定した通関の最低価格を輸出価格が下回ると通関が許可されず、手続きが完了しない。最低価格は日々変わるが、上昇を続けている。






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Last updated  2011.05.20 10:27:22
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