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2011.07.01
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カテゴリ: 経済
いささか旧聞になるが、1年前に金型最大手のオギハラの館林工場が中国BYDに買収されています。オギハラが2年前にタイの自動車部品大手、タイサミットの傘下に入ったときも衝撃的であったが・・・思いおこせば、政府も自動車大手もオギハラに冷淡でしたね。

中華の方針が「やらずぶったくり」であれば、中国企業の資金力で日本の技術を買いあさるのは当たり前であり、それを防げないのは、日本の規制が甘い(アホ)と言われているにも等しいわけだが・・・・
このところ中華の「やらずぶったくり」とか、テクノ・ナショナリズムについて怒り心頭の大使でおます。(いろいろ思い悩むのは、リタイアして暇になったせいかも)

2010年4/6 流出する金型技術と国内産業の未来 より
金型最大手のオギハラ(群馬県太田市)の国内5工場の1つが4月1日付で中国の電池・自動車大手比亜迪(BYD)に買収された。

金型は日本の製造業の競争力の源泉ともされるが、国内需要の低迷と自動車・電機メーカーによる安価な中国・韓国製金型の採用で苦境に直面。海外から格好の買収対象となっている。

オギハラは自動車のボディーやボンネットなど車体を構成する鋼板の加工に使われる大型の金型メーカー。零細企業が多い金型業界で、オギハラは従業員が約800人と異例の“大規模”で、一時は世界最大手の金型専業メーカーでもあった。国内需要の低迷で2009年にタイの自動車部品大手、タイサミットの傘下に入っていた。

今回買収されたのは館林工場(群馬県館林市)で、同工場の従業員80人などは当面雇用が維持される見通し。館林工場は一部従業員が昨秋から近隣の富士重工業の工場に出向するなど、需要低迷による余剰人員の処遇が課題となっており「低価格で売却された可能性がある」(業界関係者)との声も出ている。

国内の金型業界は縮小の一途をたどっている。日本金型工業会(東京都文京区)によると「1990年には全国1万3000カ所あった事業所が2007年には1万カ所に減少。生産高もピークの2兆円から1兆7000億円まで落ちている」(中里栄・常務理事)。

原因は電機・自動車メーカーの海外シフトだ。特に電機大手は、国内のメーカーの金型図面を中国メーカーに渡して安価に作らせるなどの「意図せざる情報流出」を促進させたともされ、経済産業省が金型メーカーに注意を喚起した経緯もある。

自動車メーカーは「人間の命がかかわる製品なので、品質へのこだわりから安価な海外製金型の採用に慎重だったが、10年ぐらい前から、自動車メーカー内で技術者より購買担当者の権限が強くなり、1円でも安い金型を使うため海外製を使う傾向が出てきた」(中里理事)という。

経産省によると、日本の金型は精度が高いため、金型と寸分たがわないプレス加工が容易という。金型製造に使われる工作機械は中国の方が最新設備を投入しているが、機械加工の後に数百時間も手で削る工程が必要で、そこで差が生ずるという。「100分の1ミクロンなど精度の高い部分と、ゆるい基準の加工でよい部分の峻別などのノウハウが必要なためだ」と経産省・製造産業局素形材産業室の金子敬一・課長補佐は述べている。

しかし、現状では日本からの金型技術流出は静かにかつ確実に進行中だ。電機メーカーなどは「中国の生産拠点で金型の保守に必要だとして図面の提供を求めることが多い。金型メーカーは立場が弱いので、文句言うと仕事を切られてしまう」(金型工業会・中里理事)という。

国内需要が低迷する中で「定年後に年金支給までの60歳から65歳までの間、アルバイトのため海外で技術指導するOBが多い」(経産省・金子補佐)。経産省は、雇用者側に従業員の退社時に秘密保持誓約書を書かせるよう啓もう活動を行っているが、金型メーカーも退職者の懐事情を理解しているため、アルバイトをとがめることも少ないという。

体力の弱っている日本の金型メーカーを買収するため「韓国では専用ファンドも設立されている」(経産省・金子補佐)という。国内製造業の基盤がじわりと浸食されてゆく可能性が懸念される。


2008年の報道です。

2008年 中国BYDが日本金型工場買収へ 大手のオギハラ より
中国の自動車メーカー、比亜迪汽車(BYDオート)が、金型大手オギハラ(群馬県太田市)の工場を買収することが27日、明らかになった。車体成型に関するオギハラの高い技術力を取り込み中国での生産に生かす。

 買収するのは館林工場(群馬県館林市)。すでに契約を締結しており、4月1日付で土地と建物、設備や従業員約80人を引き継ぐ。買収金額は明らかにしていない。

 中国メーカーは、高い技術力やブランドを持つ日本などの先進国企業の買収を活発化させており、今後もこうした動きが強まりそうだ。

 BYDとオギハラは以前から取引があり、技術力向上を目指すBYDと、過剰な生産能力を縮小して収益力改善を目指すオギハラの利害が一致した。

 BYDは館林工場で生産するドアやフェンダーなどの金型を中国に持ち込み、生産ラインで活用する。中国人社員への技術継承も図り、国際的な競争力を高める。

 オギハラは1951年創業で、群馬県内に館林工場を含め5工場を持つ。米国や英国、タイ、中国にも工場があり、海外の自動車メーカーとの取引が多い。連結従業員は約1700人(2008年3月)。(共同通信)

2008年にオギハラの買収話が出たときから、経済安全保障は機能してきたか?そのあたりを調べてみたいと思うのだ!

