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2011.06.14
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カテゴリ: 歴史
「歴史にみる日本と韓国・朝鮮」は千葉県日本韓国・朝鮮関係史研究会が編集した高校生向けの歴史教材であり、東アジアとくに日韓関係の歴史を述べているが・・・
読み進めると、味気ない教材かも?という予想は外れたのです。
日韓の友好関係を育てるために、執筆陣が歴史を調べあげ、この教材を著した、そのような意気が伝わってくるのです。

また、単に教材というだけでなく読み物としても興味深いので・・・・・
勝手ながら私が関心の有るヶ所を紹介します。

「歴史にみる日本と韓国・朝鮮」鈴木秀夫・吉井哲編著、明石書店、1999年刊

<東アジア世界の交易>p44
 日本史ということばで歴史をイメージしたとき、私たちは現在の日本という国家の範囲のなかでの歴史を思う。そして、日本列島を囲む海をその境として意識してしまうのである。その結果、日本と朝鮮の歴史を考えるときも、その二つの地域のあいだに現在の国境を意識することが多い。しかし、二つの地域のあいだある海は必ずしもそのおあいだを隔てるものではなく、互いを結びつけるものでもあった。そうしたなかに、対馬・済州島・琉球王朝やアイヌの人びとの存在もあった。

<東アジアの新秩序と海の道>p44
 倭寇の出現にみられるような混乱の時代であった東アジア地域の14~15世紀は、同時代に新しい国際関係形成の時期でもあった。1368年中国大陸では元にかわって明、1392年朝鮮半島で李成桂による朝鮮王朝、1429年尚巴志の琉球王朝統一、そして日本列島では足利義満が南北朝の合一を完成させるのである。そのなかで、明は伝統的な中国を中心とする国際関係の回復をめざし、頂点としての明の皇帝が朝鮮や日本などの周辺の王の立場を保障し、従属させるという体制(冊封体制)をつくりあげていく。当時足利義満も「日本国王臣源」として中国にその立場を認められたのである。これにより貿易も国王を通じたものに制限された(朝貢貿易)。とくに琉球はこのようなかたちの流通システムのなかに入ることによって、私貿易・海外渡航を禁止されていた中国商人にかわって積極的に貿易活動をはじめた。そして、東南アジア地域と日本・朝鮮をむすぶ中継貿易の基地として那覇港は発展した。そのことは、15世紀に琉球が明へ171回もの朝貢貿易をおこない、足利政権の19回(勘合貿易)・朝鮮の30回を圧倒的に上回ることによくあらわれている。
 中世社会においてこれらの地域のあいだにある海は決して閉ざされた世界ではなく、海上交通路が発達し、そのなかで琉球の那覇・九州の博多・朝鮮半島の三浦(富山浦・乃而浦・塩浦)などが国際的な貿易港・商業都市として成長したのである。これに対し、あくまで私貿易を強行していくのが倭寇であり、侵略的な海賊であると同時に貿易活動をおこなっていたのである。
 また、15世紀に朝鮮でつくられた地図には、日本列島の大きさに比べ非常に大きな琉球・対馬の存在や航路・距離の記入があり、当時いかにこの地域の行き来が盛んであったかを物語っている。

<日本海をめぐる地域>p45
 日本海では、北海道~十三湊~小浜という航路はとくに発達しており、若狭と陸奥の往来は活発であった。
 当時「夷地」とよばれた日本列島北部は、独立した地域でもあり、十三湊を根拠地とする安藤氏は若狭の寺を再建するさい、みずからを「奥州十三湊日之本将軍」と名乗っている。 
 そして、津軽地方から中国や朝鮮の陶磁器・中国銭が多数発見されていること、1482年に朝鮮の都に「夷千島王瑕叉」の使者が渡っていることから、海の道は日本列島をむすぶだけでなく、朝鮮半島など日本海沿岸地域をむすぶものであったといえるのである。 



<日本朱子学派と朝鮮>p54
 12世紀宋代の朱子によってはじめられた「朱子学」は、中国においては元・明・清にわたる600年間、国家の学問として中国の精神界に君臨したが、やがて朝鮮、日本、ベトナムといった漢字文化圏において、当時のもっともすすんだ思想として受容され、それぞれの国において独自の発展をとげていった。朝鮮においては、高麗時代末期(13世紀末~14世紀初)に入ってきた朱子学は、李朝時代に入ると仏教勢力を排除しつつ、みずから国教的地位を確立するようになり、すぐれた学者を次つぎと生みだした。
 それらの学者のなかで朝鮮第一の儒学者で、「朝鮮の朱子」「東方の小朱子」とよばれるのが李退渓(1501~1570年)である。そして、日本の江戸時代の儒学(朱子学)は藤原惺窩にはじまり、その弟子の林羅山によって定着するが、彼らにもっとも大きな影響を与えたのが李退渓であった。
 江戸時代の日本人の儒学者は、今日では想像もできないほで朝鮮とその文化に親近感を抱いていた。文化的には中国は親の国であり、朝鮮は兄の国であるとするのが当時の学者の通念であったといえる。 



