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2011.06.18
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カテゴリ: 経済
中国のレアアース輸出停止が、そろそろボデーブローのように利いてくる昨今ですね。

日本を狙い撃ちで、レアアース関連製品の内生化を狙うような中国に対して、経産省からレアアース高騰対策が出されています。
【経産省のレアアース高騰対策】
6/4 経産省、レアアース高騰で87億円補助 使用量低減など技術開発支援
6/3 「脱レアアース」で補助金68件 高騰対策、使用低減促す

1990年代初めにトウ小平は「中東に石油、中国には稀土がある」と述べていたそうだが・・・・
「恩を仇で返す」ような中国の貿易政策には、旧来の感覚では対応が遅れたのもしかたなかったのかも知れないようです。

6/13 中重希土類レアアース・クライシス(第3シーズン) より
レアメタルの一族であり、産業用とのレアアースには20余種類あるが、主に主要希土類以外のレアアースに現在、高騰が及んでいる。

貿易政策では、常にカウンタパート(輸入したい商品に対する反対給付、対価となる取引カード)が必要であり、近年大きく減じた外貨準備高による合衆国ドル支払いのみに依存することが次第に困難となるに連れて、対価となる商品、技術、流通経路、他が重要となる。

日産自動車が深センでのBYDとのレアアース交渉でも、技術移転を条件に、レアアースを提供、中国国内で製品生産をおこない、レアアースの原料としての輸出は、中国政府は認めなかった。

だがドイツ系企業へは、レアアースの原料提供が実施されており、特に日本企業へ圧力が強いと言われる。



6/15 世界のレアアース鉱山開発状況と2011年問題 より
圧倒的な中国寡占状態のレアアース市場は2012年以降にはその供給構図に大きな変化きたしそうである。
 レアアース埋蔵量、開発コスト、サステナブルな供給という観点からすると総合力で堅いのは米Morycorp(マウンテンパス)、豪Lynas(マウントウェルド)の2社。
他にもArafura社のNolans Project、カナダThor lake(トアレイク)、豪州のDubbo、南アフリカ、インドのインディアンレアアース、インドのORISSA州でのプロジェクト、グリンランド、アラスカなどでも開発は検討され、さらには副産物としてレアアースを回収するパターンで、カザフスタンのウラン残渣からのDy回収(住友商事)、ブラジルのジルコニウム鉱床からの中重希土類回収、ロシアのニオブ鉱床からのレアアース回収と世界各地で次々にプロジェクトが花開いており先々のレアアース供給にはなんの心配もいらないかに、REEの相場が高く、一般的な関心も高い今はそのように感じられる。しかし問題がないわけではない。

2011年だけに限っていうと、厳しい。中国の2011年のEL(輸出許可)枠が予想通りの3万トンとなれば世界で1万8500トン、日本では9000トンの供給不足に陥る。
従って、日本国内で現在行っている省Dy磁石の開発、代替、リサイクルの開発はきわめて重要。国内でレアアースを還元していく方向を探る必要はある。そして備蓄の強化。


かっての近江商人の「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)という商法は、最近の新自由主義経済では、影が薄いが・・・・中華の民には理解不能の商法なんでしょうね。

チャイナリスクと嘆いている場合ではない!ということで「日本の論点2011」からレアアース関連を調べてみました。   *********************************************************************


<レアアースの輸出削減は数ヶ月前からの方針>朱建栄p150~151
 尖閣沖衝突事件の際、レアアースの禁輸を報復措置として使ったと報じられたが、実際はその数ヶ月前から中国政府は輸出に対するチェック・管理体制を大幅に強化していた。日本への密輸が輸出量全体の四割を占めると発表され、税関ではレアアースの種類別申告が日米欧に対して義務付けられた。2010年7月に米議会が発表した資料によると、中国のレアアースの埋蔵量は全世界の36%しかないが、全世界の輸出量の97%を占めている。複数の欧米新聞は「日本は輸入するレアアースのうち、三分の二を戦略的備蓄に回している」と報じている。一方、中国の学者は「このまま乱採掘が続くと、中国は10年後、レアアースのない国になる」と警告を発した。こういう背景から見て、日本が中国のレアアース資源に頼らず、供給の多極化に動き出したことはいいことだ。


【論点-55】

<レアアース生産が中国に偏重している理由>西山孝p459~151
 レアアースの世界生産量は酸化レアアース重量として09年では12万トンで、その97%までが中国で生産されていて、著しく偏重している。この偏ったシェアを背景に、中国は輸出枠の四割削減を打ち出し、国内のレアアース鉱山の環境を整備し、資源の保護を図るという。しかし真意は価格高騰による膨大な利益の確保とレアアース産業の育成ではないかと見られている。
 ところが、この中国への大きな偏重は最近の現象である。20年前の生産量をみると、5.5万トンの世界生産量に対し、アメリカがうち41%、中国が30%、オーストラリアが15%などとなっていて、中国偏在にはなっていない。耐用年数は715年で十分な量がある。
 それでは、なぜ今日のように生産が中国に偏るようになったかというと、そこには中国のしたたかな資源政策が潜んでいる。1990年代後半、中国は多量の安いレアアースを意図的に世界市場に放出することによってアメリカの生産量を大きく後退に導き、次第にシェアを拡大し独占状態を確立した。中国政府がつぎつぎに輸出規制を打ち出し、市場操作を行うようになったのはその後のことである。
 このように人為的に作りだされるレアアースの供給障害を軽減あるいは解消するには、供給先の多角化、脱レアアース、リサイクルが考えられている。

<データファイル-55>
●中国が安価な労働力と環境保全を無視した生産方式によって価格を下げ、ほかの産出国は価格競争に敗れて閉山を余儀なくされたのである。
 中国の資源政策の方向転換は、すでに06年の経済政策中期5ヵ年計画に「レアメタルの対外貿易を抑制する」と明記されていた。特にレアアース政策は、中国の資源ナショナリズムを象徴する。1990年代初め、当時の最高指導者・トウ小平は「中東に石油、中国には稀土がある」と述べたという。資源を売って食料を輸入する飢餓対策の貿易から、戦略物資を使った貿易への転換だ。

「日本の論点2011」文芸春秋編、文芸春秋、2011年刊










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Last updated  2011.06.18 16:29:55
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