ということで、2007年時点の住友銀行の分析から経済産業省の打ち手を見てみたが・・・・
「やらずぶったくり」に対する当時の経済産業省の動きももうひとつだったようです。
(気迫で負けているようですね、買収禁止という強行手段を取らんかい!)

グローバルな競争環境に直面するわが国金型産業 より
<政府の動き>
経済産業省主導による素形材産業ビジョン策定委員会は、金型・鍛造など素形材産業の高収益化を目指し、2006年5月に「素形材産業ビジョン」(「金型のジャパンブランド構築」を含む)を策定した。
同ビジョンでは、機械化不可能な熟練技術を「ブランド」化、高付加価値製品生産のため合理的な価格設定のためのガイドライン策定、海外展開を支援、同業/異業間での連携、長期的人材育成を目標に大学学科設置、などの具体的な施策が示されている。2006年11月に経済産業省が取引慣行ガイドラインを策定、芝浦工業大学に金型科が設置予定であるなど、すでに一部は実行に移されている(表2)。

<今後の展望>
しかし、前述の通り、高精度・短納期という日本の強みは、直近においても高く評価され、一旦は韓国・中国メーカーに流れた顧客を引き戻しつつあると言われている。金額ベースでの世界シェアも3割を超えるとされ、圧倒的首位の地位を維持している。
経済産業省や業界団体との協力の中で、業界全体として海外需要に対する弱みや不合理な価格設定といった課題を克服することが不可欠であるものの、工作機械やNCシステム等のような技術改良や情報化では置き換えられない要素としての熟練技術が今後も残っていくとするならば、日本の金型メーカーがその強みを生かして国際競争力を維持し、発展を続けていくことは十分可能であると考えられる。

経済産業省は (財)素形材センター

自動車メーカー内で技術者より購買担当者の権限が強くなり、1円でも安い金型を使うというような、大手メーカの冷淡というか短絡した姿勢が、オギハラの背中を押したものと思われるのだが・・・・やる気の薄い経済産業省では、救済できなかったようです。
住友銀行が示す展望では希望的観測もみられるが、失ったものは大きかったようです。

【日中のテクノ・ナショナリズム】

「中国は、いま」国分良成編、岩波新書、2011年刊
<日中のテクノ・ナショナリズムの衝突>p186~187
 中国がレアアアースの輸出を急激に絞った動機の一つとして、国内でレアアース応用技術を発展させたいという中国側のテクノ・ナショナリズムもあったとみられる。2010年8月に工業・情報化省が発表したきわめて野心的なエコカー発展戦略の案もそうした狙いの存在を裏付けている。その案によれば2011~2020年の10年間で電気自動車とプラグインハイブリッド車の累計販売台数500万台をめざし、乗用車の販売台数の半分以上はハイブリッド車にするという。この計画の特徴は、モーターや電池などエコカーに不可欠な重要部品を自主開発する方針を打ち出していることであり、その中には磁石や電池の合金材料などレアアースに関する部品も含まれている。そしてこれら重要部品を生産する外資系企業においては中国側の出費比率は51%以上でなければならない、とされている。
 この計画は2011年1月現在まだ正式には公布されていないが、もしこの草案の通りになれば、中国のエコカー市場へ参入しようと志す外国の自動車メーカーは、車だけでなく重要部品も現地生産し、かつその生産は中国側が過半数支配する合弁事業で行わなければならなくなる。市場が欲しければ技術を差し出せ、と言っているに等しいこの草案がそのまま実現するとは思えないが、レアアースの輸出削減の動きと照らし合わせると、中国政府にはレアアース応用技術の獲得という明確な戦略があるように思われる。


レアメタルを国家備蓄する戦略性があるのに、技術というような知財を守るセンスが無いのが、だいたい・・・アホやで!

レアメタルの国家備蓄 より
 アメリカ合衆国やスイスでは、第二次世界大戦直前より国家の非常事態に備えてレアメタルの国家備蓄を行ってきた。戦後になると、アフリカのレアメタル産出国の政情安定に対応するため、経済安全保障の立場から備蓄を進める国が増えた。

日本では、1983年改正の「金属鉱業事業団法」によって経済安全保障の理由から供給停止などの障害に備えて、平常時の消費量を基準にして国家備蓄の42日分と民間備蓄の18日分、合計60日分の国内備蓄が石油天然ガス・金属鉱物資源機構によって行われている。品目対象はニッケル、クロム、タングステン、モリブデン、コバルト、マンガン、バナジウムの7元素。供給の障害が生じた場合は緊急放出を行い、市場価格が高騰した場合も国家備蓄分を売却することで価格の安定化を図るとしている。バナジウムについては実際に、1998年の市場価格高騰時に国内市場への放出が行われた。現在の7種に加えて、インジウム、リチウム、多種のレア・アースを新たに追加するか検討されている







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Last updated  2011.07.01 14:34:59
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