<日本に「士」はいなかった?>p58
 1719年通信使として来日した申維ハンは、その日本紀行『海遊録』のなかで、日本の教育や風俗を、各藩には儒学の学校もなく孔子廟の釈テン(孔子を祭る儀式)もない、また君や親を儒教の礼儀で弔う葬礼もない、と批判している。さらに興味をひく点は、李朝朝鮮も日本の江戸時代も、身分構成は士・農・工・商となっているが、日本には「士」がないといっている点である。彼からすれば、日本でいう「士」は厳密な意味での「士」=読書人とはいえないのであり、日本の社会は武人の優位の社会であるとしている。科挙性がなかった日本では、儒者が士大夫として官職につくことはなく、儒者と政治との密着度は、朝鮮と比べると薄いものであった。これに対し李朝朝鮮では、科挙の試験を通じて、能力にしたがって政治に参与できる機会が、一般の士大夫=儒者にあたえられていた。しかし、官職の数には限度があり、やがて役人の椅子争いから、士大夫間に分裂抗争がおこることとなった。また、朝鮮の儒学者たちの関心は理気説に集中し、とくに人間の情念は理から発するのか気から発するのかという問題をめぐり、李朝500年にわたって延々と論争がつづいた。そして、この主理派と主気派の論争は、士大夫間の政治抗争とむすびつき、まさに血で血を洗う党争がくり返されていったのである。



<文禄・慶長の役はなぜおきたのか>p46
 1585年、豊臣秀吉は関白となった。その直後、彼は「唐国(明)までも」征服するつもりであると家臣につげ、翌年には宣教師を通じてポルトガル軍船を手に入れようとした。1587年の九州平定の前後から、秀吉は大陸征服の野心を機会あるごとに明らかにする一方で、軍事動員と出兵基地としての肥前名護屋城の築城をすすめていった。また、琉球・高山国(台湾)や、ルソンのスペイン提督、ゴアのポルトガル総督に対して入貢を要求する施設を派遣したのはよく知られている。
 1587年、ついに秀吉は「唐入り=明の征服計画」の一環として、朝鮮(李氏朝鮮)に対して日本軍の先導をつとめること、国王の上洛という無理難題を吹きかけた。朝鮮との仲立ちを命ぜられた対馬の大名宋氏や秀吉の家臣小西行長の判断で、秀吉の要求は「仮道入明」つまり、日本軍が朝鮮国内を通行することの許可要請にすりかえられた。しかし、これまでずっと明の臣下の立場に立っている朝鮮にとっては、承知できる要請ではない。朝鮮の拒否を理由に秀吉の侵略戦争が開始された。
 なぜ、秀吉はこのような侵略をおこなったのだろうか。日明貿易を再開したいという経済的要求や、秀吉個人の支配慾・功名慾など、さまざまな理由があげられるが、ふりかえってみれば、本能寺の変から朝鮮侵略まではわずか10年である。たええまない軍事動員をかけて大名を統制し、検地・兵農分離を強行して民衆を支配し、商業と貿易を管理した独裁者となった秀吉の支配体制は、無理を重ねて成立したものだ。あたえようにもすでに国内に領土はなく、さらに締めつけを強めるためには何らかの理由づけが必要である。東アジアに一大帝国を築くという構想は、そうしたところから生まれたものともいえる。ポルトガル・スペインが大帝国を築いているようすは、情報として秀吉に伝わっていた。また、しだいにその力を低下させつつある明にかわり、東アジアと海上貿易をみずからが支配したかったという説もある。いずれにせよ、その結果は、ばく大な犠牲だったのだ。

<侵略戦争はどのようにおこなわれたか>p47
 1592年、15万8000人の日本軍は朝鮮に攻め入った。文禄の役のはじまりである。日本軍の進撃の速さはすさまじく、4月13日に釜山城を落とし、5月2日には首都の漢城を占領、北上して6月には平城を占拠した。朝鮮国王宣祖は、鴨緑江まで落ちのびて、明に救援を求めた。当時、朝鮮国内では官僚たちの派閥争いがはげしく、この非常事態に有効な対応ができなかった。また文治国家で平和に慣れ、訓練された兵力も軍備もわずかだった。戦国の乱世で鍛えられ、鉄砲という強力な武器をもった日本軍に抵抗すべくもなかったのである。連戦連勝の知らせに気をよくした秀吉は、京都にいたおいの秀次あてに一通の手紙を送った。明後年には天皇を北京に移し、自分は寧波に居を定めて天竺(インド)までも征服するというその文面を見たイエズス会宣教師ルイス・フロイスは、「妄想と空中楼閣」と、秀吉の空想的大帝国建設計画を手きびしく批判した。
 朝鮮八道の占領後、日本軍は大名が各地域を分担して租税と兵糧のとりたてをおこなった。きびしいとりたてで民衆はさらに苦しんだ。また強制的に日本語を教え、日本の風俗への同化がくわだてられた地方もあった。


1日分の文字数リミットをオーバーするのでこれまでとします。
続きは左の 「歴史にみる日本と韓国・朝鮮」 に載せています。


文科省の検定済み歴史教科書だけでなく、この本なんかで歴史観を補完することも肝要でないかと思う次第です。


アマゾンのブックレビュー
おそらく、本書の記述を見ると「日本は韓国にいいことだってしたじゃないか
韓国が発展したのは日本のおかげだ、いいかげんにしろよ韓国」
と思っている人は頭から湯気が立つほど怒るかもしれません。

僕も「あやまれあやまれ」と言い続ける韓国や、いたずらに「反日教育」を
する韓国には、いい加減愛想が尽きかけたこともあります。

だから、この本を「怒らない」と決めて再読してみました。
日本では初代総理大臣として、お札の顔として尊敬されている
伊藤博文や、福沢諭吉がなぜ、韓国では蛇蝎のように嫌われるのか。

その理由は、明治という帝国主義の社会でそれなりの韓国蔑視の発言をし、
総督府の長として弾圧の先頭で指揮をしているからなのです。
これは、好き嫌いは別にして史料として事実です。

目次や内容の一部がアマゾンの「なか見!検索」で見られます。





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Last updated  2011.06.15 12:51:09
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